【FPコラム】「住宅」「教育」「老後」今すぐ資金準備を始めるべきなのは?

こんにちは。
東京都内でワンルームマンション投資をしている、個人投資家兼ファイナンシャルプランナーの川井えりかです。
FP業務をしていて驚くことは、多くの方が何かしらの目的を持って既に貯蓄や投資を始めていることです。
・マイホーム購入のため
・マイカー購入のため
・結婚資金のため
など、目的は様々ですが、ご自分で計画を立ててスタートしていることが本当に素晴らしいです。
そして思うことが、多くの方がお金を貯める優先順位を誤ってつけているということです。これは非常にもったいないです。
今回は、将来後悔しない、お金を貯める優先順位の考え方についてお伝えしたいと思います。
「特に目的もなく、新入社員の時から財形貯金をしている」
という方は、目的をつくる絶好のチャンスです。
目次
- 1 やってしまいがちな優先順位のつけ方①期限の近いものから
- 2 やってしまいがちな優先順位のつけ方②高額なものから
- 3 優先順位第1位の資金は全員同じ
- 4 老後資金の準備方法①何歳までにいくら貯めるか
- 5 老後資金の準備方法②何歳からいくらもらえるか
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やってしまいがちな優先順位のつけ方①期限の近いものから
一番多い優先順位のつけ方で、おそらく無意識のうちに決定している人が多いと思います。
・1年後に海外旅行に行きたい(予算30万円)
・3年後にマイカーを購入したい(予算300万円)
欲しいものが2つあるときに、
ひとまず1年後の30万円を貯める為に、
30万円÷12ヵ月=2.5万円
「今月から25,000円ずつ貯金をしよう!
余裕がある月は、マイカーのための貯金もしよう!」
という、期限の近いものから優先して貯蓄の計画を立てることです。
【25,000円ずつ貯金】というような、毎月定額の積立は、長く続ければ続ける程資産が増えるとても重要なものです。
1年続ければ30万円で終わりですが、30年続ければ900万円貯まります。
そして、貯金ではなく投資をする場合、定額積立は非常にリスクが下がる投資法になります。1年という短い期間の目的のために定額の積立を使うのはもったいないです。
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やってしまいがちな優先順位のつけ方②高額なものから
しっかり考えて計画を立てている人ほど、
「たくさんお金が必要になるものは少しでも早いうちから」
と考えて貯蓄や投資をしていることが多いです。
代表的なのが【住宅資金】です。
理想のマイホームが購入できるように、または、少しでもローンの借入額を抑えられるようにと考え、
「毎月夫婦で10万円貯金しているうちの8万円はマイホームのため」
というような方はたくさんいらっしゃいます。
同じように、毎月の積立の殆どを【教育資金】を目的にしているご家庭も多いです。将来子供がどんな進路を望んでも叶えてあげたい、子供に借金(奨学金)をさせたくない、など、親御さんであればお子さんの優先順位が一番になるのは当然のことです。
ちなみに人生の三大資金は、高額なものから、
「老後資金」
「住宅資金」
「(子供の)教育資金」
の順番です。
一番お金がかかるのが「老後資金」なので、「老後資金の準備を一番に始めましょう」と、よく言われるのですが、数十年も先の資金を優先順位第1位にするのは、20代、30代の方からするとピンと来ないと思います。
本当に、「高額なものから」という順番でお金を貯めるのがよいのでしょうか?
優先順位第1位の資金は全員同じ
では、どのようにお金を貯める優先順位をつけたらよいのでしょうか?
先に答えをお伝えすると、「誰でも、優先順位第1位は【老後資金】です」
やっぱり、もっとも高額な資金から準備すべきなのか。と思ってしまいますが、理由は「高額だから」ではありません。
老後資金は、これまで出てきた他の資金にはない特徴があります。
それは、【ローンを組めない】ということです。
・旅行資金
・マイカー購入資金
・住宅資金
・教育資金
これらは、万一自己資金で準備できなかった場合、ローンを組んだり、クレジットカード等の後払い機能や分割機能を使うことができます。
誰でも無制限にローンを組めるわけではありませんし、事前にしっかり返済計画を立てた上で借りる必要がありますが、どうしても自己資金が足りない場合の最終手段として、「借りる」という選択肢があります。
銀行のローン商品を見ると、住宅ローンや不動産投資用ローンのほかに、マイカーローン、教育ローンなど目的に合わせて様々なラインナップがあります。
ですが、「老後ローン」という商品は見当たりません。老後資金は銀行から借りることができないのです。
理由は明確です。
老後は給与収入がないから信用力が落ちるためです。
ローンに限らず、お勤めしているときは気にもしなかったことで不利になることがあります。
・クレジットカードがつくりにくい
・賃貸物件の審査がとおりにくい
などが代表的な例です。
「お金が足りないときはローンを組めばよい」とお伝えしたいのではなく、最終手段としてローンを組むという選択肢のあるものと、ないものが存在することを理解して、【ローンに頼ることのできない資金から準備する】と考えて貯蓄や投資の目的を決めていただきたいと思います。
ご参考までに、ローンに頼ることのできない老後資金の準備の仕方を2つご紹介します。
老後資金の準備方法①何歳までにいくら貯めるか
定番の老後資金準備方法です。
何歳までにいくら貯めるかの目標を立て、そこから逆算して毎月の積立額を設定する方法です。
現在、65歳の女性の平均余命は約24年です。
老後を65歳からと仮定すると、少なくとも平均の24年分の生活資金を準備しておきたいものです。
仮に、「年金収入以外に月20万円くらいのお金が必要」と考えた場合、20万円×12ヵ月×24年=5,760万円
65歳時点で5,760万円の金融資産を準備することを目標にします。
現在の年齢が30歳であれば、
現在の年齢が40歳であれば、
老後資金が準備できる計算です。
普通預金で老後資金を準備しようと思うと、金利が低いため利回りがほぼ0%です。
そのため、上記の計算の通り給与からたくさんのお金を積立に回すことになります。
もっと少ない積立額で老後資金を準備したい方は、
毎月の積立に貯金ではなく【投資】を是非取り入れてみてください。
利回り3%で運用できれば、
現在30歳の方は毎月77,400円(普通預金で貯める場合の56%の積立額)
現在40歳の方は毎月128,700円(普通預金で貯める場合の67%の積立額)
利回り5%で運用できれば、
現在30歳の方は毎月50,300円(普通預金で貯める場合の37%の積立額)
現在40歳の方は毎月96,100円(普通預金で貯める場合の50%の積立額)
利回りが高いほど毎月の積立額は減少、
つまり、給与の中で自由につかえるお金が増えます。
個人的には、投資や資産運用は、お金儲けのためにやってほしいのではなく、
このように、【積立のコストを下げて、現在の生活を楽しみながら資金準備ができる】という考えで取り組むと長く継続できると思います。
利回りが高いほどリスクも高くなるので、自分が許容できる範囲のリスクで安全に始めたいですね。
ところで、この【何歳までにいくら貯める】という資金準備の方法には大きな注意点が2つあります。
一つは、【将来、お金を取り崩し続ける】ということです。
おそらく65歳からは、貯めたお金を使う生活になります。
金融資産5,760万円からスタートしたセカンドライフは、時間が経つと残高が減っていき、想定した月20万円を使い続けると平均余命の24年後、89歳時点で金融資産がゼロになります。
働きざかりの頃は、一時的に金融資産が減っても毎月の収入があるのでまたお金を貯めることができます。ですが、老後にお金を貯めることは簡単ではありません。
取り崩す生活は、【長生きすることがリスク】になってしまうのです。
もう一つの注意点は、【インフレ】です。
老後は月20万円使うと想定して65歳までに5,760万円準備したものの、物価が上がり月25万円ないと生活できない。という状況です。
この場合、平均余命と同じ24年分準備していた金融資産5,760万円は、19年でゼロになってしまいます。
長生きリスクに加え、インフレも大きなリスクです。
では、この二つのリスクを解消できる資金準備の方法を最後にご紹介します。
老後資金の準備方法②何歳からいくらもらえるか
先ほどと同じ例を使います。
「年金収入以外に月20万円くらいのお金が必要」と考えた場合、
20万円×12ヵ月×24年=5,760万円
65歳時点で5,760万円の金融資産を準備するのが、【何歳までにいくら貯めるか】の資金準備の方法です。
これからお伝えするのは、5,760万円をためる方法ではありません。
【65歳から毎月20万円もらえる】資金準備の方法です。
お金を貯めるのではなく、リタイアする前に給料の代わりとなる収入を作っておくということです。
代表的なのは、不動産投資をする人が得られる【賃料収入】です。
その他にも、株式を長期で保有する人は【配当金】という収入が見込めます。
また、最近多いのは、アフィリエイトで【広告収入】を稼ぐ人です。
65歳までは給料という収入をもらって生活し、65歳からは別の名前の収入をもらって生活するというのは、生活スタイルが崩れないため家計の管理がしやすいです。
特に不動産投資は長期で安定して得られる収入源で、【何歳からいくらもらえるか】の老後資金準備には最適です。
不動産投資で老後資金を準備する最大のメリットは、【65歳までに5,760万円】貯めた人のリスクをカバーできることです。
一つ目のリスク、【長生きリスク】は、入居者がいる限り一生涯家賃収入が入ってくるので、長生きして資金がゼロになることがありません。正しくは、一生涯ではなく、その人が亡くなった後も不動産はなくなりませんので、相続した配偶者や子供に家賃収入が入り続けます。
二つ目のリスク、【インフレリスク】は、物価の上昇により不動産価格は上昇するため、不動産を売却することでその時の物価にあった価値の現金に変えることができます。
個人的には、時代や流行に全く左右されないのが、不動産投資のメリットだと思います。
「物件を借りるためには家賃を払う」
というのは、今も昔も変わらない当たり前のルールです。
賃貸物件をタダで借りられる世の中にならない限り、永続的に収益が見込めるのが不動産投資です。
【何歳までにいくら貯めるか】
【何歳からいくらもらうか】
さっそく、両方を使った資金準備の計画を立ててみましょう。

記事筆者
川井 えりか Erika kawai
ファイナンシャルプランナー、マネーセミナー講師。
「10年後にお金を2倍にするマネープランニング」「給料+10万円の副収入を作る」をコンセプトに、働く女性の資産運用、
家計管理のご相談を受ける。首都圏と札幌を中心に活動。
我慢を伴う「節約」は苦手。「お得にお金を使う」ことでお金の管理を楽しく簡単にします。

記事筆者
川井 えりか Erika kawai
ファイナンシャルプランナー、マネーセミナー講師。
「10年後にお金を2倍にするマネープランニング」「給料+10万円の副収入を作る」をコンセプトに、働く女性の資産運用、
家計管理のご相談を受ける。首都圏と札幌を中心に活動。
我慢を伴う「節約」は苦手。「お得にお金を使う」ことでお金の管理を楽しく簡単にします。