【FP監修】貯蓄の意味とは?貯金や預金との違いについて解説!

老後のため、住宅購入や教育費のため、趣味のため…目的は人によって様々ですが、ライフイベントに備えてお金を貯めようとお考えになったことはありますよね?
そんなときよく聞くのが、貯蓄・貯金・預金といった言葉です。この言葉の違いについて、なんとなくはわかるけどはっきりとは説明できない方も多いのではないでしょうか。今回は、お金を貯めようと思ったときに出会う、「貯蓄」や「貯金」の違いと「貯蓄」にどういう方法があるのかをまとめてご紹介します。
目次
貯蓄とは?その意味を解説!
まずは「貯蓄」についてです。貯蓄とは、貯めることができる金融資産となるもの全てを含みます。例えば、金融機関に預けている預金や貯金というお金の他、将来お金が戻ってくる可能性がある貯蓄性のある生命保険や株式・債券・投資信託といった金融商品、会社内でできる預金制度の財形貯蓄など、預貯金を含めて貯めている金融資産全てを指す言葉です。
「貯蓄」「貯金」「預金」の違いについて
貯蓄は全ての金融資産を指しますので「貯金」と「預金」はこの貯蓄の中に含まれるものになります。
貯金とは
貯金とは字のごとくお金を貯めることですが、主にゆうちょ銀行、農業協同組合のJAバンク、漁業共同組合のJFマリンバンクにお金を預けることを指します。その他にもお金を貯めること自体を指す言葉でもあるので、家でちょっと貯めている貯金箱やタンス預金しているお金を貯金と呼ぶこともあります。
預金とは
預金とはお金を預けることですが、主に都市銀行や地方銀行にお金を預けることを指します。都市銀行・地方銀行以外にもネット銀行、信用金庫や信用組合、労働金庫に預けたお金も預金と呼ばれます。預金にはいつでも引き出すことのできる普通預金や一定の期間を決めて預ける定期預金などがあります。
貯蓄と貯金・預金の違い
貯蓄としてみなさんが行っているのは、ゆうちょ銀行や都市銀行・地方銀行などにお金を貯める貯金や預金なのではないでしょうか。確かにお金を貯めておく貯金や預金も大切なことの1つですが、お金を増やすことを目的としている場合、銀行等の預金・貯金金利をみるととなかなか増やすことが難しいのが現状です。
そこでオススメするのは、ただ貯めるだけでなく株式や債券、投資信託といった金融商品での運用も視野にいれた「貯蓄」です。収益を重視した金融商品への投資については他のコラムを参考にしてみてくださいね。
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貯蓄と貯金、どっちをするべき?
では、貯蓄と貯金、どっちが重要になってくるのでしょうか。
正解は、「貯蓄」となります。
なぜ貯蓄をするべきなのか
預貯金は確かに大切ですし、株式や投資信託などと比べるとリスクも少ないです。しかし、将来、お金の価値が下がり、今まで買えていた物の金額が上がる「インフレ」が起き、預貯金の価値が下がることや偶発的な出来事(事故や病気)によって手持ちの預貯金では賄えない出費が増えることもありえます。
こうした不測の事態に備え、ただ蓄えるだけでなく、少しお金に運動してもらい、体力を付けておくことが大切になってきます。
ただし、すべてを株式や投資信託、保険商品にしてしまうのは危険です。やはり運用にはリスクがつきもので、100%安全という保証はありません。そこで、今までやっていた貯金や預金を続けながら、一定の割合を他の金融商品に分散させる方法を行いましょう。
どのくらいの割合で他の金融商品にするのかは、収入、年齢、家族構成などによって変わります。
例えば、仕事があって収入が安定している若い時期では、半分半分。退職し収入が減る老後を考える時期であれば、預貯金を多めにする。他にも、家のローンや子供の教育費などで出費がかさむ時期は、リスクを抑え預貯金を多めに。などなど、自分に合った方法をしっかり押さえて置くことが大切です。
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各年代の平均貯蓄額を調査!
それでは貯蓄と貯金、貯蓄と預金の違いが分かったところで、実際に各年代どのくらいの貯蓄をしているのでしょうか?年代別の平均貯蓄額を確認しておきましょう。
20代の平均貯蓄額
20代の平均貯蓄額:363万円
そのうち、預貯金額は、259万円
30代の平均貯蓄額
30代の平均貯蓄額:1,002万円
そのうち、預貯金額は、566万円
40代の平均貯蓄額
40代の平均貯蓄額:1,747万円
そのうち、預貯金額は、863万円
50代の平均貯蓄額
50代の平均貯蓄額:2,375万円
そのうち、預貯金額は、1,183万円
60代の平均貯蓄額
60代の平均貯蓄額:2,944万円
そのうち、預貯金額は、1,209万円
年代が上がるにつれて所得金額が増えるので、預貯金以外の金融商品に投資する金額や生命保険や年金保険で積立てられていく金額が増えて、預貯金以外が占める割合は高くなっていきます。しかし、ほとんどの年代でも、貯蓄の約半分は預貯金に回しているのが実態であると言えます。
出典:家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 平成29年調査結果|知るぽると
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貯蓄を増やす方法とは?
貯蓄を増やす方法としては、預貯金以外に株式投資などの収益を重視した金融商品への投資が考えられるとお話しました。確かに投資は収益を見込めるのですが、それと同時に損してしまうリスクもあることが知られています。
今回は運用性のリスクが少ない堅実な方法に注目して、銀行での貯蓄、保険での貯蓄、先取り貯蓄の3つをご紹介します。
銀行で貯蓄預金を増やす方法
銀行で貯蓄を増やすのなら、貯蓄預金という方法があります。
貯蓄預金とは
貯蓄を目的にした預金商品で、普通預金と比較して金利が高く設定されています。普通預金よりも金利が高く貯蓄に使う預金と聞くと「定期預金」を思い浮かべる方が多いと思いますが、定期預金には一度預金してしまうと一定期間引き出すことができないというデメリットがあります。
貯蓄預金はこの定期預金のデメリットがなく、お金の出し入れが自由になっていますが、その代わりに銀行の決めた基準額以上の預金残高がなければ高い金利の恩恵を受けられないといった特徴もあります。
貯蓄預金の金利
貯蓄預金には2つの金利タイプがあります。
1つは「金額階層別金利型」、もう1つは「金額別金利型」です。
金額階層別金利型は、預金の預入残高によって金利が変わる仕組みになっており、銀行が定めた預金残高を超えることで金利が段階的に上昇していきます。
金額別金利型は、「10万円型」や「30万円型」といった預金残高が銀行の定めた設定金額以上あることにより普通預金よりも高い金利がつく商品で、適用される金利が一定になる仕組みになっています。
出典:貯蓄預金|全国銀行協会
https://www.zenginkyo.or.jp/article/keywords/5161/
ネット銀行で貯蓄をした場合の金利
貯蓄預金という仕組みを使わなくても、ネット銀行の普通預金で貯蓄預金の金利よりも高い金利を設定している場合がありますので、例えば普段の生活費や給料の振込などとは別に、貯蓄用の口座をネット銀行で開設するのも1つの有効な貯蓄方法です。ネット銀行ごとで金利が違いますので一度興味があるネット銀行を調べてみてはいかがでしょうか。
・ネット銀行比較|節約生活
https://savinglife.jp/rank/netbank.html
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貯蓄型保険のメリット・デメリット
銀行の預金以外にも、貯蓄型の保険を使う方法もあります。
貯蓄型保険とは
貯蓄型保険とは、保険料を支払うことで、日々の保障確保と満期時や解約時に返戻金を受け取ることのできる保険のことで、終身保険や年金保険、養老保険などがあげられます。
貯蓄型保険のメリット
貯蓄型保険のメリットとして2つあげておきます。
①貯蓄だけでなく、保障もついてくる
満期時や解約時に返戻金を受け取ることができる貯蓄性に加え、ケガや病気、死亡した際に保険金を受け取ることができます。
②解約返戻金が支払ったお金より増えることがある
保険商品の中には満期時以降の返戻率が100%を超える保険商品があります。この商品を選択しておくと、満期時以降に解約することで支払った保険料よりも、多くのお金を受けとることができます。
貯蓄型保険のデメリット
メリットがある一方でやはりデメリットもあります。貯蓄型保険のデメリットも2つあげておきます。
①保険料が高い
貯蓄型の保険は、一般的な掛け捨てタイプの保険と比べて、保険料が高くなったり、支払う期間が長いことがあげられます。そのため、家計が厳しい状況の際に貯蓄型の保険に加入すると、その後の保険料の支払いが困難になったり、家計を圧迫してしまう場合もあります。
②解約返戻金が支払ったお金を下回ることがある
保険会社はみなさんから受け取った保険料をもとに資産の運用を行っています。そのため、終身保険や養老保険などは運用中である保険料の払い込み期間中に解約してしまうと、支払われる解約返戻金の額がそれまで支払った保険料よりも下回ってしまうことになります。
保険商品を使って貯蓄する場合には、支払期間や解約時、満期時の返戻金の扱いについてもチェックが必要です。
「貯蓄型保険」に関してもっと詳しく知りたい方はこちらからどうぞ♪
⇒【FP監修】貯蓄型保険の種類と選び方。メリット・デメリットを知って賢く選ぶ
貯蓄を確実に増やすなら先取り貯蓄を検討しよう
最後に確実に貯蓄を増やす方法として、先取り貯蓄をご紹介します。
先取り貯蓄とは
先取り貯蓄とは、ついつい貯蓄するためのお金を使ってしまう方にオススメな方法です。貯蓄のスタートでもあるお金を貯めることに焦点を当てており、普段の給料などを生活費の口座から先に別口座に振替することで、自動的に貯蓄を行います。生活費の口座には差し引かれた金額が残りますので、貯蓄分を使い込んでしまうこともありません。
財形貯蓄について
先取り貯蓄をする方法の1つが財形貯蓄です。財形貯蓄とは、会社に協力してもらって給与から一定金額を天引きし、積み立てしてもらう制度です。目的に合わせて、自由な使い方ができる「一般財形貯蓄」、マイホームなどの資金に使える「財形住宅貯蓄」、老後の資金作りを目的にした「財形年金貯蓄」があります。「財形住宅貯蓄」と「財形年金貯蓄」は合わせて貯蓄残高550万円まで利子などが非課税になります。
出典:税経貯蓄制度|財形
http://www.zaikei.taisyokukin.go.jp/service/save/index.php
自動積立定期預金について
もう一つの方法が各銀行が扱っている自動積立定期預金です。毎月指定した日に指定した金額を普通口座から定期預金口座に自動的に振替することができ、自分で別口座に貯蓄用の資金を移す必要がありませんので、移し忘れる心配もありません。
先取り貯蓄はまずは元手を準備したい方やこれから貯蓄をスタートさせたい方に向いている方法です。
貯蓄の管理はアプリを使うとより便利になる
貯蓄を行う際に、ご自身の貯蓄額がどれくらい変動しているかの確認が大切になります。貯蓄額を確認する際にとても便利なのが「資産管理アプリ」です。現在、資産管理アプリは世の中から注目されており、様々な種類があります。この機会にご自身に合ったアプリを見つけてみはいかがでしょうか。
M lifeでは資産管理のアプリについての記事も公開していますので、ぜひチェックしてみて下さいね。
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