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M life 記事

M life 2018.7.12

2018年末をもってNISAのロールオーバー上限額(120万円)が撤廃に!

 

少額からの投資を促すために設けられた制度である、少額投資非課税制度「NISA」。このNISAが、2018年末をもって一部のしくみが変更になることはご存知でしょうか。これにより、非課税の恩恵を更に享受することができるだけでなく、より長期的な資産形成をはかることができるようになります。制度改正の前に、その内容についてあらかじめ確認しておきましょう。

 

NISAのロールオーバーとは

 

NISAでは、最大5年間の非課税期間が設けられています。この期間内であれば、売却益や配当金等が非課税となります。そしてNISA口座で保有している金融商品が非課税期間の5年間を超えるとき、その時点での時価をもとに特定口座や一般口座などの課税口座に払い出すか、6年目である翌年の非課税投資枠へ商品を移し替えるかを選択することになります。このうち、後者にあたる手続きが「ロールオーバー」です。

 

2018年末をもってNISAのロールオーバーの上限が撤廃

 

これまでロールオーバーを行う際は、非課税期間終了時の時価により移管する取り決めであったため、年間の非課税投資枠である120万円がロールオーバーの上限額となっていました。

 

つまり、5年間保有するうち、保有商品の時価が120万円を超えていた場合、超えた分の商品は課税口座に移すか、売却するしか選択肢がなかったのです。長期的な資産形成を支援するうえの制度であるはずが、これでは非課税の恩恵を最大限に発揮させることは難しいしくみと言わざるを得ない状況でした。

 

時価が120万円以上でも全額ロールオーバーが可能に!

ところが、2018年末をもってそのロールオーバーの上限が撤廃されることになりました。保有商品の時価が120万円を超えていたとしても、全額を翌年の非課税投資枠へロールオーバーすることが可能となるのです。

 

出典:平成29年度税制改正 金融庁
https://www.fsa.go.jp/news/28/sonota/20161222-1/01.pdf

 

なお、本制度改正の背景には、NISA・ジュニアNISAの非課税期間満了時の金融機関における事務負担軽減があるようです。ロールオーバーの上限がある場合、ロールオーバーする金融商品の銘柄や数を年間投資上限額の範囲内で事前に指定し、金融機関へ「非課税口座内上場株式等移管依頼書」を提出する必要があり、それを処理する側の金融機関の事務負担の増大が懸念されていたとのことでした。

 

ロールオーバーの上限が撤廃されれば、非課税の恩恵を得るためそのまま全額をロールオーバーする投資家が増えることは明確ですし、金融機関の事務負担も大幅に軽減されると予想できます。つまり双方にとって有利な制度改正といえますね。

 

ロールオーバーの上限が撤廃されたことによるメリット

今回、ロールオーバーの上限が撤廃されたことで、非課税期間は実質的に5年延長されることとなります。つまり、現行では非課税期間が最大で10年間になったということですね。これにより、更に長期的な運用を見据えた投資が可能となり、長期投資のメリットをより享受することが可能となります。

 

詳しく解説すると、非課税で運用できる元本が増えていく可能性があり、更なる福利効果が期待できることにあります。利益を非課税のまま、更に運用に回すことができるため、利益が更なる利益を生み出す「福利効果」により、大きな非課税の恩恵を得ることができます。

 

ロールオーバーの上限撤廃はジュニアNISAも対象

なお、19歳以下を対象としたジュニアNISAでも同様に、ロールオーバーの上限が撤廃されています。ジュニアNISAでは年間の非課税投資枠が80万円ですので、これまでは5年経過後に時価80万円を超えた部分はロールオーバーができないしくみでしたが、今後は全額をロールオーバーすることが可能となります。

 

2018年12月末で非課税期間満了となる金融商品の取扱いについて

 

2014年にNISA口座で買付した金融商品の非課税期間は、2018年12月末日をもって期間満了となります。その際、その金融商品の扱いをどうするかについて事前に検討しておかなくてはなりません。何も手続きをしないままでは、自分の望まないかたちで自動的に処理されてしまう可能性もあります。

 

非課税期間満了時にう手続きの選択肢は、下記のいずれかです。なお、いずれの方法によっても売却益・みなし売却益・含み益は非課税となり、売却損・みなし売却損・含み損はなかったものとみなされます。それは金融商品の取得価額が、移管時の時価となるためです。詳しく見ていきましょう。

 

売却で現金化する

非課税期間が満了するタイミングで、保有する金融商品を売却し、現金化する方法です。この場合、利益が出ていれば、その利益分は非課税となります。

 

しかしながら、損失が発生した場合はデメリットです。NISA口座では、譲渡損失の繰り越し控除が適用されないため、メリットは何も残りません。非課税期間満了時に損失が出ている場合は、以下の方法を検討することを勧めます。

 

翌年のNISA非課税投資枠にロールオーバーする

金融機関にて所定の手続きをすることで、翌年の非課税投資枠を使用して非課税期間の延長(ロールオーバー)をすることができます。これにより、2019年分の非課税投資枠を消費して、2023年まで非課税期間が延長されます。

 

注意点としては、2019年に非課税投資枠を使用した新規買付がその分減額されることが挙げられます。時価120万円を超えた金融商品をロールオーバーした場合は、2019年には新規買付が一切できなくなることは、勘違いしやすいので気をつけましょう。あくまで新規の非課税投資枠120万円に充当している、というのがポイントです。

 

課税口座(特定口座・一般口座)へ払い出す

特定口座もしくは一般口座の課税口座へ、金融商品を払い出す選択肢もあります。その場合、取得価額は非課税期間満了時の最終営業日時点での時価となります。特定口座もしくは一般口座の課税口座へ払い出しされた金融商品に関して、移管後の配当金や売却益は通常通り課税されることとなります。また、取引手数料も通常通り発生します。

 

もし非課税期間満了のタイミングで売却を検討している場合は、NISA口座で保有している段階で売却することで非課税の恩恵を得ることができるため、売却時期には注意しましょう。

 

NISAのロールオーバーの手続き方法で知っておきたいポイント

 

金融機関によっては、非課税期間満了にあたり何も通知のないケースも存在するようですので、あらかじめ保有している金融商品の非課税期間について、しっかりと把握しておく必要があります。また、手続きに期間を要する場合もありますので、非課税期間満了寸前に手続きをしても間に合わない可能性があります。

 

NISA口座を保有している金融機関のサイトなどで、事前に情報を確認しておくか、必要があれば問い合わせるなど、あらかじめ備えをしておくことが肝心です。

 

ロールオーバーするには翌年分のNISA口座の開設手続きが必要

翌年分の非課税投資枠を消費したロールオーバーを希望する場合、同金融機関で翌年分の一般NISA口座を開設することが条件です。現行でつみたてNISA口座を開設している場合は、一般NISA口座への勘定変更手続きを行う必要があります。

 

また、他社で一般NISA口座またはつみたてNISA口座を開設している場合は、他社からの金融機関変更手続きを要します。同金融機関の一般NISA口座の勘定を閉鎖している場合は、改めて一般NISA口座を再開設する必要があります。

 

NISAでロールオーバーするには手続きが必要

ロールオーバーするには、金融機関で所定の手続きを完了する必要があります。しかしながら、2018年6月現在ではほとんどの金融機関にて、ロールオーバーの手続き方法が定まっていない状況です。「詳細は後日のご案内」「確定次第ご連絡」「未定」と謳った金融機関が多数を占めていますので、ロールオーバーを希望する場合は、金融機関からの通知をこまめにチェックすることを習慣づけましょう。

 

NISAのロールオーバー手続きをしなかった場合

NISAのロールオーバーを希望しなかった場合、もしくはロールオーバーの手続きを行わなかった場合は、非課税期間終了後に特定口座もしくは一般口座の課税口座へ払い出しされます。ロールオーバーを検討していたにも関わらず手続きを行わなかった場合も、自動的に課税口座へ移管されてしまうため、注意が必要です。

 

なお、この点については金融機関によって説明が異なります。いずれにしても、非課税期間満了を迎える場合には金融機関のサイトなどで、詳細を確認することが肝要といえるでしょう。

 

NISA口座を変更する場合には取引の変更手続きが必要

ロールオーバーの際に、NISA口座を変更したい場合には事前に手続きが必要となります。金融機関変更の場合、変更を希望する前年10月1日から変更する年の9月30日までが受付期間と定められています。この期間内に、変更元・変更先それぞれの金融機関で手続きを完了させる必要があります。

 

変更元の金融機関へは「金融商品取引業者等変更届出書」を提出し、「非課税口座廃止通知書」を受領します。変更先の金融機関へ「非課税口座開設届出書」と「非課税口座廃止通知書」を提出する流れです。金融機関によって手続きに要する期間は異なるため、余裕をもって申請を行いましょう。

 

なお、現行でつみたてNISAを運用していて、ロールオーバーに際し一般NISAへ変更したいといったケースでは、一般NISAへの「勘定変更届出書」の提出で済みます。それに併せて金融機関変更も必要であれば、上記の手順も併せて踏みましょう。

 

なお、金融機関変更および勘定変更どちらについても、その年で既に非課税投資枠を使って新規買付を行っている場合は不可能となります。翌年分であれば可能です。

 

まとめ

 

 

2014年からスタートした少額投資非課税制度「NISA」ですが、年々制度改変されていき、ますます投資家にとって使いやすく、魅力のある制度にアップグレードされていっていますね。

 

今回の改正により、非課税期間満了後のロールオーバーの上限が撤廃され、含み益分も非課税で運用が可能となります。もし非課税投資枠上限の120万円で買付を行い、5年後に2倍の240万円になっていたとしたら、ロールオーバーすることで240万円分を元本として運用することができるのです。

 

しかし注意すべきは、NISA口座の利用期間が「2023年まで」と決まっている点。そのため、2018年までにNISAを利用して投資をおこなった分はロールオーバーが可能ですが、2019年以降の新規買付分にはロールオーバーはそもそも不可能となる点については、頭に入れておきましょう。

 

金融庁が掲げる「貯蓄から資産形成へ」というスローガンに伴い、ますます進化し続けるNISAを上手に活用しながら、着実に資産を増やしていきたいですね。

 

 

 

 

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