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M life 記事

M life 2018.8.27

転職するときに知っておきたいお金の話

 

前回は多様性の社会の中で、自分の人生に合わせてマネーデザインをしていくことの重要性についてお伝えしました(【前回記事】:ぜ今”マネーデザイン”が必要なのか?)。第二回目の今回は、具体的に、仕事が変わったときに考えるべきマネーデザイン、とりわけ、皆さんが転職を視野に入れたときに考えてほしいことについてお伝えできればと思っています。

 

20代の転職率は?!転職によるキャリアアップ

 

 

昔に比べて、転職も当たり前な時代になってきたとは思いませんか?実際に20代での転職率は34%。実に3人に1人が転職をする時代になってきたのです。転職を決意した一番の理由は、他にやりたいことがあるから。自分のやりたいことの実現のために、会社も選ぶ時代であるということです。

 

(参考:https://career-plus.jp/20s-career-relatively/

 

しかし、実際に転職をする、という時に急に気になってくるのが、お金の部分です。私も、20代の方にご相談を受けるタイミングで一番多いのが転職時です。最近は、将来のやりたいことができるように、一時期給与などの待遇が下がっても、スキルや経験を積める会社にご転職される方も多いです。

 

そうなったときに、今までの生活が続けられそうか、という不安をお持ちになられる方もいらっしゃいます。また、キャリアアップの場合にも、転職前の会社で確定拠出年金に加入していて、退職時に書類がたくさん届いて、どうしたら良いのかわからない、というご相談もあります。

 

一時的に給与が下がってしまう転職の場合

 

 

まずは月々の生活に、どの程度影響が出そうかを計算してみましょう。この時に忘れがちなのが、月々の給与だけではなく、賞与も下がる可能性があるということです。年間を通して、どの程度日々の生活に影響がありそうか、しっかりと見通しを立てておけば、転職した後も、お金のことで不安になるということは防げます。

 

もし見通しを立てた結果、やはり少し生活に支障がありそうな場合は、まずは節約を考えましょう。それまでの貯金額を減らす、というのも手っ取り早い方法です。しかし、そうすると後々困ることになる場合もあります。ですから、まずは支出を抑えるということが一番よい方法です。

 

また、一時的な収入のダウンが最大何年くらい続きそうか、も考えておくとよいでしょう。一年程度であれば、手持ちの預貯金で補填することも可能です。しかし、長期化する可能性がある場合は、対策を立てておく必要があります。例えば、固定費を減らす、などの対策です。

 

家賃の安いところに引越す、実家に戻る、などの選択肢も柔軟に検討しましょう。固定費はずっと続く費用ですから、ここを上手に削減できれば、かなり収支の改善が見込めます。また、節約だけではなく、収入を増やすことを考えてみることも良いかと思います。最近では副業可の職場も多くあります。

 

また、仕事を業務単位で切り分けて、個人と企業でマッチングできるサービスもたくさんあります。転職のタイミングで、このような副業にチャレンジしてみるというのも一つの方法でしょう。あらかじめある程度の見通しを立てることができれば、例え給与が下がるようなスキルアップの転職でも、不安になることなく一歩を歩めると思います。

 

給与がアップする場合の転職

 

 

逆に、給与がアップするキャリアアップの転職の場合は、上がった分だけ使い過ぎないようにすることも大事です。収入が上がると、どうしても生活水準も上がってしまいます。それに気づかず使い続けてしまうと、収入は上がっているはずなのに全然貯金が増えていない…!なんていうことになりかねません。

 

もちろんご自身で稼いだお金ですから自由に使う分を増やす、ということも働くモチベーションとしては大切な要素です。しかし、せっかく同じ出費をするなら、自分を磨くためのお金も増やしていくことをおすすめします。例えば何か習い事を始めてみたり、普段は行かないようなちょっと高級なレストランに自分でお金を払って食事をしたりすることもよいでしょう。

 

そうすると、ご褒美が自己投資にも繋がり、出費が浪費ではなく、それ自体が投資に変わります。ただ、優先順位としては、まずは貯金などのご自身の資産形成のために、手取り金額の1割程度を残すことができてからです。その上で、自己投資のお金の目安は、そこに上乗せして手取りの1割ぐらいが妥当です。そうすれば、将来の自分のためにお金とスキルと、両方の部分で備えておくことができると思います。

 

確定拠出年金制度の移行

 

退職時にもう一つ、手続きとして大事になってくるのが、企業型確定拠出年金制度の移行に関わる部分です。近年では、確定拠出年金制度を導入している企業も多く、私もよくこのご相談を受けます。 そもそも、企業型確定拠出年金とは、企業が掛金を毎月積み立て(拠出)し、従業員(加入者)が自ら年金資産の運用を行う制度です。

 

導入の背景として、公的年金制度を巡る環境の変化と、雇用の流動化や多様化により、企業が国の年金制度やそれまでの退職金制度に変わる手段として捉えていることが挙げられます。確定拠出年金のよいところは、従業員が掛金をもとに、金融商品の選択や資産配分の決定など、自分で運用方法を決めることができる部分です。

 

もちろん運用の結果、損失が出た場合も自己責任になりますが、運用によっては増やすことも可能です。さらに、企業型確定拠出年金の運用で得た利益は、全額非課税となります。一般的な金融商品では、運用益に対して約20%の税金がかかります。それが全額非課税となるわけですから、運用のメリットがあります。

 

また、積み立てた年金資産は60歳以降、一時金か年金の形式で受け取ることができます。どちらの形で受け取った場合でも、税制優遇が受けられます。一時金であれば「退職所得控除」、年金であれば「公的年金等控除」が受けられ、税を軽減することができます。税制の面でも優遇されているということです。

 

また、この企業型確定拠出年金は、ポータビリティーと言って、転職時にこの運用資産を持ち運び、運用を転職先でも続けることも可能です。ただし、このポータビリティーがあることを知らずに対応をしないと、デメリットを被ることもあるので注意が必要です。

 

転職先に確定拠出年金制度が「ある」場合

 

転職先に企業型確定拠出年金の制度がある場合は、転職先の企業型確定拠出年金に移管する手続きをします。ただし、同じ「企業型」から「企業型」に移す場合でも、転職先の会社が、それまでの会社と同じ確定拠出年金の商品を使っているとは限りません。

 

移管の手続き自体は、転職時に転職先の担当の方に移管依頼書をお渡しいただければ完了はします。ですが、違う商品であった場合は、今までの運用してきたものが、一時的に現金化されていたり、移管先の会社で自動的に商品が選定されてしまっている場合もあります。移管手続きの完了通知が届いたら、まずは改めて移管先での金融機関の商品ラインナップを確認し、運用商品を選び直しましょう。

 

転職先に確定拠出年金が「ない」場合

 

転職先に、確定拠出年金制度がない場合は方法は2つあります。1つは積立をやめて運用だけそのまま継続する方法、2つめは個人型確定拠出年金制度(iDeCo)に移行する方法です。ただし、どちらの方法をとった場合でも、 6カ月以内に手続きをする必要があります。というのも、企業型確定拠出年金の加入者資格は、退職日の翌日に失効してしまいます。

 

退職日の翌日(資格喪失日)の属する月の翌月から6ヶ月以内に、個人別管理資産の移換手続きをしなければなりません。仮にこのタイミングを逃してしまうと、6ヶ月目の月末を経過したあと、自動的に「国民年金基金連合会」へ移換されてしまいます。国民年金基金連合会に移換されてしまうと、資産は利息が付かない無利息の状態となります。

 

しかもその資産を預かってもらっている間は、手数料もかかり続けます。つまり、増えないどころか、手数料分だけ減り続けることになるのです。ですから、まずは移換措置を取ることが重要です。運用だけ続ける場合であれば、運営管理機関を通して運用指図者を選択することで、継続することも可能です。

 

出典(図):iDeCo公式サイトより抜粋 
https://www.ideco-koushiki.jp/retirement/ 

 

iDeCoへの移換

 

 

転職先に企業型確定拠出年金制度はないけれど、積立を続けたい、という場合にはiDeCoへ移換をする方法があります。iDeCoとは、個人型の確定拠出年金制度のことで、企業型が、企業側で掛金を拠出するのに対して、個人型は個人で掛金を負担します。

 

積立金額は全額所得控除の対象ですので、所得税・住民税が節税でき、運用益は企業型と同様に非課税になります。受け取るときも企業型と同様に「公的年金等控除」「退職所得控除」の対象ですので、税制メリットがあります。

 

掛金は5,000円からスタートすることができ、企業型確定拠出年金制度がない会社であれば、月額23,000円まで積立てることができます。もちろん商品も各金融機関の商品ラインアップの中から選び、自分で運用をすることができます。運用だけ継続する場合と同様に、運営管理機関を通して手続きをすればiDeCoへの移換が可能です。

 

退職所得控除について

 

ある程度勤続年数を重ねてからの転職をする際、会社によっては退職金を受け取れる場合もあるかと思います。そのときに気になるのが、退職金にかかる税金と、そのお金の運用方法ですよね。退職金は、通常の給与所得ではなく、税務上は退職所得として計算されます。

 

(収入金額(源泉徴収される前の金額) - 退職所得控除額) × 1 / 2 = 退職所得の金額

 

退職金は、 もともと長年その会社に貢献した結果として受け取るという制度ですので、退職所得控除という控除枠を設けることで、税金がそれほどかからない仕組みになっています。

 

 

出典:No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1420.htm

 

 

確定申告は原則不要

 

 

基本的には、退職時に「退職所得の受給に関する申告書」を会社へ提出しておけば確定申告の必要はありません。会社が所得税額の計算をし、正しい源泉所得税額を徴収してくれます。ただし、「退職所得の受給に関する申告書」の提出をしなかった場合は、一律20.42%が源泉徴収されてしまうため、退職者本人が確定申告をして、所得税額の精算をすることになります。

 

また、 会社を辞めて、その年の12月31日の時点で求職中の場合は、年末調整がないため確定申告を行います。この場合、税金が戻って来ることが多いです。退職している場合は、生命保険料控除の適用をご自身で確定申告しない限り、受けることができないので、確定申告をする際には、生命保険や医療保険などの控除対象がないか合わせて確認するとよいでしょう。

 

退職金は賢く運用

 

 

退職金を受け取ったけれど、特にすぐに使う予定もない…でも銀行に置いておくだけでは、増えないし、なんだかもったいない。どうしたらいいの?という方には、ぜひこの機会に、退職金を元手に資産運用を検討してもよいでしょう。

 

転職の場合、退職金はあくまで老後の定年時に貰えるはずのお金の一部を、前倒しして受け取っているようなものです。ですから、手元に入った退職金は、将来の老後の生活資金として、まずは少しでも効果的に運用することをおすすめします。

 

退職金を一度に預ける一括投資

 

 

今すぐには全く使う予定のない、まとまった退職金がある場合には、まず簡単な方法として、一括投資という方法があります。一度にドーンとお金を金融商品に預ける方法です。一括投資のよいところは、一回で購入してあとは置いておくだけ。と、とにかくシンプルなことです。

 

また、株価の上昇局面などでは利益が短期間で出る可能性もあります。ただし、投資が1回だけということは、投資タイミングでリスクを分散させる、ということはできません。そのため、いつ始めるか、が非常に重要になります。株価などの上昇局面では短期間で利益を出すことも可能ですが、そうではない場合には、元本が割れる可能性もあります。

 

ですから、始めるタイミングを見極める必要はあるでしょう。一括投資がちょっと不安だな、という場合には、商品によっては、一時払い保険のように、始めるタイミングによらず、一括で支払えばあとは予定利率のもとに運用される、というような比較的変動の少ない商品もあります。ご自身のリスク許容度と照らし合わせて、選ぶことをおすすめします。

 

積立投資の原資にする

 

 

退職金を一括で投資せず、少しずつ投資に回していく、という方法もあります。例えば500万あれば、月3~4万円の積立投資の原資が約10年分はあることになります。積立投資の場合は、一括投資と違って毎月投資していくことになるため、投資タイミングを気にする必要がありません。その分、短期的に利益を狙うというよりは最低でも10年、たいてい20年~30年程度運用を続けることでの運用メリット狙う場合がほとんどです。

 

ですから、例えば、退職金を老後の資金として、長期的に運用する場合には、積立投資も選択肢としてはよいと思います。最近ではつみたてNISAなど、積立系の商品も増えています。つみたてNISAや、一般的なNISAはどういう商品かというと、投資における税金が一定の範囲内で非課税になるという、非課税のメリットがある商品のことを言います。

 

日本では、投資から得られた利益に対して、通常20.315%の税金(所得税+住民税+復興特別所得税)がかかりますが、これがゼロになるのがNISAおよびつみたてNISAです。その中で、つみたてNISAは、積立専用のNISAで、購入の頻度は、「毎月」「2ヵ月に1回」「年2回のボーナス時」となります。

 

金融機関によって、積み立てる頻度の選択肢は異なるものの、基本的には継続して定期的な投資方法になっています。実際に、非課税で投資できる期間は、一般NISAが5年間に対し、つみたてNISAは20年間と長期です。また、一般NISAは、年間120万円までの投資額が非課税となるのに対して、つみたてNISAは年間40万円です。

 

まさに、月3万前後で非課税枠を使いきれます。ですから、つみたてNISAの方が、より手軽に、長期的に続けやすいわけです。また、つみたてNISAはそもそも商品の構成が、金融庁が「長期」「積立」「分散」投資に適していると判断した投資信託・ETFに限定されています。ですから、投資の初心者でも始めやすいという点で、退職金を運用する方法の一つとして検討してもよいでしょう。

 

 

いかかでしたか?転職に関するお金のことだけでも、これだけたくさんマネーデザインにつながる要素があります。転職のタイミングは慌ただしい時期でもありますが、時間を作ってぜひこのタイミングで一度ご自身の資産形成を見直してみることもよいと思います。

 

 

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