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M life 記事

M life 2018.10.5

【基本】所得税と住民税の計算方法と実例

 

所得税と住民税は所得によって納税額が変わるなどの似た性質を持っていますが、計算方法が異なります。会社員のであれば給与から天引きされますし会社が代わりに納付を行うため、仕組みをよく理解していないも多いのではないでしょうか?

 

今回はこの2つの税金について実例を踏まえながら解説します。

 

所得税の計算方法と所得控除について

 

それでは、始めに所得税の計算方法を詳しく見ていきましょう。

 

所得税の計算方法

所得税とは収入から必要経費や所得控除を差し引いた金額にかかる税金のことで、以下の計算式で算出されます。

 

所得税=(収入-必要経費-所得控除)×税率-税額控除額

 

計算式にある「必要経費」ですが、自営業であれば従業員に支払う給料、食材や必要機材の仕入れにかかる費用などが該当します。

 

一方、給与所得者は必要経費として計上できるものがほとんどないため「給与所得控除」が代わりに差し引かれます。控除額は収入金額によって変動します。

 

出典:国税庁(所得税のしくみ)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/01_1.htm

 

所得税控除とは?

所得控除とは国民の個人的な事情を加味し、税負担がなるべく公平になるように調整を行う制度です。年収が同じ人でも、配偶者・扶養家族の有無やその他個々の生活環境によって出費額に違いが生じます。

 

それぞれの生活事情を加味し全ての人がなるべく公平な税負担になるよう、一定の条件を満たすに対して税負担の軽減を行います。

 

所得税控除に該当するもの

所得控除に該当するものは先に紹介した「給与所得控除」の他に14種類あります。簡単に触れていきましょう。

 

1.基礎控除…納税者全ての方が対象で、一律38万円が控除。

2.配偶者控除…控除対象になる配偶者がいる場合、38万円が控除。

3.配偶者特別控除…配偶者控除に該当しない場合、配偶者の所得金額に応じて一定額が控除。

4.扶養控除…控除対象になる扶養親族がいる場合に控除。

5.社会保険料控除…あなた自身や配偶者、扶養親族が支払った社会保険料に応じて控除。

6.雑損控除…災害や盗難などによって所持している資産に損害が生じた場合に控除。

7.医療費控除…あなた自身や配偶者、扶養親族が支払った医療費が一定額を超えた場合に控除。

8.小規模企業共済等掛金控除…確定拠出年金や、共済などの加入者の掛金が控除。

9.生命保険料控除…生命保険や介護医療保険、個人年金保険加入者が掛金に応じて一定額が控除。

10.地震保険料控除…損害保険などで地震の損害部分に対して保険料や掛け金を支払った場合に控除。

11.寄付金控除…国や地方公共団体などに寄付金を支払った場合に控除。

12.障害者控除…あなた自身や配偶者、扶養親族の中に所得税法上の障害者に該当する方がいる場合に控除。

13.寡婦(夫)控除…配偶者と死別もしくは離婚した場合に控除。

14.勤労学生控除…納税者自身が勤労学生の場合に控除。

 

出典:国税庁(所得金額から差し引かれる金額)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/shoto320.htm

 

所得税が発生しない時の条件と対象者

所得税が発生するかしないかの境界線として、よく言われているのが103万円です。「所得税の壁」という言葉を耳にしたことがあるも多いのではないでしょうか?これは給与所得者が受けられる給与所得控除の最低額が65万円であり、全てのが受けられる基礎控除38万円と足した金額が103万円であることからそう呼ばれています。

 

また所得が公的年金のみである場合、65歳未満のは70万円以下、65歳以上のは120万円までであれば所得税は発生しません。

 

出典:国税庁(高齢者と税)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/03_1.htm

 

住民税の計算方法について

 

次に住民税の計算方法について説明します。なお、住民税には企業が支払う法人住民税と個人が支払う個人住民税がありますが、今回は個人住民税について触れていきます。

 

住民税の計算式

住民税は「市町村民税(東京都23区は特別区民税)」と「道府県民税(東京都は都民税)」を合わせたものから調整控除を引いて計算されます。さらに、この2つの税金はどちらも「所得割」と「均等割」で算出された金額の合計になります。

 

住民税=市町村民税(所得割+均等割)+道府県民税(所得割+均等割)-調整控除

 

出典:国立市役所(住民税計算方法)
http://www.city.kunitachi.tokyo.jp/kurashi/zeikin/siminzei/siminzei_keisannosikumi/1465447634549.html

 

住民税の計算に関係する「所得割」と「均等割」

所得割は前年の所得金額に対し課税され、均等割は所得金額に関係なく定額課税です。例えば東京都の場合、所得割額の税率と均等割額の金額は以下の通りです。

 

・所得割額…特別区民税6%、都民税4%

・均等割額…特別区民税3,500円、都民税1,500円

 

なお、税率や均等割額は各自治体で変更が可能のため、住民税を調べる際は自身がお住まいの自治体での税率がいくらなのか確認する必要があります。

 

出典:東京都主税局(個人住民税について)
http://www.tax.metro.tokyo.jp/kazei/kojin_ju.html

 

所得割額の計算法

所得割額の計算は以下の計算式で算出されます。

所得割額=(収入-必要経費-所得控除)×税率-税額控除額

 

出典:東京都主税局(個人住民税・所得割)
http://www.tax.metro.tokyo.jp/shitsumon/sonota/index_j.html#q02

 

この計算式どこかで見たことがあると感じませんか?所得割の計算式自体は所得税を求める時の計算式と全く同じです。

 

ただし気をつけていただきたいことは「住民税は前年の所得金額に対し課税される」という点です。所得税とは異なり、前年の所得金額をもとに計算されるため間違えないようにしましょう。また、所得控除額も所得税と比べ少ないです。

 

基礎控除…33万円

配偶者控除…33万円など

 

資産運用をしている人は要注意!

もし株式投資などの資産運用を行っている場合、上記で説明した所得割と均等割の他に3種類の住民税が追加されます。資産運用で得た利息や配当にかかる「利子割」「配当割」、株式を売買した時に得た利益にかかる「株式等譲渡所得割」があり、それぞれ住民税が5%課税されます。

 

出典:東京都主税局(都民税利子割)
http://www.tax.metro.tokyo.jp/kazei/risi.html

出典:東京都主税局(都民税配当割・株式等譲渡所得割)
http://www.tax.metro.tokyo.jp/kazei/hi-kab.html

 

資産運用を「特定口座」を利用して取引を行っている場合、利益が発生した際に自動的に課税額が引かれるため確定申告を行う必要はありませんが、別口座で取引している場合は確定申告をして得た利益分を納める必要があります。

 

もし申告しなかった場合、本来納めるべき税金以上の税額をペナルティとして支払わなければならないので忘れずに申告するようしてくださいね。

 

所得税と住民税の計算方法の事例【年収別】

 

それでは年収別に所得税・住民税がどのぐらいの金額になるか計算してみましょう。なお、住民税は自治体で異なるため、すべて東京都民とし、前年度の所得金額は今年度と同様として計算します。社会保険料は年収の15%として計算を行い、「基礎控除」「配偶者控除」「扶養控除」「社会保険料控除」以外の所得控除は考えないものとします。

 

所得税率・所得控除額は以下のようになります。

課税される所得金額税率控除額

税率

控除額

①195万円以下

5%

0円

②195万円を超え 330万円以下

10%

97,500円

③330万円を超え 695万円以下

20%

427,500円

④695万円を超え 900万円以下

23%

636,000円

⑤900万円を超え 1,800万円以下

33%

1,536,000円

⑥1,800万円を超え4,000万円以下

40%

2,796,000円

⑦4,000万円超

45%

4,796,000円

 

出典:国税庁(所得税の税率)
http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm

 

年収400万円、独身サラリーマンの実例

まずは年収から給与所得控除と社会保険料を計算します。年収400万円ですと給与控除額は「収入金額×20%+54万円」に該当し、社会保険料控除は60万円。独身サラリーマンなので控除されるものは基礎控除のみ。ここまでを計算すると、所得税が168万円、住民税が173万円です。ここまでは所得税・住民税は同じ計算式で算出されます。

 

出典:国税庁(給与所得控除)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1410.htm

 

所得税の税率は上記表「①」に該当しますので、所得税は以下の通りです。

所得税…168万円×5%=84,000円

次に住民税です。東京都民は特別区民税3,500円、都民税1,500円でした。実際に計算してみましょう。

特別区民税…173万円×6%+3,500円=107,300円

都民税…円×173万円×4%+1,500円=70,700円

住民税…107,300円+70,700円-2,500円=175,500円

 

年収800万円、扶養家族ありの実例

次に扶養家族がいる場合です。扶養家族は配偶者と20歳の子どもがいるとして同様に計算してみましょう。給与控除額は「収入金額×10%+120万円」、社会保険料控除は120万円、受けられる所得控除は基礎控除・配偶者控除・扶養控除の3種類です。所得税の税率は「③」に該当します。これを計算していくと、所得税は254,500円、住民税は371,500円です。

 

出典:国税庁(給与所得控除)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1410.htm

 

年収600万円、自営業の実例

最後は自営業の場合です。年収600万円を稼ぐために200万円必要経費として掛かったとして計算してみましょう。社会保険料は90万円、所得控除は基礎控除のみで計算します。所得税の税率は「②」に該当するため、計算すると所得税は174,500円、住民税は279,500円になります。

 

所得税と住民税、計算以外での違いは?

 

 

所得税と住民税は、計算方法の他にも納付先や納付期間が異なります。詳しく見ていきましょう。

 

「国税」と「地方税」の違い

所得税は「国税」と呼ばれ、国に納める税金です。一方、住民税は「地方税」と呼ばれ、地方自治体に納める税金です。そのため、所得税の管轄は税務署、住民税の管轄は各都道府県の地方自治体になり、納付先が異なります。

 

控除額が異なる

上記でも触れましたが、所得税と住民税で控除額が異なる項目があります。基礎控除、配偶者控除、扶養控除などは所得控除より安くなっています。所得税と住民税の控除の違いを理解して、上手く活用していきましょう。

 

納付期間の違い(自営業のみ)

会社員であれば年末調整を行うことで所得税や住民税が毎月給与天引きされますが、自営業の方は確定申告を行う必要があります。確定申告は1月1日~12月31日までの1年間が対象であり、翌年2月16日~3月15日までに税務署に申告を行わなければなりません。

 

出典:国税庁(所得税法第8章・申告、納付及び還付)
https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/kohon/syotoku/pdf/08.pdf#page=1

 

所得税の場合、確定申告で納税額が決まったら納期までに一括で納めますが、住民税は一括納付か年4回に分割して支払うことができます。

 

最後に

 

いかがでしょうか?所得税も住民税も所得によって税額が変わりますが、計算方法や納付先が異なることが分かったかと思います。

 

会社員のは自動的に給与天引きされるため、あまり気にしたことがないかもしれませんが、計算方法を知ることは節税を考えるうえで大いに役に立ちます。所得税と住民税の違いを押さえ、理解を深めてみてはいかがでしょうか?

 

 

 

 

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