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M life 記事

M life 2018.11.19

相続財産管理人はどんな時に必要?選任の仕方と役割について

 

財産を持った方が亡くなった時、遺産相続が起こります。通常、遺産相続は相続する権利を持つ遺族が話し合うなどして決定しますが、相続する人がいない場合もあります。その時重要な役割を果たすのが相続管理人です。

 

相続財産管理人が必要になるのは、どんな場合なのでしょうか?また、相続財産管理人はどのように選べばよいのでしょうか?相続財産管理人が必要になる場合や選定方法などについてご紹介していきます。

 

相続財産管理人とは? 必要になるのはなぜ?

 

 

そもそも相続財産管理人とはどんな役割がある方なのでしょうか?そして、どんな時に必要となるのでしょうか?

 

相続財産管理人は家庭裁判所で選任される

相続管理人とは、相続人がいないケースで適切に相続財産を管理するために選ばれる人のことです。

 

通常、人が亡くなると、相続をする権利を持った相続人が遺産を管理し、遺産分割協議を行って適切に遺産を分配します。相続されるものは、財産だけでなく借金も含まれます。もし、被相続人が借金をしていた場合、相続人が遺産から借金を支払います。もし遺産だけでは足りない場合は、相続人が支払わなくてはなりません。

 

天涯孤独で相続人がいない方や、相続人が全員相続を放棄してしまい、相続人がいなくなってしまった場合などは遺産がそのまま放置されてしまいます。所有者のいない財産は、最終的には国の物になると決められています。しかし、それもきちんと手続きを行ってからでないと国の物にはなりません。

 

借金も相続人がいない場合、そのまま放置されてしまいます。それでは貸した側が大変困ってしまうのです。

 

そんな時、相続財産を適切に管理し、必要な支払いを行ったり、最終的に残った財産を国のものにするための手続きを行うのが相続財産管理人なのです。

 

相続財産管理人の役割とは?

相続財産管理人はどのような役割を持つのでしょうか?具体的な役割について解説していきます。

 

相続財産の調査をしたり管理をする

相続財産管理人はまず、相続財産がどんな内容で、どれくらいあるのかを調査します。

 

債権者への支払いをする

相続の対象となるのは資産だけでなく、債権、つまり借金も含まれます。借金がある場合は、債権者に残された資産を使って支払いを行います。

 

しかし、すぐに債権者の存在がわからない場合もあります。そのため、相続財産管理人はまず、債権者に対して一定期間内に請求の申し出をするようにと公告を行います。資産よりも債務の方が多かった場合は、債権者に対して債権額に応じて平等になるように返済を行います。返済を行い、相続財産がなくなれば管理業務は終了です。

 

特別縁故者への財産分与の手続きをする

特別縁故者とは、法定相続人がいない場合に限り、特別に相続を受ける権利が発生した人のことです。特別縁故者が認められた場合、相続財産管理人は特別縁故者へ財産分与の手続きを行います。

 

相続財産管理人は債権を支払っても資産が残った場合、財産を受け取る権利を持つ相続人がいないか探します。官報公告を利用して、相続人であると申し出を促します。しかし、請求申し出の広告をしても届出が行われず、相続人も新たな債権者も現れない場合、特別縁故者により財産分与の申し立てができるようになります。

 

法定相続人とは、亡くなった方(被相続人)の配偶者、子ども、両親、兄弟姉妹といった家族です。被相続人に家族がいない場合、それ以外の人の中に相続を受ける権利が発生する方がいます。それが特別縁故者です。

 

特別縁故者となるのは、次の3つの条件のいずれかに当てはまる方です。

 

1.被相続人と生計を同じくしていた者

2.被相続人の療養看護に努めた者

3.1または2に準じて「特別の縁故があった」人

 

1に当てはまるのは内縁の夫や妻、養子、養親などです。2は、被相続人の介護を手厚く行った方が当てはまります。2の事例では、職場の元同僚や民生委員などまったく血のつながりがない方が認められたものもあります。

 

特別縁故者と認められるには、相続財産分与の申し立てを行い、家庭裁判所に認めてもらう必要があります。家庭裁判所が特別縁故者であると認めた場合、相続財産管理人が遺産分与を行うのです。

 

残りの財産を国庫へ帰属させる手続きをする

特別縁故者への財産分与など、ここまでに挙げた仕事がすべて終了すると、相続財産管理人の仕事はひと段落します。相続財産管理人の業務が終了したら、相続財産管理人自身が家庭裁判所に対して報酬を申し立てます。行った仕事内容の難しさや、どれくらいの仕事を行ったかによって報酬額が決定され、資産から相続財産管理人に対する報酬が支払われます。

 

相続財産管理人が報酬を受け取ってもさらに資産が残っている場合は、残った資産は国のものとなります。そこで相続財産管理人が残りの財産を国庫に帰属させるための手続きを行います。ここまで行った時点で、相続財産管理人の仕事はすべて完了となります。

 

相続財産管理人が必要な理由とは?

相続財産管理人が必要なのはなぜでしょうか?相続財産管理人が必要な理由について解説していきます。

 

「相続人がいない」というのはどのような場合か

そもそも相続人がいないというのはどのような場合に起こるのでしょうか?

 

法定相続人がいない場合

被相続人に家族がいない、いわゆる天涯孤独の方の場合は、法定相続人が存在しません。法定相続人とは、配偶者、子ども、親、兄弟などの家族です。家族がすでに死別している方などは、法定相続人がいない状態となります。

 

法定相続人の全員が相続放棄した場合

相続の対象となるのは、資産だけでなく借金などの債権も含まれます。そのため、資産より債権の額が上回ると、法定相続人が全員相続放棄を行うことがあります。法定相続人が全員相続放棄してしまえば、相続人がいない状態となります。

 

遺言書がある場合はどうなる?

法定相続人がいない人が遺言書を残していた場合、遺言書の種類によって相続財産管理人が必要となる場合と、必要でない場合に分かれます。

 

遺言書を残して遺産を送ることを遺贈といいます。遺贈には、包括遺贈と特定遺贈の2種類があります。包括遺贈とは「遺産のすべてを○○さんに遺贈する」「遺産のすべてを○○さんに5割、△△さんに3割、××さんに2割遺贈する」など割合を指定して遺贈する方法です。

 

これに対して特定遺贈とは「A銀行に預けた預貯金を○○さんに遺贈する」「所有する株を××さんに遺贈する」など特定の遺産を遺贈する方法です。

 

包括遺贈の場合、受け取る人は相続人と同じ権利と義務を持つことになります。そのため、相続財産管理人は必要ありません。しかし、特定遺贈の場合は、遺贈を行うために相続財産管理人が選任されることになります。

 

相続財産管理人の選任を申し立てるのは誰?

 

相続財産管理人は自動的に選任されるものではありません。だれか必要とする人が選任を申し立てて、初めて選ばれるものなのです。相続財産管理人の選任を申し立てるのはどのような人なのでしょうか?

 

相続放棄する場合に申し立てる

債権が資産を上回る場合など、法定相続人が全員相続放棄したとしても、遺産管理義務はなくなりません。相続放棄をした方は、相続財産が適切に管理されるようになるまで、きちんと遺産を管理する義務があるのです。

 

例えば、相続放棄して誰も相続しなかった家が老朽化で壊れ、周辺住民に損害を与えてしまった場合、相続放棄したとしても遺産管理を行う義務を怠ったとして、損害賠償請求を受ける可能性があります。

 

相続放棄を行い、さらに遺産の管理義務をなくすには、相続管理人を選任して財産の管理を任せる必要があるのです。

 

被相続人の債権者が申し立てる

債権者が相続財産管理人の選任を申し立てることもあります。

 

債権者とは、亡くなった方(被相続人)に対してお金などを貸していた人です。相続人がいれば、遺産から債権者に対して支払いを行います。しかし、相続人がいない場合は誰も支払ってくれないため、そのままにしていては債権者が損をしてしまいます。しかし、遺産から勝手に回収することもできません。

 

そこで相続財産管理人を選任し、財産の管理と支払いをしてもらうのです。相続財産管理人が財産管理を行うことで、債権を証明すれば支払いをしてもらうことが可能になります。

 

被相続人の特別縁故者が申し立てる

特別縁故者が相続財産管理人の選任を申し立てることもあります。

 

特別縁故者とは、被相続人と内縁関係にあった方や、被相続人を献身的に介護していた方などです。このような特別縁故者は、一定の限度はありますが遺産分与を受けることが可能です。しかし、法定相続人とは違い、まずは相続財産管理人の選任を申し立てて、決められた手続きを行わなくてはなりません。

 

相続財産がほとんど無い時は?

相続する財産がほとんどない場合は、相続財産管理人を選任する必要はありません。法定相続人が相続財産管理人を選任するのは、管理しなくてはならない財産があるからです。相続放棄しても、管理義務が生じる財産がなければ選任する必要はありません。

 

債権をもつ債権者も、財産がほとんどなくて支払いができない状態であるとわかっている場合は、相続財産管理人を選任したとしても支払いを求めることはできません。そのため相続財産管理人を選任することはありません。

 

 

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相続財産管理人の選任の仕方

 

 

相続財産管理人を選任にはどのような手続きを行えばよいのでしょうか?

 

選任申し立てに必要な書類

相続財産管理人を選任するには「相続財産管理人の選任の申立書」に必要事項を記載し、必要額の収入印紙を貼りつけます。「相続財産管理人の選任の申立書」は家庭裁判所のホームページに、書式と記載例が掲載されているので参考にしてください。

 

相続財産管理人の選任の申立書:
http://www.courts.go.jp/saiban/syosiki_kazisinpan/syosiki_01_15/index.html

 

申し立ての手続きは家庭裁判所にて

相続財産管理人の選任の申立書を作成したら、被相続人の最後に住民票をおいていた住所を所轄する家庭裁判所で手続きを行います。

 

選任申し立てにかかる費用

相続財産管理人を選任するのにはどのような費用が掛かるのでしょうか?

 

収入印紙代

申請手数料として、1件につき800円が必要です。800円分の収入印紙を購入し、「相続財産管理人の選任の申立書」の所定の場所に貼り付けます。

 

予納郵便切手代

申し立てを行うと、予納郵便切手代が必要になります。こちらの金額は家庭裁判所によって異なります。あらかじめいくら必要か、申し立てを行う家庭裁判所に問い合わせておきましょう。

 

官報に掲載するための費用

相続財産管理人を選任すると、選任したことが「官報」に掲載されます。官報とは、政府の刊行誌で、政府が一般の国民に知らせることを編集して、行政機関の休日を除き毎日刊行するものです。法律や法令の制定・改正の情報や、破産や相続などの裁判内容が掲載されます。

 

官報に乗せることを「官報公告」といいます。官報公告を行うには3,775円が必要です。

 

予納金がかかる場合もある

予納金とは、相続財産管理人の経費や報酬に当てるための費用です。

 

相続財産管理人は、相続財産の管理、債権者がいた場合の支払い手続き、最終的に残った財産を国庫に帰属するための手続きなど、さまざまな仕事を行います。そのためには経費もかかりますし、仕事を行った分の報酬を払う必要もあります。

 

遺産が充分あれば、経費や相続財産管理人の報酬は遺産から支払われます。しかし遺産額が少ない場合は、経費や報酬を支払うことはできません。その場合に備えて、あらかじめ申立人が予納金を支払い、相続財産管理人の経費や報酬を担保しておきます。

 

予納金の額は家庭裁判所が決定します。安い時は20万円程度ですが、事案によっては100万円程度になることもあります。遺産が充分あり、経費や報酬が遺産で賄えた場合、予納金は返却されますが、遺産が少なく経費や報酬が足りない場合は予納金から支払われることを覚えておきましょう。

 

相続財産管理人が選任された後は?

 

相続財産管理人が選任された後はどのようなことが行われるのでしょうか?

 

選任されたことが官報広告される

相続財産管理人が選任されると、まず官報に公告されます。これにより、遺産が相続財産管理人に任されたことが知らされたことになります。

 

相続財産の調査をして管理する

相続財産管理人は、相続対象となる財産がどれくらいあるのかを調査します。現金、預貯金、有価証券、生命保険、不動産および各種動産があるのか、それはどのくらいの価値があるものかを調査し、それらを発見したら管理します。

 

調査は家族や近親者がいる場合は、その方たちから話を聞いて資産内容を把握します。しかし、近親者がいない場合はほとんど一から資産関係を調査しなくてはならず、とても大変な仕事です。

 

相続債権者と受遺者に対する支払いをする

財産が発見されたら、債権者と受遺者に対して支払いを行います。

 

相続人捜索のための公告を請求する

相続財産管理人は、相続人がいないかを調査します。調査方法として利用されるのが官報です。受遺者あてに、一定期間内に遺産分与請求を申し出るように促す内容を掲載します。

 

特別縁故者への相続財産分与の審判申し立て

期間中に相続人からの申し出がなかった場合は、相続人がいないことが確定します。相続人がいないことが確定すると、特別縁故者へ相続財産分与を行うことが可能になります。

 

まずは相続人を捜索するための公告で定められた期間に、相続人がいないことが確認された時点から3カ月以内に特別縁故者による相続財産分与の申し立てを家庭裁判所に行います。

 

家庭裁判所で特別縁故者であることが認められたら、相続財産管理人はその決定内容に従い、遺産の分与を行うことができます。

 

相続財産管理人への報酬について

相続財産管理人の仕事が終わったら、相続財産管理人へ報酬が支払われます。報酬を支払うには、相続財産管理人が家庭裁判所に対しての報酬付与の申し立てを行わなくてはなりません。

 

家庭裁判所は内容の難しさ、どのような仕事を行ったかなどによって報酬を決定します。相続財産管理人が親族の場合は報酬はなし、弁護士や司法書士などの場合は月額報酬1~5万円程度が相場です。

 

残った財産は国庫へ

相続財産管理人が報酬を受け取っても、まだ財産が残っていれば残りを国庫に納めます。相続財産管理人が国庫に帰属させる手続きを行い、財産は国の物となります。

 

管理終了報告書を家庭裁判所へ提出する

国庫への帰属手続きまで終了したら、相続財産管理人は管理終了報告書を家庭裁判所に提出します。これですべての業務が終了です。

 

相続財産管理人の役割や選任方法を知っておこう

 

 

遺産相続は、とても大きな仕事です。遺産放棄をしても財産の管理責任は残るため、特に家などの不動産などは注意が必要となります。そんな時、財産をきちんと管理し、最後は国に納める手続きを行ってくれるのが相続財産管理人です。

 

相続財産管理人の役割や、選任方法を知っておくと、いざというとき慌てずにすみます。ぜひ頭に入れておいてくださいね。

 

 

 

 

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