株主優待とは?もらうための条件や注意点を簡単に解説

こんにちは。東京都内でワンルームマンション投資をしている、個人投資家兼ファイナンシャルプランナーの川井えりかです。
株式投資をしている人の中には、「株主優待目当て」の人も多いです。
株式投資の目的は、大きく3つです。
- 売却益(安く買って高く売る)
- 配当益(業績の良い会社から配当金を受け取る)
- 株主優待(株主に対しての物品やサービスの提供)
今回は、初心者でも楽しく株式投資を始められる「株主優待」についてご紹介します。
株主優待とは
株主優待とは、企業が株主へ提供する自社製品や割引券のことを言います。
株式投資をすると、それが少額の投資であっても投資先の企業の株主になります。株主には、その企業の重要事項を決定する株主総会の議決権が与えられるほか、企業の利益から配当を受け取る権利もあります。
その他に、株主になるメリットで親しみやすいのが「株主優待」で、企業が株主にお金(配当)以外のギフトを贈るという日本独自のユニークな仕組みです。米国株式には株主優待はありません。米国に限らず殆どの国に株主優待はありません。
ふるさと納税も株主優待もそうですが、日本人は贈り物が好きですね。
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株主優待の種類と人気の商品
株主優待=自社製品、とは限りません。もちろん自社製品を優待にしている企業が多いですが、企業により様々な優待を用意しています。
その企業の株式を何株保有しているかで内容に差を付けている企業も多く、大株主さんほど優待の内容が充実したり、同じ株数でも長期保有している株主さんが優遇されるものもあります。
優待の種類には以下のようなものがあります。
- 商品券、ギフト券
- チケット類
- 食事券、食料品
具体的に、人気の優待をご紹介します。
※カッコ内は銘柄コード
商品券、ギフト券
クオカードがもらえる
- Casa(7196)
- G-FACTORY(3474)
- 明光ネットワークジャパン(4668)など
おこめ券がもらえる
- タカラレーベン(8897)
- エー・ピーホールディングス(3175)
チケット類
「東京ディズニーランド」「東京ディズニーシー」ワンデーパスポートがもらえる
- オリエンタルランド(4661)
航空割引券
- ANAホールディングス(9202)
- 日本航空(9201)
食事券・食料品
食事券がもらえる
- すかいらーくホールディングス(3197)
- DDホールディングス(3073)
- 日本マクドナルドホールディングス(2702)など
食料品(自社製品)がもらえる
- 江崎グリコ(2206)
- カゴメ(2811)
- キリンホールディングス(2503)など
株主優待をもらうための条件
株主優待を確実にもらうためには、「必要な数」を、「決められた時期」までに買付し、保有する必要があります。
必要な株数は企業によって異なる
国内に上場している銘柄のほとんどが、100株単位で売買可能です。ですが、株主優待に必要な株数は企業によって異なります。
目当ての優待が決まったら、その企業のホームページや、取引する証券会社のホームページなどで、株主優待をもらうために必要な株数を確認しましょう。
例えば、オリエンタルランドのホームページには、ワンデーパスポートがもらえる株主優待の基準がこのように記載されています。
(2021年6月30日時点の情報)
株主優待の内容は永遠に約束されているものではなく、改善や改悪があります。そのため、買付の前に最新の情報をチェックするようにしましょう。
「権利付き最終日」までに株を購入する
必要な株数がわかったら、次は「いつまでに買付すべきか」を調べます。株主優待は、対象の銘柄を買付したらすぐに送られてくるものではありません。
どの企業も、「〇月〇日時点で株式を保有している人」と日付指定をしています。これを「権利確定日」「割当基準日」などといいます。株主優待に限らず、株主配当を受け取ることができるのも権利確定日に保有している株主に限られます。
国内の上場株式は、買付をしてから受渡し(保有できる)までに2営業日かかります。株主優待が欲しい場合は、「権利確定日」の2営業日前までに買付をしましょう。この日を「権利付き最終日」といいます。
再度、オリエンタルランドのホームページを見てみましょう。
割当基準日(=権利確定日)が9月末日、3月末日の年2回と記載されています。つまり9月30日と3月31日です。ただし、最低の100株で優待がもらえるのは3月31日の年1回のみです。優待のワンデーパスポートが欲しい人は、2営業日前の権利付き最終日、9月28日または3月29日までにオリエンタルランドの株式の買付をします。
株式を買付した後はどうしたらよいでしょうか?「優待がもらえたから売却したい」という考えの人もいると思います。
売却するのは、権利付き最終日の翌営業日以降です。例えば、オリエンタルランドの株主優待が欲しくて3月29日までに100株買付を済ませた人は、翌営業日の3月30日以降に売却を検討します。この日を「権利落ち日」といいます。
「権利付き最終日」「権利落ち日」「権利確定日」は、連続した3日間にならないこともあります。土日祝日を挟むと間隔が空きますので注意が必要です。
1株からもらえる銘柄もある
通常、上場株式の取引単位は100株ですが、これより少ない株数で取引している人に朗報です。1株しか保有していなくても、優待をもらえる銘柄もあります。優待の条件に「1株以上」や「全株主」と記載されている銘柄です。
1株で優待がもらえる銘柄
- ジャパンベストレスキューシステム(2453)はキッザニア優待券
- アスクル(2678)は「LOHACO」500円割引券
- マネックスグループ(8698)は暗号資産BTC500円相当 など
最近は、1株から株式投資ができるSBIネオモバイル証券、LINE証券、PayPay証券を利用した株式投資が人気です。手軽にできる少額投資で、株主優待ももらえたら嬉しいですね。
株主優待で注意すべきポイント
株主優待の内容だけで投資先を決めない
「優待が魅力だから株を買ったけれど、この会社がどんな製品やサービスを扱っているかはわからない。」
このような銘柄選びは大変リスクが高いです。急に株価が変動して大きく下げた時に、なぜ下がったのかがわからず戸惑うことになります。業種や事業内容はもちろん、業績が黒字なのか、過去の株価の推移なども調べてから投資するのが望ましいです。
年に4回発売される東洋経済社の会社四季報には、上場企業すべての株価や決算の情報が記載されていて、株式投資の勉強におすすめです。株主優待を実施している企業の優待の内容も記載されています。
売買のタイミング
「権利付き最終日までに買付すれば優待がもらえるなら、ギリギリに購入しよう。」「優待がもらえたら株式を売却して早く現金にもどしたいから、権利落ち日に売却しよう。」株主優待のある銘柄の取引をする投資家は、皆さんこのように考えます。
買いたい人が多いと株価は上がり、売りたい人が多いと株価は下がります。つまり、権利付き最終日に向けて株価は上がることが多く、権利落ち日に大きく下げるケースが多いです。せっかく「株主優待」という付加価値を投資で得られたのに、株式を高く買って安く売ってしまい損失が出る。これでは本末転倒です。
短期の売買はリスクが高いです。投資の基本「安く買って高く売る」を忘れずに投資をしましょう。
株価の変動に神経質にならない予算で投資をするのも大切です。例えば、オリエンタルランドの株を100株買おうと思うと150万円以上必要です。(2021年6月30日時点)
まずは手ごろな額で投資できる銘柄から始めることをお勧めします。
まとめ:株主優待を活用してお得な生活を送りましょう
株主優待は、日本独自の文化です。自分の趣味や生活スタイルに合う優待を見つけて長く保有すると、毎年優待という楽しみが得られます。
投資の基本は長期です。お気に入りの銘柄なら、短期で利益確定や損切をせず、長くお付き合いして株主優待を何度も受け取れることができます。
株主優待を活用して、お得で楽しい生活を送りましょう。
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記事筆者
川井 えりか Erika kawai
ファイナンシャルプランナー、マネーセミナー講師。
「10年後にお金を2倍にするマネープランニング」「給料+10万円の副収入を作る」をコンセプトに、働く女性の資産運用、
家計管理のご相談を受ける。首都圏と札幌を中心に活動。
我慢を伴う「節約」は苦手。「お得にお金を使う」ことでお金の管理を楽しく簡単にします。

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川井 えりか Erika kawai
ファイナンシャルプランナー、マネーセミナー講師。
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