iDeCo(イデコ)は、「個人型確定拠出年金」とも呼ばれ、老後に向けた資産形成のために多くの人が活用している年金制度です。

運用益が非課税など様々なメリットがあり、老後資金を貯めるには最適の制度であるといえます。

iDeCoを利用する人の数は年々増えており、2022年1月時点で約231万もの人がiDeCoを利用しています

iDeCoで運用できる商品の種類は多岐に渡るため、自分に合った運用商品を探すのは難しいと感じるかもしれません。

運用する商品の中身によっては、当然将来受け取ることができる金額は大きく変わってきますので、何を運用するかは非常に大切な問題です。

この記事では、多くの方が利用しているSBI証券と楽天証券でiDeCoを運用する際のおすすめ銘柄についても紹介します。

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iDeCo(イデコ)で購入できる商品の種類

iDeCo(イデコ)で購入できる商品の種類

まず、iDeCoで購入できる商品の種類についてそれぞれ確認していきます。

投資信託(株式・債券)

投資信託は「元本変動型」と呼ばれる商品で、運用することで大きなリターンを狙える可能性がありますが、同時に元本割れのリスクもあるという特徴があります。

投資信託と一口にいってもさまざまな種類があり、投資対象で分類すると4種類に分けられます。

  • 国内株式型…日本国内の企業の株式に投資
  • 国内債券型…日本の公債や国内企業の社債に投資
  • 外国株式型…外国の企業の株式に投資
  • 外国債券型…外国の公債や外国企業の社債に投資

さらに、運用手法の違いでは、株価指数に連動する「インデックス型」と、指数以上のリターンを狙う「アクティブ型」に分類でき、これらをバランスよく組み込んだ「バランス型」の投資信託もあります。

株式型やアクティブ型の投資信託は比較的値動きが大きいため、リスクを取ってリターンを狙いたい人に適しているでしょう。

一方、債券型やインデックス型の投資信託は値動きが緩やかなため、安定的に運用したい方に向いています。

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定期預金

定期預金は「元本確保型」の商品に分類され、銀行の定期預金と同じように資金を積み立てて行く投資商品です。

投資商品とはいっても、積み立てた資産はそのまま銀行口座に入れるだけなので、元本割れのリスクがない点がメリットとなります。

しかし、積み立てた金額は利息分しか増えていきません。

現在の日本は超低金利となっており、定期預金でも年利0.01%程度に設定している金融機関がほとんどです。

「資産を増やす」という観点ではリターンに期待できませんが、iDeCoには節税の効果にも期待できます。

iDeCoの掛け金は全額所得控除の対象となるため、所得税や住民税の軽減効果があるのです。

資産を増やすというよりは、「減らしたくない」「節税効果を得たい」という場合に適した商品といえます。

出典:iDeCo公式サイト「iDeCo(イデコ)のイイコト」

保険

保険商品も、定期預金と同じく「元本確保型」の投資商品です。

定期預金と同様、積み立てた保険料に対しては利息が期待できますが、この利息は円金利をベースに設定されるため、現在は非常に低い水準となっています。

金利が今よりも大きく上がると、定期預金以上の利率に期待できますが、ここ数年間は定期預金とほぼ変わらない利率水準です。

保険商品であるため、積立期間中に加入者が亡くなった場合などには、給付請求時の積立金を一時金として受け取ることが可能となっています。

iDeCoでは一般的な掛け捨てタイプの生命保険とは異なり、貯蓄性に重点を置いた保険商品が中心です。

商品によっては中途解約時に解約控除が適用され、元本割れのリスクがある点に注意しましょう。

iDeCo(イデコ)投資する銘柄の選び方

iDeCo(イデコ)投資する銘柄の選び方

iDeCoで投資する銘柄を選ぶ際は、次のポイントに注目しましょう。

運用にかかるコスト(信託報酬)を確認する

iDeCoは、原則60歳になるまでお金を引き出せません。

長期投資となるため、投資する商品のコストについてはしっかりと把握しておきましょう。

特に投資信託の場合は、商品によって信託報酬(運用管理費用)と呼ばれる運用コストが大きく異なります。

指数に連動するインデックス型の投資信託は運用がシンプルなので、信託報酬は低い傾向があります。

一方、アクティブ型の投資信託は指数以上の運用成績を目指すため、ポートフォリオの入れ替えなどにかかるコストによって信託報酬は高くなりやすいです。

例えば、S&P500指数に連動を目指すインデックス型の「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の信託報酬は0.0968%となっています

これに対し、指数を上回る成果を目指すアクティブ型の「東京海上セレクション・バランス30」の信託報酬は1.045%となっています

信託報酬が低ければいいというわけではありませんが、運用パフォーマンスに大きく影響する部分なので必ず確認しておきましょう。

運用成績を確認する

iDeCoで商品を選ぶ際は、これまでの運用パフォーマンスを確認しておくことも重要です。

特に「トータルリターン」の項目に注目しましょう。

トータルリターンとは、値上がり率に加え、分配金や信託報酬などを加味して、一定期間にどれだけ値上がり、または値下がりしたかを示す指標のことです。

トータルリターンの高い商品ほど、これまでいい成績を出してきた金融商品なので、今後の運用にも期待できるでしょう。

投資対象を確認する

投資信託にはさまざまな種類があるため、どのに銘柄に投資すべきかは悩ましいものです。

まずは、投資を検討している投資信託が何を対象として投資しているかを確認しましょう。

投資信託の投資商品は、「株式」「債券」「REIT(不動産)」「コモディティ(商品)」などに分けられます。

さらに投資地域も、「日本(国内)」「先進国(北米・ヨーロッパなど)」「新興国」などに分類することが可能です。

投資商品や投資地域によって、見るべき経済ニュースや影響する金融政策などが異なります。

自分の投資する商品がどんな地域のどんな商品を対象としているのかは、十分把握しておきましょう。

iDeCoでおすすめのSBI証券銘柄5選

iDeCoでおすすめのSBI証券銘柄5選

iDeCoで投資するのにおすすめの投資信託を確認していきましょう。

まずは、SBI証券で取り扱っている銘柄の中から5銘柄を紹介します。

SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま・全世界株式)

「SBI・全世界株式インデックス・ファンド(雪だるま・全世界株式)」は、全世界の株式を投資対象としたインデックス型の投資信託です。

FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに連動する投資成果を目指して運用されており、信託報酬は0.11%と低水準に設定されています。

外国株式を自分で個別に購入するのは大きな労力が必要となりますが、この投資信託を購入すると、手軽に全世界の株式へ分散投資が行えます。

一国集中ではなく、全世界に分散投資してリスクを抑えたい方におすすめです。

出典:SBI証券「SBI-SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま(全世界株式))」

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)

「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」は、米国の主要指数であるS&P500に連動した運用成果を目指すインデックス型投資信託です。

2022年2月末時点での3年間のトータルリターンは約20%と、米国株式市場の成長とともに大きく値上がりしてきました。

S&P500には、アメリカを代表する企業である「アップル」や「マイクロソフト」、「アマゾン」、「アルファベット(グーグル)」など、日本人にも馴染みの深い銘柄が多数採用されています。

今後も米国経済の成長に期待したい方におすすめしたい投資信託です。

出典:SBI証券「三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」

eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)

「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」は、日本および世界の「株式」「債券」「REIT」などの計8資産にバランスよく分散して投資を行うインデックス型投資信託です。

世界中の幅広い資産に分散して投資を行いたい方に適しています。

信託報酬も0.154%と低く抑えられているため、投資信託の運用にあまりコストをかけたくない方にもおすすめです。

出典:SBI証券「三菱UFJ国際-eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」

eMAXIS Slim 新興国株式インデックス

「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」は、「MSCIエマージング・マーケット・インデックス」という新興国の株式指数への連動を目指して運用される投資信託です。

新興国の資産は先進国に比べて値動きが大きいという特徴があり、リスクを取ってリターンを狙いたい方におすすめの商品になっています。

良くも悪くも政治や経済の動きに影響を受けやすいため、商品の動向によっては配分変更やスイッチングも視野に入れながら運用するといいでしょう。

出典:SBI証券「三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 新興国株式インデックス」

三菱UFJ 純金ファンド

「三菱UFJ純金ファンド」は、国内の金の現物価格を参照する投資信託です。

新型コロナウイルスの感染再拡大懸念やウクライナ情勢の懸念などを背景に価格が上昇しています。

投資信託の形で保有することで、安全資産とされる「金」への投資を手軽に行えるという点はメリットです。

信託報酬は0.99%とやや高めに設定されているため、コストには注意しましょう。

出典:SBI証券「三菱UFJ国際-三菱UFJ 純金ファンド(愛称:ファインゴールド)」

iDeCoでおすすめの楽天証券銘柄5選

iDeCoでおすすめの楽天証券銘柄5選

続いて、楽天証券で取り扱っているiDeCo対応のおすすめ銘柄を紹介します。

楽天・全世界株式インデックス・ファンド

「楽天・全世界株式インデックスファンド」は、バンガード・トータル・ワールド・ストックETFを通じて、全世界の株式約8,800銘柄に分散投資ができるインデックスファンドです。

日本のみならず先進国・新興国など全世界の株式に資産を分散できるので、リスクを分散しやすい点がメリットといえます。

バンガード社の運用するETFはコストが低いことが特徴で、このファンドの信託報酬も0.132%と低い水準に設定されています。

コストを抑えつつも、堅実にリターンを狙っていきたい方におすすめの商品です。

出典:楽天証券「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」

たわらノーロード先進国株式

「たわらノーロード先進国株式」は、日本を除く先進国を対象としたグローバル株式指数に連動するインデックス型投資信託です。

すでに日本株に投資をしている人や、海外株式に投資をしたいと考えている方におすすめのファンドとなっています。

信託報酬が0.10989%と安く、多数の銘柄に分散投資を行っているという特徴があります。

中長期で保有するのに適した商品といえるでしょう。

出典:楽天証券「たわらノーロード 先進国株式」

セゾンバンガードグローバルバランスファンド

「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」は、低コストで知られているバンガード社のファンドを採用することで、運用コストを抑えながら世界中の株式・債券に投資を行う投資信託です。

株式と債券の基本資産配分比率は原則50%:50%となっており、自分自身でポートフォリオの配分変更をしなくても、資産を株式と債券に分けて投資を行えます。

投資先の地域・商品を分散して投資するファンドなので、リスクを抑えつつ中長期的に安定した運用を期待したい人におすすめです。

出典:楽天証券「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」

フィディリティ・日本成長株・ファンド

「フィディリティ・日本成長株・ファンド」は、TOPIXをベンチマークとして長期的にこれを上回る運用成果を目指すアクティブ型の投資信託です。

個別企業分析により、今後成長が見込まれる日本企業をポートフォリオに組み入れています。

2021年12月30日時点での組入上位銘柄は、「ソニーグループ」「キーエンス」「リクルートHD」などの日本の有名企業となっています。

投資先の企業がわかりやすい・知っている会社が多いものが良いという方におすすめのファンドです。

出典:楽天証券「フィディリティ・日本成長株・ファンド」

投資のソムリエ(DC年金)

「投資のソムリエ」は、複数のインデックスファンドを通じて国内外のあらゆる資産に投資を行う投資信託です。

投資環境に応じて、日次・月次の両方で資産配分を見直すという特徴があります。

為替リスクを下げるために為替ヘッジも行っており、基準価額の変動リスクを年率4%程度に抑えることを目的として運用を行なっています。

大きなリターンを期待するというよりは、リスクを少なくすることに重点を置いて運用をしたい方に向いている投資信託です。

出典:楽天証券「投資のソムリエ<DC年金>」

まとめ:iDeCoは目標に応じて銘柄を選ぼう

iDeCoは目標に応じて銘柄を選ぼう

iDeCoで運用する商品を選ぶ際は、まずはそれぞれの商品の種類・内容を理解するところから始めましょう。

元本変動型の商品の場合は、投資対象によって価格の変動リスクや期待リターンが異なるため、分類ごとの特徴を把握することが大事です。

投資初心者の方は、なるべく投資対象を分散している投資信託を選ぶか、複数の投資信託を組み合わせて、リスクを集中させないことをおすすめします。

ゆとりある老後を送るためには、公的年金だけでなく自分の力で資産を作る必要があります。

老後に向けた資産形成のために、iDeCoを利用した資産運用を検討してみましょう。

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