iDeCoは「積立(拠出)時」「運用時」「受取時」の3回税制優遇があるオトクな制度です。しかし、iDeCoは加入する金融機関だけでなく、国民年金基金連合会と事務委託先金融機関(信託銀行など)にも手数料を支払う必要があります。

iDeCoは長期の運用を前提としているので、毎月の手数料の差も将来もらえる額に大きな影響を与えます。利回りの低い定期預金で運用すると、手数料によって元本割れを起こす恐れもあるのです。

そこで、この記事ではiDeCoのコストである手数料について詳しく解説します。

 

投資やお金の殖やし方が学べるマネカツセミナー
↓ 詳しくは画像をクリック ↓

 

iDeCoの手数料

iDeCoはどの金融機関を選んでも、国民年金基金連合会と事務委託先金融機関(信託銀行など)に支払う手数料は必ず発生します。

それでは、iDeCoにかかる手数料を確認していきましょう(すべて税込)。

 

加入時

・支払先 国民年金基金連合会

・金額  2,829円

新たにiDeCoに加入したり、企業型DC(確定拠出年金)に加入したりしている方がiDeCoに移管する場合国民年金基金連合会に支払うコストとして、2,829円の手数料がかかります。また、運営管理機関(加入する金融期間)に対して手数料がかかる場合もあるので、注意が必要です。

国民年金基金連合会に支払う手数料は、どの金融機関を選んでも同様で、加入後の最初の掛金や移管された資産から差し引かれます。

運用期間中(口座管理手数料)

確定拠出年金に加入すると専用口座が作られますが、専用口座の維持に必要なのが「口座管理手数料」です。加入者が毎月掛金を拠出した場合の手数料は、以下の通りです。

事務手数料

・支払先 国民年金基金連合会

・金額  105円

資産管理手数料

・支払先 事務委託先金融機関(信託銀行など)

・金額  66円

運営管理手数料

・支払先 加入する金融機関(運営管理機関)

・金額 0~数百円

口座管理手数料は毎月の掛金から差し引かれ、資産管理や掛金の徴収、運用指図の取りまとめと、加入者のサポートにかかる費用を負担するものです。

国民年金基金連合会に支払う「事務手数料」と、信託銀行に支払う「資産管理手数料」支払う手数料は一律で、毎月171円(年間2,052円)です。

一方、運営管理機関に支払う手数料は、毎月0円~数百円程度と差があります
一見わずかな差に感じられますが、月に300円の手数料を30年間支払えば10万8,000円にもなります。せっかくの資金が目減りしないためにも、運営管理手数料が無料の金融機関を選ぶべきです。

給付事務手数料

先の話になりますが、給付金を受け取る際は、一回につき440円の手数料がかかります。受け受取方法を一時金(一括受取)と年金(分割受取)から選べますが、年金受取を選択する時は、給付事務手数料も考慮して考えると良いでしょう。

 

iDeCoの事務手数料と資産管理手数料に対する問題

国民年金基金連合会に支払う「事務手数料」と、信託銀行に支払う「資産管理手数料」は毎月かかるコストです。月171円、年間2,052円支払う必要があります。

iDeCoは、定期預金や保険などの「元本確保型」と、投資信託の「元本変動型」の2種類の商品を選ぶことができます。しかし、利回りの低い定期預金などで運用すると、掛金が少ない間は月171円支払う手数料によって、元本割れを起こすという問題があるのです。

元本変動型の投資信託で運用がうまくいけば、運用益が非課税になるというメリットもあり、掛金以上にお金を受け取れます。また、掛金の全額が所得控除の対象になり、給付金を受け取る時も各種控除の対象になります

しかし、元本確保型では月額171円でも手数料のコスト負担は大きくなります。iDeCoの加入者の平均掛金は、会社員だと月1万円程度。運用開始時点だと約2%近くが手数料として差し引かれる計算になります。

積立金額が多くなれば負担割合は少なくなりますが、初年度に元本割れする可能性があることで、加入をためらう方もいるのです。

国民年金基金連合会は、消費増税に伴う見直しを除き、2012年度から手数料を維持してきました。月額105円の手数料は、口座振替手数料や人件費などから制度運営にかかる費用として計算しています。

しかし、2012年から加入者が10倍近くに増えるなか、引き下げる余地があるのではないかという声もあります。ただ、国民年金基金連合会は実際の費用がどの程度かかったのかを公開しておらず、外部からの検証は難しいのです。

私的年金であるiDeCoの普及をすすめる中、手数料の負担が加入の妨げにならないような努力が、国民年金基金連合会に求められています。

 

iDeCoの商品ラインナップをチェック

iDeCoを選ぶ際に、手数料と並んで重要になるのが、取扱商品のラインナップです。ただ、商品の数が多ければ良いというわけではなく、その中身をチェックする必要があります。

iDeCoで取り扱われている金融商品は、定期預金や保険などの「元本確保型」と投資信託などの「元本変動型」の2種類。運用実績のある商品が揃っているか、自分の運用スタイルにあったラインナップになっているか、窓口やコールセンターのアフターフォローが充実しているかなどをチェックしましょう。

とくに投資が初めてという方は、コールセンターやアフターフォローがあるのかというのは重要なので、そういった点も考慮して金融機関を選びましょう。それでは、金融商品の詳細を解説します。

 

元本確保型は金融機関によって違う

元本確定型は定期預金や保険です。あらかじめ決められた金利で運用されるタイプの商品は、満期時の元本と利息が確保されるので非常に安全性が高いというのが特徴です。

ただし、商品の元本割れのリスクがない代わりに、運用リターンもほとんど期待できません。さきほど説明したように、運用額が少ないと手数料によって運用利回りがマイナスになってしまう可能性もあります

また、元本確保型の商品は金融機関によって異なります。定期預金は1年・5年など取扱期間が異なるうえ、設定金利が違うこともあります。5年定期などを利用すると、今後、金利が上昇したときでも0.01%という超低金利が維持されてしまうので、なるべく期間が短いものを撰んだほうが良いでしょう。

保険は個人年金が設定されていることが多いものの、受取方法が10年確定年金、終身年金など金融機関によって異なります。

元本変動型は投資信託

元本変動型は、運用成績によって元本が変動するタイプの商品。iDeCoの元本変動型の商品は投資信託のみで、個別の株式や債券には直接投資できません。

ただ、投資信託は金融機関ごとに以下のような10~50本程度の商品が揃えられています。

・国内債券型

・国内株式型

・外国債券型

・外国株式型

・バランス型

このように投資対象の違うファンドを選ぶことができるので、投資信託を通じて間接的に株式や債券に投資できるのです。株式型を選べばリスクが高くなりますが、リターンも期待できます。とくにiDeCoでは運用益が非課税になるので、複利効果(運用益も投資に回すこと)により、資産を増やせる可能性もあります。

大切な老後資金のためなので、元本を減らしたくないという思いからリスクのある元本変動型の投資信託に抵抗がある方もいるかもしれません。

しかし、定期預金や保険などの元本確保型だけだと手数料で損する可能性もあります。iDeCoの非課税メリットを活かすために、長期で運用すれば大きく資産が増える可能性がある投資信託をメインにし、元本確保型の金融商品をサブとして運用するのがおすすめです。

 

まとめ

今回はiDeCoの手数料について解説しました。加入時や給付時にも手数料がかかりますが、国民年金基金連合会(105円)と、事務委託先金融機関(66円)に毎月支払う手数料が問題になっています。

定期預金など元本確保型で運用すると、掛金によってはマイナスになってしまう恐れがあるからです。運用額が増えれば気にする額ではありませんが、これから運用を開始しようとする方の中には、躊躇する方もいるかもしれません。

 

記事 山下 耕太郎

 

投資やお金の殖やし方が学べるマネカツセミナー
↓ 詳しくは画像をクリック ↓

 

【過去記事はこちらから】

【株式投資入門】投資のためにチェックしておきたい3つの経済指標

【株式投資入門】投資のためにチェックしておきたい5つの情報サイト

【株式投資入門】投資のために知っておきたいテクニカル分析!2つのチャートの見方

【株式投資入門】NT倍率とは|日経平均株価とTOPIXの仕組みと違いを知ろう!

【株式投資入門】インデックスファンドとアクティブファンド|5つの違いとは?

【株式投資入門】インカムゲインとは?キャピタルゲインとの違いとメリット・デメリット

【投資コラム】積立投資は「つみたてNISA」で始めよう

【投資コラム】分散投資とは?メリット・デメリットと4つの方法を詳しく解説

【投資コラム】信用取引とは?押さえておきたい4つの仕組みとメリット・デメリット

【投資コラム】プロが教える株式市場下落時の5つの対処法!フラッシュクラッシュとは?

【投資コラム】ETFとは?株式・投資信託との5つの違い 

【投資コラム】社債とは?国債や株式との違いとメリット・デメリットについて解説

【投資コラム】つみたてNISA、20年後はどうしたら良いの?

【投資コラム】TOB(M&A)とは?2つの種類と株価への影響を解説

【投資コラム】株主優待とは?知って得する裏技と人気優待3選

【投資コラム】バリュー平均法とは?ドルコスト平均法との違いを詳しく解説