退職金が20年前の「3分の2以下」になったって本当?!【FPコラム 】

こんにちは。
東京都内でワンルームマンション投資をしている、
個人投資家兼ファイナンシャルプランナーの川井えりかです。
2019年6月に【2,000万円問題】というフレーズが話題になったことを覚えていますか?
老後に2,000万円不足する可能性が示唆されたことで、マネーセミナーでお金の勉強をしたり、iDeCoやNISAといった資産運用を始めたりした方も多いことでしょう。
2,000万円問題のきっかけになった、「高齢社会における資産形成・管理」という報告書には、実はもっと大切なことが沢山書いてあります。
退職金、退職時の金融資産総額、老後の住居費・・・セカンドライフのリアルな数字をご紹介します。
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目次
退職金が20年前の3分の2以下、その差は1,200万円超に
自分の退職金の見込み額や、退職金の相場がいくらかをご存知でしょうか?退職金の平均給付額は、時代と共に変化しています。
大学・大学院卒の退職金のピークは1997年の3,203万円でその後減少に転じ、2017年には1,997万円まで下がりました。
その差額1,206万円です。なぜ退職金がこんなに減ってしまったのでしょうか?
実は、退職金とは反対に賃金は上昇しています。
キャリアアップの転職や起業、雇用の枠に捕らわれないフリーランスなど、現代の働き方は20年前と比べ多様化しています。
一つの会社で定年まで勤めあげる方が減っている今、退職金を積み立てるよりも、給与を増やした方が会社にとっても社員にとってもメリットがあるからです。
親や親戚とお給料の話をすると、「今の若い人は共働きだし、お給料も昔より沢山もらって裕福な暮らしをしている。」と言われたことはありませんか?
確かに給与の額面は多いかもしれません。ですが、20年前よりも高い社会保険料が給与から天引きされ、退職金は3分の2以下なのです。
“退職金で住宅ローンを完済して、夫婦で1~2週間のんびり海外旅行をして、残り20年~30年平穏に生活する。”
退職金でこれだけのことができたのは過去の話です。
会社が退職金を減らして給与を増やしているなら、給与の使い道を工夫する必要がありますね。
【自助努力】という言葉をよく聞きますが、まさにこのことです。
確定拠出年金は、転職先へ持ち運べる「ポータブル退職金」
定年まで勤める方が減る中、大企業からベンチャー企業まで幅広く取り入れられている退職金が確定拠出年金です。
確定拠出年金は投資信託など、自分が選んだ運用先次第で退職金の額をふやすことができます。
確定拠出年金は退職金ですが、60歳未満で退職すると原則退職時には受け取れません。
転職先に確定拠出年金制度があれば、転職先の制度に移管して運用を継続します。
つまり転職を繰り返しても、一つの企業に勤め続けた方と同じように、長い期間積み立てて退職金を受け取ることが可能です。
転職ではなく出産などで離職した場合も、個人型の確定拠出年金に今まで貯めた資産を移管すれば、預貯金やパート収入などから積立を継続することが可能です。
個人型の確定拠出年金は、別名iDeCoと言います。iDeCoは確定拠出年金のない会社員や自営業者、主婦も加入できます。
退職金が減少している今、確定拠出年金やiDeCoはセカンドライフ資金を準備するのに是非活用したい手段です。
65歳夫婦の保有金融資産はたったの300万円?!
2,000万円問題のきっかけとなった報告書には、65歳の保有金融資産の平均額も記載されていました。
65歳夫婦世帯:2,252万円
65歳単身男性:1,552万円
65歳単身女性:1,506万円
2,000万円取り崩しが必要なのに対して、夫婦世帯は平均の2,252万円を本当に準備できているのでしょうか?
答えはNOです。
例えば、次のような5組の65歳夫婦がいたと仮定します。
A夫婦:300万円
B夫婦:300万円
C夫婦:300万円
D夫婦:300万円
E夫婦:1億円(親から相続した財産あり)
この5組の夫婦の保有金融資産の平均は2,240万円です。
実はライフプランニングをする上で、平均値はアテにならない場合があります。
上記の例からも分かるように、平均値は一部の富裕層によって引き上げられるため、平均ではなく、一番層の厚い中央値を知ることが大切です。
ちなみに65歳夫婦の保有金融資産の中央値は、300万円~1,000万円の間と言われています。
このことは、2,000万円問題の報告書には書かれていません。
「300万円って、30代独身の私でも貯金できているけど・・・?」と思われるかもしれません。
子供の教育資金と住宅購入やローン返済などで、40~50代になってから貯金ができなくなる家庭は沢山あります。
すでに300万円貯金できているのは素晴らしいことです。
そのペースを今後も継続し、より増やせるよう積極的に資産運用に取り組みましょう!
持ち家率低下で、生涯家賃の支払いが必要に
独身の方はもちろん、夫婦2人で住んでいる世帯、子育て世帯でも賃貸の方は多いのではないでしょうか?
1988年、30代の持ち家率が約50%だったのに対し、2013年には40%を下回り、賃貸が多数派になりました。
少子化や晩婚化で持ち家の取得時期が遅くなり、そもそも持ち家を購入する必要がなくなったのが大きな原因です。
特に都心は不動産の価格も高く、40代や50代のファミリーが賃貸住宅に住んでいるのはよくあることです。
賃貸は、その時の家庭の環境に合わせて住みたい場所、住みたい間取りを選んで自由に転居できるのが最大のメリットです。
反面、家賃は一生涯かかります。賃貸派の方は、この生涯家賃の対策をリタイア前に必ずしましょう。
ちなみに私が不動産投資をしている理由は、生涯家賃対策です。
自分は賃貸住宅に住んでいても、不動産投資をしていて賃料収入があれば、支払う家賃を賃料収入でカバーできるからです。
60歳が95歳まで生きる確率は25.3%
セカンドライフに向けた資金準備、みなさんは自分が何歳まで生きると仮定してプランニングしようと思いますか?
「人生100年時代」と言われるようになりましたが、セカンドライフを迎える直前の60歳の方が、95歳まで生きる確率は25.3%。
約4人に1人です。夫婦で考えると2組に1組は、夫か妻が95歳まで生きることになります。
95歳、100歳まで資産が枯渇しないためには、コツコツ貯金だけではかなりの元手が必要です。
自分だけが一生懸命働いてお金を稼ぐのではなく、お金にも働いてもらう資産運用を取り入れましょう。
自分が働けなくなっても、自分の代わりにお金を稼いでくれる不動産投資は、セカンドライフの資金準備として心強い見方となるでしょう。
またiDeCoやつみたてNISAなど、預貯金以上のリターンを見込める積立をして、3分の2以下になった退職金の減少分もカバーしましょう。
記事・監修 川井えりか(ファイナンシャルプランナー)
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