年末に向け、NISAの利益確定をお忘れなく!【FPコラム】

こんにちは。
東京都内でワンルームマンション投資をしている、
個人投資家兼ファイナンシャルプランナーの川井えりかです。
つみたてNISAではなく、【NISA】で非課税投資をしている方は、年に一度のメンテナンスの時期になりました。
2016年にNISA口座で投資をした株式や投資信託は、2020年末までに売却した場合非課税となるため、利益に対して税金がかかりません。
「2016年に投資したかどうかは、どのように確認するの?」
「2016年の投資がプラスかマイナスか、どうやったらわかるの?」
「マイナスの場合はどうしたらよい?」
これらの疑問にお答えします。
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NISAの非課税期間は5年
NISAには大切なルールが2つあります。
一つは、年間の投資額に上限があることです。
NISAは年間120万円までの投資(買付)が非課税の対象となり、NISA口座を利用して120万円を超える投資はできません。
※2015年までは100万円が上限です
もう一つは、非課税期間です。
NISAの非課税投資期間は5年で、5年以内に売却して利益が出た場合のみ、利益に対して課税されません。
5年以内に売却するのを忘れてしまうと、自動的に課税口座に移されます。
課税口座に移された後に売却して利益がでると、税金がかかる場合がありますので注意が必要です。
2020年末で5年間の非課税期間が終わるのは、2016年1月~12月の間に投資(買付)した株式、投資信託等です。
まずはこの間に自身が投資をしていたのか、していた場合、まだ売却せずに保有している資産があるかどうかを確認しましょう。
5年前の投資の状況を確認しましょう
証券会社のNISAで投資をしている方も、銀行のNISAで投資をしている方も、インターネット上で 自身の口座にログインできれば、年毎の投資の状況を確認できます。
金融機関によっては、ログイン後のお知らせ画面に非課税期間満了の案内があったり、メールで案内してくれるところもあります。
NISA口座は、投資した年毎の残高や損益を確認できますので、まずはログインして2016年の投資の実績を確認しましょう。
インターネットで確認できない場合は、金融機関のコールセンターや担当者に問い合わせしましょう。
多くの金融機関の場合、年毎の投資の状況を確認するページに以下のような情報が記載されています。
1. その年の投資額の合計(120万円の枠のうちいくらを使ったか)
2. 1のうち、既に売却した額の合計
3. 評価額(現時点で保有している証券の合計額)
4. 3に対する損益(現時点で保有している証券がプラスかマイナスか)
これらを確認して、
1が0円
3が0円
の方は、年末までに取るべきアクションはありません。
2016年は投資をしていない、または投資した証券はすべて売却済みだからです。
反対に、3や4に金額の表示がある方は2016年のNISAでまだ売却していない資産が残っています。
2020年末までの非課税期間中にできる選択肢は3つあります。
①売却をする
非課税のうちに売却をするのが、もっともスタンダードなNISA口座の使い方です。
2016年のNISA口座を使った投資がプラスになっている方は、売却して出た利益には税金が一切かかりません。
特に、大幅に利益が出ている方は、売却するとNISA口座の恩恵をより多く受けられます。
例えば100万円の投資が105万円にふえていた場合、利益の5万円に対して税金がかかりません。
本来なら利益に対して約20%の税金がかかりますので、5万円の約20%、約1万円がNISAの非課税メリットです。
仮に、100万円の投資が150万円にふえていた場合、利益の50万円に対してやはり税金がかかりません。
50万円の約20%、約10万円がNISAの非課税メリットとなり、利益が大きい方ほど売却した時のメリットも大きいです。
反対に、損失が出ている方はどうでしょうか?
答えは「売却すべきではない」です。
NISAは利益に対して税金がかからないのが最大のメリットです。
売却して損失が出た場合、課税口座でもNISA口座でも税金はかかりません。
つまり、損失が出ている方はNISAで投資をしたメリットがありません。
2016年のNISAで損失が出ている方は次の選択肢、【ロールオーバー】を検討しましょう。
②ロールオーバーをする
NISAで投資をしている方なら、【ロールオーバー】という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
ロールオーバーとは何か、どんな時にロールオーバーをしたらよいのかをご紹介します。
ロールオーバーは、一言でいうと5年の非課税期間を10年に延長できる制度です。
「2016年のNISAで売却していない資産があり、まだ売却せずに保有し続けたい。」
このような場合にロールオーバーを選択します。
例えば、2016年のNISAの評価額が50万円で、売却せずにNISAで保有し続けたい場合、年内に金融機関で手続きをするとロールオーバーが可能です。
ロールオーバーすると、50万円の資産は2021年のNISA口座に移管され、2021年から5年間は非課税です。
2021年のNISA口座を50万円分使うことになるので、
非課税枠(120万円)ーロールオーバー(50万円)=70万円
したがって、2021年に新たに投資できる額は70万円に減少します。
非課税期間を延ばしたい方で、2021年の非課税投資枠が減少しても問題ない方は、ロールオーバーがお勧めです。
ロールオーバーする資産の価格は、2020年末の評価額で決まります。
利益が出ている方は利益も含めた額、損失が出ている方は損失も含めた額です。
ロールオーバーは、
「現時点で利益が出ているけれど、まだまだ非課税でふやしたい」
という方や、
「損失が出ているので、売却せずに利益がでるまで保有したい」
という方が選択すると良いでしょう。
特に損失が出ている方は、今は売却すべき時ではないのでロールオーバーがお勧めです。
しかし、ロールオーバーをするにはいくつか注意点があります。
まず、同じ金融機関のNISA口座にしかロールオーバーできません。
「2016年はA銀行のNISA口座を利用していたが、その後変更して現在はB証券会社のNISA口座を利用している。」
という方は、金融機関が異なるのでロールオーバーができません。
2021年のNISA口座を元のA銀行に戻すことでロールオーバーができるようになります。
もう一つ、つみたてNISA口座にはロールオーバーができません。
「2016年はC証券会社のNISA口座を利用していたが、今はC証券のつみたてNISA口座に変更して投資をしている。」
という方も、NISAとつみたてNISAで口座の種類が異なるためロールオーバーができません。
2021年のつみたてNISAをNISAに変更することで、ロールオーバーができるようになります。
③何もせずに課税口座へ移管
最後の選択肢は、「売却もロールオーバーもしない」です。
2016年のNISA口座に資産が残ったまま5年の非課税期間が終了すると、自動的に課税口座に資産が移管されます。
利益が出ている方は、課税口座に移管するという選択肢もアリです。
例えば100万円の投資が150万円までふえていて、売却もロールオーバーもせずに課税口座へ移管された場合、2021年からは150万円の評価額で課税口座での運用がスタートします。
仮にその後もふえて160万円で売却した場合、
160万円ー(課税口座スタート時の150万円)=10万円
10万円が利益とみなされ、10万円の約20%、約2万円の税金がかかります。
NISA口座で100万円から150万円までふやした分に関しては非課税なので、利益がでている場合は課税口座に移管してもメリットがあります。
反対に、損失が出ている方はどうでしょうか?
損失がでている場合、課税口座への移管は絶対に避けましょう。
例えば100万円の投資が50万円まで減っていて、売却もロールオーバーもせずに課税口座へ移管された場合、2021年からは50万円の評価額で課税口座での運用がスタートします。
仮にその後ふえて100万円まで回復して売却した場合、
100万円ー(課税口座スタート時の50万円)=50万円
50万円が利益とみなされ、50万円の約20%、約10万円の税金がかかります。
元々100万円で投資したものを同額の100万円で売却したのに税金がかかる。
これはとても不利です。
「損失が出ている方は、課税口座に移管しない」
このことをしっかり覚えておきましょう!
記事・監修 川井えりか(ファイナンシャルプランナー)
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