投資の知恵の使い方 4 – 「現状維持」と「損」に惑わされない –

こんにちは!マネカツ運営局の菊地です。
さて、ここまでの3回の記事では、人が「別にこのままでいい」「なにがなんでも損失を回避したい」という思考にとらわれやすいというお話を、「現状維持バイアス」「授かり効果」「損失回避性」「プロスペクト理論」などを用いて解説してきました。
では、ここまでで得た知識や考え方を使って、どのように投資と向き合ったらいいのか、その第一歩を考えてみましょう!
現状維持?
今日の社会情勢においては、低金利・年金不安・将来のインフレへの備え等々、資産運用に取り組んだほうがいい理由は数多存在します。将来にむけて、自分のため、子供達のため、安定した資産を形成するためには、緩やかに資産運用に着手すべきなのは明らかです。しかし、その中で今絶対にやらなくてはいけないわけではないのも確かなのです。
だからこそ、「今はまだデフレだから大丈夫」「急がなくてもいつかはやることだから」「定年まで時間があるし」「自分は投資なんて向かないから」といったように、やらなくてもいい理由はいくらでも並べることができてしまうでしょうし、資産運用に対しての問題意識もなかなか持てないでいる人が多いことでしょう。第一回の記事で、妻が引越しに対してその場の考えで消極的な反応ばかりしていたようにです。
では、そこから脱却するためにはどうすればよいのでしょう?
目的意識の持ち方 - ゴール思考 –
まず、自身の到達すべき理想像・理想のゴールを思い描くことが大切です。例えば「60歳までに2000万円の資産を構築する」「今後20年で資産運用による利益を3000万円獲得する」といったようにです。
ゴールさえ描けていれば、仮に途中で失敗や社会趨勢などによって、予定変更を余儀なくされても、ゴールへ到達するために別の方法を逆算して考えればいいだけですし、現在のあるべき姿、とるべき行動も自然と見えてきます。しかし、ゴールや到達すべき理想が無い状態では、状況ごとの場当たりで次の行動を決め、またその次を決め、といった具合にそもそもどこに到達するのかもわからなければ、何かひとつ失敗したときに次に何をしていいのかが全くわからなくなってしまいます。
「損」に惑わされない
なにより、現状維持からの脱却においても、目的意識のもちかたにしても、必要以上に「損」を恐れないことです。今までの記事の中で、人は非常に損を恐れ回避しようとする傾向にあることを学びました。
もちろん、投資においても損をする可能性を最小に抑える努力は大切なことです。しかし、そのことと、実際以上に損が発生する可能性を高く見積もって(また、実際以上に自身の現状を高く評価して)なにも行動しない、消極的に動いてしまうということはまったく別物です。
例えば、値動きのある資産に投資していて、元値より少しあがった時に「今売れば損することは無い」とすぐ売りたくなってしまったり、逆に下がったときには「いつか上がるかもしれないしまだ保有しておこう」と考えつづけて結局売り時を逃したり…。
しかし、今、皆さんはそういった人々の生来の性質を学び、知っています。これらの知識や理論、考え方を知っているからこそ、「損への恐れ」という深みにはまって足をとられることなく最適な判断ができるようになっているはずです。
また、仮に本当に「損失」がでて、一回失敗をしてしまったとしても、状況に落胆し固執することなく、10年20年先の資産形成というゴールを見据えて、長い目で、その時々に最適な判断を重ねていけば必ずや理想の資産形成に到達できるはずです。
さて、このシリーズは今回でひとまず一区切りつきましたが、次回からも、投資に関するマインドや知識、考え方を紹介していきますので、これからも末永くよろしくお願いいたします!