アパート投資は儲かるのか?

アパート投資はどちらかといえば、堅実に利益を出すというタイプの資産運用なので、大儲けをしたいという人には向いていないでしょう。しかし、ケースバイケースですので、うまくいけば大きな利益を出せることもあります。
金融商品よりも堅実
株式投資やFX、先物取引などは金融取引と言われています。これらの金融取引に共通することは、リスクがとても高いということです。
100万円のお金を短期間で5倍、10倍と増やして1,000万円にすることができる可能性もありますが、その逆で10分の1の10万円に減ってしまう可能性もあります。
株式投資は企業が倒産をすれば価値はゼロになるので、投資したお金を全部失ってしまうこともあります。FXや先物取引では通貨や商品の価値がゼロになるということはありませんが、レバレッジをかけて取引をしていると証拠金がゼロになってしまうことがあります。
その点、アパート投資はリスクは少なめです。アパートを購入すると土地と建物という資産が手に入ります。
アパートローンを借りている人は、土地と建物の価値よりも大きな債務を抱えてしまっているという状態になるかもしれません。それでも、毎月得られる家賃収入からローンを返済していくことができるので、最後にはローンはなくなり、土地と建物という資産が手元に残ります。
ローンをしっかりと完済することが条件ですが、基本的に投資した資産をゼロにしてしまうリスクはありません。大きく儲かる投資でもありませんが、将来もずっと安定した収入を得られるというメリットがあります。
ローンを完済できても利益がマイナスになることがあるという点には注意をしておくべきでしょう。
修繕費用は念頭に置くべき
アパート投資では固定資産税・都市計画税、管理費、修繕費用などのコストを必ず計算しておくべきです。特に予想よりも大きくなりがちなのが、修繕費用となるでしょう。築年数が10年くらいまでの物件は修繕費用はそれほど高額にはなりません。
しかし、築年数が20年を超えたあたりから一気に修繕費用が高額になってしまう傾向があります。
築年数が20年を超えてくるとリフォームなども考える必要が出てくるでしょう。築年数が経過した物件は需要が低く、家賃を下げなければ入居者が集まらない傾向ですが、さらに修繕費用も高額になりがちです。アパートローンを組むときはそういったリスクについても念頭に置いて余裕のあるプランを立てましょう。
理想を言うなら、アパートローンは15年くらいで完済をしてしまうべきでしょう。築年数が20年を経過していてもなおアパートローンの返済が残っている場合、家賃を下げなければならない問題や、修繕費用が高額になる問題などもあわせると、破綻のリスクが大きく上がってしまいます。
アパート投資は儲かると言って収益物件を売ろうとする業者もあります。しかし、業者は物件を売ることが仕事なので、アパート投資が儲かるかどうかというポイントにはあまり興味がありません。
投資は自己責任なので、セミナーなどに参加をして勉強をしておくことがおすすめです。
自転車操業にならないように注意
自転車操業というのは、ローンを返済するために消費者金融などでお金を借りてしまうことを言います。クレジットカードの支払いのために大手の消費者金融でお金を借り、大手の消費者金融の返済のために中小規模の貸金業者でお金を借りているという状態が代表的でしょう。
アパートローンでは、毎月の返済は家賃収入からしていくので、アパートが常に満室まで埋まっていればローンを返済できないということは基本的には起こりません。
しかし、空き室が増えていくにつれて、ローンの返済ができないというリスクが上がっていきます。空き室が増えたからといって家賃を下げると、ますますローンの返済が厳しくなってしまうかもしれないので、簡単に家賃を下げることもできません。
アパートローンを返済するためにカードローンなどでお金を借りてしまう人もいます。一時的に空き室が出ているだけであり、すぐに入居者が決まるようならばそれほど大きな問題でもないでしょう。
しかし、需要が低下している物件で、慢性的に空き室が出てしまうことが予想されるようなケースでは、カードローンでお金を借りて延命することはおすすめができません。
そのようなケースでは、家賃を下げることを検討したり、リフォームをして物件の魅力を増す工夫をしたり、適切なタイミングで売却をしてしまうといった対策が必要になります。