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M life 記事

投資 2018.5.14

【税理士監修】NISAは確定申告が必要?特定口座や損益通算などの税金について徹底解説!

 

NISAが始まり数年が経過しましたが、「非課税になるお得な制度なのは知っているけど、具体的にどのような制度なのか分からない」というも多いように感じます。NISAは何が非課税なのか?確定申告は必要なのか?今回はNISAの税金面について解説します。

 

 

改めてNISAや確定申告についておさらい!

 

NISA口座での確定申告の有無や税金について詳しく触れる前に、まずはNISAや確定申告がどのような制度であったか確認しましょう。

 

2014年より始まった非課税制度NISA

NISAは2014年1月、個人投資家の為の新たな税制優遇制度として始まりました。NISA口座では、毎年最大120万円(2015年までは毎年100万円でした)までの投資にかかる配当金や売買益について5年間非課税となります。

 

対象商品は株式や株式投資信託、ETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)等が対象となり、預貯金や公社債等は対象となりません。また、5年間の非課税期間が終了した場合、一般の課税口座へ移行するか翌年の非課税枠へ移行し保有し続けるか選ぶことが可能です。

 

通常の取引には利益に対して20.315%課税される

通常の取引で株式取引を行った場合、配当金や売買益所得税が15%、住民税が5%、復興特別所得税が0.315%、合計で20.315%の税金を納めなければなりません。得た利益から約1/5もの金額が税金として引かれてしまうのです。NISAはこの「20.315%」部分が非課税になる制度になります。

 

確定申告とは?

所得税の確定申告とは、1年間(1月1日~12月31日の間)の収入から必要経費を差し引いて所得額を確定し、税金額の計算・支払いを行うための手続きになります。

 

対象者は翌年2月16日~3月15日までの間に確定申告書や決算書等の必要書類をそろえて税務署へ提出し納税を行う必要があります。場合によっては納め過ぎた税金が戻ってくることもあります。

 

 

通常の取引での確定申告

 

株式投資を行っている場合、確定申告は納税額の決定・納付以外にも様々な役割があります。まずは通常口座で取引を行う場合を見ていきましょう。

 

確定申告することで損益通算ができる

例えば、あなたが証券会社Aと証券会社Bで株式投資を行っていたとします。A会社で100万円の利益が出た場合、通常ではこの100万円に対して20.315%の税金が発生します。しかし、もしB会社で50万円の損失が発生していた場合、所得税の確定申告をすることで損益通算ができます。

 

この場合、「A会社の利益100万円-B会社の損失50万円=差引50万円の利益」に税金がかかる事になり、税金を多く納めていた場合は還付してもらう事ができます。

 

サラリーマンの場合、利益が20万円までなら確定申告不要

サラリーマンは一般的に会社の年末調整で所得税の清算が行われる為、基本的には確定申告の必要はありません。しかし、以下に該当する場合は確定申告を行う必要があります。

 

・その年の収入が2,000万円を超える場合

・給与所得、退職所得以外の所得金額が20万円を超える場合

・2カ所以上から給与をもらっている場合

・住宅ローン控除を受ける場合

・医療控除や雑損控除などの控除の適用を受ける場合…等

 

株式投資で利益が出た場合、利益が20万円を超えず、医療控除や住宅ローン控除を受ける予定がなければ確定申告をする必要はありません。

 

出典:国税庁(NO.1900 給与所得者で確定申告が必要な人)http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1900.htm

 

確定申告することで3年間は繰越控除ができる

こちらも例を利用して説明しましょう。A会社で株式投資を行い、ある年に50万円の損失を出しましたが確定申告を行わなかったとします。その後、翌年に100万円の利益が出た場合、通常だと100万円に対して20.315%の税金が発生します。

 

しかし、もし50万円の損失を出した年に確定申告を行った場合、翌年に得た100万円の利益から昨年に出した損失50万円を繰越控除する事ができます。控除した後も損失が残っている場合、3年間は繰越しが可能になります。

 

特定口座源泉徴収あり口座にすると確定申告は不要

株式投資を行う為に開設する口座は「一般口座」「特定口座(源泉徴収なし」「特定口座(源泉徴収あり」の3種類から選択する事になります。

 

「特定口座(源泉徴収あり」を選択した場合、利益が発生するごとに証券会社が税金分を徴収するので確定申告を行う必要がありません。

 

ただし、上記で説明したような確定申告を行う必要がないサラリーマンの場合、本来納める必要がない場合でも自動で税金分が徴収されてしまいます。その良し悪しを理解した上で自分にあった方を選びましょう。

 

 

NISAは確定申告が必要?

 

NISAは損でも益でも非課税のため、原則確定申告は不要!

NISA口座内で取引をした場合、利益を出そうが損失を出そうが基本的に非課税となる為確定申告を行う必要ありません。しかし、決してメリットだけではなくいくつかのデメリットもあります。下記で詳しく見ていきましょう。

 

NISA口座内では損益通算ができない

NISA口座では通常口座で可能であった損益通算が出来ません。NISA口座で発生した損失と通常口座で得た利益を合わせる事が出来ない為、通常口座で得た利益すべてに20.315%の税金が発生してしまいます。

 

例えば、NISA口座で50万円の損失、通常口座で30万円の利益が発生した場合、全体的にみて20万円の損失なのにも関わらず通常口座で得た30万円に対して税金が発生してしまう。1円たりとも利益が発生していない上に、さらに税金までかかってしまいます。

 

3年間の繰越控除もできない

こちらもNISA口座では行う事が出来ません。NISAは利益が大きい場面でこそ強みを発揮できますが、損失が発生した場面には弱い制度と言えるでしょう。

NISA口座を利用する場合は、このようなメリット・デメリットがある事を覚えておきましょう。

 

出典:金融庁(NISAの基礎知識)https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/nisa/knowledge/index.html

 

 

 

NISAでも確定申告が必要な場合って?

 

NISAの配当金の受取方法を『株式数比例配分方式』にしていないと課税対象に

配当金の受取方法には『株式数比例配分方式』『配当金領収証方式』『登録配当金受領口座方式』の3種類あり、詳細は以下の通りになります。

 

・株式数比例配分方式:証券口座で配当金を受け取る方法

・配当金領収証方式:郵便局またはゆうちょ銀行に「配当金領収証」を持参し、配当金を受け取る方法

・登録配当金受領口座方式:指定した銀行口座で配当金を受け取る方法

 

『株式数比例配分方式』であれば配当金について非課税となります。しかし郵便局や銀行口座等、『株式数比例配分方式』以外の受け取り方法を選択した場合は課税対象となります。

 

NISAでも比例配分でなければ、配当益が20万円を超えると確定申告が必要!

配当金の受け取り方法が『配当金領収証方式』もしくは『登録配当金受領口座方式』である場合、NISA口座でも配当益が20万円を超えてしまうと確定申告をしなければなりません。

 

また、仮にNISA口座で発生した配当益が20万円以下だったとしても、一般口座で発生した配当益や売買益などを合わせて20万円を超えてしまう場合は確定申告が必要なので注意が必要です。

 

 

NISA口座の確定申告は不要でも、その他控除の確定申告は必ず行うこと!

 

「確定申告は不要です」と証券会社に言われても、全ての確定申告が不要なわけではない

証券会社の言う「確定申告が不要」はあくまでも株式投資部分に対しての話です。その為、株式投資以外で利益を得ている場合や、税金控除に該当するものがある場合は確定申告を行う必要があります。

 

確定申告で税金が戻ってくる控除

社会保険料控除

納税者本人または生計を一にする配偶者や親族に係る社会保険料(国民健康保険、健康保険、国民年金、厚生年金保険、介護保険や国民年金基金の掛け金等)を支払った場合、支払った保険料の全額が控除になります。

 

控除を受ける為には、保険料又は掛金の金額を証する書類を添付する必要があります。

 

出典:国税庁(No.1130 社会保険料控除)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1130.htm

 

医療費控除

本人及び配偶者や生計を一にする親族にかかった医療費が年間10万円以上かかった場合、10万円を超える部分に対して最大200万円まで控除を受ける事ができます。

 

また、平成29年1月1日より「セルフメディケ―ション税制」が開始されました。こちらは上記で説明した「医療費控除との選択式」になり、どちらか一方を選ぶことになります。特定一般用医薬品を1万2千円以上購入していた場合、最大8万8千円の控除を受ける事ができます。どちらも確定申告時に専用の様式に沿って明細書を作成し添付する必要があります。

 

出典:国税庁(No.1120 医療費控除)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1120.htm

 

生命保険控除

自分で生命保険や医療保険に加入し保険料を支払っている場合に「生命保険料」「介護医療保険料」「個人年金保険料」の項目別に最大4万円(平成23年12月以前の契約では、「生命保険料」と「個人年金保険料」の項目別に最大5万円)の控除を受ける事ができます。

 

控除を受ける為には、保険会社から届く「控除証明書」を添付する必要があります。

 

出典:国税庁(No.1140 生命保険料控除)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1140.htm

 

その他確定申告すべき人

会社を退職して再就職しなかった人

1月1日~12月31日の1年間会社に所属している場合、勤め先の会社が年末調整を行う為、確定申告を行う必要はありません。しかし、年の途中で退職し年末まで再就職をしなかった場合は自分で確定申告を行う必要があります。

もし会社勤めの時に税金を多く納めていた場合、確定申告を行うことで納め過ぎた税金の還付を受ける事ができます。

 

年末までに家族が増えた人

年末までに家族が増えた場合、「配偶者控除」や「扶養控除」が受けられます。所得税については16歳未満の子どもに対して控除はありませんが、住民税部分では控除を受ける事ができるので家族が増えた際は必ず申告しましょう。

 

住宅を購入して住宅ローンを組んだ人

所得が3,000万円以下であることや、10年以上の返済期間を設けた住宅ローンを組むなどの様々な要件がありますが、要件に該当していると「住宅ローン控除」を受ける事ができます。控除額は現在残っているローン残高の1%になります。

なおサラリーマンの場合、2年目以降は会社で年末調整を行ってくれる為、確定申告が必要なのはローンを組んだ最初の年のみとなります。

 

災害や盗難にあった人

災害や盗難・横領により住居や家財・現金などの生活に必要な資産に損害を受けた場合は「雑損控除」を受ける事ができます。損失額が大きく1年で全ての控除が出来ない場合、最大で3年間繰越しを行う事ができるので、こちらも忘れずに申告を行いましょう。

 

 

まとめ

 

いかがでしょうか?NISAは配当益や売買益が非課税になり、基本的に確定申告も不要になりますが、配当益の受け取り方法によっては確定申告を行う必要が出てきます。

 

また、NISA口座以外で得た利益や控除できる税金がある場合も確定申告が必要です。サラリーマンの方々にとって確定申告は馴染みのないものかもしれませんが、税金を納めるために必要な手続きです。しっかりと理解して正しく確定申告を行いましょう。

 

監修者:添田 裕美(税理士)

 

 

 

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