» 【FP監修】意外と知らない、個人型確定拠出年金(iDeCo)のデメリットのメインビジュアル  » 【FP監修】意外と知らない、個人型確定拠出年金(iDeCo)のデメリットのメインビジュアル

M life 記事

お金 2018.5.23

【FP監修】意外と知らない、個人型確定拠出年金(iDeCo)のデメリット

 

みなさん、確定拠出年金という言葉をご存知でしょうか。iDeCo(イデコ)とも呼ばれるこの制度は、ご自身で掛金を拠出(出し合う)し運用することで、老後に掛金と運用益を受けとれる私的年金の制度です。iDeCoは、掛金が所得控除になったり、運用益も非課税になるといったメリットの多い制度ですが、意外と知らないデメリットも隠れています。

今回はそんなiDeCoのデメリットを注目して、見ていきましょう。

 

 

目次

個人型確定拠出年金(iDeCo)

 

まずは確定拠出年金であるiDeCoの基礎知識からご紹介します。

 

個人型確定拠出年金(iDeCo)とは?

個人型確定拠出年金(iDeCo)は、平成13年から確定拠出年金法に基づいて実施されている私的年金の制度のことです。この制度は自分の意志で申し込み、掛金を自ら決めた商品で運用し、掛金と運用によって得られた利益を60歳以降に年金や一金で受け取ることができます。

 

確定拠出年金の最大のメリットは様々な税制優遇!

確定拠出年金の最大のメリットは、なんといっても様々な税制の優遇が受けられることです。

例えばまず、掛金全額が所得控除になります。また、掛金を運用したことで生まれた運用益についてもiDeCoでは非課税になり、運用益については再投資されます。その他にも、60歳になり掛金と運用利益を受けとるときには、年金形式なら「公的年金等控除」、一時金形式なら「退職所得控除」の対象となります。

 

良い情報ばかりを鵜呑みにせず、デメリットも知ってから加入しましょう!

税制のメリットを聞くと、老後の資金作りのためにiDeCoに入りたくなってしまうかもしれません。ですが、もう少し待ってください。メリットだけでなく、デメリットも加入前におさえておきましょう。

 

 

確定拠出年金のデメリット

 

メリットがいくつもあるように、デメリットもいくつかあります。

 

原則60歳までお金を受け取れない

iDeCoの最大のデメリットは60歳まで拠出したお金を引き出すことができないことです。iDeCoを始めるなら、これは老後資金にしか使わないお金だと心しておきましょう。

 

一度加入すると解約できない

iDeCoは老後の資金のための制度ですので、一度加入すると原則中途解約することができません。しかし、途中解約できない代わりに掛金の額を変更することはできます。

また、以下の要件をすべて満たす場合には、脱退一金を受け取ることができます。

・要件

・国民年金の第1号被験者のうち、国民年金保険料の全額または一部免除、もしくは納付猶予を受けていること

・確定拠出年金の障害者給付金の受給権者でないこと 

・通算で拠出期間が3年以下、または個人別管理資産が25万円以下であること 

・最後に企業型確定拠出年金またはiDeCoの加入者資格を失ってから2年以内であること

・企業型確定拠出年金の資格喪失ときに脱退一時金を受給していないこと

 

以上の要件を満たしていた場合、「脱退一金裁定請求書」を提出することで、60歳未満でも脱退一金を受け取ることができます。

 

出典:加入者の方へ―脱退一時金の請求手続きについて|iDeCo公式サイトhttps://www.ideco-koushiki.jp/join/#procedure

 

将来の年金が確定せず元本割れの可能性がある

iDeCoに預けたお金は資産運用することになりますので、将来受け取る額は確定されていません。運用商品を選ぶときに商品の特徴を理解していないと運用成績によっては、元本割れすることもあります。

 

毎年の年金資産残高に特別法人税が課税される

特別法人税とは、確定給付企業年金や確定拠出年金の積立金に年率1.173%を課税するものです。現在は凍結されており、現とき点では影響はないですが、今後凍結が解除された場合、将来受け取る年金への影響が考えられますので、覚えておく方がよいでしょう。

 

出典:特別法人税|企業年金連合会
 https://www.pfa.or.jp/yogoshu/to/to17.html

 

様々な費用がかかる

iDeCoに加入すると、どうしても手数料という費用がかかってきてしまいます。例えばざっと以下のような手数料がかかります。

 

 

・年金制度新規加入時の手数料

・資産運用期間中に金融機関に毎月支払う手数料

・運用商品に投資信託を選んだ場合にかかる信託報酬等手数料

・年金給付時にかかる手数料

など

 

 

確定拠出年金にかかる費用

 

それではこのどうしてもかかってくる費用について、ご紹介していきましょう。

 

確定拠出年金のデメリットの1つ、費用についてよく確認しておこう!

先ほどあげたデメリットの1つである確定拠出年金にかかる費用ですか、意外と沢山ありますので大きく5つに分けて整理しておきます。実際に自分が加入するとき、どれくらい費用がかかるのかの目安にもなりますので、チェックしておきましょう。

 

新規加入ときにかかる初期費用

1つめは、iDeCoに加入したときの初期費用からです。

 

国民年金基金連合会に支払う手数料

iDeCoへの新規加入資格を取得したときには、税込2,777円の手数料がかかります。

 

出典:iDeCoはじめよう(手数料について)|iDeCo公式サイト
https://www.ideco-koushiki.jp/start/

 

金融機関に支払う手数料

国民年金基金連合会に支払う手数料のほかに、金融機関によっては加入に別途手数料が必要な場合があるので、チェックしておく必要があります。

 

運用期間中に毎月かかる費用

2つめは、iDeCoで運用している機関にかかる費用についてです。

 

国民年金基金連合会手数料

iDeCoの加入者になった場合には、掛金納付のたびに税込103円の手数料がかかります。毎月積み立てを行うのであれば、103円×12ヶ月で、年間1,236円が必要です。

 

事務委託先金融機関手数料

事務委託先金融機関とは、国民年金基金連合会から委託を受けて資産を管理する信託銀行のことです。こちらについても月64円、年間で768円が必要です。

 

出典:iDeCoの手数料|iDeCo(確定拠出年金)総合ガイド モーニングスターhttps://ideco.morningstar.co.jp/fee.html

 

金融機関の運営管理機関手数料(口座管理料)

こちらはそれぞれの金融機関によって違いますので、各機関で手数料をチェックする必要があります。以下のサイトで各金融機関の手数料を比較しているので、参考にしてみてください。

 

・手数料(口座管理料)で比較|iDeCoナビhttp://www.dcnenkin.jp/search/commission.php

 

運用している投資信託の信託報酬

投資信託は、資産の運用を専門家であるファンドマネージャーお任せする商品です。ですが専門家に依頼するため、信託報酬という手数料がかかります。

投資対象や運用方法によって、信託報酬は異なっていますので、運用を投資信託で行うときには先にチェックしておきましょう。

 

iDeCoの加入金融機関を変える場合にかかる移管費用

3つめは、加入機関を変えるときにかかる費用です。

 

移管手数料

移管手数料はiDeCoの資金を別の金融機関へ移すときに必要な手数料になります。こちらも金融機関によって異なり、先ほどご紹介した「iDeCoナビ」を見てみると、主に無料のところが多いですが、税込で4,000円程度の移管費用が掛かる金融機関もあります。

 

年金の受取時にかかる給付費用

4つめは、年金を受取時にかかる費用です。

 

送金手数料

年金を受け取りに関しても手数料が発生します。手数料は給付1回につき、税込432円が必要です。

 

掛け金の払い戻し時の還付にかかる費用

最後は、払い戻しの還付にかかる費用です。還付とは、法で定められた限度額を超えて拠出された掛金や加入資格のない月に拠出があった場合など、該当の月の掛金を加入者に返すことです。そのときには以下のような手数料かかかります。

 

国民年金基金連合会手数料

1回につき税込1,029円

 

事務委託先金融機関

1回につき税込432円

 

運営管理機関手数料

こちらについては、金融機関によって異なりますが、大体600円程度の手数料がかかります。

 

以上、5つに分けて確定拠出年金(iDeCo)にかかる手数料をご紹介しました。もっと詳しく知りたい方は以下のサイトを参考にしてみてください。

 

・iDeCoをはじめよう|iDeCo公式サイト
https://www.ideco-koushiki.jp/start/

 

・iDeCoの手数料|iDeCo(確定拠出年金)総合ガイド モーニングスターhttps://ideco.morningstar.co.jp/fee.html

 

 

デメリットから見た確定拠出年金をオススメしない人

 

それでは次にデメリットを考えた場合に、確定拠出年金に向かないをご紹介します。

 

専業主婦などの収入が低く所得税をあまり払っていない人

この方は、収入がないため所得控除が使えません。そのためiDeCoの一番のメリット所得税・住民性の節税を受けることができません。資産運用中の運用益には税金がかかりませんが、金融機関への手数料がかかります。

 

控除されるものが多い人

確定拠出年金の節税によって、その他の控除されるものが減少する場合があります。例えば、住宅ローン控除やふるさと納税控除があります。

 

確定拠出年金は掛金を払った分だけ課税所得から所得控除されます。そのため、課税される所得が少なくなるので、結果支払う税金が減ることになります。しかし、住宅ローン控除では所得税や住民税から税額控除というかたちで直接控除するしくみになっているため、所得が減ってしまうと所得にかかる税金自体が少なくなるので、住宅ローン控除を全額受けることができなくなる場合があります。

 

また、ふるさと納税では、 2,000円を超える一定限度額まで所得税と合わせて全額控除の対象になるのですが、確定拠出年金で所得控除を受けてしまうと、こちらも所得税額が少なくなるため、ふるさと納税で控除される金額も減ることになります。

 

貯蓄があまりない人

確定拠出年金は途中引き出しができません。もし、他に貯蓄がなく、緊急の出費が必要になったときiDeCoの掛金には頼ることができません。貯蓄があまりなくても積立をしたいのなら、途中解約することが可能なNISAを使うほうがおすすめです。

 

数十年間、金融商品を自分で管理するとき間や自信がない人

確定拠出年金は、自分で運用する商品を選ぶ必要があります。また、早くても60歳まで引き出すことはできませんので、おのずとその年齢まで資産運用を行うことになります。運用商品を見極め管理したり、こまめにチェックすることで、受け取れる年金額が決まってくるため、資産を管理したり運用について自分で勉強する時間が必要になります。

 

年金や退職金が多い人

勤続年数が長く年金や退職金が多い場合、受給時に税金が発生する場合があります。iDeCoから年金を受けとるときに適用される退職所得控除(一時金で受け取る場合)は会社・団体の退職金と、公的年金等控除(年金で受け取る場合)は公的年金と合算して計算されるため、もし受け取る年金や退職金が多い場合には、非課税枠を超えてしまう可能性があり、税額負担が増えることがあります。

 

受け取られる前に、一時金と年金とのどちらの形式で受け取るとよいか、試算されることをお勧めします。

 

デメリットに対する考え方と対策

 

ここまでデメリットを中心に見てきましたが、最後にそんなデメリットに対する考え方と対策をお伝えしておきます。

 

60歳までお金を受け取れないが、確実に老後専用のお金を用意できる

iDeCoは原則60歳まで引き出すことはできません。ですが、それだけしっかりと縛りがあることで、貯蓄が苦手な人でも確実に老後専用の資産を準備することができるので、メリットと考えることもできます。

 

元本保証ではないが、インフレ対策や老後の資産を増やす効果を期待できる

確かに金融商品で運用するので、積極的にふやそうとすると元本保証はありません。しかし、ただ積立するわけではないので、低金利で利息がつかず資産が増えないことや物価上昇によってお金の価値が相対的に下がってしまうインフレへの対策として、資産を増やす可能性がある確定拠出年金はおすすめです。

 

元本割れのリスクを減らすため、60歳に向けてポートフォリオ内の安全資産の割合を増やしていく

もしものために資産を増やしたいけれど元本割れは嫌だな、と考えてしまい、一歩が踏み出せないかもしれませんが、この元本割れのリスクを減らす方法もあります。その1つが金融商品の組み合わせ(ポートフォリオ)を考えるということです。

 

iDeCoは株や投資信託などの金融商品への投資での運用だけでなく、定期預金などの元本が確保できる安全な資産運用も行うことができます。掛金のうちいくらまでを元本保証のない投資商品に回すのか、いくらを安全な資産運用にするかを考え、60歳に近づくにつれて安全な資産の割合を増やすなど調整することで、受け取るときの元本割れのリスクを軽減することができます。

 

本割れしてしまった場合、すぐに受け取らずに運用を続け資産の値上がりを待つ

確定拠出年金は60歳までに10年以上の加入期間があれば、60歳になると「受け取る権利」が発生します。ですが、権利が発生するだけなので、急いで受け取る必要はなく、運用指図者としてしばらく運用を続けることもできます。よって、もし運用がうまくいかず元本割れしてしまっているのであれば、そのまま運用を続けて値上がりを待つという方法もあります。

 

なお、一時金であれ、年金であれ、70歳までには受け取りを開始する必要があります。

 

まとめ

 

「意外と知らない、確定拠出年金のデメリット」、いかがだったでしょうか。今回はいろいろなメリットを耳にする個人型確定拠出年金(iDeCo)のデメリットに注目して見ていきました。メリットが多い一方で知っておいた方が良いデメリットもたくさんあるのがiDeCoです。もしiDeCoを始めようしたとき、1人ではやっぱり不安だと感じたら、ファイナンシャルプランナーや税理士といった専門家のに尋ねてみるのもいいかもしれません。デメリットやリスクを理解してiDeCoを使うことできたなら、きっとあなたの老後の助けの1つなってくれることでしょう。

 

監修者:上津原 章(ファイナンシャルプランナー)

 

 

 

記事一覧に戻る
記事一覧に戻る

高年収女性のためのスマート投資術セミナー情報 資産運用や投資についてのセミナー初めての方向け 高年収女性のためのスマート投資術セミナー情報 資産運用や投資についてのセミナー初めての方向け

セミナー一覧を見る