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M life 記事

お金 2018.8.6

【FP監修】転職すると確定拠出年金はどうなるの?

 

2017年1月から、基本的に60歳未満のすべての方がiDeCo(個人型確定拠出年金)に加入できるようになりました。税制優遇メリットのある確定拠出年金制度の認知度向上に伴い、普及が進んでいます。

 

従来に比べ転退職する方も増えており、その際加入していた確定拠出年金の資産どうすべきか疑問を持たれる方もいらっしゃるでしょう。

 

そこで今回は、転退職に伴う確定拠出年金の資産の移換について解説していきます。

 

確定拠出年金とは?

 

 

 まずは確定拠出年金の制度や特徴に関しておさらいしましょう。

 

確定拠出年金とは、自分で老後年金を作る制度

確定拠出年金は、豊かな老後生活を送るため、自己責任のもと資産運用をして、計画的に老後の資産形成を図る制度です。

 

日本は医療技術の発達などにより、長生きできる長寿社会である一方、社会保障費は膨れ上がり、将来受け取れる年金額が減少する可能性もあります。そこで、これからは国だけには任せておかず、皆さん本人が自ら老後の資産を計画的に形成していくために、この確定拠出年金制度を活用していきましょう。

 

確定拠出年金の特徴

ここからは確定拠出年金の特徴を5つご紹介します。

 

拠出額・運用商品を自分で決め、受取額は自分の運用成績次第

まず確定拠出年金にいくら拠出するのか、次にどのような金融商品で運用をするのか、加入者本人が決めていきます。国民年金や確定給付企業年金のように、政府や企業が皆さんに代わって運用を行ってくれません。

 

そして将来受け取れる年金額は、自分自身の運用成績次第で、拠出金額以上にもらえる可能性もあれば、資産が目減りしてしまリスクもあります。

 

なお運用する商品は、元本確保型の定期預金や、積極的にリスクをとる株式投資信託、安定成長を狙う債券投資信託などバラエティに富んでいので、自身のリスク許容度にマッチした商品を選択しましょう。

 

積み立てたお金は原則60歳まで引き出しできない

確定拠出年金について、注意が必要なのが、原則60歳まで積み立てたお金を引き出すことができない点です。この制度が老後の資産形成を目的としているため、長期にわたる資産形成、資産運用になります。

 

そのため、例えば週末の飲食代としてATMで確定拠出年金の資産を引き出すことはできない仕組みとなっています。

 

様々な税制優遇が受けられる

また確定拠出年金は拠出時、運用時、給付時それぞれの段階で税制優遇を受けられます。まず拠出金は全て所得控除の対象となり、所得税・住民税を節税することができます。職業などによって拠出限度額が決まっています。例を挙げますと、自営業者の場合、月額68,000円が拠出限度額となります。年間では816,000円、この金額がすべて所得控除の対象となり税金を抑えることができます。

 

また、運用益が非課税となります。通常、定期預金の利子や投資信託の値上がり益などには20.315%の税金がかかりますが、これが非課税となります。

 

さらに給付時の所得控除が受けられます。確定拠出年金は60歳以降に5年以上20年以下の年金として受け取るか、一括で受け取るか、もしくはその併用も可能です。その際に、年金として受け取る場合は公的年金等控除、一括で受け取る場合は退職所得控除を受けられます。

 

企業型と個人型がある

そしてこの確定拠出年金は企業型と個人型に分けられます。企業型がお金を拠出するのは企業で、運用と給付を受けるのは加入者本人です。一方で個人型は、お金を拠出するも、運用と給付を受けるのも、すべて加入者本人となります。

 

なお企業型確定拠出年金は勤務先の企業が確定拠出年金を導入していることが前提となります。一方で個人型確定拠出年金は、本人の意思で加入する金融機関や拠出金額などを決めることができます。

 

ポータビリティという制度がある

さらに確定拠出年金にはポータビリティという制度があります。これは転退職などに伴い確定拠出年金の資産を移換することができることです。次の見出しで詳しく説明します。

 

「ポータビリティ」とは?

 

ここからは確定拠出年金のポータビリティについて解説します。

 

ポータビリティとは?

従来は転退職すると、その後の状況によっては確定拠出年金の資産を継続して運用することできませんでした。しかし、ポータビリティ制度の拡充により、安心して継続的に老後の資産形成を行うことが可能となりました。

 

資産が安定して継続的に運用できなければ、加入者にとって使い勝手のいい制度とはいえません。また昨今は転退職が増えてきており、このポータビリティは確定拠出年金が持つ大きなメリットの1つといえるでしょう。

 

転職・退職後自動移換まで6ヶ月のタイムリミットがある

そして1点注意が必要なのが、転退職後6月以内に確定拠出年金資産の移換手続きを行わないと自動移換されてしまうことです。

 

この自動移換は、企業型確定拠出年金に加入していた方が転退職し、確定拠出年金の資産を個人型確定拠出年金もしくは他の企業型確定拠出年金に移すか、条件を満たしたうえで脱退一時金の請求を6ヶ月以内に行わないと、投資信託などで運用していた資産は一旦現金化され、国民年金基金連合会に自動的に移されてしまいます。

 

なお自動移換に関しては、そのデメリットを後ほど詳しく解説します。

 

ポータビリティができるパターン

 

ここからは転職した際に、ポータビリティができるパターンをご紹介します。以前勤務していた企業での確定拠出年金の加入者資格を喪失(退職日の翌日に喪失)してから6ヶ月以内に移換しなければ自動移換されてしまいますので、速やかに手続きを行いましょう。

 

企業型確定拠出年金の加入者が転職した場合

まずは企業型確定拠出年金に加入していたが転職した場合です。

 

企業型確定拠出年金へ移換

企業型確定拠出年金から他の会社の企業型確定拠出年金へ資産を移換することは可能です。この際は転職先の会社に移換の手続き方法を確認しましょう。

 

個人型確定拠出年金へ移換

企業型確定拠出年金から個人型確定拠出年金へ資産を移換することもできます。この場合は、加入を検討している金融機関から必要書類を取り寄せ、必要事項を記載のうえ提出します。

 

移換手続きを行う際は、書類に不備があると移換が遅れますので、これから加入を検討している金融機関の指示に従い、正確にそして余裕をもって手続きを進めましょう。

 

個人型確定拠出年金の加入者が転職した場合

次に個人型確定拠出年金に加入していた方が転職した場合です。

 

企業型確定拠出年金への移換

個人型確定拠出年金から企業型確定拠出年金への移換に関しては、転職先の企業が企業型確定拠出年金を導入していれば可能です。移換する際は、転職先の企業に手続き方法を確認しましょう。

 

個人型確定拠出年金の継続

一方、転職先の企業が企業型確定拠出年金を導入していなければ、引き続き個人型確定拠出年金資産を継続的に運用することができます。このように確定拠出年金制度はポータビリティがあることにより、転退職を伴っても、安定して継続的に資産運用を行うことができる制度となっています。

 

自動移換された場合のデメリット

 

 

ここからは自動移換された場合のデメリットをお伝えします。手続きを怠るだけで複数のデメリットが生じますので、転退職の際は忘れずに早めに対応しましょう。

 

資産運用がされない

まず転退職する前に定期預金や投資信託などで資産運用していても、自動移換されてしまうと、一度現金化されてしまい資産運用は継続的に行うことができなくなります。仮にその期間に好景気により投資信託の価格が大きく上昇したとしても、その際得られたはずの利益を得ることはできず、機会損失が生じることになります。

 

また、定期預金などで運用することにより、ローリターンではあるものの着実に資産を増やしているにとって、自動移換されますと様々な管理手数料がかかってきてしまい、結果的に資産が目減りしてしまう可能性もあります。

 

管理手数料を負担しなければならない

また、資格喪失後6ヶ月以内に移換手続きを行わないだけで、様々な管理手数料がかかってきてしまいます。

 

まず自動移換された方の記録を管理する特定運営管理機関への資産の移換手数料が3,240円かかります。また自動移換に係る事務手数料として、国民年金基金連合会に1,029円徴収されます。

 

さらに、自動移換されてから4ヶ月後の月末までに移換などの手続きをしないと、特定運営管理機関手数料として毎月51円かかります。そして、特定運営管理機関から企業型もしくは個人型確定拠出年金へ資産を移換するときも、特定運営管理機関からの移換手数料として1,080円が徴収されます。

 

このように自動移換されてしまうと、余計な手続きが必要となるだけでなく、余分に費用もかかってしまいます。

 

出典:転職・退職された方へ|国民年金基金連合会
https://www.ideco-koushiki.jp/retirement/#case4

 

自動移換中の期間は老齢給付金の受給要件となる通算加入者等期間に算入されない

そして自動移換中の期間は、60歳以降に受け取る老齢給付金の受給要件である通算加入者等期間に算入されません。そのため、受給可能年齢が遅くなる場合があります。なお確定拠出年金の老齢給付金を受給するには、60歳までに通算加入者等期間が10年以上あることが条件となっています。

 

このように自動移換はデメリットが多いです。このため、国民年金基金連合会では自動移換者を減少させる取り組みを始めています。

 

企業型確定拠出年金の資格喪失後6ヶ月以内に新たにiDeCoの加入者になったことが確認できた方や、自動移換の状態で新たにiDeCoの加入者になったことが確認できた方は、移換の申し出をすることなく、企業型確定拠出年金や特定運営管理機関からiDeCoへの移換処理が行われるようになりました。ただし、自動移換された方の誰もが救済されるわけではありません。

 

転職の前後は様々な手続きがあり忙しいと思われますが、自動移換とならないよう6ヶ月以内に移換手続きをしましょう。

 

まとめ

 

最後となりますが、確定拠出年金はポータビリティ性があるため転職などの際に、これまで積み立ててきた資産を移すことができます。これにより、確定拠出年金制度では資産を安定して継続的に運用していくことが可能となります。

 

そして、これまでお伝えした通り自動移換されてしまうと様々なデメリットが生じます。転職などにより確定拠出年金の資産を移換する必要がある方は、スケジュールに余裕を持たせて早めに手続きを行いましょう。

 

監修:高橋 政実(ファイナンシャルプランナー)

 

 

 

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