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M life 記事

お金 2018.8.17

【税理士監修】運用しながら節税!個人型確定拠出年金の所得控除について

 

豊かな老後生活を送るために優遇税制メリットを享受しながら資金を準備できる確定拠出年金制度。この確定拠出年金を活用することにより、節税しながら老後の生活資金準備のための資産運用ができます。

 

そこで今回は、確定拠出年金の大きなメリットである節税に関して詳しく解説するとともに、所得控除を受ける際のポイントなどをお伝えします。

 

確定拠出年金のメリット、税控除について

 

 

まず確定拠出年金のメリットである所得控除について解説します。

 

個人型確定拠出年金(iDeCo:イデコ)とは?

確定拠出年金(iDeCo:イデコ)とは、豊かな老後生活を送るための資金準備のために作られた公的年金の上乗せ制度です。確定拠出年金は国民年金や厚生年金の公的年金に対して私的年金と呼ばれています。

 

制度開始当初は自営業者や企業年金に加入していない会社員等加入対象者は限られていましたが、2017年1月から基本的に60歳未満のすべての方が加入できるようになり公務員や専業主婦(夫)等も加入対象となり普及が進んでいます。

 

個人型確定拠出年金は、口座開設する金融機関と運用する商品を自分で選択し、自己責任で資産運用を行います。そして原則60歳以降にこれまで積み立ててきた資産を受け取ることができる仕組みとなっています。

 

なお、注意が必要なのは、確定拠出年金で運用する商品には元本確保型の定期預金や保険商品だけでなく、投資信託のような元本が保証されていない商品もあります。そのため、ご自身のリスク許容度に合わせて運用商品を選択するよう心がけましょう。

 

個人型確定拠出年金の大きな魅力、3つの税制優遇!

確定拠出年金の大きなメリットにて、積立時、運用時、受取時それぞれに3つの税制優遇があります。どのような税制優遇を受けられるのか後ほど詳しく解説します。

 

控除を利用することで効率的な老後の資産形成に役立てることができる

確定拠出年金を活用することにより、掛金の全額所得控除や運用益への非課税といったメリットを享受することができます。節税できた分はさらに老後の生活資金として役立てることができます。

 

積立時

 

 

ここからは個人型確定拠出年金の積立時の節税メリットをお伝えします。

 

積み立てた掛金全額が所得控除の対象

個人型確定拠出年金では、掛金全額が、所得控除の対象となります。そのため、所得税・住民税が抑えられるので節税につながります。ただし、毎月の掛け金は、月額5,000円から1,000円単位で、職業などによって上限が決められています。

 

自営業者は月額68,000円、専業主婦(夫)は月額23,000円、会社員(企業年金なし)は月額23,000円、会社員(企業年金あり)は月額12,000円または、月額20,000円、そして公務員は月額12,000円が拠出上限となっています。

 

新たに加入が可能となった公務員を例に挙げますと、限度額まで拠出すると年間で144,000円すべてが所得控除の対象となります。

 

節税額は年収や掛金によるが、積み立ての全期間に適用

年収や掛金額によって、節税額は変わります。基本的に、年収や掛金額が高いほど節税効果は大きくなります。そして、この所得控除は、確定拠出年金で積立全期間にわたり適用されます。

 

個人型確定拠出年金は老後の資産形成を図る制度のため、長期にわたる積立を行う仕組みです。よって、その期間ずっと節税効果を享受できることは、大きなメリットの1つといえるでしょう。

 

自営業者は確定申告、会社員の場合は年末調整で対応できる

所得控除を受けるためには、自営業者は確定申告を、会社員は年末調整を行う必要があります。確定拠出年金の所得控除のための確定申告と年末調整の方法に関しては、のちほどそれぞれ詳しくお伝えします。

 

運用時

 

 

次に運用時のメリットをお伝えします。

 

売却益や分配金などの運用益が非課税

確定拠出年金では、加入した金融機関が提供する定期預金や投資信託などで資産運用を行います。そして、確定拠出年金は運用により得た売却益や分配金などが非課税となります。通常ですと、定期預金の利子や投資信託の売却益などには20.315%の税金がかかります。

 

簡単な例を挙げますと、運用により4万円の利益が出たとします。通常、運用益には8,126円の税金がかかり受取額は31,874円となります。一方で、確定拠出年金の場合は、運用益は非課税であるため利益の全額である4万円を受け取ることができます。

 

NISA 非課税。ただNISAは掛金の所得控除はない。

2014年1月から始まった同じ運用益が非課税となるNISAと比較しますと、NISAは非課税期間が最長5年間(ロールオーバーは可能)、非課税投資枠は毎年120万円が上限という違いがあります。また、個人型確定拠出年金のように積立金が所得控除となるメリットはありませんが、60歳まで引出不可といった引き出し制限はなく、いつでも引き出しが可能となっています。

 

出典:NISAの概要|金融庁
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/nisa/overview/index.html

 

 

受取時

 

 

そして受取時のメリットをお伝えします。

 

60歳以降に積み立て資金を受け取るときは、年金か一時金の選択が可能

確定拠出年金は、基本的に60歳以降に今まで積み立てた資金を受け取ります。その際の受け取り方法として、5年以上20年以下の年金方式で受け取るか、一時金として一括で受け取るか、もしくはその併用も可能です。

 

出典:iDeCoってなに?|国民年金基金連合会
https://www.ideco-koushiki.jp/guide/

 

年金で受け取る場合は「公的年金控除」の対象となる

年金として受け取る場合、確定拠出年金は「公的年金等控除」の対象となります。具体的には、国民年金や厚生年金の公的年金等との年間合計収入が65歳未満だと70万円まで、65歳以上だと120万円までは非課税となります。

 

出典:No.1600 公的年金等の課税関係|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1600.htm

 

一時金で受け取る場合は「退職所得控除」の対象

また一時金として一括で受け取る場合は、「退職所得控除」という大きな控除枠があります。退職所得控除の具体的な計算方法は、以下の通りです。

 

勤続年数(iDeCoの積立期間)が20年以下の場合   

40万円 × 勤続年数(80万円に満たない場合は、80万円)

 

勤続年数が20年超の場合    

800万円 + 70万円 ×(勤続年数 - 20年)

このように、確定拠出年金を活用することにより、積立時、運用時、受取時の3段階で税制優遇を受けることができます。老後資産の形成のために長期で運用を行いますのでこれらの税制優遇は運用効率を高める効果が期待できる大きなメリットです。

 

出典:No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1420.htm

 

所得控除の年末調整・確定申告について

 

 

ここからは個人型確定拠出年金の拠出時のメリットである所得控除を受けるために必要な手続きである年末調整・確定申告について解説します。

 

所得控除の種類は「小規模企業共済等掛金控除」

まず所得控除には、配偶者控除や医療費控除、社会保険料控除など様々なものがあります。そして、確定拠出年金の所得控除は「小規模企業共済等掛金控除」に該当します。

 

控除を受けるのに必要な書類

所得控除を受けるためには、個人型確定拠出年金(iDeCo)制度の運営を担う国民年金基金連合会から送られる「小規模企業共済等掛金払込証明書」が必要です。「小規模企業共済等掛金払込証明書」は年末調整や確定申告を行う際に必要となりますので大切に保管しましょう。

 

年末調整を行う会社員は手続きの際、勤務先から配布される「給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書」の小規模企業共済等掛金控除の項目を記載し、「小規模企業共済等掛金払込証明書」とともに勤務先に提出します。

 

なお確定申告の場合は、「確定申告書」を税務署などで取り寄せ、必要事項を記入のうえ、「小規模企業共済等掛金払込証明書」とともに管轄の税務署へ提出する必要があります。

 

控除証明書の送付時期

「小規模企業共済等掛金払込証明書」は毎年10月から11月頃に国民年金基金連合会から送付されます。なお、会社員で掛金を給与天引きとしている場合は、会社が確定拠出年金の掛金額を把握しているため証明書は送付されませんのでご注意ください。

 

送付元

送付元の国民年金基金連合会は、個人型確定拠出年金(iDeCo)の制度運営を司る中心的な機関です。また国民年金基金連合会のiDeCo公式サイトでは、iDeCoの制度や特徴を知ることができ、税制優遇シミュレーションも行うことができます。ぜひ参照してみてください。

 

出典:国民年金基金連合会/iDeCo公式サイト
https://www.ideco-koushiki.jp/

 

控除証明書の記載内容

「小規模企業共済等掛金払込証明書」には、その年に確定拠出年金に拠出した合計金額が記載されています。なお、10月以降に個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入した会社員や、10月以降に年単位拠出を選択した場合は、「小規模企業共済等掛金払込証明書」の発送が翌年の1月末頃になるため、その年の年末調整に間に合わず、確定申告をする必要がありますのでご注意ください。

 

また万が一「小規模企業共済等掛金証明書」を失くしてしまった場合は、再発行の手続きをとる必要があるため、独立行政法人中小企業基盤整備機構へ問い合わせしましょう。専用フォームを提出するか電話で再発行の手続きを行えます。

 

中小機構の手続きフォームはこちらから⇒http://www.smrj.go.jp/kyosai/skyosai/customer/procedure/reissuance/02.html

 

また、口座開設をしている金融機関のサイトで再発行の案内がある場合もありますのでチェックしておくのもいいでしょう。

 

専業主婦は夫の所得控除には使えないので注意!

専業主婦が、税金ががかからない範囲の収入の場合、所得控除のメリットは受けられません。また、ご自身が所得控除できない代わりに、夫の所得控除にも使えませんので気をつけましょう。

 

それでも、iDeCoを利用することにより、専業主婦も自分自身の老後資産を計画的に準備できるほか、運用時の非課税、受取時の所得控除は受けられます。

 

まとめ

 

 

最後となりますが、確定拠出年金は老後の資産形成を図るため、節税を受けながら資産運用を行うことができる制度です。積立時、運用時、受取時の3つの段階でしっかりと節税効果を享受し、豊かな老後生活の資金作りに活かしていきましょう。

 

 

監修者:寺野 裕子(税理士)

 

 

 

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