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M life 記事

お金 2018.8.20

【FP監修】企業型確定拠出年金とは?個人型との相違点とは?

 

皆さんのなかには、企業に入社をするとともに確定拠出年金に加入する予定の方、もしくは既に確定拠出年金を活用して資産運用を始められている方がいらっしゃると思います。

 

急に確定拠出年金に加入したり、資産運用を自分自身で行うことになったりして、困惑している方もいることでしょう。そこで今回は基礎から企業型確定拠出年金について学び、そのメリットや個人型との違いなどを解説していきます。

 

企業型確定拠出年金の基礎知識

 

 

はじめに、企業型確定拠出年金の仕組みをおさらいしておきましょう。

 

企業が掛金を拠出してくれる

企業型確定拠出年金では、勤務先の企業が掛金を拠出してくれます。国民年金や健康保険などはご自身で保険料を半分程度負担することが一般的ですが、企業型確定拠出年金では、基本的に従業員の方はお金を負担することがはありません。

 

従業員が運用を行う

企業が拠出してくれたお金を運用するのは従業員自身です。国民年金や確定給付企業年金のように国や企業が運用を行ってくれるわけではありません。

 

運用できる商品は、企業が契約する確定拠出年金の運営サポートを行う金融機関によって異なりますが、一般的に元本確保型の定期預金や株式・債券投資信託などを取り揃えています。ご自身が投資してみたい商品があるか否か確認してみましょう。

 

また企業型確定拠出年金は、銀行の普通預金のように基本的に元本が保証されることはありません。そのため、個々人のリスク許容度に応じて、とにかく大きな損失だけは避けたい方なら元本確保型の定期預金を、資産を大きく増やしたい方は株式投資信託などの商品を中心に検討しましょう。

 

なお運用に関して、この企業型確定拠出年金で初めて資産運用を行うにとっては、どのように運用する商品を選ぶべきか迷うところだと思います。そのようなときは、企業で確定拠出年金を担当するに聞いてみたり、企業の確定拠出年金運営サポートを行う金融機関にアドバイスをもらったりしましょう。運用の良し悪しは、すべて自分自身の老後資産に直結しますので、自己責任でしっかりと運用商品を選択してください。

 

運用成績によって将来の受給額が変動する

確定拠出年金は原則60歳まで、積み立てた資産を受け取ることができません。そのため、長い年月をかけて運用を行うことになります。その運用成績次第で将来受け取れる受給額変わってきます。

 

例えば、運用がうまくいって拠出金の倍の受給額を受け取ることができる方もいれば、全く資産が増えず拠出金よりも目減りしてしまう方も出てくる可能性があります。

 

そこで運用の際のポイントとして、運用にかかるコストをできるだけ抑えることが運用成績を向上させる1つのポイントとなります。投資信託を購入する場合、保有期間中、信託報酬というコストがかかってきます。投資信託のなかには高い信託報酬がかかるものもありますので、購入時にしっかり確認しましょう。

 

また投資信託の場合、投資対象を分散させることも大切です。投資対象である国や対象資産(株、債券、不動産、金など)で分散を図ることで、リスクを低減させる効果があるからです。

 

そして、年齢によっても資産構成をシフトさせていくことが重要でしょう。受給開始年齢である60歳に近づくにつれて、リスクの高い商品から元本確保型の商品へシフトすることで、老後資産を着実に確保することができます。

 

企業型確定拠出年金では、加入の際に運用する商品や運用割合などを一度決めますが、その後の経済情勢などに応じて商品や運用割合を変更することもできます。

 

例えば、リーマンショックのような経済不況の時はリスクを極力抑えて、元本確保型の定期預金に預けておくといった対応が必要でしょう。自分自身の運用結果次第で受け取ることのできる金額が変わってきますので、面倒と思わず少し意識して投資環境を確認することは大切でしょう

 

従来の確定給付年金は将来の受給額が確定している

一方、似たような名前で混同しやすいですが、従来の確定給付年金は将来の受給額が制度導入と同時に決まっています。

 

最近は、従業員の福利厚生を充実させるためだけでなく、企業が運用することの負担や運用がうまくいかなかった時の補填負担が企業経営の重しとなっていること、確定拠出年金を導入する背景にもなっているようです。

 

繰り返しとなりますが、企業型確定拠出年金拠出は企業であるものの、運用は自己責任です。そして、自助努力のもと積み立てた資産を、自分自身が受け取ることができる制度設計となっています。

 

掛金の金額は役職等によって異なる

一般的に、企業が拠出する掛金の金額は、役職や勤続年数などによって異なってきます。例えば、主任までは月5,000円、課長クラスは8,000円、部長以上は10,000円というように掛金額を設定していきます。または、勤続5年までを5,000円、勤続10年以上を10,000円、勤続20年を20,000円といったような形で掛金額を決めることもできます。

 

つまり掛金額に関しては、次で説明する拠出限度額の範囲内で、それぞれの企業の年金制度の状況に応じて、自由に設定することができます。

 

掛金の拠出限度額が決められている

また掛金は社長だからいくらでも多く拠出するといったことなどはできず、拠出限度額が決まっています。以下のように2通りあります。

 

他の企業年金がある場合は月額27,500円

1つ目は確定拠出年金以外に他の企業年金がある場合は、月額27,500円が拠出限度額となります。年間では33万円です。他の企業年金とは、厚生年金基金や確定給付企業年金等を指します。

 

他の企業年金がない場合は月額55,000円

2つ目は確定拠出年金以外に、他の企業年金がない場合は、月額55,000円となっています。年間では66万円です。

 

他の企業年金もらえないため、企業型確定拠出年金での拠出限度額を多く設定しています。その分、老後資産をしっかりと着実に増やしていくために運用はより重要となってくるでしょう。

 

従業員が掛金を上乗せすることができる

また企業が掛金を拠出するだけでなく、従業員も掛金を上乗せ拠出することもできます。これを「マッチング拠出」と呼びます。企業の確定拠出年金規約に定めることで、マッチング拠出を行うことができます。そして、このマッチング拠出にも上限額があります。

 

企業が拠出する金額以下

従業員が拠出する金額は、企業が拠出する金額以下であることです。

 

企業と従業員の合計額が拠出限度額以下

企業と従業員の拠出する合計額が企業型確定拠出年金制度で定める拠出限度額以下であることが求められます。

 

例えば、資金に余裕があり、老後資産を少しでも多くしたいと考えている方は、このマッチング拠出をすることで次の項目で説明しますが、企業型確定拠出年金の大きなメリットを享受しながら、老後資産をしっかり形成していくことができるでしょう。

 

企業型確定拠出年金の3大メリット

 

 

ここからは企業型確定拠出年金の3大メリットをお伝えします。

 

運用益が非課税になる

1つ目は、運用益が非課税となることです。これは通常ですと定期預金につく利子や、投資信託の売却益などには20.315%の税金がかかります。企業型確定拠出年金では、その課税がないため、本来税金として納付していた部分を運用にまわせることから、資産を大きく増やすことができる可能性が高まります。

 

簡単な例を挙げますと、運用で2万円の利益が出た場合、通常4,630円の税金が引かれ、手元には15,370円残ります。一方で企業型確定拠出年金では、この4,630円の税金が非課税のため、利益の20,000円がそのまま残ります。そして、その利益を元本に含めてさらに資産運用を行っていきますので、資産が大きく増えていく可能性が高まることになります。

 

受取時は退職所得控除or公的年金等控除の対象になる

3大メリットの2つ目は、受取時の節税効果です。これまで確定拠出年金で積み立て、運用してきた資産を受け取る際に、受取方法は年金方式と一時金方式もしくはその併用を選択することができます。

 

そして5年以上20年以下の年金方式を選択した場合は、公的年金等控除の対象となり、一時金方式の場合は退職所得控除の対象となるため、それぞれ節税効果があります。

 

具体的には、年金方式で受け取る場合公的年金等の合計収入が65歳未満だと70万円まで、65歳以上だと120万円までは非課税となります。また一時金方式により一括で受け取る場合の退職所得控除の計算方法は、以下の通りです。

 

勤続年数(iDeCoの積立期間)が20年以下・・・40万円 × 勤続年数(80万円に満たない場合は、80万円)

勤続年数が20年超・・・800万円 + 70万円 ×(勤続年数 - 20年)

 

出典:No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1420.htm

 

マッチング拠出の掛金が所得控除の対象になる

3大メリットの3つ目は、従業員がマッチング拠出をした場合その掛金の全額が所得控除の対象となり、所得税・住民税を節税することができます。

 

例えば、他の企業年金がなく企業の拠出額が月3万円、従業員のマッチング拠出が月2万円だとすると、年間で24万円が所得控除の対象となります。そのため、資金に余裕がある従業員の方は、規約に定められていれば積極的にマッチング拠出を活用することで、節税効果を得られます。

 

このように、企業型確定拠出年金を活用することで、拠出時、運用時、受取時の3つの段階で節税効果があります。また確定拠出年金は、老後資産の形成のため、拠出する期間も運用する期間も長きにわたります。そのため、この節税効果も大きなものとなるでしょう。

 

個人型確定拠出年金との主な相違点

 

 

ここからは企業型確定拠出年金と個人型確定拠出年金の主な相違点について解説していきます。

 

拠出限度額が違う

まず拠出限度額が異なってきます。個人型確定拠出年金の場合、職業などによっても違い、以下の通りです。

 

自営業は月額68,000円、会社員(企業年金なし)は月額23,000円、会社員(企業年金あり)は月額12,000円(企業型確定拠出年金あり)もしくは月額20,000円(確定給付年金あり)。

 

そして2017年1月から加入できるようになった公務員が月額12,000円、専業主婦(夫)は月額23,000円が拠出上限となっています。

 

このように、企業に勤務していて企業型確定拠出年金に加入している方でも、個人型確定拠出年金に加入できる場合がありますので、加入を検討している方は企業の確定拠出年金担当者へ加入が可能か否か確認してみてください。

 

出典:iDeCoってなに?|国民年金基金連合会
https://www.ideco-koushiki.jp/guide/

 

個人型の掛金は全額個人負担

企業型確定拠出年金に関しては、基本的に企業が掛金を負担するのに対し、個人型確定拠出年金は全額加入する個人が負担することになります。そのため、企業型確定拠出年金では、企業が拠出してくれたお金で資産運用を行うことができ、いずれご自身の年金として戻ってくるわけですが、確定拠出年金を通じて資産運用を学ぶ機会得られます。

 

個人型は確定申告or年末調整で所得税の還付の可能性もある

企業型確定拠出年金は、基本的に年末調整により拠出金の所得控除の手続きが完了します。一方、個人型に加入している方で年末調整を行わない場合は、確定申告手続きを行うことにより所得控除を受けられます。

 

年末調整を行わず確定申告にて所得控除を受けるためには、最寄りの税務署で確定申告書を取り寄せ、必要事項を記載するとともに、個人型確定拠出年金制度の運営を担う国民年金基金連合会から送られてくる「小規模企業共済等掛金控除証明書」とともに、税務署へ提出することになります。

(確定申告書は国税庁のWebページでも必要事項を入力するだけで税金計算まで自動でできますので、これを印刷し、必要書類とともに税務署へ提出することもできます)

 

企業型は会社が損金処理する

そして企業型確定拠出年金の場合は、拠出金は全額損金処理することができるため、企業側でも節税効果があります。従業員の老後資産の形成を図れるとともに、企業も節税メリットが受けられる制度が企業型確定拠出年金です。

 

まとめ

 

 

結びとなりますが、これまで企業型確定拠出年金の基本的な仕組みやそのメリット、個人型との違いなどを解説してきました。企業型確定拠出年金では、やはり拠出・運用・受取時の節税効果は大きなメリットといえるでしょう。

 

確定拠出年金は豊かな老後を送るための年金制度です。皆さんも企業型確定拠出年金の仕組みやメリットをしっかり理解し、賢く活用することで、着実に老後資産を形成していきましょう。

 

監修:大間 武(ファイナンシャルプランナー)

 

 

 

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