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M life 記事

投資 2018.10.17

【FP監修】しっかり押さえておきたい確定拠出年金と退職金の違い

 

 

皆さんが勤務する会社で、確定拠出年金や退職金制度を導入されているところは多いと思いますが、これら2つの特徴やメリット・デメリットなどをしっかり把握できていますか。

 

今回は、確定拠出年金と退職金の相違点やメリットなどを分かりやすく解説していきます。

 

確定拠出年金と退職金の概要

 

 

まずは確定拠出年金と退職金それぞれの概要を確認します。

 

確定拠出年金とは?

確定拠出年金とは、豊かな老後を暮らすための資産形成を図る年金制度です。

 

退職金とは?

退職金とは、従業員が会社を退職したあと何十年と続く老後の生活を安心して暮らせるために、それぞれの会社が設ける福利厚生です。

 

確定拠出年金と退職金の導入割合

多くの方にも馴染みがある退職金を導入する会社は2013年度発表の資料によると75.5%となっています。退職金を支給している会社のうち、確定拠出年金を導入している会社は35.9%です。

 

出典:厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/13/gaiyou05.html

https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/13/gaiyou04.html

 

確定拠出年金と退職金の6つの大きな違い

 

 

ここからは、確定拠出年金と退職金の6つの大きな相違点を確認していきましょう。

 

①掛金(資金調達)

確定拠出年金は企業型と個人型に分けられます。今回は退職金との比較を行うため、主に企業型についてまとめていきます。企業型確定拠出年金の場合、掛金の拠出は会社側が負担することになるため、従業員は基本的に負担することはありません。

 

国民年金保険料のように、国民ひとりひとりが一律で負担するわけではないため、経済的にはとても安心できる制度でしょう。

 

個人型確定拠出年金については、加入者自身が掛金を負担しますのでご注意ください。

 

一方で、退職金の負担は、個人型・企業型、どちらも会社側が掛金を負担します。

 

②勤務先が倒産した時の違い

企業型確定拠出年金の場合は、拠出した積立資産は資産管理機関と呼ばれる信託銀行による分別管理されており、たとえ勤務先が倒産したとしても積立資産は保全されます。

 

一方で、退職金が社内積立となっている場合には、勤務先の倒産の際に積立資産が保全されない可能性があります。

 

③積立金の運用主体

企業型確定拠出年金は、従業員が自己責任のもと、勤務先によって拠出された資金を運用方針と投資する運用商品を決めます。退職金については、基本的に会社側が運用方針を決定します。

 

なお、企業型確定拠出年金の場合、勤務先によって運用できる商品が異なります。一般的には、元本確保型の定期預金や保険、リスクを積極的にとりにいく株式投資信託や債券投資信託など種類が豊富に揃っているので、ご自身のリスク・リターンに見合った運用商品を選べます。

 

基本的には、運用期間中に元本を割り込むことを避けたい人は元本確保型の定期預金や保険を、資産を大きく増やそうとする積極運用タイプの人は、株式投資信託などの商品を多めに選ぶ形になるでしょう。

 

投資初心者にとっては、どのように運用する商品を決めていくべきか、なかなか難しいところだと思います。そのような場合には、勤務先で確定拠出年金を担当する人にヒアリングしてみたり、勤務先の確定拠出年金制度の運営サポートを行う金融機関にアドバイスをもらったりしてみてください。

 

④転職時の金額変動

企業型確定拠出年金は、転職先に積立資産をそのまま移すことができる「ポータビリティ」があります。

 

ただし、退職して企業型確定拠出年金の加入資格を失ったにも関わらず「ポータビリティ」の手続きを行わなかった場合は、6カ月を過ぎると自動的に国民年金基金連合会に移菅されてしまいます

 

退職金の場合は、勤続年数に応じて相応の金額が支給されるものの、転職の場合には退職金が減額される可能性があります。

 

参考:厚生労働省HP|確定拠出年金制度等の一部を改正する法律の主な概要(平成30年5月1日施行)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000192886.html

 

⑤受給額

企業型確定拠出年金の場合は、会社側が従業員それぞれに拠出する金額と従業員による運用成績によって受給額が変わってきます。つまり、確定拠出年金は、将来の受取額が保証された金融商品ではありません。

 

確定拠出年金は原則60歳まで、積立資産を受け取ることができません。そのため、長い目で見て運用を行う必要があり、運用成績が良ければ、拠出金の2倍や3倍の金額を受け取れる可能性もありますが、全く資産が増えない可能性や、インフレーションに満たない運用になる可能性もあり、積立資産が目減りしてしまうリスクがあります。

 

退職金はあらかじめ社内で取り決められた規定に基づき配分されることになります。

 

⑥税制上の優遇

企業型確定拠出年金は,3段階で税制優遇メリットを享受することができます。

 

1段階目のメリットは、運用で得た利益が非課税となるため、定期預金の利子や投資信託の譲渡益などに掛かる20.315%の税金が無いという点です。そのため、本来税金としてなくなる分も含め再投資に回すことができ、資産を大きく増やせる可能性があります。

 

2段階目のメリットは、受取時の節税効果です。これまで確定拠出年金でコツコツと積み立て、しっかり運用してきた資産を受け取る際には、年金方式または一時金方式、もしくはその併用を選択することができます。

 

そして、5年以上20年以下の期間で受け取る年金方式を選んだ際には、公的年金等控除の対象となります。一方で、一時金方式を選択した場合は退職所得控除の対象となり、それぞれ税制優遇を受けることができます。

 

具体的には、年金方式で受け取る場合、公的年金等の合計収入が65歳未満だと70万円まで、65歳以上だと120万円までは非課税となります。

 

出典:国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1600.htm

 

一方で一時金方式の場合、具体的な退職所得控除の計算方法は以下の通りになります。

 

勤続年数(iDeCoの積立期間)が20年以下 40万円 × 勤続年数(80万円に満たない場合は、80万円)

勤続年数が20年超 800万円 + 70万円 ×(勤続年数 - 20年)

 

出典:国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1420.htm

 

3段階目のメリットは、従業員がマッチング拠出をした場合、その掛金の全額を所得控除することができ、所得税・住民税の節税につなげられます。マッチング拠出とは、会社側が掛金を拠出するだけでなく、従業員自身もそれに上乗せして掛金を拠出することを指します。

 

例えば、マッチング拠出にて毎月3,000円を拠出した場合、年間36,000円が全額所得控除の対象です。なお、マッチング拠出を行うには、会社の確定拠出年金規定にてマッチング拠出を行える旨の記載がなされている必要がありますので、確定拠出年金を担当するスタッフに問い合わせてみましょう。

 

退職金の場合は、受け取り時のみ退職所得控除の対象となり、節税することができます。

 

確定拠出年金と退職金のメリット・デメリット

 

 

ここからは、確定拠出年金、退職金それぞれのメリット・デメリットを整理していきます。

 

確定拠出年金のメリット

確定拠出年金のメリットには、先ほどお伝えした税制優遇の他に、会社の業績に左右されることなく、資産を着実に形成していくことができるという点があります。運用ノウハウを身につければ、一定水準のリターンを期待することもできるでしょう。

 

確定拠出年金のデメリット

確定拠出年金のデメリットは、先ほどお伝えした通り、元本が保証された金融商品ではないため、インフレに対応した運用が出来ない場合や元本割れのリスクがある点です。老後の資産形成を図る制度であるため、原則60歳まで資金の引き出しはできません。加えて、ポータブル性はあるものの、転職の際の移換手続きが面倒ではあります。

 

退職金のメリット

それでは退職金のメリットはどうでしょう。まず確定拠出年金とは違い、自分自身で運用を行う必要がないため、そのための時間や労力を別のことに充てることができます。長年にわたり勤務すれば、それ相応の一定の金額を受け取ることもできます。

 

退職金のデメリット

退職金のデメリットは、会社の業績によって退職金額が減額される可能性がある点です。転職をした場合、転職先では勤続年数がまた最初からとなり、一定水準以上の退職金額となるには、それ相応の年月を要します。

 

確定拠出年金と退職金に関するQ&A

 

 

ここからは、確定拠出年金と退職金にまつわる素朴な疑問をQ&A形式でお答えしていきます。

 

Q1:確定拠出年金と退職金前払いはどっちがお得?

確定拠出年金と退職金のそれぞれの特徴を踏まえ、結局確定拠出年金と退職金ではどちらがお得なのでしょうか。

 

A:将来のことを考えると確定拠出年金がお得

これまでお伝えした通り、確定拠出年金は長期にわたる資産運用となり、その期間ずっと、税制優遇などの多くのメリットを享受することができます。そして、将来受け取る年金額の目減りの可能性や年金破綻が叫ばれている現状、退職前払い金として一時金を受け取るよりも、将来の備えとして、着実に老後資産を形成していく確定拠出年金の方がお得でしょう。

 

Q2:転職先で確定拠出年金を導入してない場合は?

現在の職場で企業型確定拠出年金に加入しているものの、仮に転職先に確定拠出年金が導入されていない場合はどのような対応をすればよいのでしょうか。

 

A:個人型に移行させる必要がある

転職先に企業型確定拠出年金制度がない場合には、個人型確定拠出年金に積立資産を移換させることもできます。なお、どこの金融機関を選択するかはご自身で決めることになりますので、管理手数料や商品ラインナップなどを考慮しながら金融機関を選びましょう。個人型確定拠出年金の場合は、掛金の拠出から資産運用まで全て自己責任でおこなうことになります。

 

最後に

 

 

確定拠出年金・退職金それぞれの特徴をじっくり吟味し、ご自身に合った資産形成を計画的におこなってください。

 

監修者:吉野 裕一(ファイナンシャルプランナー)

 

 

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