前回は、【株式投資入門】投資のために知っておきたいテクニカル分析!2つのチャートの見方を解説しました。今回は、日経平均株価とTOPIXの違いについてご紹介します。

「個別株は銘柄選びが大変」「日経平均株価など指数を取引できないだろうか」そんな風に考えている方もいらっしゃると思います。実際、日経平均株価やTOPIXを対象にした金融商品は人気があります。

今回は、日経平均株価とTOPIX(東証株価指数)の違いと、両指数の強さを表すNT倍率について解説します。日経平均株価とTOPIXは日本を代表する株価指数です。株価指数は、取引所全体や特定の銘柄群の株価の動きを表します。

株価指数を見ることによって、市場全体の方向を把握することが可能で、指数自体も先物やETF(上場投資信託)を使って取引することができます。実際の取引については後ほど詳しく解説します。まずは、それぞれの指数の定義から見ていきましょう。

日経平均株価は代表的な株価指数

日経平均株価とは、東証1部の銘柄の中から日本経済新聞が選んだ225社の株価を平均した指数です。トヨタやソフトバンクなど、日本を代表する企業が選出されています。東証1部とは、東京証券取引所の厳しい上場基準を満たした企業です。市場の位置づけは以下のようになります。上に行くほどステータス(地位)は高くなります。

①東証1部
②東証2部
③ジャスダック(スタンダード)
④マザーズ
⑤ジャスダック(グロース)

日経平均株価の特徴

日経平均株価の特徴は主に次の2つです。

①値がさ株(株価の高い銘柄)に影響を受ける

日経平均株は株価の平均値であるため、値がさ株の影響を受けます。

②電気・情報・通信、ITなどの技術・ハイテク株の比率が高い

それでは、日経平均株価の構成銘柄(上位10銘柄)を見てみましょう。

 【ウエ―ト上位10銘柄(2018年 12月7日時点)】

セクター別ウエ―トでは、技術が41.99%、消費が27.02%とこの2セクターで70%近くを占めています。

※技術 (電気機器、自動車、機密機器、通信、医薬品)

※消費 (水産、食品、小売業、サービス)

また、ファーストリテイリング、ソフトバンク、ファナックの3銘柄で18%近くのウエイトを占めているので、この3銘柄の値動きが日経平均株価に大きな影響を与えます。

続いて、TOPIXについて見ていきましょう。

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TOPIXは東証1部全体を表す株価指数

TOPIXは、東証1部に上場している全銘柄の時価総額を対象にした株価指数です。時価総額とは、株価に発行済み株式数を掛けたもので、企業価値を表します。日経平均株価は、東証1部の中の225銘柄ですが、TOPIXは東証1部全銘柄(2123銘柄)を対象にしているので、より市場全体の値動きを表しているといえます。

主な特徴は次のようになります。

①発行済み株式数の多い大型株の影響を受けやすい

②銀行株・通信・建設・不動産などの内需株の影響が大きい

TOPIXの構成銘柄(上位10銘柄)を見てみましょう。

 【ウエ―ト上位10銘柄(2018年2018年10月末時点)】

日経平均株価でトップのファーストリテイリングは、時価総額で見ると83番目で、構成比率はわずか0.27%となっています。

日経平均株価やTOPIXを取引するには

日経平均株価やTOPIXを取引するには、主に次の2つがあります。

① 先物

②ETF

それぞれ見ていきましょう。

先物とは

先物には、日経225先物TOPIX先物があります。

日経225先物とは、日経平均株価を対象とした先物取引です。「証拠金」と呼ばれる担保を差し入れて、証拠金の数十倍の取引を行うことができます。

先物取引とは、現在の価格で将来の株価を売買することです。例えば、日経225先物は3・6・9・12月の4つの決済月(限月)があります。2019年3月限なら、2019年3月までに決済しなければいけないということです。

そして、2019年3月までに日経平均株価が上がると考えれば「買い」、下がると考えれば「売り」を行います。決済月まで保有することなく、いつでも売買できます。

先物取引のメリットは次の3つです。

① 少ない資金で大きな取引ができる

少ない証拠金を元に何倍もの金額を運用できます。これを「レバレッジ」と呼びます。先物では約30倍のレバレッジをかけることができます。日経225先物やTOPIX先物には「ラージ」とラージの10分の1の「ミニ」取引があります。それぞれの証拠金は以下のようになっています(12月7日現在)

日経225先物 ラージ7500,00円  ミニ75,000円

TOPIX先物  ラージ495,000円 ミニ49,500円

ミニなら日経225先物は75,000円から、TOPIX先物は49,500円から取引することができます。

②売りから取引できる

相場の下落局面でも、高いところで売って、安いところで買い戻すことによって利益を狙うことができます。

③取引時間が長い

8:45~15:15までの日中取引に加え、16:30~翌5:30までの夜間取引も可能です。NYなど海外市場が動いている時間でも、リアルタイムで取引することができます。

TOPIX先物はTOPIXを対象とした先物で、取引時間や制度などはほぼ日経225先物と同じです。

ETFとは

ETFとは、”Exchange Traded Funds”の略で、「上場投資信託」と呼ばれています。日経平均株価やTOPIXなど特定の指数に連動する動きを目指し、東京証券取引所に上場している投資信託です。

ETFの特徴は次の3つです。

① いつでも売買できる

ETFは証券取引所に上場しているので、取引時間中ならいつでも売買することができます。通常の投資信託は、1日1回、その日の終値で基準価額が決まります。価格を見ながらリアルタイムで取引できるのが、ETFの大きなメリットです。

② 保有コストが安いので長期投資に適している

先物は限月が来たら決済しなければならないので、短期投資向きです。一方、ETFに決済日はありません。

また、信託報酬などの保有コストが一般の投資信託より安く、長期投資に向いています。信託報酬とは、ETFを保有している間に日々かかる管理・運用コストです。

③ 少額から投資できる

ETFは1株や10株単位で取引することができます。日経平均株価型なら2万円前後、TOPIX型なら2万円以下で買うことができます。(2018年10月時点)

個別株では、日経平均株価で最もウエ―トが高いファーストリテイリングで600万円近く、TOPIXで最もウエイトが高いトヨタで70万円近くかかるので、少額でそれらの銘柄を組み入れた指数を買えることは大きな魅力です。

日経平均株価とTOPIXに連動するETFには、次のような銘柄があります(純資産は2018年12月現在)

日経平均連動型ETF

 1321 日経225連動型上場投資信託

運用会社:野村アセットマネジメント
信託報酬:0.22%(税抜)
純資産:5,808,209百万円

 1320 ダイワ上場投信―日経225

運用会社:大和証券投資信託委託
信託報酬:0.16%(税抜)
純資産:2,599,391百万円

 1346 MAXIS日経225上場投信

運用会社:三菱UFJ国際投信
信託報酬:0.17%(税抜)
純資産:1,350,461百万円

TOPIX連動型ETF

 1305 ダイワ上場投信

運用会社:大和証券投資信託委託
信託報酬:0.11%(税抜)
純資産:3,882,563百万円

 1306 TOPIX連動型上場投資信託

 運用会社:野村アセットマネジメント
信託報酬:0.11%(税抜)
純資産:8,183,712百万円

 1348 MAXISトピックス上場投信

運用会社:三菱UFJ国際投信
信託報酬:0.078%(税抜)
純資産:1,080,019百万円

NT倍率とは

相場を見る指標に「NT倍率」というのがあります。NT倍率は、日経平均株価をTOPIXで割ったものです。NT倍率が高ければ日経平均株価がTOPIXに比べて強く、低くなればTOPIXが日経平均株価に比べて強い状態です。

日経平均株価は電機などの外需株の比重が高い指数で、TOPIXは銀行や通信など内需株の比重が高い指数です。ですから、以下のような関係になります。

 NT倍率上昇 外需株>内需株  

 NT倍率下落 外需株<内需株

NT倍率の推移

NT倍率は2018年11月末で13.40倍となっていて、20年ぶりの高値水準となっています。TOPIXの構成銘柄上位に入る自動車株や銀行株が軟調なためです。NT倍率が低下してくれば、資金の物色が銀行などの内需株に移ってきたことを示します。ただ、当分は内需株に資金が向かいづらい状況が続きそうです。

まとめ

今回は日経平均株価とTOPIXの違い、実際に取引するための先物とETFの仕組みについて解説しました。日経平均株価はニュースでもよく見る機会があり、値動きがわかりやすいという特徴があります。個別株のように複雑な財務分析の必要もありません。

短期投資では先物取引、長期投資ではETFが向いています。また、NT倍率をみることによって、資金がどこに向かっているか把握することができます。

日経平均株価とTOPIXの見方と違いを覚えて、実際の投資に役立ててください。

記事 山下 耕太郎

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