日本は超低金利時代が続いており、金融機関にお金を預けていても、わずかの利息しかもらえません。そこで不動産投資をして老後の資金を用意しておきたい、余裕資金を有効に活用したいと考える方も増えてきています。

この記事では、不動産投資初心者の方のために不動産投資の始め方について、手順を追って解説します。

不動産投資のやり方:目標設定

不動産投資の第一のステップは、目標を設定することです。不動産投資に使える資金はいくらあるのか、その資金を活用してどの程度の収入を得たいのかを明確にしましょう。

投資金額はいくら準備できるか

不動産投資を行うためには、一般的には物件価格の23割程度の自己資金を用意する必要があると言われます。

しかし、頭金が0でも物件を購入するための融資が受けられますし(フルローン)、場合によっては仲介手数料や事務手数料・司法書士への報酬・各種税金などの諸費用についても借入金で賄うこと(オーバーローン)も可能です。

しかし、諸費用については、金利の低い不動産投資ローンは適用とならないので注意しましょう。また、自己資金に余裕がないと、空室が増えたり金利が上昇したりする局面では、返済総額が増え、金融機関への返済が難しくなる場合もあります。

それゆえ、自己資金に余裕を持つことが、失敗しない不動産投資の第一歩と言えます。

不動産投資で得たい収入はいくらか

不動産投資を行うための資金が準備できたら、その投資で得たい収入額を検討します。自己資金を十分用意しないで、借入金を中心とした無理な投資をすればリスクは高まります。

用意できた自己資金及び無理のない借入金の範囲内で、目標とする収入額を決めるようにしましょう。

不動産投資のやり方:情報収集

それでは次に良い物件や不動産投資の知識などの情報を収集するための方法についてご説明します。

不動産投資関連の本

不動産投資の情報収集策としては、まず書籍で基本的な勉強をすることです。本で勉強をする利点は、不動産全般の知識を系統立てて学ぶことができる点です。ただし、本によっては情報が古い場合もあるので注意しましょう。

不動産投資家のブログ

不動産投資家のブログを読めば、実際の投資に則した知識やノウハウを手に入れることができます。体験にもとづいた成功例や失敗例などの経験談は、きっとあなたの参考になることでしょう。ただし、ブログによっては書いた方の主観が入りすぎている場合もあるので差し引いて読む必要があります。

不動産投資のセミナー

不動産投資セミナーでは、初心者を対象にして不動産投資に関する基本的な知識について講義をしてくれます。無料のものから高額な料金を取る有料のものまでありますが、自分の経験や投資能力などに合致したセミナーを見つけることが大事です。

不動産投資セミナーにはさまざまなものがありますので、開催する会社や講師・テーマ・人気の有無などについて調べてから参加することが望まれます。

不動産投資会社に相談

実際に不動産投資をすることに決めたら、不動産会社に相談をします。自己資金はいくらなのか、投資をする目的は何なのかなど、ご自身の投資に対する姿勢を説明し、購入するべき物件についての相談に乗ってもらいます。

不動産投資のやり方:物件探し

不動産投資の基本は、良い物件を手に入れること及び良い管理会社を見つけることに尽きます。利益を産み出す不動産を探すには、どのような方法があるのでしょうか。

物件情報を得る方法

良い物件を購入するには、なるべく多くの不動産情報を見る必要があります。多くの情報を得るためには、インターネットの不動産情報や新聞広告・折り込み広告・不動産会社から直接情報を入手するなどの方法があります。

レインズは、不動産流通機構が運営するシステムで、不動産会社が相互に情報交換を行っています。不動産会社が連携している組織ですので、リアルタイムに多くの情報が流れています。また投資をしたいと考えるエリアの物件価格も把握できますので、購入する際の参考にできます。

なおレインズの利用は、宅建業者であることが必要なので、不動産会社を通じて情報を取得する必要があります。

【出典】レインズ:https://www.zennichi.net/reins/index.asp 

条件別に物件を探す

不動産投資の成否は、物件選びがすべてといっても過言ではありません。よい物件を探すには、普段から多くの情報を収集し、物件を見る目を養っておくことが大事です。

物件を探す際には、具体的なエリアや対象物件の種類・築年数・利回り・購入費用といった条件を考えて検討するようにしましょう。人気のあるエリアの物件は、退去者が出てもすぐ埋まりますので見逃せません。また投資用不動産は、無理をしない範囲内で購入できる物件で、利回りが良いことが必須条件です。

不動産投資のやり方:事業計画

不動産投資は、事業を経営することであり、長く継続していかなければなりません。そのためには、短期的にも、長期的にも事業計画を策定する必要があります。自己資金をいくら用意し、いくら融資を受け、いくら利益を獲得するのか、どのように返済するかなどのプランを作成しましょう。

また、その物件をいつ売却するのか、リノベーションはするのかなどの出口戦略も考えておきましょう。

融資枠や金利について

不動産物件を購入する場合、一般的には金融機関からの融資を受けるので、融資枠や金利の情報を得ておくことが必要です。融資枠については、金融機関によって異なりますが、頭金を23割程度求められるのが一般的です。

また物件を全額借入金で賄うフルローンやさらに諸費用まで融資を受けるオーバーローンも場合によっては利用できますが、リスクが高い投資法と言えます。

金利には固定金利と変動金利がありますが、固定金利は当初設定した金利が変わらないので、資金計画が立てやすいのが特徴です。

変動金利は、金利下落局面では低い金利を享受できますが、上昇局面では支払総額が大きく増えるリスクがあります。変動金利では十分な自己資金を用意しておかないと、返済ができなくなり、不動産投資から撤退せざるを得なくなる場合もあり得ます。

融資を受けられる銀行・金融機関

融資を受ける金融機関には、都市銀行や地方銀行・信用金庫及び信用組合・ノンバンク、日本政策金融公庫等があります。次に各金融機関の特徴について解説します。

・都市銀行

都市銀行は全国に支店があり、日本中どこでも対応が可能です。比較的に低金利で借り入れることができますが、審査基準は厳しくなっています。

・地方銀行

限られたエリアのみの取引となりますが、審査基準は比較的緩やかで融通が利くことが特徴です。金利は都市銀行よりも若干高めとなっています。

・信用金庫及び信用組合

地方銀行よりもさらにエリアは狭く、中小企業や個人が主な取引先となっています。融資限度額は大きくありませんが、審査は緩めとなっています。

・ノンバンク

融資審査が緩やかで早いのが大きな特徴ですが、金利は高くなります。融通は利きますが、大きな金額を借りるのは難しいと言えます。

・日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は政府系の金融機関で、固定金利を採り金利が低いのが特徴ですが、審査に時間がかかります。融資期間は最長で15年と短く、大きな金額を借り入れることはできませんが、融資の際の手数料や繰り上げ返済違約金もかからないなどのメリットもあります。

必要となる自己資金額

不動産投資は、場合によっては自己資金が0でも始めることができます。しかし、ある程度の自己資金を用意しておかないと、空室が出たり金利が上昇したりすることにより返済ができなくなることもあり得ます。一般的には、事業計画を策定の段階で、物件価格の23割程度自己資金を用意すべきだと言われています。

返済計画

金融機関から融資を受けたらそれで終わりではなく、返済をしていかなければなりません。購入する物件の耐用年数や減価償却費を把握し、経費として計上できるものとできないものを分類し、いつまでに完済するのかという返済計画を策定しましょう。

収支計画

不動産投資で融資を受けた場合には、家賃収入の中からローンを返済していくことになります。また支出はローン返済だけでなく管理費や修繕費などもあります。そこで事業計画作成の段階で、収入と支出の項目をリストアップし、収支計画を立案する必要があります。

不動産投資のやり方:物件の申込・条件交渉

良い物件が見つかったら、購入のための条件交渉を行い、条件が合えば購入の申し込みを行います。

物件の購入申込

物件を購入する気持ちが固まったら、不動産会社に購入の申し込みを行います。その際、購入を確実にするために申込金を支払う場合もあります。申込金は、契約が成立した場合には代金の中に含まれ、購入ができなかった場合には返してもらうことができます。

物件の条件交渉

購入の申し込みをする際には、不動産会社に見積もりをもらい、他に購入希望者が現れないと思う場合には、価格やその他の条件について交渉を行います。しかしよい物件である場合には、競争者が現れる可能性が高いので、条件交渉はほどほどにして早めに契約をした方が良いでしょう。

不動産投資のやり方:契約・引き渡し

不動産投資での最終段階は、契約と引き渡しです。しっかりとチェックをして問題が起こらないようにしましょう。

売買契約を結ぶ

条件面で売主と折り合いが付いたら、まず手付金を支払います。手付金は売買契約の20%以内と定められていますが、代金決済の際には代金に充当されます。売買契約は重要事項の説明を受けてから締結をしますが、銀行からの融資を受けられなかった時は契約を解除できるという融資特約を付けるのが一般的です。

物件の引き渡し

金融機関から融資を受ける場合には、ローン契約を結びますが、この時に火災保険にも加入します。物件の引き渡しには、売主や買主・不動産会社・金融機関・司法書士などが一堂に会し、売買代金を売主に支払い、登記申請を行います。

不動産投資のやり方:物件の管理

物件の管理は、オーナーご自身が行う場合と管理会社に委託する方法があります。

オーナー自身が管理する場合

オーナーに時間的な余裕があり、自宅と物件が近くにある場合にはご自身で管理することも可能です。しかし管理戸数が多いような場合には、管理業務に大きなスタミナを必要としますので、オーナーが直接管理するのは難しいでしょう。

管理会社に委託する場合

管理戸数が多い場合や多忙な場合、不動産投資が初めての場合などは、不動産会社に管理を委託したほうが無難でしょう。管理会社は、入居者の募集から始まって賃貸契約や家賃の集金・家賃督促・清掃・クレーム処理・解約等さまざまな業務を行ってくれます。

なお、管理会社へ委託するには管理費が必要になりますが、賃料の5%程度が相場となっています。管理会社の選定は、物件の選定と同じくらい重要なので、慎重に行うようにしましょう。

不動産投資のやり方のまとめ

不動産投資は、豊かな人生を歩むための選択肢の1つです。不労所得を得ようとしても、失敗をしては、元も子もなくなってしまいます。投資にはリスクもありますので、緻密な計画を立てて行いましょう。

 

監修者:小林 弘司(不動産コンサルタント)