将来に向けてお金を貯めるには、「資産形成」をする必要があります。資産形成には、「貯蓄」「投資」の2種類があります。貯蓄とは銀行の預金などでお金を蓄えていくことです。一方、投資とは、株式投資や投資信託など利益を見込んでお金を出すことです。

ただし、短期的な値幅を狙うのではなく、中長期で資産を運用していくことが投資の基本になります。そのためには、長期で積立投資を行うのが効果的です。今回は、積立投資を行ううえで大きなメリットのある「つみたてNISA」についてご紹介していきます。

それでは、まず長期投資の定義から見ていきましょう。

長期投資は複利のメリットがある

長期投資とは、短期間で売買を繰り返すことなく長期にわたって金融商品をそのまま持ち続けることです。

長期投資を行う一番のメリットは「複利」です。複利とは、投資で得られた利益をさらに運用に回すことです。一方、投資成果を元本に組入れないことを「単利」といいます。

100万円の運用資金を年10%の運用益で、10年運用した場合の単利と複利の比較は以下のようになります。

複利と投資期間には関係があり、投資期間が長ければ、複利効果も大きくなる傾向があります。上記の例では、5年目の差額は「110,510円」ですが、10年目は「593,742円」となります。期間が長くなれば、単利と複利の差は大きくなっていることが分かると思います。

積立投資は投資信託がおすすめ

積立投資とは、定期的に金融商品を一定額買っていくことです。金融商品は投資信託がおすすめです。その理由は以下の2つがあります。

①少額から購入できる

株式は数万円から数十万円の資金が必要になります。一方、投資信託はネット証券なら100円から投資することができます。また、株式では株数単位で購入するので10万円など金額指定できませんが、投資信託なら金額指定で買うことができます。

②分散効果がある

投資信託は、株式型なら一つではなく複数の銘柄に投資します。一つの銘柄だけだと、業績悪化や不祥事などがあると株価が下落し、大きな損失となります。しかし、複数の銘柄なら他の銘柄で損失をカバーできる可能性があるので、リスクが小さくなります。

また、投資信託では国内株だけでなく、外国株や外国債券など幅広い銘柄に投資するのもあります。投資対象を広げれば、それだけリスクを低減させてリターンを目指すことができます。

ドル・コスト平均法とは

積立投資の一番の効果として「ドル・コスト平均法」があります。

積立投資で投資信託を毎回一定の金額で買っていくと、「安い時にたくさん買い、高い時に少なく買う」ことができ、平均購入価格が安定する効果が期待できます。

投資信託の基準価額が上の図のように動いた場合、毎回10,000円ずつ購入したとする(ドル・コスト平均法)と、基準価額が10,000円の時は10,000口、5,000円の時は20,000口(青字)、20,000円の時は5,000口(赤字)購入します。

基準価額が安い時に口数を多く買い、高い時に少なく買っていることがわかります。そして、平均買付単価は7,692円になります。

一方、毎回10,000口ずつ購入した場合の平均買付単価は10,000円になります。毎回同じ金額を買いつけたドル・コスト平均法の購入価格が低いことがわかります。

積立投資には「つみたてNISA」がおすすめ

積立投資が初めての方には、「つみたてNISA」がおすすめです。つみたてNISAとは、2018年1月から始まった、少額からの「長期・積立・分散投資」を支援するための非課税制度です。

主な仕組みは以下のようになります。

出典:金融庁

https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/overview/index.html

つみたてNISAでは、毎年40万円(月額約33,000円)の非課税枠があります。新規に投資できる期間は20年なので最大800万円まで非課税枠が使えます。

非課税枠のイメージは以下のようになります。

出典:金融庁

https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/overview/index.html

積立投資は投資信託で行いますが、運用益や分配金には税金20.315%(所得税+住民税+復興特別税)がかかります。つみたてNISAを使うと、この税金がゼロになるのです。

また、積立投資を始めるには投資信託を選ぶ必要がありますが、現在6,000本以上の種類があります。この中から決めるのは大変です。

つみたてNISAでは金融庁が厳選した162本の投資信託の中から選択することができます。(2018年10月31日時点)

参考:金融庁

https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/target/index.html

それは、つみたてNISAの「長期・積立・分散」に適した投資信託です。具体的には

①ノーロード(販売手数料がかからない)で、信託報酬が低い

②頻繁に分配金が支払われない

投資信託となっています。具体的に見ていきましょう。

ノーロード(販売手数料がかからない)で、信託報酬が低い

投資信託のコストは主に、「販売手数料」「信託報酬」の2種類があります。

販売手数料は、投資信託を購入する時に支払う手数料です。通常0~3%程度かかりますが、「つみたてNISA」で購入できる投資信託は販売手数料がかかりません。

信託報酬とは、投資信託を管理・運用してもらう経費として、投資家が毎日支払う必要がある費用です。通常、0.5~2%程度かかります。つみたてNISAは10~20年保有することが前提なので、信託報酬の負担は大きくなります。できるだけ信託報酬が安い投資信託を選びましょう。目安は1%です。

このように「つみたてNISA」での運用は「長期・積立・分散」でリスクを軽減できますが、金融商品での運用なので、元本保証ではありません。あくまでも余裕資金で運用を行うようにしましょう。

頻繁に分配金が支払われない

つみたてNISAは長期での運用が前提なので、分配金が支払われない方が有利です。利益を運用に回せば、複利効果が大きくなるからです。つみたてNISAでの投資信託では、基本的に分配金が支払われない投資信託が選ばれています。

つみたてNISAの投資信託の選び方

それでは具体的にどのような投資信託があるのかを見ていきましょう。(2018年11月末時点)

バランス型

バランス型とは、国内外の株式や債券に幅広く均等に投資していく投資信託です。1つの投資信託で分散投資することができるので、投資初心者にオススメです。

eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)

出典:

三菱UFJ国際投信

基準価額:10,588円

純資産総額:186.03億

信託報酬:0.159%(税抜)

国内外の株式・債券・リート(不動産)に均等に投資します。信託報酬も0.159%と低コストです。

国内株式型

国内の株価指数(日経平均株価、TOPIX)を対象にした投資信託です。

ニッセイ日経225インデックスファンド

基準価額:25,078円

純資産総額:1,509億

信託報酬:0.25%(税抜)

国内を代表する株価指数である日経平均株価を対象にした投資信託です。日経平均株価はニュースなどでもよく目にするので、値動きが分かりやすいという利点があります。

外国株式型

海外の株式(先進国・新興国)を対象にした投資信託です。

ニッセイ外国株式インデックスファンド

基準価額:15,290円

純資産総額:1,050億

信託報酬:0.109%(税抜)

日本を除く先進国を対象にした投資信託です。組み入れ銘柄上位は以下のようになっています。

1位 アップル(米)     2.4%
2位 マイクロソフト(米)  2.3%
3位 アマゾン・ドット・コム(米)   2.0%

このように米国企業がメインとなっています。国別の比率は以下のようになります。

1位 アメリカ 68.2%
2位 イギリス 6.5%
3位 フランス 4.1%
4位 カナダ  3.7%
5位 ドイツ  3.3%

eMAXIS Slim新興国株式インデックス

基準価額:9,771円

純資産総額:108.59億

信託報酬:0.189%(税抜)

新興国を対象にした投資信託です。BRICKs(ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ)を中心に、韓国や台湾などアジア地域の比重が高くなっています。

まとめ

今回は積立投資の始め方として「つみたてNISA」をご案内しました。投資で大切なことは将来を予想することではなく、投資信託など金融商品を買って、管理をしながら長い時間継続していくことです。

特に初心者の方は毎月少額で積立投資を行うことをオススメします。そのための非課税制度である「つみたてNISA」を利用するようにしましょう。

記事 山下 耕太郎

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