みなさんの中にも「不動産で節税ができる」「年金代わりになる」といった話を聞いて、不動産投資を検討された経験のある方もいるのではないでしょうか。

しかし、相次いで不動産会社の不正を報じるニュースもあり、やはり、不動産投資は怖いものなのではと感じられた方も多いのではないかと思います。

今回は、そんな良い話も悪い話も聞くことの多い不動産投資の特徴を、5つのメリットと6つのデメリットにまとめてお伝えします。

不動産投資の5つのメリット

まず、不動産投資には以下のような魅力があります。

毎月安定した家賃収入(収益)が得られる

年金代わりになる、不労所得が得られると表現されるように、不動産を購入し、人に貸し出すことによって、毎月安定した家賃収入を得ることができます。

物件によっては管理会社に家賃の一部を手数料として支払うことによって、ほとんどオーナーは何もしなくても事業が回っていくこともあり、本当の意味での不労所得を実現する手段の1つと言われています。

所得税・相続税を節税できる

収入や財産の多い方にとっては、税金は大きな課題の1つと言えるでしょう。不動産が節税になる仕組みは大きく分けて3通りあります。

1つ目は「減価償却費」です。

不動産における減価償却費とは、建物の経年劣化を経費として見積もったものですので、実際にオーナーの財布から出て行っているお金ではありません。つまり、この減価償却費を大きく出せる不動産を持つことで、不動産事業で出たマイナスと本業の所得のプラスを損益通算し、所得税・住民税を節税することができるのです。

2つ目は所得分散です。

不動産投資が事業的規模(古くから五棟十室という言葉があるように5棟もしくは10部屋以上の規模)となると、青色申告者となることができ、専従者給与を支払うことができます。つまり、今まで収入のなかった家族を従業員とすることにより、所得が高い人から低い人へ所得を移す仕組みができれば、大きな節税効果が見込めます。

3つ目は相続税評価額の圧縮です。

現金を不動産に替えるだけで、相続税評価額は約23割程度減り、それをさらに人に貸し出すことで、さらに23割程度相続税評価額を減らすことができます。タワーマンションを利用した相続税対策が流行ったころには、相続税評価額が10分の1程度まで圧縮できた事例もあったと言われています。

私的年金の代わりになる

長期的に家賃収入を得ることのできる不動産を持つことによって、私的年金の代わりとなる収入を長期的に得ることが期待できます。この目的で不動産を持つのであれば、現在の収支のみではなく、将来的に継続した収益を生んでくれる物件であるのかといった視点で物件を選びましょう。

インフレ対策となる

2%のインフレ率を目標にといった政府の見解も聞かれますが、不動産はインフレに強い資産の1つです。インフレになると物価が上がり、不動産価格や家賃もそれに伴って上昇するためです。

インフレに弱いと言われる預金や保険に資産が偏っている方などは、インフレ対策として不動産をポートフォリオに組み入れてみてはいかがでしょうか。

団体信用生命保険に加入できる

団体信用生命保険に加入することで、自身に万が一のことがあった場合、借入残高がゼロになります。さらに、最近では疾病保障付きの商品を出している金融機関もあるので、そのような商品を活用することで、ガンや休業に対しても同時に備えることができます。

事業融資には、保険なしの融資も多く存在しますが、不動産投資の場合は、団体信用生命に加入できるものが多いのが特徴です。加入していることによって、万が一の際には家賃収入が遺族の生活保障となるので、ぜひ不動産投資を始める際には併せて検討していただきたいものです。

不動産投資の6つのデメリット

先述のメリットとは対照的に、不動産投資には以下のようなデメリットがあることも知っておかなければなりません。

空室リスクがある

不動産投資の最も大きなリスクが空室リスクです。当たり前のことですが、空室になると家賃が入ってきませんが、その間もローンの支払いは続きます。家賃保証(サブリース)という選択肢もありますが、あらかじめ手数料が引かれるため、空室のリスクと手数料を比較検討するようにしましょう。

不動産価格下落リスクがある

一般的に日本国内の不動産は築年数の経過とともに、徐々に売買価格や家賃が下がっていきます。購入時の価格より、売却価格が低くなる可能性をあらかじめ考慮に入れて投資を行いましょう。

ローン借入による金利リスクがある

変動金利で借り入れた場合、金利変動のリスクがあります。また、2,000万円の物件を金利3%、35年で借り入れた場合の総返済額は約3,233万円、それが金利2%であれば約2,783万円と大きな差が生じるので、頭金や金融機関選びはきちんとシミュレーションを行った上で決めていきたいものです。

不動産は水物なので、良い物件が見つかったらすぐに決断できるように、融資可能額や金利等について事前に金融機関に打診を申し込み、想定されるパターンごとのシミュレーションを行っておくことをおすすめします。

【参考】住宅保証機構:https://www.hownes.com/loan/sim/repayment.asp

地震・火災などのリスクがある

不動産を購入するときには、火災保険や、地震保険に加入する場合が多いかと思います。ですが、万が一、火災や地震が起こった場合、その保険料のみで残債がゼロになったり、建て直しができたりできるかというと、そうではない場合も多くあります。

保険でカバーできない可能性のある部分については、現金などで補填できるように備えておきましょう。

資金流動化リスクがある

どうしてもお金が必要になることもあるかと思いますが、不動産は現金化できるまでに時間がかかるものと考えておくのが賢明です。焦ってしまうと市場価格よりも低い金額で売却してしまうという場合もありますので、数年以内に必要となる最低限の資金は現預金など流動性の高い状態で確保しておくようにしましょう。

建物の修繕対策が必要

区分所有の場合は、マンション単位で修繕費用を積み立てていますが、大規模修繕の際にはそれ以上の費用が掛かる場合もあるため、一棟所有の場合は自身で修繕計画を立てて、修繕費用を残しておかなければなりません。

クーラーや給湯器などの設備の故障も加味した計画を作成し、故障などの連絡があった際にはすぐに対応できるようにしておくことが、入居者の信頼を得るためには大切です。

また、定期的にリフォームやリノベーションを入れることで、資産価値を高く長く保つことが可能になります。

初めての不動産投資で都心部の中古ワンルームマンションを選ぶメリット

初めての不動産投資をする方には、都心部の中古のワンルームマンションが比較的扱いやすく、リスクも低いためおすすめであると言われています。その理由は以下のとおりです。

都心部は値下がりリスクが低い

単身者需要の高い都心部であれば、築年数が経過したワンルームマンションの需要も高く、売買価格が下がりにくい傾向にあります。

基本的に家賃や不動産価格は需要と共有のバランスで決まるので、独身の会社員や学生などが多く住む地域で、単身者用のワンルームマンションを所有することで、値下がりリスクを低く抑えることができるのです。

家賃が比較的安定している

一般的に、不動産は、新築のプレミアムがなくなった瞬間に、不動産価値が12割下落し、その後は緩やかな下降線をたどります。そのため、中古マンションの方が比較的家賃が安定していると言われています。

区分購入なら管理の手間がかからない

区分所有であれば、自身で修繕計画を立てる必要もなく、管理も管理会社に任せることが一般的です。そのため、不動産の中では最も手間のかからない部類に入ります。

不動産投資のメリット・デメリットまとめ

不動産投資は、全く知らない方にとっては怖く感じるかもしれませんが、きちんとメリットとデメリットを理解し自分に合った物件を選ぶことによって、そのリスクを軽減させることが可能です。

まずはご自身の許容できるリスクの範囲内で、不動産投資を始めてみられてはいかがでしょうか。

監修者:小林 弘司(不動産コンサルタント)