多くのメディアや投資本において、「長期投資」がすすめられています。そうはいっても、なかなか如何にして長期投資を実践するか具体的な運用イメージを描くことは難しい人もいらっしゃることでしょう。

そこで今回は、長期投資の実践を目指す投資初心者向けに、長期投資の仕組みやメリット・デメリットなどをお伝えします。

長期投資ってどんな運用スタイルなの?

そもそも長期投資はどのような投資なのか整理していきましょう。

ウォーレンバフェットが好んだ投資手法

米国の著名投資家であるウォーレン・バフェット氏も実践する投資手法が、長期投資です。この長期投資は、その名の通り株式や投資信託などの金融商品を長期間にわたり保有し続ける投資手法を指します。短期的にはこれらの金融商品の価格が上下に値動きしたとしても、長期間で保有し続けることにより、リスクを限定しつつ着実に利益を上げられている可能性が高いというスタンスに基づく投資手法となります。

生活スタイルを変えずに資産運用

そして長期投資の場合、四六時中株価や投資信託価格の値動きをチェックする必要もなくなるため、日々の生活スタイルを変えずとも実践できる資産運用方法となります。

お金に働いてもらう

また長期投資を実践することで、自分自身が汗水垂らして肉体労働をするだけでなく、お金に働いてもらうことでしっかりと不労所得を得られるようになります。

不労所得で得た資金を再び運用に回すことで、さらに多くの不労所得を得ることが可能です。このように、利益に利益を重ねていくことを複利と言います。

老後の資産形成になる

さらに、何十年という長期投資でコツコツと資産運用を行うことで、メディアで老後不安が喧伝される中、ゆとりある老後生活を送るための資産形成を行うこともできるでしょう。

日本では急速に進む少子高齢化を背景として、年金や医療といった社会保障関連費用が莫大に膨れ上がり、国の財政を圧迫することで、若い世代を中心に将来受け取る年金額が目減りするのではとの懸念が高まっています。そのような社会情勢から、投資を行い老後資産を形成していくことが求められており、その運用手法として長期投資がすすめられている状況です。

長期投資を6種類ご紹介

それではここからは代表的な長期投資の6種類をご紹介していきましょう。

株式投資

まずは株式投資です。株式投資とは、一般企業が事業を継続的に行っていくための資金調達を行う際に発行する株式を投資家が買うことで、その対価として分配金や株主優待などの権利を得ることができる金融商品となります。

一般的に株式投資では、株価の値上がり益、つまりキャピタルゲインを狙ったり、毎年もらうことも可能な配当金、つまりインカムゲインを狙ったりする投資です。そして、株式投資は一日の間に売買を繰り返し行う短期的な投資も可能ですが、10年スパンでじっくり株価の上昇と配当を得ながら資産形成を図ることもできます。

なお株式投資は、100株や1株からというように、企業によって株式購入に最低限必要とされる売買単位が決められておりますので、最低投資金額は投資を検討する企業それぞれにおいて確認する必要があります。

また、株式投資累投(るいとう)といって、毎月1万円など、一定額を積み立てていく投資手法もあります。株式投資初心者にとって、少額から始められるので、るいとうを利用することで比較的リスクを抑えて投資を始めることもできるでしょう。

投資信託

2つ目は投資信託です。投資信託とは、運用のプロフェッショナルが投資家に代わって株式や債券、不動産、金などで運用する金融商品となります。そして運用成績次第で利益が得られる可能性がある一方、運用が上手くいかなかった際には投資元本が目減りしてしますリスクもあります。つまり投資信託は、銀行預金とは異なり、元本保証のない金融商品となります。

しかしながら、投資信託は投資のプロフェッショナルに運用を任せられるので、投資初心者や資産運用に時間をなかなか割けない人にとっておすすめの金融商品といえるでしょう。

一方で、投資信託には持ち続けている間、信託報酬という管理手数料をとられます。投資信託で長期投資を実践する際には、この信託報酬をいかに抑えるかが重要になってきます。そしてこの信託報酬は、投資信託の開発を手掛ける各アセットマネジメント会社のホームページなどで、投資信託ごとに記載されていますので、購入を検討している投資信託および同タイプの他の投資信託の信託報酬をぜひ確認してみてください。

ETF

3つ目はETFです。ETFとはExchange Traded Fundsの略で、上場投資信託とも呼ばれています。たとえば、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)などの値動きに連動する運用成績を目指し、東京証券取引所などの各取引所に上場している投資信託となります。

連動させる指数は株式のみならず、債券やREIT(リート)、コモディティ商品などもあり、投資対象国も日本だけでなく世界中の国に投資することも可能であるため、地域分散投資を行うことでリスクを低減させることができます。なおETFも投資信託であるため、保有を続ける際には信託報酬がかかってきますので、長期投資をする際は低信託報酬のETFを選択し、より効率的に資産形成を行うようにしましょう。

債権

4つ目は債券です。政府や地方公共団体、企業などが発行する債券のほかに、国が発行主体となる個人向け国債などもあります。これらの債券は一般的に、定期的に利子を受け取ることができ、満期に元本が返済される仕組みとなっています。

債券の発行体が国ではなく地方公共団体や企業となる場合、受取金利などは多少差が生じることがありますので、発行体それぞれの債券について仕組みを把握したうえで投資するようにしましょう。債券投資は安定的に金利を得られ元本保証の金融商品であるため、より安心して長期投資を実践できる可能性があると言えるでしょう。

 

不動産投資

そして5つ目が不動産投資です。実物の不動産に投資をする不動産投資は、タワーマンションの一角やアパートなどを購入し、その家賃収入を得たり、価格が上昇した場合に売却し、その売買差額が利益となる投資です。

ハイリスク商品と見なされるFXや仮想通貨などと比較すると、一般的にはマンションやアパートの価格が急激に上昇することは想定しづらいため、長期間にわたる安定した家賃収入を得る長期投資になるかと思われます。一方で、想定通りに借り手が見つからず家賃収入が思ったほど得られなかったり、不動産価格が投資金額より下落してしまうリスクもあるため、こちらも株式や投資信託と同じように、元本保証のない金融商品となります。

REIT(不動産投資信託)

最後に6つ目がREITです。REITはReal Estate Investment Trustの略で、リートとも呼ばれる投資信託の1種類です。REITも投資信託であることから、たくさんの投資家から集めた資金を、運用のプロフェッショナルがオフィスビルや商業施設などを購入し、その賃貸収入や売買益を投資家に分配する仕組みとなります。

REITも実物の不動産投資と同じようなメリット・デメリットを有しておりますが、一般的に一度に多額の資金を必要とする実物の不動産投資と比較して、少額投資が可能なのがREITとなりますので、投資初心者向けの金融商品といえるでしょう。

長期投資と短期投資の比較

それではここからは長期投資と短期投資の比較を見ていきましょう。

長期投資のメリット

まず長期投資のメリットは下記の3つが挙げられます。

複利で利益を雪だるま式に増やせる

長期投資の1つ目のメリットは、複利効果を享受して利益を雪だるま式に増やせる可能性があります。複利とは投資によって得られた利益を投資元本に含めて、更に投資を続けることを指します。投資元本が徐々に大きくなることで、長い期間で見ると大きく資産が増えている可能性が高ります。

運用コストを抑えることができる

長期投資では1度株式や投資信託などの金融商品を購入したあと、短期投資のように売買を繰り返し行わないため、売買手数料が少なく済み、結果として運用コストを抑えることに繋げられます。

安定した収入が入ってくる

そして株式や投資信託などを長期で保有することで、安定的に配当金や家賃収入、更には企業によってお得な株主優待券なども得ることが期待できるでしょう。

長期投資のデメリット

どんな投資においても必ずデメリットはあります。それでは、長期投資のデメリットを確認してみましょう。

すぐに利益が出ない

長期投資のデメリットの1つ目は、すぐに十分な利益を得ることがなかなか難しいことです。少額・分散投資を行うことで、長期にコツコツと資産形成を図るのが長期投資であるため、十分な利益を確保するまでにはじっくりと腰を据えた投資スタンスを維持することが大切となります。

長期的な予想が難しい

次に的確な長期的予想をたてることは、特に投資初心者にとっては困難なことだと思います。そのため、投資信託やREITなど投資のプロフェッショナルに運用を任せ、その間に知識・経験を積むのも1つの投資戦略といえるでしょう。

一度の投資に多くの時間が必要

そして一度長期投資を始めた場合、結果が出るまでに長年の年月を要します。そのため、投資を行う際は日々の生活資金を充てるのではなく、あくまで余裕資金で行うことで安心して長期的な投資を行うことができると思います。

短期投資のメリット

一方で短期投資ではどのようなメリットがあるか確認してみます。長期投資と短期投資のメリットとデメリットを比較してみて、ご自身のスタイルに合わせた運用方法で投資を行いましょう。

利益を出すチャンスが多い

短期投資ではデイトレードという手法があります。デイトレードとは、1日のうちに売買を繰り返して売却益を得ます。短期売買を繰り返すことで、運用が上手くいけば利益を出す機会を沢山得ることができます。

景気が悪くても利益を上げられる

また、株価チャートをしっかりと理解することができれば、投資タイミングを考慮した売買が可能となり、たとえ景気が悪化した時期でも着実に利益を上げることもできます。

利益が出ればすぐにお金を受け取れる

そして利益をしっかり確保することができれば、すぐにでもお金を受け取ることもできますので、ごく短期間のうちに例えば旅行資金を稼ぎたいのであれば、短期投資で得た資金をすぐに旅行資金に充てることができるでしょう。

短期投資のデメリット

続いて、短期投資のデメリットの解説を行います。

運用コストがかかる

まず長期投資のメリットの裏返しとして、売買を繰り返すため、売買手数料などの運用コストがかさむことが考えられます。

投資において手数料を抑えることはとても大事なことなので、取引回数をできるだけ抑えることが必要です。

相場を見張っていなければならない

また短期投資の場合、ちょっとした価格の値動きに一喜一憂してしまい、チャートの動きを常日頃から気にして、本業の仕事に集中できなくなってしまうこともあります。

「ちょっと目を離した隙に価格が暴落」なんてこともありますので、短期投資を行う上では時間に余裕がある際に行うことがおすすめです。

投機になりがち

そして短期投資の場合、経済情勢や投資環境をじっくり吟味せず、よりリスクの高い投機的な行動をとりがちになってしまうリスクもあります。

投資を行うと、チャートと言われる商品価格の変動値を見ることができます。このチャートが急上昇している時に慌てて買い、直後に下落するというケースもあります。

投機と投資では全くの別物。感情に流されず冷静に投資を行いましょう。

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長期投資のコツって?

ここからは長期投資で資産運用をする際のコツをご紹介していきます。特に、投資初心者の方に長期投資をする上で参考になるでしょう。

市場価格が安いときに買う

まず投資を行う上での鉄板となる原則として、株式の株価や投資信託の価額が安い時に購入するようにしてください。市場価格が安い期間に商品を購入できれば市場が元に戻った際には価格が向上しやすいです。

市場の価格よりもお得に商品を購入するためにも、その商品の相場を把握しておくことはとても重要です。

自分の知らない市場には手を出さない

そして、たとえば自分自身が不動産の知識がないのであれば、たとえ世の中で不動産投資、アパート投資などが流行っていたとしても、どのようなリスクが潜んでいるか把握していない金融商品への投資は控えるようにしましょう。

伝説の投資家ウォーレンバフェットでさえ、自分自身が知らない領域・分野への投資には一切手を打さず、莫大な資産を築き上げております。

毎日相場を確認しない

そして、一度長期投資を実践していくことを決断したら、日々の相場を確認する必要もないでしょう。自分が想定するのは、何十年後の利益額であるという前提で、日々の値動きに一喜一憂する必要はありません。

NISA、つみたてNISAを活用する

また長期投資は10年単位での投資期間となるため、少しでも効率的に資産形成を図るうえで、政府が利用促進を図るNISAやつみたてNISAを活用した長期投資を実践すると良いでしょう。

NISAとはNippon Individual Savings Accountの略で、ニーサと呼ばれています(※)。政府の貯蓄から投資へというスローガンのもと、少額からの投資をサポートする税制優遇制度として2014年1月からから始まりました。そのNISAを活用することで、購入した株式や投資信託、ETF、REITなどから得られる配当金や分配金、譲渡益が非課税となります。通常ですと、株式や投資信託などの値上がり益などには20.315%の税金がかかりますが、NISAの場合これが非課税となります。

簡単な例を挙げますと、株式投資により1万円の利益を上げたとします。通常2,000円ほどの税金がかかり、手元には8,000円が残りますが、NISA口座を利用した投資の場合、この2,000円が非課税となり、1万円の利益をそのまま得ることが可能です。

仮に長期投資で投資元本が大きくなればなるほど、この非課税効果はより大きなものになると言えるでしょう。なお、NISAでは新規の投資額は毎年120万円の上限が決まっており、最大600万円(NISAの期間は5年間)の非課税投資枠が設けられています。

また2018年1月からはつみたてNISAもスタートしています。つみたてNISAは、少額からの長期・積立・分散投資を促進する非課税制度です(※2)。一般のNISAとの違いは、投資対象商品が一定の投資信託やETFに限定されているほか、非課税投資枠も毎年40万円が上限となっています。

一方で、一般のNISAの非課税期間が5年であるのに対し、つみたてNISAは最長で20年間にわたり非課税メリットを享受することが可能となります。なお、一般のNISAとつみたてNISAは、その年ごとにどちらか一方のみしか利用できませんので注意していください。

(※)出典:金融庁
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/index.html

(※2)出典:金融庁
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/overview/index.html

長期投資で老後の資産形成を

最後となりますが、これまで長期投資の実践を目指す投資初心者向けに、長期投資の仕組みやメリット・デメリットなどをお伝えしてきました。少しでも効率的な資産形成を図るべく、NISAやつみたてNISAなどを上手く活用した長期投資を実践し、ゆとりある老後生活を送るための資産形成を行いましょう。