株式投資をする上で、できるだけ失敗は避けたいですよね。何とかして首尾よく株式投資ができれば良いと考えるものです。ではどうすればよいのでしょうか。株式投資での失敗を減らす最も良い方法は「株式投資の失敗例を見聞きすること」です。今株式投資で実績を上げている人でも数多くの失敗を乗り越えてきています。

そこで今回の記事は、私自身が経験した株式投資における失敗の1つを紹介します。そしてその原因を分析し、皆様が株式投資を行うときに大きな間違いを防ぐための参考にしてもらえれば幸いです。「人の振り見て我が振り直せ」という言葉を胸に刻みながら最後までお読みください。

10倍株を取り逃がす「逃がした魚は大きい」

この度紹介する株式投資での失敗談は「10倍株を取り逃がした」という話です。10倍株というのは、投資した株価から10倍の株価になった銘柄を指す言葉で、10倍株を掘り当てることは投資家にとって名誉なことだと言われています。

この失敗談で私は、ある企業に投資する価値を見出して株式投資をしたにも関わらず、株価が上がらないことにしびれを切らして売却しました。ところが、結果的には大幅に株価が上昇していったのです。次の章からはこの失敗談について詳しく解説します。

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瑞光【6279】はオムツや生理用品を製造する機器メーカー

私が失敗した投資先は株式会社瑞光という会社です。大阪府摂津市に本社がある衛生用品を製造する装置を作るメーカーです。衛生用品の中でも、オムツと生理用品の製造装置を主なビジネスにしています。創業は1963年で、現在東京証券取引所第2部で上場しています。製造装置では国内で80%のシェアを有し、2003年からは海外進出を始めています。

国内は高齢化社会で成人用オムツの需要は確実

私が瑞光という会社を詳しく調べたのは2007年でした。この当時、私は株式投資をするために様々な企業を調べていました。その中で瑞光の行っているビジネスを見て将来性が十分にあると感じたのです。

当時から日本は高齢化社会がさらに進むと言われていました。また高齢者によくある悩みの1つに排泄の問題があり、オムツや尿漏れ防止パッドが必要な方が多いことを知っていました。したがってこれからの日本では成人用のオムツの需要は広がっていくと考えていたのです。

海外は生活水準の向上で衛生用品の需要は間違いなく上昇する

また、瑞光のビジネスは海外でも通用すると考えました。生理用品や乳幼児のオムツは生活水準が高くなると需要が増えると言われています。これまでの日本においても生活水準が上がり、女性の社会進出が進みました。そしてそれに合わせて女性の身だしなみとして生理用品の需要が高まりました。

また、育児や子育ての手間を減らすために、乳幼児のオムツも使い捨て出来る紙オムツの必要性が高まりました。そしてこれまでの日本で起こったことが、今後中国や東南アジアといった諸外国でも起こると考えたのです。

低いPBRと高い自己資本比率を確認して投資を開始

このような有望なビジネスを有する瑞光でしたが、当時の株式市場での評価はそれほどでもありませんでした。一方で財務面では極度の借金を背負うことなく安全で着実な運営がなされていました。以前私が解説した記事にて株式投資で大きな損失を出さないための4つのポイントとして以下のものを紹介しました。

詳しくはこちらから
【投資コラム】損しないための株式投資~投資指標を活用してリスクを減らそう!

同社はこのいずれもがあてはまる企業でした。しかし株価の変動は避けられません。そこで私は少しだけ同社の株式を購入し、様子を見ながら買い足していくという作戦で投資を始めました。

リーマンショック後も保有を継続していた

同社への投資を始めてしばらくすると「リーマンショック」が起こりました。同社の株価も下落しましたが、大幅なものではありませんでした。私は同社のビジネスが有望であると考えていたので保有を継続することにしました。

しかし株価は持ち直すことなく少しずつ下がり続けていました。業績も伸び悩み、配当は減額しました。同社の株式をさらに買い足す良い機会でしたが、その前に自分の考え方が本当に正しいのかを見直す必要があると考えたのです。

他の投資先を検討するために「損切り」

私は発想を転換して「同社のビジネスは有望だが下請けの1つにすぎず、思ったほど利益が出ないのではないか」と考え直し、同社のそれまでの業績を見直しました。また当時はリーマンショック後の不況であったため、他にも有望な企業が安い株価で売られていました。それらをふまえて私は他の投資候補への資金を作る目的で、2010年に同社の株式を損失覚悟で全て売却したのです。

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大きい案件受注と業績アップ

同社の株式を売却して数ヶ月が経ちました。すると株価が少しずつ上昇していることが分かりました。調べてみると私が考えた通り、中国や東南アジアでの受注が進んでいることが分かりました。そして2010年2月期末で4億8,700万円だった純利益が、2011年2月期末は10億3,100万円に、さらに2013年2月期末には23億1,500万円まで増えていったのです。

株価はうなぎ上り

同社のこのような状況に株式市場も黙っていませんでした。私が売却した当時、600円程度であった株価がみるみる上昇し、2013年5月には8,300円の最高値を付けたのです。またたく間に10倍株になる寸前に同社への投資を撤退した私は指をくわえて見ているしかできませんでした。

良いビジネスと安定した財務があれば簡単に倒産しない

この話は株式投資をする皆様にどのような教訓を与えてくれるでしょうか。

まず大切なことは需要が確実なビジネスでかつ、安全な財務を行っている企業は倒産する確率は低いということです。私は有望なビジネスを持つ同社に目を付けたにもかかわらず、「実はダメなんじゃないか?」という疑いを持ってしまいました。

過去の記事でも紹介したように、ライザップは強引ともいえる利益の出し方をしていました。また大塚家具はビジネス自体に望みが低いものでした。しっかりと企業を見る目を養うことが株式投資では重要になります。

詳しくはこちらから
【投資コラム】ライザップ赤字転落から株式投資を考える~成長株の利益について

【投資コラム】大塚家具倒産の危機から株式投資を考える~資産の内容と業績の推移に注意しよう

企業に投資をするなら5年から10年以上の時間をかけて待つ

いわゆる「株をする」と言えば比較的短期間での株価の上下を利用して利益を出そうとします。一方で「株式投資をする」ことは、投資先の企業が成長し株価や配当が増えることを目指します。したがって十分な成果を上げるためには長い年月が必要です。

私は同社を2~3年で手放しましたが、結果が出る前に我慢できずに手放したと言えます。資産を作る目的で株式投資を行うのであれば最低5年、可能であれば10年以上投資を続けることをお勧めします。

チャート分析も長期間の物を使おう

したがって、株式投資を検討するときに使う「チャート図」もできるだけ長期間で表示されたチャート図で見ることをお勧めします。例えば10年間のチャート図で見ると、日々の株価の変動など誤差範囲であることがよく分かります。良いビジネスを割安な株価で投資できれば、投資したことを忘れているくらいの方が身のためだと言えます。

失敗は悔しいですが、得たものは大きい

今回の記事は私の株式投資の失敗談を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。私はこの経験に対して自省の念を込めて絶対に忘れずにいうようと決めています。株価が低迷している企業や経済全体が不況にある時は、将来を不安視されるニュースや話題が飛び交います。しかしどのようなビジネスでも良い時もあれば悪い時もあります。

先ほども解説したように、明らかな衰退産業ではなく、財務が健全な企業を割安な株価で投資できれば高い確率で報われます。皆さんにもぜひ「腰を据えた株式投資」に興味をもってもらいたいですね。

※投資はあくまでも自己責任となります。利益を保証するものではありませんので、ご注意ください。

記事 湯川 国俊

【過去記事はこちらから】

【投資コラム】損しないための株式投資~投資指標を活用してリスクを減らそう!

【投資コラム】ライザップ赤字転落から株式投資を考える~成長株の利益について

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