【投資コラム】ポイント投資とは?詳しい仕組みと人気のあるサービス3選

クレジットカードの利用や買い物だけで貯まっていく「ポイント」を、投資に活用できるポイント投資が広がっています。この記事では、ポイント投資の仕組みと人気のあるサービスを詳しく解説していきます。
ポイント投資とは?
ポイント投資とは、商品やサービスといった消費に使われるポイントを、投資信託などの金融商品やそれに連動するコースを選んで資産運用できるサービスです。
ポイントは、連動する投資信託の成果によって変動し、その推移をスマホなどで簡単に確認することができます。
ポイントを使ったサービスは好調です。例えば、お金のデザインと提携して2018年5月にサービスを開始したNTTドコモの「dポイント投資」は、たった2ヵ月で利用者が20万人を突破。2019年に入り、利用者は40万人を超えています。このうちの大半が投資未経験者で、資産形成の新しい入口として浸透し始めています。
高まる人気の秘密は、投資未経験の人でも手をだしやすい「手軽さ」です。現金で投資するのが怖いという人でも、ポイントであれば心理的なハードルは下がります。また、ポイントを何となく貯めていた人や、うっかり失効していた人にとって、ポイント投資はバリュエーションを増やす手段となります。
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ポイント投資の年齢層
ドコモのdポイント投資では、全体の76%が40代以下の若年層で、投資未経験者が72%を占めています。そして、安定したリターンを目指すバランスコースよりも、高いリターンを目指すアクティブコースの人気が高いです。ポイントなら損しても怖くないので、リスクを取って積極的に運用しているのでしょう。
また、同じくポイント投資サービスを展開する楽天では、月間5万~6万の新規口座開設があり、約4割が女性です。ポイント投資の利用者の平均年齢は、証券総合口座全体より10歳ほど若いので、女性や若年層に活用が広がっているのがわかります。
ポイント投資2つの方法
なお、ポイント投資は運用方法によって2つのタイプに分類できます。
1つは、ポイントのまま運用する「ポイント運用」です。運用によってポイントが増減し、決済した後もポイントで返ってきます。2つ目は、ポイントを現金化して運用する「現金運用」。運用中は現金が増減し、決済した後は現金を受け取ることができます。
初心者の方は、「ポイント運用」から始めることをおすすめします。証券口座の開設が不要だからです。投資未経験の方にとって、証券口座開設手続きは面倒だと感じる人もいるでしょう。そんな方でも、「ポイント運用」なら気軽に始めることができます。
それでは、利用者・運用額が多いメジャーな3社をご紹介します。
NTTドコモ
NTTドコモが発行しているdポイントで投資を体験できます。株式会社お金のデザインと提携し、ロボアドバイザーの「THEO」の商品と連動しています。
セゾン
大手クレジットカード会社のクレディセゾン。同社発行のクレジットカード利用で貯まる「永久不滅ポイント」でポイント投資できます。マネックス・セゾン・バンガード投資顧問の商品と連動しています。
楽天
ネット通販「楽天市場」の買い物などで貯まる「楽天スーパーポイント」でポイント投資を行うことができます。楽天スーパーポイントの累計付与数は、1.2兆ポイント(1ポイント=1円)を超える膨大な量となっています。
また、楽天証券に口座を開けば、ポイントで直接投資信託を購入できる「現金運用」にステップアップすることも可能です。
それでは、各サービスの詳細を見ていきましょう。
NTTドコモの「dポイント投資」
出典:NTTドコモ
NTTドコモのdポイント投資の特徴は次の3つです。
①ポイントが投資信託の価格に連動して毎日変動(土日・祝日を除く)
dポイント投資は、ロボアドバイザー大手の「THEO」が運用する投資信託に連動し、ポイントが毎日変動します。本人確認や証券口座の開設は不要です。
ポイント投資で資産運用に慣れ、実際のお金で運用する「THEO DoCoMo(テオプラスドコモ)」でロボアドバイザーを始める利用者も増加傾向にあります。
②100ポイントの少額から始められる
100ポイントと少額から運用を始めることができます。ドコモの通信料のほか、dカードの買物利用などで、原則100円ごとに1P還元されます。保有するdポイントはいつでもすぐに運用ポイントに移行できます。また、運用中のポイントは1ポイントからdポイントに戻すことができます。
③積極運用の「アクティブコース」、安定運用の「バランスコース」の2種類から選ぶだけ
dポイント投資では、THEOが提供する投資信託に投資できます。選べるコースは次の2タイプです。
アクティブコース
債券よりも株式の比率を高め、得られるリタ―ンを増やすことを目的としています。
バランスコース
債券を中心に運用を行い、安定したリターンを目指すコースです。
大半の人が「アクティブコース」を選択しています。ポイントなら現金が減るリスクがないので、積極的な運用を行う傾向があるようです。
セゾンの「永久不滅ポイント運用」
出典:セゾンカード
セゾンの特徴を詳しく見ていきましょう。
①100ポイントから投資できる
セゾンの「永久不滅ポイント」は、100ポイント単位で運用口座にチャージでき、1ポイント単位で運用することができます。また、運用口座内のポイントは、1ポイント単位で戻すことができます。
永久不滅ポイントは、永久に失効しない有効期限のないポイントで、セゾン系のカードを使うことで貯まりやすくなります。カード利用額1,000円ごとに1ポイント付与されます。
② マネックス・セゾン・バンガード投資顧問が提供する4つの投資信託から選ぶだけ
運用する投資信託は次の4種類です。
1.日本株(TOPIX)コース
国内の代表的な株価指数であるTOPIX(東証株価指数)に連動するコースです。日本の景気を実感しながら運用体験が可能です。
2.アメリカ株(VOO)コース
米国を代表する株価指数であるS&P500に連動するコースです。アップルやマイクロソフトなどグローバル企業が多く、世界の景気を実感しながら運用体験できます。
3.アクティブコース
外国株式(約7割)、外国債券を中心に積極的にプラスを狙うコースです。
4.バランスコース
国内債券を中心に安定的な運用を目指します。
永久不滅ポイントは、選んだコースの運用結果によって日々増減します。
③個別株への投資体験もできる
2018年9月より「StockPoint(ストックポイント)」と連携して、永久不滅ポイントから交換したストックポイントが、実在する株価に連動して増減します。対象となる株式は次の3銘柄です。
株式コースは、1株の価値になった時に実際の株式と交換することもできます。
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楽天ポイント運用
出典:楽天
楽天ポイント運用の特徴は次の3つです。
①口座開設不要
楽天証券の口座開設を必要とせず、楽天ポイント保有者なら誰でもポイント運用できます。
②「アクティブ」と「バランス」の2つのコースから選ぶだけ
楽天のポイント投資は、最低100ポイントから、100ポイント単位で始められます。選べるコースは次の2タイプです。
アクティブコース
株式の比率を高め、積極的な運用を目指すコースです。
バランスコース
株式よりも債券に比重を置き、安定的な運用を目指します。
③増えたポイントは通常の楽天ポイントとして使える
増えたポイントは、楽天市場はもちろん、楽天トラベルや楽天ホテルなど楽天のすべてのサービスで利用できます。楽天のサービスを利用する人にはとても便利ですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は初心者でも気軽に投資体験できる「ポイント運用」をメインに解説しました。ポイント運用は、あくまでも擬似的に投資を体験してもらうことに重点が置かれています。そのため、100ポイントと少額から始めることができるようにして、資産運用への心理的抵抗を低くしているのです。
ただし、ポイント運用のリスクは低いものの、大きく資産が増えることもありません。ポイント運用に慣れたら、ポイントを現金に換えて投資する「現金運用」や、実際の投資信託にチャレンジしてみて下さい。
記事 山下 耕太郎
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