昨年12月、日本郵政株式会社【6178】がアメリカの保険会社アフラックと資本業務提携をすることに合意しました。

アフラックと言えば「がん保険」で有名な保険会社です。実際にアフラックのがん保険に加入されている方も多いと思います。

ところでアフラックという会社は、最も日本と親しいアメリカ企業であることをご存知でしょうか。さらに株式投資の視点でアフラックを見ると、株主還元にも積極的な優良企業なのです。

そこで今回の記事ではアフラックの企業としてのあらましを紹介します。そして個人投資家にとっても良い投資先である理由を解説します。ぜひ最後までご覧ください。

アフラック【AFL】はアメリカ発祥の保険会社

はじめにアフラックという企業について解説します。アフラックはアメリカ合衆国ジョージア州コロンバスという所に本社を置く、生命保険と医療保険を扱う金融機関です。アフラック・インコーポレッドという持ち株会社を本体に置き、アメリカと日本にそれぞれ子会社を設置しています。

日本で展開するアフラックは「アフラック生命保険株式会社」と言い、東京都新宿区に本社があります。アメリカでの創業は1955年、エイモス兄弟によって「アメリカン・ファミリー・ライフ・アシュアランス・カンパニー・オブ・コロンバス」という名称で営業が始まりました。

医療分野での経済的負担が発生した時の援助ができる仕組みを作ることを創業の目的とし、今でもその意志は受け継がれていると言えます。

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日本に活路を見出し、がん保険で進出

同社が日本へ進出を決めたのは1970年と言われています。エイモス氏は当時日本で開催されていた大阪万国博覧会を見にいきました。

その時、エイモス氏は日本人が衛生や健康に気を使う人が多いことと、日本でも、がんが「不治の病」として問題になっていることを知りました。当時から、がん保険に特化していた同社は、日本への進出を決意しました。

そして1974年に日本の子会社を設立し、営業を開始しました。

着実な営業と資産運用でシェアを拡大する

当時の日本では、がん保険というものがありませんでした。また、同社は当時日本では知られていなかったので営業に苦戦しました。しかし徐々にがん保険の良さが知れ渡ると、同社のシェアが徐々に増えていったのです。

また、バブル期においても冷静な資産運用を行うことで、顧客から集めた資金を十分に保持することができました。これらを経ることで、格安の保険料でがん保険を提供できる仕組みを確立し、今日においても、がん保険では高いシェアを有しています。

日本郵政との提携で、日本でのシェア確保を目指す

こうした中、日本経済は成熟化して高度経済成長は望めなくなってきました。そして日本郵政は民営化したものの、国内最大の金融機関として今後の成長戦略を明確にできていなかったようです。またアフラックも保険業界の激しい競争に生き残る新たな手段を模索していました。

その中で、アフラックの営業力や資産運用力と日本郵政が持つ全国にある営業網が両社を引き合わせ、この度の資本提携となったのです。その内容は日本郵政がアフラック(アメリカ本社)の株式を約2,700億円出資して取得し筆頭株主となり、資産運用や営業面で協業していくと言うものでした。

アフラックは日本での収益が過半数

同社はこのような経緯をたどったがゆえに、海外企業でありながら非常に日本に寄り添った経営をしています。収益面では2017年の場合、全収益約217億ドルのうち、日本での収益は約150億ドルです。つまり同社は日本で70%以上の収益を得ていることになるのです。

アフラックは東京証券取引所にも上場している

さらに同社はニューヨーク証券取引所に株式を上場するだけでなく、東京証券取引所第1部にも上場しています。ニューヨークでの証券コードは「AFL」、そして東証での証券コードは【8686】です。

さらに時価総額で言えば東証内でもベスト10に入る規模です。日本企業で言えば日本郵政やソフトバンクよりも上位で、NTTドコモと同程度です。(2019年4月10日時点)

※時価総額:企業を完全に買い取る時の総額。発行株式数×株価で算出する。

このようにアフラックはアメリカ企業でありながら、非常に日本に重きを置いている企業だと言えます。ではなぜ同社は投資する企業としても魅力的だと言えるのでしょうか。次は同社が個人投資家にとっても魅力のある投資先である理由について解説します。

保険会社は安定性の高いビジネス

同社が投資先として魅力的だと言える理由として、保険会社というビジネスの安定性が挙げられます。保険会社は多くの顧客から保険料という形で資金を集めます。そして集めた資金を保険金請求の可能性をふまえながら資産運用します。

そのため資金量を活かした安定した資産運用を行えば、収益が安定します。また保険会社はメーカーと違い、工場など大規模な設備投資が不要です。商品開発に要する費用も、メーカーに比べれば軽度です。

したがって保険会社は高い利益率を維持しやすいビジネスだと言えるのです。また、将来性に関しても急成長は難しいですが、長期的に安定した需要があると考えられます。

がん保険は保険金請求が急増するリスクが低い

保険会社のリスクとして「保険金請求が急増すること」があります。一般的な保険会社の場合、大きな災害や事故があった時に保険金請求が急増するリスクがあります。

一方で同社の主力保険であるがん保険は、保険金請求の発生頻度が比較的安定していると言えます。したがって同社のビジネスはより安定した利益を出しやすいと言えます。

長期的にも安定した業績を残している

長期的な投資をする時は、過去の長期的な業績推移を見ることは非常に有効な分析方法です。そこで同社が公式発表している資料から2007年以降の業績推移を分析してみましょう。

はじめに同社の収益推移です。急成長とは言えませんが、収益水準は増加傾向にあります。保険市場は成熟してると考えられていますが、その中でも着実に成果を上げていると言えます。

純利益は株主還元には確認が必須の項目です。こちらも2017年に急増していますが、全体的に着実な増収を残しています。また2008~2009年はリーマンショックによる不況でしたが、その中でも赤字になっていない点は注目すべきです。

企業全体の成長を見るためにまず、総資産の推移を見てみましょう。全体として順調な成長をあげていると言えます。また資産のうち運用資産や現預金が多くを占めています。これは保険会社をはじめとした金融機関ではよく見られる資産内訳だと言えます。

次に総資産がどのような形で集められたお金なのかを見てみましょう。金融機関の多くは顧客から集めたお金を基にビジネスを行います。同社の場合、保険料という形でお金を集めています。

したがって同社のビジネスが成長するとそれに従って、保険準備金の量が増加していきます。また、同社は株主持分(純資産)に関しても並行して成長していることがうかがえます。これは金融機関として、順調な資金繰りを行っていることを表しています。

保険会社の安全性を測るソルベンシーマージン比率も良好

その他にも保険会社には資金繰りの安全性を示す指標があります。「ソルベンシーマージン比率」と呼ばれるものです。これは「支払余力比率」ともいい、保険会社が顧客からの保険金請求に対して十分な資金を準備できているかを表す指標として使われています。

【アフラックのソルベンシーマージン比率推移】

※2018年は第3四半期末の数値※この数値の算出範囲はアフラック生命保険(日本国内)のみ

一般的にソルベンシーマージン比率は最低200%必要とされています。また国内同業他社では1,000%を超えるところもあります。同社の場合800%~1,000%の間で保たれています。個人的な見解ですが、同社のソルベンシーマージン比率は適度な比率を保っていると言えます。

アフラックは増配に積極的な「配当貴族銘柄」

そして同社が個人投資家にも魅力的だと言える大きな理由として「株主還元に積極的」だと言うことです。同社はこれまで36年間毎年配当金を増やし続けています。

アメリカでは25年以上連続増配をしている企業を「配当貴族」という呼び方をしており、資産形成を目指す個人投資家の間で人気があります。また利益に対する配当の割合を示す「配当性向」も比較的低く、当面の間安定した増配が続くのではないかと言われています。

※配当性向とは:利益に対する配当金の割合を示す数値。通常%にて表示

【アフラックの配当性向推移】

このようにアフラックは、アメリカ籍の企業でありながら日本がビジネスの中心になっています。そして投資先としてはアメリカの優良銘柄の1つとして挙げられるレベルの魅力ある企業なのです。

長期投資を行うときは「長期の業績を分析」と「長期に耐えられるビジネスモデル」

今回の記事では「長期的な資産作り」として株式投資を行うときに注意すべきポイントが挙げられています。はじめに大切なことは「息の長いビジネスをしているか?」です。10年以上先でもビジネスとして十分成り立ち、急成長は無くても利益を上げ続けられると考えられる企業であることが重要です。

次に大切なことはこれまでの業績です。長期間の安定した収益や利益はもちろんですが、配当や自社株買いといった株主還元に十分な実績があれば投資先候補として合格だと言えます。皆さんも今回の記事で紹介した分析を行って、良い投資先を見つけてください。

※投資はあくまでも自己責任となります。利益を保証するものではありませんので、ご注意ください。

記事 湯川 国俊

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