皆さんはどのような理由で株式投資を始めようと考えたでしょうか。よく聞かれる株式投資を始める理由に「定期預金では金利が低すぎるから」と言うものがあります。ところで株式投資での金利とは何を指すのかご存知でしょうか?

実は株式投資では、見るべき金利は3種類あるのです。資産形成を目的とした株式投資では、これら3種類の金利をバランスよく評価して投資することが成功する秘訣です。

そこでこの記事では株式投資における3種類の金利として、「配当利回り」「PER」「ROE」について解説します。そして事例として不安定な配当方針を施行する「三井物産」、先日割安なPERで取引されていた中、業績予想の大幅な下方修正をした「日産自動車」、そして持続的なROEを残す「アフラック」を紹介します。ぜひ最後までお読みください。

株式投資での金利は「配当利回り」「PER」「ROE」

一般的に銀行などにお金を預けると金利を得ることができます。その時、金利はあらかじめ定められた利率で支払うことになっています。一方で株式投資の場合様々な視点で金利を測ることができ、さらに様々な環境の変化で金利も変動します。

1つ目は「配当利回り」、次に「PER」、そして「ROE」です。株式投資ではこれら3つの金利の意味を知り正しく評価することで、より安全で着実な資産形成をすることができるのです。ここからは3種類の金利とそれらを基にした投資におけるポイントについて事例を通して解説していきましょう。

 

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配当利回りは企業の配当に対する利回り

株式投資における利率の目安として、はじめに紹介されることが多いのが「配当利回り」です。配当利回りとは以下のような式で算出することができます。

配当利回り(%)=配当金÷株価×100

配当利回りが株式投資での利率として使われやすい理由は、利回りが銀行預金などの様に理解しやすいからです。預けた金額に対する利率と同じような感覚で扱うことができます

配当利回りは通常「予想」を使う

なお、配当利回りには「実績」「予想」の2つを区別する必要があります。実績とは、直近に出た配当金を基に算出します。一方で予想では、企業が発表している配当予想を基に算出します。通常の株式投資では将来に投資するものなので、予想配当利回りを使う方が良いと言えます。

配当利回りが高すぎると減配・無配のリスクがある

でも単純に配当利回りの高い企業に投資すれば良いわけではありません。一般的に配当利回りの高い企業は次回の配当が減配、場合によっては無配になる可能性を株式市場が察知していることがあります。

また長期的な視点でも、配当の成長が期待されていないと市場が評価している場合があります。配当利回りの高さを目当てに株式投資をする場合は、企業が発表している配当方針について確認すべきだと言えます。

 

事例【8031】三井物産~過去の配当実績を確認しよう

ここで、高い配当利回りでも慎重に検討すべき事例を紹介します。

【8031】三井物産は日本でも屈指の規模を誇る総合商社です。4月26日の時点で配当利回り(会社予想)は4.46%です。これは比較的高い数値です。ではこの配当利回りの実現可能性をどのように検討すべきでしょうか。

最も分かりやすい判断材料として「過去の配当実績を調べる」ことをお勧めします。同社は、ホームページで配当実績を公開しています。これによると平成29年3月期は減配しています。さらにさかのぼると、平成21年3月期末では無配になっています。このような配当方針を行う企業は、今後の業績次第で減配や無配がありうると言えます。

PERは企業が生み出す利益に対する利回り

次に株式投資の利率として使われる指標にPER(Price Earnings Ratio:株価収益率)と言うものがあります。PERは以下のような式で算出することができます。

PER(倍)=純利益(1株当たり)÷株価

PERを株式投資の利回りとして使うメリットは「株主に対する利益を全て反映している」という点です。企業が生み出す純利益は、全て株主のものになります。配当利回りでは企業が出した純利益の一部から算出するのに対して、PERでは株主の取り分を全て利率に表すことができます。

PERは100で割れば%で表すことができる(株式益回り)

ただし株式投資を始めたばかりの方にとってPERの「倍」という単位が使いにくいかもしれません。しかしPERの逆数、つまりPERの数値を100で割ればその数値を「%」で表すことができます。

株式益回り(%)= 100 ÷ PER

例えばPER20倍であれば、100÷20=5%となります。そしてPERが低くなり10倍になれば利率は100÷10で10%に、一方でPERが25倍になれば100÷25で4%と変化するのです。

PERも通常予想を使う

PERに関しても配当利回りと同じように「実績」「予想」の2種類の表し方があります。PERも株式投資では、企業が発表する予想利益に基づいた「予想PER」を使うことが一般的です。

低いPERは減益に注意

このようにPERでは数値が低いほど利回りが高くなります。しかし余りにも低いPERの企業の場合、予想利益が下方修正される可能性があることを株式市場が察知している可能性があります。低いPERを目当てに株式投資をする場合は、企業が発表している業績予想の実現可能性について十分に調べるべきだと言えます。

事例【7201】日産自動車~業績悪化が見透かされていた

PERでの株式投資の注意例では【7201】日産自動車が挙げられます。

4月24日同社は、前年期末業績予想を大幅に下方修正しました。この発表前同社のPERは低くなっており、配当利回りも高くなっていました。同社は2月にも下方修正しており、また同社のCEOをしていたカルロス・ゴーン氏が逮捕される事件がありました。このため株価が一時的に安くなっていると考えて投資を行った個人投資家もいました。しかし米国市場の業績悪化などの理由で、この度の下方修正となりました。

日産自動車も無配の実績がある

また、同社はこの度の発表で配当に関して維持するコメントがあったようです。しかし同社が公表している配当実績を確認すると、2009年は無配になっています。したがって同社においても、業績が悪化すれば減配や無配がありうると言えます。

※日産自動車の配当実績(同社公式ホームページより引用)

ROEは企業価値に対する利回り

もう1つ株式投資をする上で見るべき「金利」があります。それはROE(株主資本利益率)です。企業が有する純資産(株主資本)に対して生み出すことができた利益率を表す指標で、単位は%を使います。

ROE(%) = 当期純利益 ÷ 純資

ROEが株式投資の金利として重要なポイントは「株価の影響を受けない」と言うことです。株価は企業の業績以外の理由で変動することがあるため、配当利回りとPERは短期的な株価の影響を受けやすいと言えます。一方でROEは企業の業績が純粋に表れるため、他の二つとは違った視点を持つことができます。

ROEが良好だと企業の成長が早い

そしてROEが株式投資の金利として大切な理由は、企業の資産が成長する指標(金利)であることです。良好なROEを継続できる企業は、その分だけ高い成長や配当を継続することができます。しかもROEによる金利は複利で増加していきます。例えばROE10%を持続できる企業に投資できれば、8年で2倍のリターンを得ることができるのです。

アフラックは十分なROEを継続的に行っている

ROEが株式投資で重要な指標になる事例として、前回の記事で紹介したアフラック【8686】が挙げられます。同社は10年以上にわたって10%から20%のROEを維持しています。

良好なROEは同社の資産を2倍以上に成長することができました。

その結果、配当金も持続的に増配することができています。

3種類の金利を上手に使ってバランスの良い投資を目指そう

ここまで株式投資における3種類の金利と事例について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。株式投資を行う上では、どの金利を最重視するのかを明確にすることをお勧めします。なぜなら、株式投資を開始する指標になるだけでなく終了や撤退するときの決め手にもなるからです。

そして可能であれば、それぞれの金利を目的とした投資を分散されることをお勧めします。そうすることによって短期的にも長期的にも十分なリターンを目指すことができると言えます。皆様もより幅広い視点を持った株式投資を行われることを願っております。

※投資はあくまでも自己責任となります。利益を保証するものではありませんので、ご注意ください。

記事 湯川 国俊

 

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