【投資信託】ノーロードファンドとは?メリット・デメリットとおすすめの購入方法

初心者が資産運用を始めるには「投資信託」がオススメです。少額から始めることができ、投資のプロであるファンドマネージャーに運用を任せることができるからです。
ただし、投資信託の数は6,000本以上あります。商品選びに迷った場合は、まずコストが安いファンドから選ぶのも手です。投資信託のコストにはさまざまな種類がありますが、購入時の手数料がかからない「ノーロードファンド」を選んでみてはいかがでしょうか。
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目次
ノーロードファンドは販売手数料がかからない投資信託
ノーロードファンドとは、販売手数料がかからない投資信託のことです。 販売手数料が無料のため購入時の負担を軽減させることができます。投資信託の手数料は主に次の三つです。
1.販売手数料
まず投資信託を買うときに販売(購入時)手数料を証券会社や銀行などの販売会社に支払う必要があります。通常の投資信託では1~3%(+消費税)の販売手数料がかかります。たとえば、3%の手数料がかかる投資信託を買う場合、100万円分の投資信託を購入すると、
100万円×3.24%(税込み)= 32,400円
32,400円の手数料がかかるのです。
買った瞬間に手数料ぶんだけマイナスからスタートするので、その商品が販売手数料以上に値上がりしないと利益が発生しません。
2.信託報酬
信託報酬とは、投資信託を管理・運用するためのコストで、保有している間にかか るコストです。通常、年間で0.5~2%程度かかります。長期で保有する場合は毎年かかってくるコストなので、信託報酬を意識する必要があります 。
3.信託財産留保額
信託財産留保額は解約手数料とも呼ばれ、投資信託を解約するときにかかるコストで、銀行や証券会社といった金融機関に支払います。ただし平均で0.3%前後なので、販売手数料や信託報酬に比べるとそこまで気にすることはありません。
日本は米国に比べて投資信託のコストが高い
日本に比べて、米国の方が投資信託のリターンは高くなっています。もちろんNYダウなど米国株式市場が日経平均などに比べて好調だということもありますが、投資信託のコストが安いというのも要因と考えられます。
たとえば、日米純資産額上位5銘柄の販売手数料と信託報酬を比較した表は以下の通りです(2016年)。
出典:金融庁
米国の過去10年間の収益率は5.2%、日本は-0.11%となっています。株式市場のパフォーマンスの差もありますが、コスト面でも大きな差があることがわかります。
販売手数料は日本が3.2%に対して米国は0.59%。信託報酬は日本1.53%に対して米国0.28%です。購入時で2.61%、そして毎年1.25%もの差がついているのです。
コストを抑えることがいかに大事かということがわかると思います。
投資期間が短いほど販売手数料が重要で、長期投資になるほど信託報酬が重要になります。販売手数料は購入時 のみかかりま すが、信託報酬は保有期間中毎日かかるコストだからです。
インデックスファンドはノーロードが多い
投資信託は、運用方法により次の2つに分類できます。
1.インデックスファンド
インデックスファンドとは、日経平均株価やNYダウなどの指数に連動することを目指すファンドです。指数との連動を目指すので銘柄選定の手間などがかからず、コストが安くなります。
そのため、インデックスファンドは販売手数料がかからない「ノーロードファンド」がほとんどで、信託報酬も安い傾向にあります。
2.アクティブファンド
アクティブファンドとは、運用のプロであるファンドマネージャーが株式や債券などの銘柄を選定して運用を行う投資信託です。日経平均株価やTOPIXなどの指数を上回ることを目指します。
ファンドマネージャーが銘柄を選定するための調査コストなどがかかるため、インデックスファンドに比べてコストが高い傾向にあります。販売手数料も3%以上かかるのが一般的です。
ノーロードファンドが多いインデックスファンドのメリット・デメリットを確認しましょう。
ノーロードファンドのメリット
販売手数料が無料であることが、ノーロードファンド最大のメリットです。また、指数を対象にしたインデックスファンドが多いので、値動きがわかりやすいという特徴があります。
たとえば、国内株式を対象にしたインデックスファンドでは、日経平均株価やTOPIXなどを対象としたものが多くなっています。
日経平均株価などは、テレビやネットニュースなどで目にする機会も多く、初心者でも値動きがわかりやすくなっていま す。アクティブファンドでは、投資対象を絞っているので、全体の株式が上昇していても、思ったように上がっていないということもあり得るのです。
ノーロードファンドのデメリット
ノーロードファンドは販売手数料がかかりませんが、コストがまったくかからないわけではありません。先ほども説明したように、保有コストである信託報酬がかかります。ノーロードファンドだからどの投資信託でもいいというわけではありません。きちんと保有コストである信託報酬をチェックするようにしましょう。
ノーロードファンドはネット証券がオススメ
ノーロードファンドを購入する場合、ネット証券の利用をオススメします。本数が多いことに加え、積立投資なら100円から始めることができるからです。
対面の銀行や証券会社では、ノーロードファンドは積極的にすすめていません。販売手数料がないので、営業マンの成績にならないからです。たとえば、3%のアクティブファンドを1,000万販売すれば約30万円の手数料収入が入りますが、ノーロードファンドではゼロ。ですから、販売手数料が入らないノーロードファンドは、積極的に販売していないのです。
それでは、ノーロードファンドを購入するのにオススメ のネット証券を2社ご紹介します。
SBI証券
出典:SBI証券
ネット証券トップのSBI証券はノーロードファンドの本数も充実しています。ノーロードファンドの本数は1,322本で業界でも最多水準です。さらに、積立投資なら100円以上1円単位で購入できます。ノーロードファンドを始めるならSBI証券がオススメです。
楽天証券
出典:楽天証券
楽天証券もノーロードファンドが充実しています。ノーロードファンドの本数は1,341本と、こちらも業界最多水準です。他社に先駆けて100円積み立てを発表。楽天スーパーポイントでも投資信託を購入できるので、楽天スーパーポイントを使っている方は、楽天証券で購入するのもオススメです。
つみたてNISAを利用する
ネット証券を利用した場合、ノーロードファンドが多いというのはメリットですが、どの銘柄を選べばいいか迷う方もいると思います。
そんな方は「つみたてNISA」を利用してみてはいかがでしょうか。
つみたてNISAとは、投資信託を対象とした少額投資非課税制度のことです。通常、値上がりや分配金で得られた利益に対して20.315%の税金(所得税+住民税+復興特別所得税)がかかりますが、これがゼロになります。
つみたてNISAは非課税が最大のメリットですが、金融庁が長期・分散・積立投資に適した投資信託を厳選しているのも特徴です。
たとえば、公募株式投資信託(株式が組入可能な投資信託)の場合、販売手数料がかからないノーロードファンドが選ばれています。インデックスファンドの数は142本。そして、通常は販売手数料がかかるアクティブファンドもノーロードで18本が選ばれています。
つみたて投資の年間上限枠は40万円。つみたてNISAでコツコツ積立投資をしても良 いですし、上限を超える金額を投資する場合もこの中から選んで購入するのもオススメです。
まとめ
今回はノーロードファンドについて解説しました。投資でお金を増やす時にコストをできるだけ抑えることは重要なポイントです。投資信託には3つのコストがありますが、まずは販売手数料がかからないノーロードファンドを購入するようにしましょう。
ノーロードファンドは一般的に日経平均株価などに連動するインデックスファンドが多くなっています。インデックスファンドは指数に連動した運用成果を目指すので、銘柄選択の手間がかからない分、コストが安く抑えられるからです。
ノーロードファンドは、豊富な種類が用意されているネット証券での購入がオススメです。ただし、1,000本以上種類がある証券会社もあるので、銘柄選択に迷ったらつみたてNISAで買える投資信託の中から選ぶようにしましょう。低コストで、金融庁が厳選したファンドの中から選ぶことができるからです。
この記事が資産運用のきっかけになれば幸いです。
記事 山下 耕太郎
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