個人が株式投資をする時の最大のメリットは「自分が好きな時、好きな企業に投資することができる」ことです。したがって個人投資家であれば、少し研究して「知名度は低いが堅実な企業」に投資することができます。

そしてそのような企業は「割安な株価」で取引されていることが多くあります。満開に咲く桜のような企業に投資するのも良いですが、道端でそっと咲いている花を見つけて投資をしてみるのはいかがでしょうか。

この記事では割安な株価で取引されやすい企業の特徴を解説します。そして事例として地方の証券取引所で上場している企業を紹介し、その企業の健全性や株価の割安さを解説します。ぜひ最後までご覧ください。

日本には知る人ぞ知る「健全な企業」がたくさんある

2019年5月21日時点、日本取引所グループが公表している上場企業の数は3,664社あります。その数の多さは、書店で売られている「会社四季報」の分厚さを見れば分かります。

その中には今をときめく有名企業もあれば、業界関係者しか知らないような地味な企業もあります。しかし 有名な上場企業に投資することが、安全かつ健全な企業だとは限りません。無名な上場企業であっても堅実な経営を続けているところがたくさんあります。

株式市場には株価が割安になりやすい企業がある

そして株式市場では今をときめく企業に人気が集まり、株価が高くなる傾向があります。一方で無名な企業の中には、多くの投資家から見放されて割安な株価になっていることがあります。そこで、株式市場の中で割安な株価になりやすい企業の特徴を解説します。

【株価が割安になりやすい企業】消費者と直結していない企業

多くの人が直接触れる製品やサービスを扱う企業はそれだけで知名度が高くなり、株式投資においても投資先として選ばれやすくなります。日本企業では自社製品やサービスを株主優待として設ける企業も多いため、株主優待を目的に投資する個人投資家も多くいます。

一方で、日本には消費者が直接目にする機会の少ない上場企業が数多くあります。例えば、商社や部品・素材メーカー、そしてリース会社などです。

こういった企業は企業間の取引がほとんどなので、消費者がその名を知る機会は限られています。したがって個人投資家からは「何の会社なのかよく分からない」という理由で敬遠されることが多いため、株価が割安になる可能性があります。

【株価が割安になりやすい企業】最先端や流行に乗っていない企業

株式市場は時流を反映すると言われています。最先端の技術や現在のブームを取り扱う企業の株式には、人気が集まる傾向があります。一方で比較的古くからあるビジネスは成長も地味で、代わり映えが無いため株価が割安になりやすい傾向があります

【株価が割安になりやすい企業】東証1部に上場していない企業

株式市場で最も資金力があるのは、年金基金や投資信託と言ったいわゆる「機関投資家」です。彼らは大量の資金を扱っているため、投資先企業に厳格なルールを設定しています。

その時、東京証券取引所第1部(以下東証1部)以外の上場企業は投資対象から外されることが多くあります。したがって、東証1部に上場していない企業の株価は割安になる可能性があると言えます。ちなみに日本の証券取引所は、東証1部以外に以下のものがあります。

・東京証券取引所(2部、マザーズ、ジャスダック)
・札幌証券取引(本則市場、アンビシャス)
・名古屋証券取引所(1部、2部、セントレックス)
・福岡証券取引所(本則市場、Q-Board)

【株価が割安になりやすい企業】あまり儲かっていない企業

株式は会社が高い利益を出すことが最大のリターンです。したがって高い利益率を出す企業に人気が集まります。一方で、赤字でなくても地味な利益が続いている企業の株価は割安になりやすいと言えます。

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有名でなくても「あなたが良さを知っている企業」があれば投資のチャンス

このように株式市場には様々な理由で割安な株価になりやすい企業があります。しかし株価が割安な理由が「人気がない」だけであれば、倒産や大幅な株価の下落が起こりにくい安全な株式投資を行うことができます。もし上記の内容が当てはまる企業で、かつ 皆さんがご存知の優良企業があれば、投資先として調べる価値が十分にあります。

明らかな衰退産業ではなく、十分な自己資本比率があれば投資の価値がある

もし、これらの条件に当てはまる優良企業を見つけた場合、はじめにその企業の「PBR」を調べてください。もし1倍を大きく下回るようでしたら、投資候補として調べる価値があると言えます。さらにその企業のビジネスをザックリ調べてください。明らかな衰退産業でないと考えられるビジネスであれば、有力な投資先候補に入れるべきです。

※参考記事:【投資コラム】損しないための株式投資~投資指標を活用してリスクを減らそう!
https://manekatsu.com/blog/investment/20181205_19368.html

事例紹介~大石産業【3943】は九州に本社を置く包装資材メーカー

ではこれまで解説したような企業は本当にあるのでしょうか。ここからは、堅実なビジネスをする割安企業の1つを紹介します。

大石産業という企業は福岡県北九州市に本社を置く、総合包装資材メーカーです。創業は大正15年、平成27年には創業90周年を迎えました。段ボールやフィルム類、そして食品の梱包材を生産しています。卵や果物を出荷するときに使う「パルムモウルド」では高いシェアを有しています。

※パルムモウルドの画像です。主に再生紙を利用して作られています。

高い自己資本比率を維持し安定した財務

健全な株式投資を行うために、同社の投資先としての安全性を調べてみましょう。企業の安全性を評価する指標として「自己資本比率」と言うものがあります。

同社は自社の総資産のうち、自己資本を基にしている比率が半分以上の状態を維持しています。さらに同社は現行中の中期経営計画では「自己資本比率65%以上」を目標にしています。したがって同社の倒産リスクは逓減していると言えます。

キャッシュフローの裏付けがある健全な利益

次に、同社の生み出している利益の質について調べてみましょう。下の表は同社の利益と営業キャッシュフローの推移です。

利益の上下変動がありますが、黒字を維持しています。また利益に対して営業活動によるキャッシュフローは常に上回っています。これは「見切り発車」の売上が少ないことを指し、保守的かつ健全な営業を維持していると評価できます。

※参考記事:【未来工業】日本一のホワイト企業は決算書もホワイトな理由
https://manekatsu.com/blog/investment/20190325_23823.html

国内での安定したシェアと、海外進出への取り組み

次に同社のビジネスが衰退していないかを確認する必要があります。そのために同社の売上高の推移を見ることが参考になります。

2017年にやや落ち込んでいますが、その後回復し売上を伸ばしています。同社のビジネスに対する需要は衰退していないと考えることができます。

次に企業の規模の成長を確認するために、総資産と純資産の推移を確認します。

少しずつではありますが、増額している傾向が確認できます。また、同社の中期経営計画によると、東南アジアを中心に海外進出を図るとしています。したがって同社のビジネスは衰退産業ではないと言えます。

※参考記事:【投資コラム】大塚家具倒産の危機から株式投資を考える~資産の内容と業績の推移に注意しよう
https://manekatsu.com/blog/investment/20181230_20511.html

安定した配当金と高くない配当性向

株式投資をする上で、配当金は気になるポイントの1つです。

※2017年10月1日に株式分割(1→2)の調整をしております

配当は継続しており、増配も行っています。さらに同社は株主優待制度として株主に商品券を配布しています。

株価は低いPBR

ところで、同社が株式市場ではどの程度に評価されているのでしょうか。5月24日の午前(前場)終了時1,516円で取引されていました。これを時価総額に直すと7,071百万円になります。PBRは0.44倍になっており、1倍を大きく下回っています。

・急成長は期待できないが、長期保有は検討できる

このように同社は堅実なビジネスをしているにもかかわらず、株式市場では低い評価を受けていると言えます。急成長が期待できる企業への投資も魅力的ですが、そのような業界は競争が激しくなりやすいので成長が鈍化する可能性があります。また急成長の業界は技術革新も急激なことが多く、途端にビジネスが衰退する可能性があります。

一方で同社のようなビジネスでは急成長は難しいですが、衰退のリスクも低いと言えます。 業界としての成長性が低いということは、競争相手が急増する可能性が少ないと言えるでしょう 。また株価の上下変動は避けられないにしても、すでに低い評価のため株価の下落する比率は、比較的軽度で済む可能性が高いと言えます。

したがって、同社は株式を長期保有して資産形成をすることを目指す個人投資家には、有力な投資候補になるのです。

※投資はあくまでも自己責任となります。利益を保証するものではありませんので、ご注意ください。

記事 湯川 国俊

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