【投資コラム】株価が下落した時の不安を解消する方法~間違いない投資先なら株価は戻る

このところ、株価の大幅な下落をニュースで見聞きすることが多くなりました。世界の国家間で貿易に関するトラブルが発生し、不景気を予感させる公式な発表も見受けられます。この数年で株式投資を始めた方にとっては、このような事態は初めてだと言えます。
では、長期的な株式投資を目指す方たちが、株式市場が崩壊して株価が下落した時にどのような心構えをしていれば良いのでしょうか。長期保有の株式投資であれば、株価がどうなったとしても投資を続けるのが正解です。しかしそれだけでは心もとない話です。
そこで今回は株価の下落に対して、その原因と本質を解説します。そして長期投資をされる方が、株価下落時にすべき行動について解説します。さらにリーマンショックを乗り越えて、投資を続けた筆者のケースについて紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
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株価とはそもそも価格が変動するもの
初めに結論を言えば、「株価とは変動するのが普通」と言うことです。過去25年間の日経平均株価でも、下落した年が11回あります。さらに、1996年から2002年までの7年間のうちでは6年間も下落したのです。
このように株価は、日本だけでなく世界の経済の動向によって大きく変動します。しかし長期的には、利益を上げ続けられる企業は成長に基づいた株価におさまるのです。では、なぜどんな良い企業であっても株価が下落してしまうのでしょうか。
需要と供給のバランスが株価を決める
ニュースなどでは株価下落の様々な要因を解説しています。確かに解説される内容が、株価を動かす引き金になっているかもしれません。ただ、株価が変わる本質は、その引き金によって株式に対する需要と供給のバランスが変わることなのです。
株式への需要が高まれば、株価が高くても株式を買う人がいます。そして株式への需要が落ちれば、株価が高すぎると売れません。これが株価変動の実態です。
株価とはその日、その時に取引された価格
需給バランスで株価が変わるということが分かれば、日々発表される株価について、客観的に見ることができます。株価とはその日、もしくはその時にその株式の売買が成立した価格を表しているにすぎません。つまり、その時はその株価で売りたい人と買いたい人がいたので取引が行われただけなのです。
株価とはスーパーの販売価格と同じ構図で成り立っている
株価の実態について理解できると、日々の買い物と照らし合わせることで理解が深まります。例えばスーパーなどで買物をする時、日によって価格が変化することがあります。これを株式市場に置き換えると、「今日はその株価で売りたい人がいる」となるのです。
したがって株価が下落することをスーパーの買い物に置き換えると「昨日買ったあの野菜、今日になって安売りしていた」となります。こんな時、ちょっと悔しい気分になりますよね。株価が下落して嫌な気分になる理由は「今日まで待っていればもっと安く投資できた」からなのです。
投資先の企業が衰退する理由が無ければ株価は戻る
株式市場全体の変動と株価の本質について分かりました。しかし「私が投資している企業は大丈夫なのか?」という疑問が残ります。そこで、投資先の株価が下落した時の対処法について解説します。
投資先の業績を再確認する
投資先の株価が大きく下落した時は、その企業の業績について再確認することをお勧めします。インターネットで投資先企業のホームページを見ることで、多くの情報を得ることができます。可能であれば最新の決算書類なども見てください。
落ち着いて読んだうえで、大きな問題が発生していなければ、慌てて株式を売却する必要はありません。じっくりと様子を見ることが大切です。
投資を始めた理由を再確認
次に投資先の企業に、投資を行った理由について思い出してください。もし投資を始めた理由を記録してあれば見直してください。その理由を大きく覆すような事態になっていなければ、投資を止める必要はありません。
投資の成果を出す期間を意識する
長期保有を目指して株式投資をする方は、投資の成果を慌てて求めないはずです。長期投資は一般的に短くて5年、長ければ生涯株主として投資の成果を見届けるものです。したがって短期的な株価の下落は、長期的にはささいなことに過ぎないのです。
余裕があれば追加投資
株式を長期保有する投資家は、企業の大株主や経営者に近いスタンスを取るべきです。自社の業績は問題ないのに株価が下落した場合、経営者が慌てて自社株を売却するようなことはしません。むしろ「自社株買い」を実施することがあります。自社株買いとは自社の資金で、自社の株式を買い戻す行為です。なぜそうするかと言うと、経営者は割安になっている自社株を買うことが最も効率的な投資だと考えるからです。
したがって長期投資中の個人投資家も、余裕資金があれば株式を買い足すことも有用です。株価が下落している分、平均投資額が減り配当金は増加します。
【7458】第一興商の株価情報
健全な企業の株価が下落しても気にせず投資を続けることで、実際にどのような結果が出るのでしょうか。ここからは筆者が経験した事例を解説します。
第一興商は、ビッグエコーというカラオケ店を運営する企業として有名です。また主要な事業として、カラオケ通信機器を飲食店や宿泊施設などに貸出や販売を行っています。
1,300円前後で投資を開始するもリーマンショックで株価下落
リーマンショックが起こる前、私は1,300円前後で同社の株式が取引されることを知りました。私は同社のカラオケ通信機器での高いシェアと、カラオケという産業は長期的に衰退しないと考えたのです。さらに株価も割高ではないと判断し、同社への株式投資を始めました。
ところが、株価は徐々に下落しました。そしてリーマンショックによる株価下落の影響を受けて2009年初めには700円台で取引されるようになったのです。
成熟した産業と安定したキャッシュフローを確かめて投資を継続
私は不況による株価の下落とはいえ、ひょっとしたら自分の分析に間違いがあるのではないかと考えました。そこで同社が発表している決算書類を読み直すことにしたのです。すると業績は特に問題なく、むしろ利益は増加していました。株価は安くなりましたが、売却しなければ損したことにはなりません。私は同社への投資を継続することにしたのです。
業績は着実に増加し「嬉しい誤算」で株価も上昇
同社への投資継続を決意してからも、同社の業績を見守っていました。すると多様な事業展開をすることで、業績は徐々に向上していったのです。そして、株価もそれに合わせるかのように上がっていきました。
さらに、私が期待していなかった嬉しい誤算が起こりました。それは同社の株式取引所が、ジャスダックから東証1部へ移ることになったのです。東証1部への変更は企業としてのステータスアップだけでなく、資金力のある機関投資家からの買い付けも増えます。その効果も相まって、株価はさらに上昇していったのです。
配当金と優待を合わせれば投資資金を回収
また同社は業績アップに合わせて、配当金も増額し続けました。さらに同社は、自社施設の優待券を株主に配布していたのです。そして10年以上投資を続けた結果、配当金と優待券の額面を合わせると最初に投資した1,300円(13万円)をすでに上回るリターンを得られているのです。
したがって、ビジネスが長期的に続くと言える健全な企業を割高ではない株価で投資すれば、長期的には十分なリターンを得られるのです。
マイホームを買ったつもりで株式投資をしましょう
今回は株価の下落の根源とその対処、そして株価の下落を乗り越えることの重要性について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
株式への長期投資は、マイホームを買ったことと同じように付き合うことが重要です。マイホームを購入する場合、価格も大切ですが長期間快適に暮らすための様々な要素を考えます。したがってマイホームの土地の値段が下がったという理由だけで、不安になって売却することはありません。
優良な企業に投資しているのであれば、株式市場がすこし荒れたからと言って不安にならず、のんびり構えるくらいの余裕を持つべきなのです。
今後の景気や株式市場の動向を予測することはできません。しかし大幅な株価の下落が起こったとしても、慌てて売却してしまう方が減ることを願っております。
※投資はあくまでも自己責任となります。利益を保証するものではありませんので、ご注意ください。
記事 湯川 国俊
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