投資信託は途中で解約できるものがほとんどですが、中には一定期間解約できないものもあります。また、投資信託を解約してもすぐにお金を受け取れるわけではありません。投資信託は長期で運用する金融商品です。
しかし、急にお金が必要になり、解約することもあるでしょう。そのため、あらかじめ投資信託の解約についても知っておくことが大切です。

この記事では、投資信託の解約方法や、かかる費用・税金などについて詳しく解説します。

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投資信託の解約は可能?

投資信託の解約には「解約請求」と「買取請求」の2種類がある

投資信託のほとんどは、いつでも解約ができます。解約には「解約請求」「買取請求」の2種類があります。

解約請求とは、運用会社が投資している投資信託の一部を取り崩して用意した資金を、投資家が受け取る方法買取請求とは、投資家が保有している投資信託を投資信託会社に買い取ってもらう方法です。この2つのどちらを選んでも、解約後は同じ金額が戻ってきます。しかし、投資信託の中には、一定期間解約ができない期間が定められているものがあります。

この期間を「クローズド期間」といいます。クローズド期間が設けられているのは、投資信託が立ち上がったばかりの時期に大量の解約がでると、運用に支障をきたす恐れがあるからです。そこで、運用開始から3カ月間などクローズド期間を定めている投資信託があるのです。

クローズド期間があれば、投資信託は解約に備えて現金を用意する必要がなくなり、運用に専念できます。その結果、立ち上げ時の運用成績を安定させることができるのです。クローズド期間のある投資信託の数は多くないものの、自分が購入した投資信託にクローズド期間があるのかどうか目論見書でチェックしておきましょう。

投資信託の一部解約も可能

投資信託は、一部分だけを解約する「一部解約」もできます。ただし、購入の時のように金額指定ができず、「口数」を指定しないといけない証券会社もあります。30口以上など最低口数を定めている投資信託もあるので注意が必要です。

解約から返金までの日数

解約申し込みには締切時間が設けられており、多くの場合は15時です。締切時間までに申し込みすると当日扱い、過ぎると翌日扱いになります。ただし、投資信託を解約してもすぐにお金が返ってくるわけではありません。だいたい3営業日程度かかります。お金が必要な場合は、早めに解約するようにしましょう

なお、海外に投資する投資信託の場合、時差の関係で入金までの日数がもっと長くなることがあります。

投資信託を解約した場合の費用

投資信託を解約する時、株や債券のような売買手数料はかかりません。その代わり「信託財産留保額」という費用がかかります。信託財産留保額とは、投資信託を解約する時に投資家が支払う費用のことで、その額は基準価額(投資信託の値段)に対して何%といった形で解約代金から差し引かれます。

投資信託の種類によって信託財産留保額は異なりますが、0.3%程度が一般的です。ただし、信託財産留保額が差し引かれない投資信託もあります。信託財産留保額は、投資信託を保有し続ける他の投資家に迷惑がかからないようにする費用です。

投資信託を解約すると、組み入れた株式や債券を売却しないといけないので、手数料などのコストが掛かります。これは解約することによって発生する手数料なので、解約する投資家に負担してもらおうという仕組みになっているのです。

投資信託を解約した場合の税金

2009年1月の税制改正により、解約請求・買取請求のどちらでも株式などの譲渡益と損益通算できるようになりました。投資信託を解約して換金した場合に生じる利益は、「譲渡所得」として申告分離課税になります。

税金は所得税の15.315%と、住民税5%合計20.315%です。株式と同じように、「特定口座・源泉あり」の口座を選択していれば、確定申告は不要です。

投資信託を解約するタイミング

投資信託を解約するタイミングとして考えられるのは、主に次の3つです。

1.利益確定する時

2.損切りする時

3.純資産総額が大きく減少している時

それぞれ詳しく解説します。

利益確定のために投資信託を解約

投資信託は長期保有が前提の金融商品です。幅広い銘柄に分散投資しているので、個別株などより値動きが比較的緩やかになります。価格変動リスクが抑えられるので、長期でじっくりと値上がり益を狙うのです。ただし、大きく値上がりしたときは解約も検討するべきです。


相場環境は常に変化
しています。上昇トレンドで投資信託の基準価額が上がり続けるということはありません。いずれは下降トレンドが発生します。そうなると利益が減少してしまうので、「売っておけば良かった」ということになりかねないからです。ただし、一度に全部売ってしまうのもよくありません。高値で売り抜けることは、ほぼ不可能だからです。目標金額を事前に決めておき、その値段に達したら1/3や半分だけ解約するようにします。

もっともシンプルな方法は、基準価額が買値の2倍になったら半分解約するという方法です。これなら投資した金額分の利益を確定させることができます。その結果、元本を確保しながら安定した運用を続けることが可能になるのです。

損切りのために投資信託を解約

資産運用では、大きな損失を避けるべきです。保有資産が半分になるなど大きなダメージを負った場合、資産運用を続けることが難しくなります。保有している投資信託が20%以上の損失を出した場合は、解約を考えたほうが良いでしょう。それ以上に損失が膨らむと、その後の運用で損失を取り戻すのが困難になるからです。

またベンチマークよりも明らかに成績が悪い場合は、解約を検討したほうが良いでしょう。ベンチマークとは、投資信託が運用の指標としている基準のことです。国内の株式を対象とした投資信託の場合、TOPIX(東証株価指数)日経平均などの株価指数がベンチマークになります。

ベンチマークよりも明らかに成績が悪い、もしくは類似する投資信託と比べても明らかに運用成績が落ちる時は、保有している投資信託そのものに問題があると考えられるので、解約を視野に入れるようにしましょう。

純資産総額が大きく減少している

投資信託の純資産総額が大きく減少している場合も注意が必要です。純資産総額とは、ファンドの大きさです。純資産総額が30億円以下に減少した場合は、投資信託の解約を検討するようにしましょう。投資信託は純資産総額が大きいほど効率的に運用でき、成績も良くなる傾向にあります。ファンドに占める管理コストの割合が低くなることや、幅広い銘柄を購入することが可能になるからです。

純資産総額が30億円以下になってしまうと、ファンドに占める管理コストの割合が高くなり、運用成績が悪化する恐れがあります。さらに10億円を切ると、運用効率が落ちて繰上償還が行われる可能性が高くなってしまいます。

繰上償還とは、あらかじめ決まっていた信託期間が終了する前に、投資信託の運用が終了してしまうことです。強制的に投資信託での運用を続けることができなくなってしまうのです。

純資産総額が大きく減っている背景には、運用成績の悪化などにより他の投資家が投資信託を解約している可能性もあります。そのような場合、繰上償還のリスクを避けるために早めの解約を検討した方が良いでしょう。

まとめ

投資信託は長期保有が前提の金融商品ですが、大きく値上がりしたときや、純資産総額が大幅に減少している場合は解約を検討するべきです。

基本的に解約はいつでもできますが、運用が始まったばかりの投資信託の中には、解約できないクローズド期間が設けられている場合があるので注意が必要です。

投資信託の解約には株や債券のような売買手数料はかかりませんが、信託財産留保額がかかるものもあります。

また解約してもすぐにお金が手に入るわけではありません。投資信託を解約する前に、目論見書を確認しておくようにしましょう

記事 山下 耕太郎

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