超低金利が続く中、定期的に分配金がもらえる投資信託に人気があります。分配金を出す回数は、1年に1回、半年に1回など様々ですが、人気が高いのが「毎月分配型」です。毎月小遣いのようにもらえる点が、とくにリタイア世代に好評だったようです。

しかし、世界的に低金利に続く中、分配金の引き下げが相次いでいます。また、「複利効果が得にくい」と金融庁が問題視したことから、販売数が減少しているのです。

今回は、毎月分配型投信の問題点と、どのようなファンドを選べていいのかについて解説します。

 

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投資信託の分配金とは

投資信託の分配金は、運用成果の一部を受け取るものです。つまり、投資環境によって分配金は大きく変化します。

ただ、分配金の有無や頻度は投資信託の良し悪しとはまったく別物。つまり、分配金の額や頻度が多いから優秀な投資信託だとは判断できないのです。

また、投資信託の分配金は預貯金の利子とは別物ということも忘れてはいけません預貯金の利子は必ず支払われますが、投資信託の分配金は、前回よりも下がることもあれば、分配金がでない時もあるのです。

さらに、投資信託の分配金は「普通分配金」「特別分配金」の2種類があります。

普通分配金

投資信託の運用の結果、得られた収益を口数に応じて決算ごとに投資家に分配するお金のこと。状況によって分配金がでないことがあります。

たとえば、購入時10,000円の基準価額の投資信託が、10,200円に値上がりしていたとします。決算月に値上がり200円から分配金をだすのが「普通分配金」です。つまり、基準価額の値上がり分が分配金になります。

特別分配金

特別分配金は、元本払戻金ともいい、分配金が支払われた際、分配落ち後の基準価額が個別元本(購入した時の値段)を下回る部分に相当する金額です。

たとえば、個別元本の基準価額が10,000円の投資信託を購入。そして、決算月の基準価額が10,000円で変わらなくても、特別分配金として100円を支払ったとします。すると、基準価額は9,900円になります。

つまり、元本を取り崩して分配金を支払うのが「特別分配金」なのです。

投資信託の分配金がピーク時の半分に

毎月分配金がでる投資信託の人気が高いものの、投資家に支払う分配金は減ってきています。2019年の分配金額は3兆円弱とピークの2015年(約6兆2,000億円)から半減する見通しです。

投資信託を運用する資産運用会社が、リタイア世代に人気の「毎月分配型投信」などを中心に分配金の見直しを進めているためです。

毎月分配型投信は、「複利効果が得にくい」などと金融庁が問題視し、証券会社などが販売に慎重になりました。その結果、毎月分配型投信の残高は、2015年の43兆円から23兆円に減少。

さらに、世界的な超低金利で債券による金利収入が減少したことも影響し、運用会社による分配金引き下げも相次いでいます。2019年の1~10月は毎月分配型投信の約2割が分配金を引き下げました。

日興リサーチセンターによると、追加型公募株式投信(ETFを除く)の2019年度の分配金額は、1~10月で1兆9814億年。年間で3兆円を下回る見通しで、リーマンショック後の2009年(約2兆5000億円)以来、10年ぶりの低水準となる見込みです。

投資信託の選び方

毎月分配金型投信は、分配金の見直しが進んでいるため、人気も落ちてきています。それでは、今後どんな投資信託を選ぶようにすればいいのでしょうか。

分配金よりも複利を重視する

一般的に、中長期での運用成績を期待し、成績が良好に推移しているなら、複利効果が大きくなるため分配金を受け取らない方が有利になります。

複利効果とは、運用で得た収益をふたたび投資することで、いわば、利息が利息を生んで膨らんでいく効果のことです。

もちろん、基準価額が上昇した後に大きく下落してしまうこともあるので、分配金を受け取っていた方がいい場合もありますが、それはあくまでも結果論。はじめから下落を予想して投資はしないからです。

運用コストを考える

投資信託を選ぶのは、分配金だけで判断するのは危険です。それは、複利効果が得られないということだけでなく、毎月分配型投信などはコストもかかる傾向にあるからです。投資信託は、買ったり売ったりした時だけでなく、保有している間にも費用がかかります

投資信託の2大コストは、「販売手数料」「信託報酬」です。

販売手数料は、商品説明や投資相談の対価として、証券会社や銀行などの販売会社に支払います

信託報酬は、投資信託を運用・管理してもらうコストとして、保有している間、毎日かかる費用です。運用の対価として「資産運用会社」に、資産管理の対価として「信託銀行」に、分配金の支払や解約などの事務管理の対価として「販売会社」に支払う必要があるのです。

投資信託のコストは、指数に連動する「インデックス型ファンド」よりもファンドマネージャーが運用を行う「アクティブファンド」の方が高い傾向にあります。

毎月分配型投信はアクティブファンドに分類されるので、インデックスファンドよりも販売手数料や信託報酬が高い傾向にあるのです。

コスト面を考えると、インデックスファンドの方が有利になります。

運用成績を見る

投資信託の過去の運用成績を見ることも大切です。ただし、設定されてから3年以内の投資信託では十分な判断ができません。たまたまその時のマーケット環境が良かったからかもしれないからです。

ですから、運用成績を比較する場合は最低でも3年、できれば5年以上の運用状況を確認するようにしましょう

過去の運用成績は「騰落率」で比較します。投資信託の騰落率とは、3ヶ月や半年・1年など特定の期間において、ファンドの基準価額がどれだけ変動したかを示す数字で、ファンドの運用成績を測るものです。

ただ毎月分配型ファンドなどは分配金の額が大きくなるので、「結局いくら利益が出ているかわからない」という人も多いでしょう。

そこで基準価額の動きだけではなく、分配金も含めた損益金額を収益率で表したのが、「トータル・リターン」です。2014年12月から投資信託を販売する金融機関に対し、トータル・リターン通知制度として定期的に投資家に通知することが義務付けられています。

分配金も含めた「トータル・リターン」を見ることによって、実際にどれだけの利益がでているのかを確認するようにしましょう

ベンチマークと比較する

投資信託は、基準価額が何パーセント上がった、下がったという収益率の他に、ベンチマークや似ている投資信託との比較も参考になります

ベンチマークとは、その投資信託の成績を比べるための指数のことです。国内の株式に投資する投資信託は、日経平均株価や TOPIX(東証株価指数)をベンチマークとしていることが多いです。

ベンチマークと比較することによって、投資信託の運用成績が市場全体よりも良かったのか悪かったのかが分かります。また、似たような投資信託の運用成績と比べることでも、その投資信託を運用するファンドマネージャーの実力が分かるのです。

コストや複利効果を考えるとインデックスファンドが有利

日経平均などの指数に連動する「インデックスファンド」は、個別銘柄の選別や運用のためにファンドマネージャーが情報を収集する必要がない上に、銘柄入れ替えなどの頻度が低くなるので、「アクティブファンド」よりも運用コストが安くなる傾向にあります。

毎月分配型投信はアクティブファンドなので、販売手数料や信託報酬などのコストがインデックスファンドよりも高くなります

また、インデックスファンドは分配金を頻繁にだすことはありません。分配金をださないインデックスファンドもあります。長期で運用を考えた場合、複利効果が狙えるので、分配金をださないファンドは魅力です。

まとめ

世界的な低金利が続く中、分配金の見直しを行うファンドが増えています。また、毎月分配型投信は「複利効果が得られにくい」と金融庁が問題視したことから、販売数が減っています

コスト面や複利効果を考えると、毎月分配型投信より、インデックスファンドが有利です。もちろん、「小遣いように分配金を受け取りたい」というニーズは残るでしょうが、長期での資産形成を考える場合は、コストや複利効果を重視するようにしましょう。

記事 山下 耕太郎

 

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