アメリカ企業の株式(米国株)に投資する日本人が増えています。アメリカ株は配当に積極的な企業が多く、今後の成長も期待大です。その一方で、日本企業への株式投資と比べて税金や為替の面で注意すべき点があります

そこでこの記事ではアメリカの株式市場や株式投資について、メリットとデメリットに分けて解説します。さらにデメリットへの対策を解説し、アメリカ株は長期保有の株式投資がおすすめの理由を解説します。

 

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この記事を最後までお読みいただければ、以下の点を知ることができます。

 ・アメリカの株式市場について分かる

 ・アメリカ株(米国株)の魅力が分かる

 ・アメリカ株(米国株)の配当貴族について分かる

 ・アメリカ株(米国株)投資の注意点と対策が分かる

 ・アメリカ株(米国株)を長期保有する良さが分かる

日本人なら1度は憧れるアメリカ企業への株式投資について、ぜひ理解を深めてください。

目次

アメリカ株(米国株)の証券取引所は「NYSE」と「Nasdaq」が主流

はじめに、アメリカ株について基本的な知識を整理しましょう。アメリカではNYSE(ニューヨーク証券取引所)Nasdaq(ナスダック)という、2つの証券取引所が運営されています。

これら2つの取引所に上場している企業だけで、約4,000兆円の規模(時価総額)を有しているのです。※2019年11月時点

NYSE(ニューヨーク証券取引所):ウォール街にあるアメリカ株取引の中心

NYSEとは、ニューヨークのウォール街にある世界最大の証券取引所です。歴史的にも古く、ロンドン証券取引所に次いで2番目に誕生しています。

アメリカで古くからある大企業はもちろん、世界中の大企業が上場している証券取引所です。株式を上場するための審査は、世界で最も厳しいといわれています

Nasdaq(ナスダック):アメリカの新興企業向けの証券取引所

Nasdaqとは、ニューヨークで1971年に世界初の電子取引所として誕生しました。規模はNYSEに次いでの存在です。

近年成長著しいApple・Amazon・Alphabet(Googleの会社)、そしてFacebookといった企業はNasdaqに上場しています。

アメリカ株(米国株)は証券コードではなく「ティッカーシンボル」を使う

日本で上場されている株式は、銘柄コードと呼ばれる4桁の数字で表します。一方アメリカ株では、ティッカーシンボルと呼ばれるアルファベット文字で上場企業を表します。そのためアメリカ株式市場に上場している日本企業も、ティッカーシンボルが付いています。

ティッカーシンボルは多くの場合、企業名を短縮した3文字のアルファベット表記です。しかし中には違った表現が、ティッカーシンボルになっていることがあります。

【ティッカーシンボルの例】


アメリカの株式市場は取引時間が季節によって変わる

アメリカ株を取り扱うNYSEとNasdaqでは、通常の取引時間が米国東部時間で9時30分から16時までと定められています。昼休みはありません。しかし日本とは違って、現地ではサマータイム制が導入されているのです。

したがって日本からアメリカ株に投資する場合、季節によって取引可能時間が変わります

【アメリカ株の取引時間(日本時間)】


※アメリカ株の売買注文は日本時間の昼間でも多くの証券会社で可能です。

※アメリカのサマータイム期間は3月第2日曜~11月第1日曜

アメリカ株(米国株)でよく言われる「ダウ平均」と「S&P500」とは

次に、ニュースなどで目にするアメリカの株式指標について解説します。これら2つの指標は、アメリカ経済をイメージするのに見合った企業の株価が反映されているのです。

ダウ平均:アメリカ株の中で厳選された30銘柄

ダウ平均とは、正式名称を「Dow Jones Industrial Average ダウ・ジョーンズ工業株平均」といいます。ダウ・ジョーンズ社が1896年に12銘柄を対象に行ったものが始まりです。その後、1928年から30銘柄に増え現在に至っています。

ダウ平均では、採用される銘柄が常に見直されています。そのため今アメリカで最も有力な企業が選別されていることが特徴です。なお株価は平均値を表しているため、株価の高い銘柄に偏った値になりやすいという特徴があります。

S&P500:アメリカ株の中で規模の大きい500社を選別

S&P500とは、正式名称を「Standard & Poor’s 500 Stock Index スタンダード&プアーズ500銘柄指数」といいます。アメリカ企業の様々な業種から、企業の規模や株式の流動性(株式取引の頻度)を考慮して500銘柄を選別したものです。

S&P500は、時価総額に応じて調整した平均値を表しています。そのため時価総額の大きい銘柄からの影響を受けやすい特徴があるのです。またS&P500の数値は、株価ではなく「ポイント」で表します。

注目度は「ダウ平均」・実態の反映度は「S&P」

ではダウ平均とS&P500は、どのように使い分けられているのでしょうか。ダウ平均はアメリカのトップ30に値する企業の平均株価です。そのためアメリカ株式市場を簡潔に表す指標として、ニュースなどで用いられています。

一方で、S&P500はアメリカの株式市場を幅広くカバーしている指標です。そのためダウ平均よりもアメリカ経済を忠実に表す指標として、機関投資家や投資信託の投資成績のベンチマーク(比較対象)にされることが多いのです。

資本主義が最も浸透しているアメリカ企業の株式は魅力的(アメリカ株のメリット)

次に、アメリカ株投資のメリットについて解説します。アメリカ合衆国は、世界で最も資本主義が浸透している国です。資本主義とは株主がお金を出して組織(企業)を作ります

そして企業が様々なサービスや物を提供することで、より良い社会を作ることを目指す考え方です。

そのためアメリカは企業や個人がリスクを取って投資をすることに肯定的になり、多くの人がチャンスを求めてアメリカに集まっているのです。したがってアメリカ社会で活躍している企業に投資することは、以下のようなメリットがあります。

アメリカ株のメリット①:株主還元への意識が強いこと

アメリカ企業は、株式投資をする人達へのリターンを強く意識しています。企業の公的な発表でも、株主還元への意識を明示している企業が多いのです。そして株主還元の施策として、高配当や自社株買いを積極的に行っています

アメリカ株のメリット②:日本よりROEが高い

アメリカ企業は株主へのリターンを表す指標として、ROE(株主資本利益率)を重視します。どんなに売上を伸ばしても、株主に返るリターンが少なければ意味が無いと考えるのです。したがってアメリカ株は、日本株より平均ROEが高くなっています。高いROEは長期的な株価上昇や配当の増加をもたらす源泉になるのです。

アメリカ株のメリット③:先進国でありながら人口増加傾向

アメリカ合衆国は現在でも、人口増加しています。人口の増加は経済成長(株価上昇)において、重要な指標です。人口増加率で言えば新興国が注目され、投資先としても魅力があります。

しかし新興国は政治経済が不安定なことが多く、株価への影響も大きいのです。

アメリカ株のメリット④:世界の経済成長を取り込めるグローバル企業が多い

【アメリカのグローバル企業例】


アメリカには、世界的に有名な製品やサービスを提供しているブランド企業がたくさんあります。これら企業はアメリカ国内だけでなく、世界の経済成長に合わせて成長することが期待されるのです。

グローバル企業の株主になれることは、アメリカ株投資の醍醐味です。

アメリカ株のメリット⑤:1株から株主になることができる

日本株の場合、通常の取引では100株単位で売買します。そのため株主になるには、数万円から数10万円のお金が必要なのです。一方でアメリカ株では、1株から取引することができます

したがってアメリカ株では、数10ドルから数100ドルで投資を始めることができるのです。多くの方は少ない資金でしか投資を始められないので、アメリカ株はとても便利になっています。

アメリカ株(米国株)には「配当貴族」と呼ばれる長期連続増配企業が多くある

さらにアメリカ株には、「配当貴族」と呼ばれる銘柄群があることをご存知でしょうか。配当貴族とは、25年以上連続で配当金を増加している銘柄のことを指す名称です。

配当を上げるということは、それに見合った利益を出し続けてきた証拠になります。さらにそれを四半世紀以上続けられるということは、株主への長期的なリターンを考慮し続けた結果です。

したがって配当貴族株は、アメリカ株の中でも株主へのリターンが優秀である目安になります

【日本でも有名企業でかつ配当貴族銘柄】(連続増配年数は2020年2月時点のもの)


50年以上増配を続けている「配当王」銘柄もある

そしてアメリカ株には、配当貴族を上回る銘柄もあります。配当王と呼ばれる銘柄群は、50年以上増配を続けているのです。

このように世代を超えて配当を増やし続けている企業の中にはコカ・コーラやジョンソンエンドジョンソン、そしてP&Gといった日本でも有名な企業もあります

アメリカ株(米国株)への投資でのデメリット「情報不足と価格変動」とその対策

このようにアメリカ株はとても魅力的ですが、デメリットもあります。それはアメリカ株が、外国株であることによる理由です。

しかしそのデメリットにも対策があります。そこでここでは、アメリカ株投資のデメリットとその対策について解説します。

アメリカ株のデメリット①:企業情報が英語ベースで収集が難しい

アメリカ株は本社がアメリカにあります。したがって、様々な情報は英語で発信されているのです。近年は翻訳ツールを使うことや日本語に訳された情報も増えましたが、日本株に比べると十分とは言えません

【対策】情報収集は「米国会社四季報と決算情報の理解」

アメリカ株でも比較的大きな企業であれば、日本語による情報が多くあります。

例えば会社四季報を出版している東洋経済新報社では、アメリカ版として「米国会社四季報」が発行されているのです。また、アメリカ株を取り扱っている証券会社からの情報も活用できます。

さらにアメリカ企業が発表する決算情報のプレゼンテーションを読むことで、効率的に情報収集することができます

決算情報は英語で書かれていますが用語はある程度決まっているので、アメリカ株投資に興味のある方はぜひチャレンジしてください。

アメリカ株のデメリット②:円高で損失を受ける

日本株の場合株価や配当の上下を見れば現状を理解することができます。しかしアメリカ株の場合株価や配当が上がっても円高になると損をしてしまうのです。過去の例では、2008年のリーマンショックで急激な円高になったことがあります

【対策】為替の問題はリスクとして受け入れる

円高・円安への対策はトレーダーであれば、為替ヘッジと呼ばれる手法を用いることがあります。また、貿易を行う会社であれば為替予約という手法で為替変動のリスクを軽減させるのです。

しかし長期的な資産形成を目指す方は、これらの手法をあえて行う必要はありません。なぜなら為替がどの方向に動いても、十分な結果を残すことができるからです。

成長できる企業であれば為替の影響は軽減する

優良なアメリカ株に投資できれば、影響を受けてもそれを上回るリターンを残すことができます。例えば日本円とアメリカドルの関係では、1ドル=360円で固定されていた時代に比べてかなりの円高になっているのです。

それでも優良なアメリカ株に投資を続けていれば、大きなリターンを得ることができています。

日本が大幅な円安になった時のリスク軽減として活用

当然ですが、日本円がアメリカドルに対して安くなる可能性もあります。今後日本は人口が減少するので、アメリカドルに対して安くなっていくという見解も一理あるのです。

もし円安が進むのであれば、アメリカ株でのリターンはさらに大きくなります。

アメリカ株のデメリット③:株価の変動が大きい

日本株は「値幅制限」というルールがあります。そのため、1日の株価変動に制限があるのです。相場では「ストップ高・ストップ安」と呼ばれています。

一方でアメリカ株では、値幅制限がありません。そのため、決算が想定以下になったときや株価が全面安になる局面で思いもよらぬ株価に下がることがあるのです。

※ただし株式市場全体の急激な株価変動が発生した場合に一時的に取引を停止する制度が設けられています

【対策】株価の変動は「時間や銘柄の分散」で軽減できる

株価の変動への対策は、アメリカ株でも大きく変わりません。投資をするタイミングを分散させることと、適度な分散投資を行うことです。例えば退職金などまとまったお金が入るって、すぐに全額投資をしてはいけません

1年間に投資に使える予算を決めて、さらに春・夏・秋・冬といった時間を分けて投資することをおすすめします。

1株単位で投資できるので時間をかけて投資額を増やす

先ほどメリットで解説したように、アメリカ株は「1株」からでも株式投資ができます。そのため、数万円程度の予算であっても分散投資をすることができるのです。この点では日本株よりも、アメリカ株の方がコツコツと投資することが容易です。

アメリカ株のデメリット④:配当金の2重課税

多くの国では配当金に対して税金を課しています。このとき日本人がアメリカ株から得る配当に対して、アメリカの所得税と日本の所得税(地方税など)の2重の税金が引かれてしまうのです。

※株式の売却益は原則日本のみで課税されます

【対策】2重課税は取りもどすことができる

2重課税のデメリットに対しては、手続きをすることである程度回収することができます。また投資先を絞っても良いのであれば、無配当のアメリカ株に投資することも良い手段です。

確定申告すれば還付可能な場合がある

アメリカと日本では2重課税に対して申告すれば、還付できる場合があります。還付金額は申告内容によって変わるので断言できませんが、アメリカで徴収された税金分の多くを取りもどすことができるのです。

NISAで投資すれば日本側の課税が無い

確定申告が手間だと考える方は、NISA口座を開設してアメリカ株に投資されることをおすすめします。NISA口座の場合、アメリカ株の配当金に対して日本で課税されません。ただし、最大で10年間までしか使えないことがデメリットです。

無配当の成長企業への投資も有効な手段

アメリカ株の中には、グローバル企業であっても成長を重視して配当を出していない株が多くあります。長期的なリターンを望むのであれば、無配当の成長株に投資すれば配当金に関するデメリットは無くなるのです。

アメリカ株のデメリット⑤:通貨を変えるための手数料

アメリカ株は原則、日本円をアメリカドルに交換してから取引をします。そして通貨を交換するとき、必ず為替手数料を取られるのです。これはアメリカドルを日本円に戻す際にも請求されます。

したがって最終的に日本円で資産を運用したい人にとっては、2重のデメリットになるのです。

【対策】取引数を減らすことで手数料を減らす

為替手数料を安くする手法は、いくつか存在します。しかしそのために複数の口座を開設し、場合によっては海外の金融機関と取引することになるのです。これも長期間の投資を目指す方にとっては、手間が増えるデメリットが大きくなります

そこでアメリカ株に投資する場合、リターンは十年後でも問題ない資金を使うことをおすすめします。これによって、為替交換する回数を大幅に減らすことができるのです。

アメリカ株(米国株)は長期的に高配当株になる配当貴族への投資がおすすめ

このようにアメリカ株への投資はデメリットがありますが、長期保有をすることでメリットが大きくなることが分かりました。

そこでこの記事では、アメリカ株への投資を長期的に配当が増えていく可能性が高い配当貴族株への投資をおすすめします。その理由は、以下の通りです。

 ・配当貴族株は長期的に利益を出せる優良なビジネスが多い

 ・配当貴族株は株主還元の実績が明確

 ・配当貴族株だけでも選ぶ余地が十分にある

今配当貴族になっているアメリカ株は、全てリーマンショック後の不況でも増配を続けた実績があります。この実績は、長期保有を目指す投資家にとって心強いことです。

アメリカ株(米国株)は投資先の1つに入れる価値がある

今回の記事は、アメリカ株(米国株)について市場の特徴と魅力を解説しました。さらに、デメリットとその対策を解説しましたがいかがでしたでしょうか。今回の記事のポイントは、以下の通りです。

・アメリカ企業は株主へのリターンを重視する

・アメリカは先進国でありながら今後も人口増加する

・アメリカにはトップクラスのグローバル企業が多い

・アメリカには配当貴族という株主還元の実績が高い企業がある

・アメリカ株のデメリットは長期保有者には影響が少ない

・アメリカ株投資は配当貴族株の長期投資がおすすめ

株式投資をすることは、企業の株主になるということです。それならば株主へのリターンを優先する国や企業へ積極的に投資することは当然です。皆さんもこれを機会にアメリカ株への投資を検討されることを願っております。

※投資はあくまでも自己責任となります。利益を保証するものではありませんので、ご注意ください。

 

記事 湯川 国俊

 

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