テーマ株の特徴やリスクと注目銘柄を紹介【投資コラム】

個人投資家に人気があるのが「テーマ株」です。テーマ株は短期間で株価が大きく上昇する魅力があります。
しかし、短期間で大きな損失がでる恐れもあります。
今回は、テーマ株の魅力やリスク、注意点について解説します。
目次
テーマ株とは
テーマ株とは、人工知能や5G、サイバーセキュリティなど特定のテーマに当てはまる銘柄です。
テーマ株の大きな特徴は、値動きのスピードが速いことです。短期間で2~3倍、ときには株価が10倍以上に上昇する「テンバガー」もあります。
通常の銘柄では、短期間に株価が何倍にもなることはありません。
しかし、テーマ株の値動きにうまく乗れれば、短い期間で大きな利益を狙うことも可能なのです。
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テーマ株のリスク
テーマ株は、ある日大きく値上がりして注目を集めます。ニュースやIR(企業情報の開示)だけでなく、仕手筋による仕掛けがきっかけになることもあります。
仕手筋とは、特定の銘柄に狙いをつけて大量の買いを入れ、意図的に株価をつりあげようとする投資家グループのことです。
テーマ株は一度注目が集まると、実力以上に株価が上昇しやすく、ちょっとしたきっかけで株価が大きく値下がりすることも珍しくありません。
テーマ株を株価が大きく上がったタイミングで買ってしまい、きちんとしたタイミングで損切りできなければ、短期間に大きな損失を被るリスクがあるのです。
ですから、投資初心者は安易に手をだすべきではありません。
テーマ株は業績がよくないこともある
テーマ株は、足元の業績がともなっていないので、長期でみると株価上昇が続かない可能性もあります。
足下の業績が良くないのに株価が上昇する理由は、「これから先、この会社の業績は大きく伸びるだろう」といった思惑や期待に対して株価がプラスに反応しているかです。
しかし、思惑や期待による株価上昇は長く続きません。ブームがすぎると株価は天井をつけ、大きく値下がりしてしまうのです。
高値づかみに注意
テーマ株は、前日に大きく上昇した銘柄、ストップ高銘柄、新高値を更新した銘柄などから探せます。
ただ、現在の株価が上昇トレンドのどの位置にあるかを判断することが大切です。
トレンドは、以下の3つにわけられるからです。
- 初動をとらえた方 の買い集め時期
- 多くの人が購入する時期
- 初動で買った方 が利益確定の売りをだす時期
後半になるほど高値づかみのリスクは高くなります。また、出来高も確認しておきましょう。
出来高が減りつつある場合は、株価が天井をつけた可能性があるからです。
また買いたい銘柄があるときは、一度にまとめてではなく、資金を複数回にわけて買うようにしましょう。
とくに相場環境が良くなくて値動きが不安定なときや、反転したかどうか自信が持てないときに有効です。
少額で購入しておけば損失を抑えられますし、株価が上昇した場合でも利益が得られます。
損失を防ぐには逆指値が有効
自動的に損切りできるよう「逆指値注文」を利用しましょう。人間はいざ損失がでると、損失を確定させる注文は出しづらいからです。
そして「マイナスがなくなるまで持っておこう」と塩漬けになり、気づいたら大きな損失になってしまうのです。
逆指値注文を使えば自動的に損切りできるので、損失を限定できます。逆指値注文は、移動平均線や節目(1,000円など切りのいい値段)など状況によって変更して構いませんが、必ず損切りできるようにしておきましょう。
テーマ株は一番手の動きについていく
人工知能や5Gなど、2019年からのテーマに加え、2020年は新型コロナウイルスの感染拡大によるワクチン開発や、テレワーク関連銘柄が人気テーマになっています。
テーマ株が人気化したときは、PERやPBRなどの指標と関係なく、「買うから上がる、上がるから買う」という仕組みで値上がりしていきます。
ですから、テーマ株を買うときは、上昇率などの値動きで調べた方がいいのです。
そして、テーマでもっとも注目されている銘柄が一番上昇していく傾向にあるので、市場の注目するテーマが現れたときは、1番手の銘柄を購入するようにしましょう。
しかし、1番手の銘柄があまりにも大きく上昇すると、次に恩恵がありそうな銘柄にも注目が集まります。
後追いの銘柄は、1番手の銘柄ほどの値上がりは期待できませんが、それでもある程度の利益が狙えるので、2番手・3番手の銘柄を狙うのも有効です。
関連銘柄は、同じセクター内で上昇している銘柄や、値上がり率ランキングをみると見つけやすくなります。
証券会社のサイトでキーワード検索するのもいいでしょう。
ただし、関連銘柄すべてが買われるわけではないことと、テーマ株は長く続かないこともある点に注意が必要です。
利益確定は何回かにわけて売る
テーマ株は値動きが激しいので、部分的に利益確定しておくようにしましょう。一度にすべて売ってしまうと、さらに上がったときに利益が得られません。
値動きのスピードが速いときは、「上がる」「下がる」と決めるのではなく、実際の値動きに合わせて臨機応変に対応することが大切なのです。
投資の基本は長期・積立・分散投資
テーマ株のチャートをみていると、短期間で大きな利益を得られるような気になってしまいがちです。
しかし、実際に投資してみると思ったようにいかないのがテーマ株です。
これまでテーマ株を取引しても運用成績が振るわなかった方は、テーマ株への投資が向いていない可能性が高いといえます。
とくに日中忙しくて株価をチェックできない方は、値動きのスピードが速いテーマ株への投資は控えた方が無難です。
長期的な資産形成をするためには、「長期・分散・積立」投資が最適です。短期的な利益を狙うのではなく、長期でコツコツとお金を増やしていくようにしましょう。
注目のテーマ
2020年6月時点で注目されているテーマを3つ紹介します。
5G(第5世代移動通信システム)
- NTTドコモ(9437)、ソフトバンク(9984)、アンリツ(6754)など
IoT(モノのインターネット)やドローンなど最先端テクノロジーのインフラとして必要不可欠な5G。
5Gは「5th Generation」の略語で、現在の第4世代携帯電話(4G)または4G LTEの上位で、高速化される次世代の移動体通信方式である第5世代移動通信システムのことです。
2020年3月25日に、NTTドコモが5Gのサービスを開始しました。移動体通信は、およそ10年ごとに新しいシステムが誕生しています。
5Gは「高速・大容量」「低遅延」「多数端末との接続」という特徴を持ち、AR/VRを利用した臨場感のある映像の伝送や、自動運転・遠隔医療の実現など、さまざまなサービスが期待されています。
出典:NTTドコモ
新型コロナウイルス(COVID-19)
- アンジェス(4563)、テラ(2191)、武田薬品工業(4502)など
2019年12月以降、中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大は、2020年6月に入っても続いています。
コロナウイルスは呼吸器に影響を及ぼすのが特徴で、過去に感染が拡大したSARS(重症急性呼吸器症候群)やMERS(中東呼吸器症候群)もコロナウイルスの一種です。
日本では収束の兆しがあるものの、米国やブラジル、ロシアなどで感染拡大が続いており、治療薬やワクチンの開発が待たれています。
テレワーク
- ソリトンシステムズ(3040)、ブイキューブ(3681)、サイボウズ(4776)
テレワークとは、ICT(情報通信技術)を活用した、時間や場所にとらわれない柔軟な働き方のことです。
新型コロナウイルスの感染拡大により、時差出勤や在宅勤務などのテレワークの活用が広がり、関連銘柄も上昇しました。
緊急事態宣言が解除された後も、GMOインターネットやドワンゴなどのようにテレワークを続ける企業もあり、新型コロナウイルスをきっかけにしたテレワークの流れは止まりそうにありません。
今後も、テレワーク関連銘柄は注目を集めるでしょう。
まとめ
テーマ株は、うまく動きに乗れれば短期間で大きな利益をだせるのが魅力です。
しかし、値動きが速いので、投資初心者は安易に手をだすべきではありません。
まずは、テーマ株の値動きをウォッチすることから始め、少額から投資するようにします。
そして、投資の王道である「長期・積立・分散」投資をメインにし、テーマ株への投資は余裕資金で行うようにしましょう。
記事 山下 耕太郎
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