DX(デジタル・トランスフォーメーション)が株式市場のテーマとして注目されています。

この記事ではDXの意味や特徴、そしてどのような関連銘柄があるのかについて解説します。

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DX(デジタル・トランスフォーメーション)とは

DXとは、「デジタルによる変革」を意味します。IT( 情報技術)の進化に伴って新たなビジネスやサービスを展開することでコストを削減し、働き方や社会の変革につなげる施策の総称なのです。

DXは16年前の2004年に、スウェーデン・ウメオ大学のエリック・ストルターマン教授によって、「IT(情報技術)の浸透が、人々の生活をあらゆる面で良い方向に変化させている」との概念が発表されました。

そして2018年5月に、経済産業省は「デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会」を立ち上げ、12月には「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」を発表しました。

DX推進ガイドラインは、「株主や取締役会が、DXの取り組みをチェックすることで活用できるようにすること」「DXの実現やその基盤となるIT(情報技術)システムの構築を行っていく上で、経営者が押さえるべき事項を明確にすること」を目的としています。

 DX推進指標とは

DX推進指標とは、DX推進の時に現在の日本企業が直面している課題や、解決するために押さえるべき事項をまとめたものです。

定性指標としての「DX推進指標」と、定量指標としての「DX推進の取組状況」があります。

「DX推進指標(定性指標)」の構成は、以下の通りです。

出典:経済産業省

統制指標には、「キークエスチョン」「サブクエスチョン」の2種類があります。

キークエスションは経営者が自分で回答するのが望ましいもので、サブクエスチョンは経営者が DX部門や経営幹部、IT部門、事業部門などと議論しながら回答するものです。

コロナ禍でデジタル化が加速

これまでも、AI(人工知能)や IoT、5Gなどの普及により、DXは着実に進展すると考えられていました。

しかし2020年になり、新型コロナウイルスの感染拡大がDXをさらに加速させる可能性がでてきたのです。

コロナ禍によって、今後3年間で起こるはずのデジタル化が、わずか3カ月で起こったともいわれています。

たとえばオンライン学習への関心が急速に高まり、オンラインセミナーやテレワークの導入なども急速に進みました。

2010年代からは、アップルやフェイスブック、アマゾン・ドット・コム、グーグルといった「GAFA」が、世界の株式市場をけん引しました。

スマートフォンが普及し、その恩恵を受ける企業が急成長したからです。

しかし2020年代は、DXが世界の株式市場をけん引する投資テーマになるとみられています。

中長期的な視点で考えると、DXに関連した設備投資需要が見込めるからです。これまで以上の高度なシステム化により、DXは生活やビジネスの質を高める世界的な潮流になっています。

デジタル化が進む分野

ただ同じデジタル分野であっても、アップル やグーグルといったGAFAとDXでは意味合いが異なります。

GAFAはもともとデジタル分野に属する企業であり、世界経済のデジタル化とともに大きく成長しました。

一方、デジタルに遅れた企業や産業がデジタル化するのがDXです今後は、主要な業界でデジタル化を推進する企業が大きく成長するという投資テーマなのです

今後、デジタル化が急速に進むとみられている分野は、以下の3つです。

自動車

デジタル化がもっとも進むと、有望視されているのは自動車業界です。2017年の世界における四輪車の保有台数は約13.7億台ですが、年間1億台近くの新車が供給されています。

ただ世界の環境規制は厳しさを増しており、人が運転する車はすべて自動運転のEV(電気自動車)に置き換わるとみられています。

メーカー系列が主体の自動車販売店は消滅し、オンラインでの自動車販売が主流になるでしょう。

世界最大のEV専業メーカーは、米国のテスラです。テスラはすべての車をオンラインで直接販売しており、未来の自動車販売手法をすでに取り入れています。

テスラの株価は7月1日に終値1,119ドルまで上昇。時価総額が約2,070億ドル(約22兆2,300億円)になり、トヨタの時価総額(21兆7,185億円)を上回りました。

フィンテック

自動車産業の次に有望なのが「フィンテック」です。フィンテックとは、金融(Finance)と技術(Technology)を掛け合わせた造語で、情報技術(IT)を駆使して金融サービスを生み出したり、見直したりする動きを指します。

経済活動のデジタル化が進めば、キャッシュレス化も進行します。世界のフィンテック企業の中でもっとも株価上昇率の高いのが、電子決済の米大手企業「ペイパル・ホールディングス」です。

ペイパルの時価総額は2020年6月末時点で22兆円になり、世界最大の金融機関であるJPモルガン・チェースに迫っています。

製造工程

3つ目は「製造工程のDX」です。コンピューターによる設計支援や、高性能な製造装置の普及など、製造工程がアナログからデジタルに変化しています。

製造工程のデジタル化により、熟練の技術者がいなくても一定水準のものづくりが可能になりました。

また製造技術の蓄積がない新興国の企業でも、製造業への参入や技術のキャッチアップが容易になる一方、日本企業が得意としてきた「すり合わせ」による製品開発が強みとならなくなる懸念もでてきているのです。

すり合わせとは、機械部品の仕上げを行うときに、部品の表面が正しい均一面を持つように精密に仕上げていく作業のことです。

ただ、製造工程のデジタル化で世界をリードするのは、日本のキーエンス(6861)です。

2020年前半に株価は36%上昇し、時価総額は11兆円と国内第3位となりました。キーエンスは、工場のIoT化で世界をリードしています。

とくに次世代通信規格「5G」がセンサーの能力を高めるため、工場のIoT化の付加価値はより高まるとみられています。

日本企業の恩恵が大きいDX

GAFA時代の日本株は、米国と比べて明らかに不振でした。しかし今後のDX時代では、世界的な技術力を持つ日本企業が優位に立つことが期待されています。

それでは、DX関連銘柄をみていきましょう。

サイボウズ(4776

業務を効率化するグループウェアで、国内でのシェアが高い企業です。テレワークや働き方改革を追い風に、業績は堅調に推移しています。

また厚生労働省や大阪府・神奈川県などで、新型コロナウイルスの状況管理にサイボウズの業務改善プラットフォームである「キントーン」を活用。

官公庁や自治体の開拓も進んでいます。また、中小規模向けシェアナンバーワンのグループウェア「サイボウズOffice」の導入企業は65,000社を超えています。

サイボウズは、DXを推進する企業といえるでしょう。

キューブシステム(2335

キューブシステムは、金融や通信流通向けのシステム構築が主力となっています。

幅広い業界で力を発揮するシステムインテグレーターで、データベース構築やシステム開発を得意にしています。

人工知能(AI)やブロックチェーン分野も開拓し、独自の「DX技術者育成プログラム」も推進しています。

ニーズウェル(3992

ニーズウェルは、独立系で金融機関を主要顧客としており、基幹系業務システム開発で強みを持っています。

またRPAとAI技術を融合させたソリューションを得意としています。RPAとは、バックオフィスなどのホワイトカラー業務を、ソフトウェアに組み込まれたロボットが代行する取り組みや概念のことです。

企業のテレワーク導入の動きが加速するなか、企業内の情報セキュリティなどのソリューションでも定評があります。

まとめ

これまではGAFAに代表されるIT企業が投資対象の中心でしたが、あらゆる産業がデジタル化するなか、DX関連銘柄の関心が高まるでしょう。

日本は世界的な技術を持っているので、今後の製造業のDX化に株式市場も注目しているのです。

記事 山下 耕太郎

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