個人投資家が株式投資をするとき、普段の生活で接する企業に投資したくなります。

そのため、名前を聞いたことがない企業への投資は敬遠しがちになるものです。

ところが日本には、国内ではそれほど知られていないけれど、グローバルで活躍する「世界シェアトップ」の企業が多いことをご存じでしょうか。

先日政府は独自の調査を行い、世界シェアトップで活躍する日本企業を発表しました。

紹介された企業はいずれも独自の技術で世界に進出し、高いシェアを得ているのです。

そしてこれらの企業の中には、上場企業も多くあります。

そこで今回の記事では、政府が発表した「グローバルニッチトップ企業100選」について解説します。

そして選出された企業のうち、筆者が注目している上場企業について解説します。

 

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政府は実力ある日本の製造会社を発表した

2020年6月、経済産業省は「グローバルニッチトップ企業100選」を発表しました。

日本には市場規模は小さいものの、製品を作る上で必要な部品や素材を製造している企業が数多くあります。

これらのうち、世界市場で高いシェアを占めている企業があるのです。

そのような実力ある企業を経済産業省が調査し、多くの方に知ってもらうために発表しました。

製品やサービスの実績と将来性を評価して選定

グローバルニッチトップ企業100選は、経済産業省の公募に応募した246社の中から選ばれました。

選定において経済産業省は、以下の4つの項目に分けて企業を分析したのです。

選定された企業はいずれも優良な実績を持つ

さらに経済産業省は、選定したグローバルニッチトップ企業の業績を分析しています。

分析によると、選定された企業は以下のような業績を残しているのです。

これからの日本企業は海外進出することで、世界の経済成長の恩恵を受けることが期待できるでしょう。

また現状においても、グローバルニッチトップ企業はすでに海外で一定の成果をあげているのです。

したがってグローバルニッチトップ企業に株式投資することは、検討に値します。

グローバルニッチトップ企業で筆者が注目する企業

ではグローバルニッチトップ企業に選出された上場企業は、どのようなビジネスをしているのでしょうか。

ここからは筆者が注目しているグローバルニッチトップ企業で、かつ上場企業を紹介します。

そして紹介した企業の業績を分析し、将来性や強みを解説します。

※以下の業績・指標は各社有価証券報告書より引用しました

  1. 【6278】ユニオンツール:電子部品製造に必須のドリルメーカー

ユニオンツールは配線板(電子部品を組み込む板)に穴を空ける、専用ドリルを製造しているメーカーです。

配線板同士が連動するには、配線板に穴を空ける必要があります。近年の電子機器の小型化に対応して、同社は直径0.05mmの穴に対応可能なドリルを量産できるのです。

こちらはユニオンツールの業績推移です。200億円以上の売上を安定して残しており、同社製品の需要が安定していることを示しています。

今後は、5Gの電子基板に対応した製品開発が進められる見通しです。

15%前後の経常利益率は、メーカーとしては優秀な値です。そのためユニオンツールの製品に、高い価値があることが分かります。

一方で、ROEは利益率の割に低い数値です。これは同社が、株主資本比率90%を超える盤石な財務戦略をとっているのが影響しています。

  1. 【6157】日進工具:精密機械に必須の切削工具でトップシェア

日進工具は、超小型のエンドミル(切削工具)を製造するメーカーです。

精密機械や緻密な加工に必要なエンドミルを製造することに特化して、付加価値の高い製品を世に送り出しています。

日進工具の売上高は100億円程度で、上場企業としては小粒な部類です。

しかし着実な需要があることが分かります。2021年は新型コロナウィルスによる需要の減少で業績が落ちる見通しですが、新製品を開発し新たな需要を掘り起こす計画です。

日進工具の注目すべき点は、高い収益性です。20%を超える経常利益率は同社の経営目標になっており、付加価値の高い製品を効果的に販売できていることを表しています。

さらにROEも10%以上のため、効率的な経営をしていると推測できます。

  1. 【7747】朝日インテック:先端医療に必須のワイヤーでニッチトップ

朝日インテックは、心臓や血管の治療に必要なワイヤーを製造しているメーカーです。

血管の治療では、血管内に治療器具を通す必要があります。このとき同社のワイヤーがガイド役となって、血管を傷つけることなく治療するのです。

朝日インテックの業績は順調です。この5年間で売上高は1.5倍程度に伸びています。

さらに同社の製品は心臓の血管への治療だけでなく、体中の血管治療への応用が期待されているのです。

なお同社は長期的な経営目標として、売上高1000億円をあげています。

朝日インテックは、収益性の高さも注目に値します。2019年・2020年は低下傾向ですが、海外進出や研究開発に向けて先行投資の影響です。

同社は自社製品が世界中で需要があると自負しており、今後の成長が期待できます。

  1. 【7730】マニー:手術用消耗品で高シェア、生産拠点は東南アジア

マニーは手術で使う縫合糸やナイフ、そして歯科治療の器具や消耗品を製造するメーカーです。

今回のグローバルニッチトップ企業100選では、同社の「眼科用ナイフ」が選定対象になりました。

同社が作る精度の高い刃物は、白内障の手術で重宝されているのです。

マニーの業績も新興国を中心に販路を拡大したため、順調に伸ばしています。2019年の売上は、関連会社株を売却した影響です。

また2020年は新型コロナウィルスによる経済活動停止の影響で、2016~2017年程度の売上を予想しています。

マニーも収益性の高さが注目点です。特に2019年は減収減益になった一方で、経常利益率・ROEともに上昇しています。

これは、同社が掲げる以下の経営方針が徹底されているからです。

 

【マニーの製品戦略立案のルーツ】(経済産業省資料より引用)

  • 医療機器以外扱わない
  • 世界一の品質以外は目指さない
  • 製品需要の短い製品は扱わない
  • ニッチ市場以外(年間世界市場 5000億円程度以下)に参入しない

 

  1. 【4186】東京応化工業:半導体製造に必須の化学メーカー

東京応化工業は半導体に塗布する、フォトレジスト(感光剤)を製造するメーカーです。

日本初のフォトレジストメーカーとして半導体の発展に貢献しており、大手化学メーカーをしのぐシェアを獲得しています。

東京応化工業の売上は、順調な推移をたどっています。さらに2020年期末も、増収増益の予想が出ているのです。

半導体産業は、今後も世界中で需要が高まることが予想されます。同社も海外拠点を増やすことで、現地での量産体制を整えているのです。

東京応化工業の収益性は低下傾向です。特に2019年は設備投資が行われたため、利益率が10%を下回っています。

しかし同社は中長期的に過去最高益の更新を目標としており、2030年には売上高2000億円、ROE10%を数値目標に掲げているのです。

  1. 【7856】萩原工業:コンクリートの品質を高める素材で高いシェア

萩原工業は、コンクリートやモルタルを補強するバルチップと呼ばれる素材などを製造しているメーカーです。

国内ではほぼ100%のシェアを有しており、海外進出もすでに行われています。

萩原工業の業績は順調な推移をたどっています。2020年はバルチップの需要は増収を確保しているものの、他の製品で減収しているため減収減益の予想です。

しかし大幅な落ち込みはなさそうで、新型コロナ後の巻き返しが期待できます。

萩原工業は、収益性では安定した業績を残しています。これは製品の性能や品質だけでなく、需要に応じた適切な生産管理が行われている成果です。

同社の製品開発戦略は「ブルーオーシャン戦略」をとっています。ブルーオーシャン戦略とは、他社の参入が無いニッチな市場に向けた製品開発を行う戦略です。

そのため、今後もバルチップに次ぐグローバルニッチトップの誕生が期待できます。

  1. 【4216】旭有機材:独自性の高いバルブで世界進出

旭有機材は、プラスチック製のバルブを製造するメーカーです。バルブは金属製が多く用いられています。

しかし金属の場合、薬品を流すと腐食し、水を流しても不純物が混ざる危険性があるのです。

この金属バルブのデメリットを解決するバルブとして、プラスティックバルブが用いられています。

旭有機材の業績も順調に進んでいます。しかし2020年は新型コロナウィルスの影響で、減収減益の予想です。

一方でプラスチック製バルブは金属バルブに代わる存在として、開拓できる市場が世界中にあります。

したがって長期的には、さらなる増収増益が期待されるのです。

旭有機材の収益性は、優良だとはいえません。しかし近年の経常利益率・ROEは     改善傾向です。

これは売上の増加だけで無く、効率的な経営が実践されていると推察できます。この利益率が継続できれば、株式投資に対するリターンもより大きくなるのです。

Made in Japanを支えることは日本人投資家の役割

今回紹介したグローバルニッチトップ企業は、いずれも高品質でかつ独自性の高い製品で世界の市場から支持を得ています。

そして日本には今回選定された企業だけでなく、ニッチトップ製品を有している上場企業がたくさんあるのです。

株式投資といえば、有名な大企業、優待株、そして最近は米国株が人気です。しかし成長力では、グローバルニッチトップ企業の方が上回るかもしれません。

皆さんもこの記事を機会に、日本の小さくても力強い企業への投資を検討されてみてはいかがでしょうか。

※投資はあくまでも自己責任となります。利益を保証するものではありませんので、ご注意ください。

記事 湯川 国俊

 

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