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お金 2018.3.23

【社労士監修】年金が払えない…国民年金保険料免除の方法

 

病気や家の都合などやむを得ない事情で仕事を辞めてしまった場合や、転職のために退職してから仕事が見つけるまでの間など、経済的に余裕がない状況では国民年金保険料を支払うことができないという方も多いです。しかし、そんなときは申請を出すことで国民年金保険料の支払いを免除してもえる可能性があります。申請を出さずに未納の状態にしてしまうと、将来的にもらえる年金が少なくなってしまう可能性があり、場合によっては差し押さえという形でご自身だけでなく親や兄弟にまで迷惑が掛かってしまうこともあるので注意しましょう。

 

今回は国民年金保険料免除制度についてご紹介するので、もしも国民年金保険料を支払うことができない状況にある方は参考にしてみてください。

 

 

国民年金保険料免除制度とは?

国民年金保険料免除制度とは前年(1月から6月までに申請する場合は前々年)所得が一定額以下の場合や失業してしまった場合など、国民年金保険料を納めることが経済的に困難な際に、申請が承認されると保険料の納付が免除される制度のことです。

 

免除される額は、全額・3/4・半額・1/4の4種類あり、前年度の所得によって変わります。世帯主が両親の場合や配偶者がいるという方は、世帯主や配偶者の所得も併せて審査の対象となります。

 

出典:保険料を納めることが、経済的に難しいとき|日本年金機構http://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150428.html

 

納付を遅らせる納付猶予制度もある

また、免除だけでなく納付を遅らせる国民年金保険料納付猶予制度というものもあり、20歳から50歳未満の方で、本人・配偶者の前年(1月から6月までに申請する場合は前々年)所得が一定額以下の場合に、申請が承認されると保険料の納付が猶予されます。以前は30歳未満の方のみが対象でしたが、平成28年7月より対象者が50歳未満に拡大し、以前よりも制度を利用しやすくなっています。

 

猶予された期間は年金を受け取るための25年の資格期間に含まれますが、年金額には反映されることはありません。しかし、猶予を受けた期間中の保険料は承認を受けた月から10年以内であればさかのぼって追納することが可能です。

 

納付猶予制度の審査方法

国民年金保険料免除制度の審査は、本人・世帯主・配偶者の所得によって行われますが、納付猶予制度の場合は本人・配偶者の所得によって行われます。世帯主の所得を除いて審査が行われるため、仮に実家に住んでいて両親が世帯主という場合には免除を受けることができなくもても、猶予を受けることができる可能性が高くなります。実家に住んでいるから免除を受けられないという方であっても、申請を出せば猶予として承認してもらうことができるので、諦めずにまずは申請を出してみるようにしましょう。

 

 

国民年金保険料免除制度の条件

国民年金保険料の免除を受けることができるかどうかは、前年度の所得によって決まります。結婚している場合は配偶者の所得、両親が世帯主などの場合は世帯主の所得も併せて審査の対象となり、最も収入の高いものが免除の基準額を超えていなければ免除となります。免除額は所得額の基準に応じて全額・3/4・半額・1/4の4段階に振り分けられるため、全額は免除を受けることができなくても、半額は免除されるといったことも多いです。

 

ここでは免除の対象となる条件や目安額をご紹介しますので、ご自身の前年所得と比較してどの程度の免除を受けられるのか確認してみてください。

 

免除条件

国民保険料免除制度を受けられる条件は以下の通りです。

・全額免除

前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること

(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円

・4分の3免除

前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること

78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

・半額免除

前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること

118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

・4分の1免除

前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること

158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

 

出典:日本年金機構ホームページhttp://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150428.html

 

免除の目安額

以下はは宇都宮市公式Webサイト「保険料の免除制度」で発表されている免除額の目安額です。カッコ内に書かれた数字は収入額の目安で、1年間で得た給料のことを示しています。

  単身世帯

2人世帯 (夫婦)

4人世帯 (夫婦+16歳未満の子供2人)

全額免除 57万円 (122万円) 92万円 (157万円) 162万円 (257万円)
3/4免除 93万円 (158万円) 142万円 (229万円) 230万円 (354万円)
半額免除 141万円 (227万円) 195万円 (304万円) 282万円 (420万円)
1/4免除 189万円 (296万円) 247万円 (376万円) 335万円 (486万円)

 

全額免除以外の計算方法は各個人の控除額によって違うため、この所得額はおおよその目安です。また、2人世帯と4人世帯はいずれも、夫婦のどちらかにしか収入がない世帯を想定しており、共働きの家庭の場合は目安の所得額に違いがあるので注意してください。

 

国民年金保険料が免除された期間に関する年金額

国民年金保険料が免除されている間は年金加入期間として認められているため、老後になって加入期間が足りずに年金がもらえないという事態になることはありません。国民年金保険料は1/2が国庫負担となっており、全額免除だった場合でも年金の1/2が支払われることになります。

 

そのため、年金保険料を全額支払っている人に比べると将来的にもらえる年金の額は少なくなってしまいますが、最低でも1/2以上の年金を支給してもらうことができます。各免除額に応じた年金受給額額は以下の通りになります。

 

 

・全額免除:1/2(国庫負担1/2+自己負担0)

・3/4免除:5/8(国庫負担3/8+自己負担2/8)

・半額免除:6/8(国庫負担2/8+自己負担4/8)

・1/4免除:7/8(国庫負担1/8+自己負担6/8)

 

全額免除を受けた場合でも半額の納付を行っていることになるため、将来的にもらえる年金の額こそ少なくなりますが、1年や2年程度の免除であれば申請を行った方がメリットがあるといえるでしょう。もちろん、納付できる余裕がある場合には納付をするべきですが、経済的に困難な場合は申請を行うことで国民年金保険料の負担を軽減することができます。

 

 

失業等による国民年金保険料免除

失業や災害などによって免除を受ける場合には特例免除が用意されており、前年所得に関わらず失業や災害のあった月の前月から免除を受けることができます。本人所得をなしとして扱うことができるため、基本的に全額免除が認めらるでしょう。ただし、世帯主や配偶者がいる場合には最も多い所得額が審査の対象となるため、両親の所得や配偶者の所得がある場合には免除を受けることができない場合もあります。

 

失業後は貯金もあって年金を支払うことができますが、失業期間が長引いてしまった場合には年金の支払いが難しくなってしまうことも多いため、早めに免除の申請を出しておくことで次の仕事を探すことに集中することができます。ただし、失業による免除申請には離職票などの失業証明書が必ず必要になるので、なくさないようにしておきましょう。

 

 

保険料免除、納付猶予を受けるメリットとは?

保険料の免除や納付猶予を受けている期間中は、年金加入期間に含まれるため、ケガや病気で障害や死亡といった不慮の事態が発生した際に障害年金や遺族年金を受け取ることができます。障害年金や遺族年金は万が一のときに生命保険などの代わりになるため大きなメリットがあります。年金の納付ができない場合には必ず申請を行っておくようにしましょう。

 

また、免除や猶予を受けることによって、未納の状態にならずに済み、催告状が届くことがなくなり、差し押さえなど最悪の事態を避けることができるようになります。免除や猶予を受けるかどうかによって大きな違いがあるため、申請を出しておくだけでもメリットがありますよ。

 

 

国民年金保険料免除の申請方法

ここまで国民年金保険料免除制度について詳しく見ていきましたが、年金などの手続きはわかりにくいことも多く、面倒に感じてしまう方も多いと思います。そんな方のためにここでは実際に国民年金保険料免除制度を利用するための方法についてご説明しますので、年金を滞納してしまう前にしっかりと申請をするようにしましょう。

 

申請手続きが一部変更

平成26年10月より国民年金保険料免除などの申請手続きが一部変更されています。国民年金法施行規則に定める免除等の所得の基準額(免除・納付猶予の場合は「57万円」、学生納付特例の場合は「118万円」)を超えない方については必要な書類の添付を省くことができるため、今までよりも簡単に申請を行うことができるようになりました。具体的には以下の通りです。

 

・前年の所得がない方

免除等申請書の「前年所得」欄に「なし」と記入することで、所得の状況を明らかにすることができる書類の添付を省略することができる

 

・所得税法に規定する控除対象配偶者または控除対象扶養親族に該当する方

市区町村にて該当していることが確認できるときは、所得の状況を明らかにすることができる書類の添付を省略することができる

 

・前年の所得が57万円以下の方(控除対象配偶者または控除対象扶養親族に該当する方を除く)

前年(または前々年)の所得額が57万円以下であることの申し立てを免除等申請書の「前年所得」欄に記入することにより、所得の状況を明らかにすることができる書類の添付を省略することができる

 

つまり、前年度の所得がない方や専業主婦などで所得のない方、前年所得が57万円以下の方は前年度の所得状況を明らかにするための書類を用意する必要がなく、今までよりも簡単に申請を行うことができるということです。確定申告を行っていない場合などには所得状況を明らかにすることができる書類というのは用意しづらいものなので、気軽に申請ができるようになったのは嬉しいですね。

 

国民年金免除の必要書類 

国民年金保険料免除制度を利用するためには、国民年金保険料免除・納付猶予申請書が必要です。この書類は市区町村の国民年金担当窓口などでもらえる他、日本年金機構のホームページからダウンロードをすることができます。窓口で直接申請を行う場合には年金手帳、または基礎年金番号通知書が必要になるため、忘れずに持っていくようにしましょう。

 

また、失業によって免除・納付猶予を受ける際には申請書に雇用保険受給資格者証の写し、または雇用保険被保険者離職票等の写しを添付する必要があります。

 

免除申請の方法

国民年金保険料免除の申請は窓口でも行うことができますが、郵送でも可能となっています。郵送にて申請する場合には記入例を参考にしながら申請用紙に記入して、添付書類とともに住民登録をしている市区町村役所へ送りましょう。申請書は「提出用」のみを提出し、「本人控」は提出する必要がないので前述のホームページからダウンロードを行い、郵送する場合には注意が必要です。

 

申請を行う上での注意点

国民年金保険料の免除は保険料の納付期限から2年を経過していないものまでさかのぼることができますが、2年1ヶ月以上の期間が経ってしまったものについては免除の申請を行うことができません。申請を出すのが面倒だからと言って出さないままでいると未納の状態になってしまうため、免除が必要な際にはできるだけ早く申請を行うようにしましょう。

 

 

国民年金保険料を滞納した場合

厚生労働省が毎月発表している平成29年12月の「納付率公表」によると年金の未納率は3割を超えるといわれていますが、だからと言って滞納をしていると将来的に年金をもらうことができないだけでなく、滞納金の加算がされた上で強制徴収という形になってしまう可能性があります。

 

マイナンバー制度によって今後さらに徴収強化が進むとされており、最悪自分だけではなく親や兄弟にも迷惑をかけてしまう結果になりかねません。ここでは国民年金保険料を滞納してしまった際の流れをご説明しますので、大事になる前に免除の申請を出すようにしましょう。

 

催告状

国民年金保険料の納付月の翌月末を過ぎると「滞納」となり、催告状というものが送られてきます。場合によっては電話などで催告がくることもあり、年金を納めるように催告の通知がきます。それでも年金の納付がない場合には「特別催告状」というものが届き、これを無視すると最終催告状が届きます。

 

最終催告状

最終催告状はその名の通り、催告状の段階では最後の段階です。催告の段階では未納に対する「延滞金」は発生しませんが、この最終催告状を無視した際に届く「督促状」が届いてしまうとそこから先は「延滞金」が発生するようになってしまいます。年金を納付できる余裕がある場合はこの最終催告状が届くまでに支払うか、免除の申請を出すようにしましょう。

 

督促状

督促状はいわば「請求書」のようなもので、支払いを促すものではなく支払いの最終義務が生じるものです。そのため、この督促状の納付期限を守ることができない場合には。その後14.6%という高い利率で延滞金が発生します。また、支払い能力があると判断された方に関しては差し押さえと言う形で国民年金保険料の強制徴収が行われます。

 

延滞金によって納付額がかさみ、本来納付できるはずの額だった国民年金保険料が納付できない額になり、強制徴収という形で執行される可能性もあります。督促状は最後の通知であるため、督促状が届いた場合には必ず納付を行うか、免除や猶予の申請を出すようにしましょう。

 

差し押さえ

督促状を無視していると、財産の差し押さえの可能性があります。預金がある場合には預金を、預金がない場合には自宅にある自動車やテレビなどさまざまなものが差し押さえとなります。自宅に職員が押しかけてくるので、実家に住んでいるという方は両親や兄弟にも迷惑を掛ける結果になりかねません。家族の財産が差し押さえられることはありませんが、それでも家族に徴収額を肩代わりしてもらうことになるケースは多いため、注意が必要です。

 

出典:厚生労働省「納付率公表」平成29年12月
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12512000-Nenkinkyoku-Jigyoukanrika/0000194351.pdf

 

まとめ

国民年金保険料を納付することができない場合には国民年金保険料免除制度を利用することで、滞納することなく支払い免除を受けることができます。免除額は全額・3/4・半額・1/4とそれぞれあり、所得によって免除額が変わります。免除を受けている間にも国民年金保険料の半額は支払いを行ったことになるので、免除したからといって将来的に年金が全くもらえなくなるということはありません。また、免除を受けることができない場合でも猶予となる可能性もありますので、一時的に支払いをすることができない場合は必ず申請を行うようにしましょう。

 

監修者:平松徹(社労士)

 

 

 

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