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M life 記事

お金 2018.3.23

【FP監修】将来のために把握しておこう!年金に税金はかかるの?

 

国民年金や厚生年金に入っていると、65歳から年金が受給されます。では、その年金には税金がかかるのでしょうか。ご存知の通り1年の所得には毎年税金がかかっています。例えば給与所得や一時所得、譲渡所得など様々な税金がかかる所得があります。では、年金にかかる税金というものはあるのでしょうか。今回は自分が将来の受給するときに知っておきたい、年金にかかる税金についてご紹介していきます。

年金に税金ってかかるの?


さて、それではまず年金に税金がかかるかどうかですか、答えは「税金はかかる」となります。ただし、一定の収入を超えればという条件付きです。

 

雑所得は課税対象

国民年金(公的年金ともいいます)は、数ある所得の種類の中の雑所得というものに当てはまり、所得税・住民税の課税対象となります。

雑所得(公的年金)の金額は以下の式で求めます。

 

雑所得(公的年金)の金額=収入金額-公的年金等控除額

公的年金等控除は年齢(65歳未満と65歳以上)と収入金額によって変わります。

 

税金がかからない場合もある

雑所得の金額ですが,実は税金のかからない場合もあります。65歳未満であれば、70万円までの場合は所得金額が0となります。65歳以上であれば、120万円までのばあいは所得金額が0となります。上記の金額までなら、所得は0となりますので税金はかかりません。

 

年金に確定申告って必要なの?


場合によっては年金に税金がかかることをご説明しました。では年金を受け取り始めたら、毎年の確定申告が必要になってくるのでしょうか。実は以下の場合には確定申告の必要はありません。

 

・公的年金等の収入金額の合計が400万円以下である。

・公的年金等にかかる雑所得以外の所得金額が20万円以下である。

 

この条件に当てはまれば、確定申告の必要はありません。この確定申告をする必要がなくなる制度を「確定申告不要制度」と呼びます。逆にこれに当てはまらなければ、確定申告の義務が生じます。

 

出典:No.1600公的年金等の課税関係|国税庁https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1600.htm

 

確定申告不要制度が使えない場面とは?


それでは、確定申告不要制度が使えない場合についてご紹介します。

 

年金を受給しながら働いている場合は必要

最近では、65歳になってもお仕事をされている方が増えてきています。もし会社からもらっている給与の金額が20万を超えている場合は注意してください。確定申告不要制度の金額以上になるので、確定申告の必要が出てきます。

 

例えば年金収入80万、給与所得金額100万といった場合では、給与所得金額が20万円を超えるので、確定申告が必要になります。

 

 

家賃収入を得ている場合は必要

ではその他の収入として家賃収入を得ている場合を考えてみましょう。家賃収入は不動産所得という所得に分類されます。これは確定申告不要制度の公的年金等にかかる雑所得以外の所得に当てはまります。もし年間で家賃収入が20万円以上ある場合には、確定申告が必要になります。

 

年金の収入額が400万円を超える場合は必要

公的年金とは、20歳以上の全国民が加入する国民年金、民間の会社で働く人を対象にした厚生年金、公務員や教職員を対象とした共済年金のことをいいます。この公的年金だけでは年金収入額400万円以上とはならないのですが(国民年金だけなら全納していれば年額約80万円)、確定申告不要制度ではその範囲を公的年金等としています。

 

ですので、公的年金のほかにも、国民年金基金、確定拠出年金、確定給付企業年金などが含まれます。そのため、ご自身の年金収入をすべて合計した結果、400万円を超えてしまう場合も出てきます。こういった場合には、確定申告の必要が出てきます。

 

その他、確定申告が必要な場面

もし確定申告不要制度で確定申告をしなくてよくなった場合でも、所得税の還付を受けるときには確定申告が必要です。

 

例えば以下の控除があげられます。

 

・社会保険料控除や生命保険料控除、地震保険控除が受けられる場合

会社で働いている方は、毎年の年末調整で控除を受けることが可能ですので確定申告の必要はありません。ですが、それ以外の方は各自で確定申告の手続きが必要になります。

 

 ・社会保険控除:自分または自分と生計を一にする配偶者やその他の親族の負担するべき社会保険料を支払った場合に所得控除を受けることができます。社会保険料控除の対象になるのは、健康保険、国民年金、厚生年金保険の保険料など。

 

生命保険料控除:一定の生命保険料、介護医療保険料や個人年金保険料を支払った場合に一定の金額を控除できます。

 

地震保険控除:一定の要件を満たす地震保険の保険料が所得控除になります。年間の支払い合計金が5万円以下の場合は支払い金額が、5万円超の場合は5万円が控除されます。

 

・医療費控除が受けられる場合

自分または自分と生計を一にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合、一定の金額について医療費控除を受けることができます。医療費控除の対象となる金額は、「実際に支払った医療費の合計-保険金などで補てんされる金額-10万円」で計算します。風邪薬などの購入代金も医療費となるが、ビタミン剤などの病気の予防や健康促進のための医療品の購入代金は医療費に入りません。この適用を受けるためには確定申告が必要です。

 

・住宅ローン控除が受けられる場合

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)とは,住宅ローンなどを利用してマイホームを新築・取得したり、増改築などを行った場合に年末のローン残高に応じて税金を控除することができ、控除の適用には、所得が3000万円以下であること、10年以上にわたり分割して返済する住宅ローンであることなどの要件があります。

 

年金の確定申告の必要がなくなったとしても、生活に欠かせない控除を受けようとする場合は,確定申告の必要があるので一緒に覚えておきましょう。

 

公的年金控除とはなんのこと?


雑所得の金額の計算式で公的年金控除という言葉が出てきました。この公的年金控除とは、公的年金の収入額に応じて控除できる金額のことをいいます。簡単に言えば、年金収入から差し引くことできる金額です。

この雑所得となる公的年金等とは、国税庁で次のものと定められています。

 

1.国民年金法、厚生年金保険法、公務員等の共済組合法などの規定による年金

2.過去の勤務により会社などから支払われる年金

3.外国の法令に基づく保険又は共済に関する制度で(1)に掲げる法律の規定による社会保険又は共済制度に類するもの

 

では、どのように適用されているかを見ていきましょう。

 

公的年金等に適用される控除

公的年金の対象となる年金は国民年金、厚生年金、共済年金、農業者年金、基金国民年金、基金厚生年金、基金税制適格対象年金、確定拠出年金)、確定給付企業年金などがあげられます。課税対象にならないのは、65歳未満であれば70万円まで、65歳以上であれば120万円までの金額に、誰でも適用される基礎控除(所得税や住民税を計算するときに一律で引かれる控除)38万円を足した金額です。

まとめると、

65歳未満であれば,70万円+38万円=108万円

65歳以上であれば,120万円+38万円=158万円

までが課税対象にはなりません。

 

公的年金等に係る雑所得の計算

公的年金等の雑所得の計算式は以下のようになるとご説明しました。

 

・雑所得(公的年金)の金額=収入金額-公的年金等控除額

この公的年金控除額には速算表というものがあります。

年齢を受け取る人の年齢 (a)公的年金等の収入金額の合計額 (b)割合 (c)控除額
65歳未満 (公的年金等の収入金額の合計額が700,000円までの場合は所得金額はゼロとなります。)
 700,001円から1,299,999円まで  100% 700,000円 
1,300,000円から4,099,999円まで 75% 375,000円
4,100,000円から7,699,999円まで 85% 785,000円
7,700,000円以上 95% 1,555,000円
65歳以上 (公的年金等の収入金額の合計額が1,200,000円までの場合は、所得金額はゼロとなります。)
1,200,001円から3,299,999円まで 100% 1,200,000円
3,300,000円から4,099,999円まで 75% 375,000円
4,100,000円から7,699,999円まで 85% 785,000円
7,700,000円以上 95%  1,555,000円

 

出典:No.1600公的年金等の課税関係|国税庁https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1600.htm

例えば、65歳以上で年金収入が300万円の場合は、300万円×100%-120万円=180万円が雑所得の金額になります。この金額からさらに基礎控除38万円を引くと、142万円となるので課税対象となり確定申告が必要となります。

 

課税対象にならない年金は?


ここまでにお話しした公的年金については雑所得として課税対象になることがわかっていただけたでしょうか。しかし年金と名前がついていても、課税対象にならない年金があります。主に障害年金、遺族年金、その他にも財形年金などがあげられます。

障害年金

国民年金の被保険者が一定の障害状態になった場合に受給できる障害基礎年金と厚生年金保険の被保険者が一定の障害状態になった場合に受給できる障害厚生年金があります。主な需給要件は以下の通りです。

 

障害基礎年金:初診日(障害の原因になった病気やケガについて初めて診察を受けた日)に国民年金の被保険者であること、障害等級1級・2級の障害状態であることなどが要件です。

 

障害厚生年金:初診日に厚生年金保険の被保険者であること、障害等級1級・2級・3級の障害状態であることなどが要件です。障害年金は非課税所得であり、収入が障害年金だけであれば確定申告の必要もありません。

 

遺族年金

国民年金の被保険者や受給権者(受給資格を満たしている人で受給開始年齢に到達している人)が亡くなったときに遺族に支給される遺族基礎年金と厚生年金保険の被保険者や一定の要件を満たす人が亡くなったときに遺族に支給される遺族厚生年金があります。主な需給要件などは以下の通りです。

 

遺族基礎年金:国民年金の被保険者、老齢基礎年金の受給資格期間が25年以上ある人などが亡くなったときや保険料納付要件を満たしていることなどが要件です。

 

遺族厚生年金:老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上ある者がなくなったときや被保険者が亡くなった、または被保険者期間中の傷病がもとで初診の日から5年以内に亡くなったときが要件です。

 

財形年金貯蓄

 会社の協力のもと、給与から一定金額を天引きして老後の資金づくりを目的とする年金積立制度のことです。元本と利息の合計550万円から生じる利子などが非課税となります。

まとめ


いかがだったでしょうか。普通に年金だけを受け取っているなら、確定申告不要制度の金額内に収まるので確定申告の必要はありません。しかし、充実した老後を過ごそうと考えると退職したあともパートや資産運用などで収入を得ることを検討することや税金の控除を受けようとすることもあるのではないでしょうか。そんなとき、どういった場合に確定申告をしなくてはならないかを知っていると、税金対策だけでなく、還付金を受け取ることも可能である場合もありますので、今回の内容をもとにぜひ老後の年金との付き合い方を考えてみましょう。

 

監修:杉浦 恵祐(ファイナンシャルプランナー、CFP(R))

 

 

 

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