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M life 記事

お金 2018.3.30

所得における所得税控除とは?所得控除を理解して、洩れなく控除を受けよう!

 

一定額以上の収入を得ている人が国に納めなければならない「所得税」。しかし、会社員の人であれば会社が税額を計算し給与から天引きをしてくれる為、その仕組みについてよく理解していない人も多いのではないでしょうか?これから説明する所得控除に該当するものがあれば国に納める税金負担を軽減する事ができますが、中には自身で申告が必要な控除もあります。この機会に所得控除の種類や計算方法等を理解し、洩れなく控除を受けられるようになりましょう。

 

所得控除とは?

 

所得控除を理解するために、まずは「所得」と「控除」に分けて見ていきましょう。所得とは、収入から必要経費を差し引いた金額になります。自営業の場合、売上から従業員に支払う給料や食材等の商品の仕入れ、水光熱にかかる費用等必要経費を差し引いた金額が所得金額となり、ここから各種控除を差し引いた後に所得税の税率を掛けます。

 

次に控除とは、ある金額から一定の金額を差し引くことを言います。「所得控除」とは所得から様々な事情を考慮して一定の金額を差し引く事ができる制度です

 

なぜそのような制度があるのかと言いますと、その理由の一つに税負担の公平性が関係しています。 所得が同じ人でも「配偶者がいる・いない」「養っている家族がいる・いない」「病気にかかりやすい・かかりにくい」等、個々の生活環境によって出費額に違いが出ます。この場合、出費額の多い家庭と少ない家庭では税を負担できる余力に差が出てしまい、税額同額にすると公平とは言えません。そうならないよう個人の抱えている事情に配慮し、公平性を図る為に「所得控除」という制度が設けられています。

 

給与所得控除とは

給与所得控除とは、簡単に言うと「会社員の必要経費」になります。先ほど自営業の場合は従業員の給料等が必要経費と説明しましたが、会社員には必要経費と計上できるものがほとんどありません。その代わりとして、年収に応じて計算した金額を給与所得控除として「給与収入から差し引くことが出来ます。(給与所得控除は収入から差し引く控除であるためここでいう所得控除ではありません)

 

「会社に着ていくスーツや革靴など、仕事の為に買っているのだから必要経費に入るのでは…?」と思う人もいるかもしれません。確かに仕事での利用目的で購入しているので必要経費ではあるのですが、会社員といっても職種は様々で必要となる経費や種類も異なります。必要経費であろう項目を全て管理するためには、納税者である会社員はもちろん、税務署で膨大な量の処理をしなければならず、多くの労力が必要になります。そういった処理への負担を軽減し、税金計算を簡単にする目的で給与所得控除が設けられています。 

 

給与所得控除の計算方法

給与所得控除の計算方法は、収入金額に応じて5段階に分けられています。

 

①収入金額180万円未満 収入金額×40%(最低65万円)
②収入金額180万円超~360万円以下  収入金額×30%+18万円
③収入金額360万円超~660万円以下  収入金額×20%+54万円
④収入金額660万円超~1,000万円以下  収入金額×10%+120万円
⑤収入金額1,000万円超   220万円

 

出典:国税庁<No.1410 給与所得控除 税について調べる>http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1410.htm

 

 

これで自分の収入と給与所得控除から「所得」が計算できるようになったのではないでしょうか?それでは、本題である「所得控除」について詳しく説明していきます。

 

 

 

所得控除の種類と、控除を受けるための要件

所得控除は全部で14種類あり、全ての人が控除対象となるものと申告をする事で控除を受ける事が出来るものがあります。控除を受ける事ができれば支払う税金を軽減する事が出来るので、控除の種類や計算方法について詳しく見ていきましょう。

 

「基礎控除」

基礎控除は誰でも無条件で控除が受けられます。控除額も決まっており、すべての人が「一律38万円」の控除を受ける事が出来ます。仮に1年間の所得が38万円以下であった場合、控除により控除後の所得金額が0円以下となるため所得税が発生しません。

 

「雑損控除」と「医療費控除」

雑損控除とは、災害や盗難・横領により住居や家財・現金などの生活に必要な資産に損害を受けた場合に適用されます。計算方法は2通りあり、控除金額の高い方が適用されます。

 

(差引損失額) – (総所得金額)×10%

(差引損失額のうち災害関連支出額) - 5万円

 ※差引損失額=損害金額+災害等に関連したやむを得ない支出の金額-保険金などにより補てんされる金額

 

仮に損失額が大きく1年で全て控除する事が出来ない場合、翌年以降3年間は控除を繰越すことが出来ます。

 

医療費控除は、本人及び配偶者や生計を一にする親族にかかる医療費に対して控除が受けられます。総所得金額が200万円以上の方が年間10万円以上医療費がかかった際に10万円を超える部分に関して控除を受けることができますが、総所得金額によって計算方法は2通りに分けられます。

 

・総所得金額が200万円未満

医療費合計 – 保険等で補填される金額 総所得金額の5%

 

・総所得金額が200万円以上

医療費合計 – 保険等で補填される金額 – 10万円

※控除できる金額は最大200万円まで

 

病院でかかった医療費はもちろんですが、通院に使用した公共交通機関の交通費やドラッグストア等で購入した市販薬も医療費控除の対象となります。ただし、自家用車で通院した際のガソリン代や病気予防・疲労回復の為に購入した医薬品等は対象となりません。

 

セルフメディケーション税制とは平成29年1月1日以後に自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族の特定一般用医薬品等購入費を支払った場合において、その年中に健康の保持増進及び疾病の予防への取組として一定の健康診査や予防接種などを行っているときには、上記医療費控除との選択により、下記の計算式によって計算された金額についてセルフメディケーション税制の適用を受けることができます。

 

特定一般用医薬品等購入費の合計額(保険金等により補填される部分の金額を除く)-12,000円(8万8千円を限度)

 雑損控除も医療費控除も、控除を受ける期間中は毎年確定申告が必要になります。その際は、災害時・医療にかかった費用を取りまとめ必要書類に記入し提出する事になるので、支払った金額が分かるもの(レシートや領収書など)は大切に保管しておきましょう。

 

「生命保険料控除」と「地震保険料控除」

 生命保険料控除は、自分で生命保険や医療保険に加入し保険料を支払っている人が受けられる控除です。保険契約者と保険料を支払う人が異なる場合(妻名義で契約しているが保険料の支払いは夫が行っている場合など)は、原則的に保険料を支払っている方が控除対象になります。

 

平成23年12月以前に契約した「旧契約」と平成24年1月以後に契約した「新契約」、さらに旧契約と新契約が混在している場合で控除額の計算方法が異なります。

 

旧契約の場合

年間の払込保険料が25,000円以下 払込保険料の全額
25,000円超50,000円以下 払込保険料×1/2+12,500円
50,000円超100,000円以下 払込保険料×1/4+25,000円
100,000円超  一律50,000円

 

「生命保険料」と「個人年金保険料」のそれぞれで最大5万円、合計10万円の控除を受けられます。

 

新契約の場合

年間の払込保険料が20,000円以下 払込保険料の全額
20,000円超40,000円以下 払込保険料×1/2+10,000円
40,000円超80,000円以下 払込保険料×1/4+20,000円
80,000円超 一律40,000円


介護医療保険料控除が新設され、「生命保険料」「介護医療保険料」「個人年金保険料」のそれぞれで最大4万円、合計12万円の控除が受けられます。

 

旧・新契約が混在の場合

・旧制度の生命保険料控除のみを適用する

・新制度の生命保険料控除のみを適用する

・旧制度・新制度を組み合わせて適用する

 

計算が面倒ではありますが、それぞれの場合で計算してみて一番控除額が大きいものを選んだ方がお得になります。なお、上限額は上記新契約と同様になります。

 

地震保険料控除は、住居用の家屋や生活用動産を保険対象とした地震保険料を支払った場合に対象となります。払込保険料が5万円を超えるかどうかで控除額が変わり、計算方法は以下の通りです。

 

払込保険料が50,000円以下 払込保険料の全額
50.000円超  一律50,000円

 


なお、地震保険は火災保険とのセット契約でしか加入する事が出来ませんが、火災保険料部分については地震保険料控除の対象外となります。

 

上記で説明した控除を受ける為には、保険会社から届く「控除証明書」が必要になり、会社員であれば会社へ提出し年末調整を受ける事で適用になり、自営業であれば確定申告時に添付し必要事項を記載する事で控除が受けられます。なお、控除証明書に契約内容が記載されている為、生命保険料の契約が新契約か旧契約か確認する事が出来ます。

 

社会保険料控除

社会保険料控除は、納税者本人または生計を一にする配偶者や親族に係る社会保険料(国民健康保険、健康保険、国民年金、厚生年金保険、介護保険や国民年金基金の掛け金等)を支払った場合、支払った保険料の全額が控除対象となります。

 

「配偶者控除」と「配偶者特別控除」と「扶養控除」

 この3つの控除は、配偶者や扶養親族の最低生活保障を目的に始まった控除になります。会社員であれば年末調整の際に必要書類を提出する事で適用になり、自営業の場合は確定申告を行うことで適用になります。

 

配偶者控除の要件は以下の通りになります。

 

・納税者本人と生計を一にする配偶者であること

※但し、自営業の場合で青色事業専従者・白色事業専従者は除きます。

・配偶者の合計所得金額が38万円以下であること

※給与のみの場合、給与収入103万円以下が対象(給与所得控除の最低額である65万円+基礎控除38万円)

・納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下であること(平成30年分以後)

平成30年分以後の控除額は、控除を受ける納税者本人の合計所得金額、及び控除対象配偶者の年齢により次のとおりになります。

 

控除を受ける方の合計所得金額 控除対象配偶者 老人控除対象配偶者
900万円以下   38万円  48万円
900万円超950万円以下 26万円 32万円
950万円超1,000万円以下 13万円  16万円

 

 配偶者特別控除は、配偶者控除の対象にならない場合で、以下の要件を満たす場合に控除が受けられます。

 

・納税者本人と生計を一にする配偶者であること(配偶者控除と同じ)配偶者の合計

・所得金額が38万円超12376万円以下未満であること

・納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下であること

 

 上記要件に該当した場合、最小13万円~最大38万円の控除を受ける事が出来ます。

 扶養控除は、納税者本人と生計を一にする配偶者以外の親族で、合計所得金額が38万円以下である場合に控除が受けられます。控除額は扶養親族の年齢によって変わります。

 

0歳以上~16歳未満 0万円
16歳以上~19歳未満 38万円
19歳以上~23歳未満 63万円
23歳以上~70歳未満 38万円
70歳以上(同居老親等の場合) 58万円
70歳以上(「5.」以外の場合)  48万円

 

 

「障害者控除」と「寡婦(夫)控除」と「勤労学生控除」

この3つの控除は、個人事情を考慮した控除になります。

障害者控除は、納税者本人や配偶者、扶養親族が障害者である場合に控除が受けられます。会社員であれば年末調整の際に必要書類を提出し、自営業の場合は確定申告を行う際に必要事項を記載します。控除額の要件は以下の通りになります。

 

 
1.一般障害者の場合 27万円
2.障害等級1.級若しくは2級の同居特別障害者 75万円
3.「2.」の要件で同居特別障害者以外の者  40万円

 

 

寡婦(夫)控除は、納税者本人が「夫と死別等した妻(寡婦)」「妻と死別等した夫(寡夫」の場合に控除が受けられます。夫か妻によって要件が異なり、控除額は原則27万円になります。

 

①寡婦の場合…12月31日時点で、本人が以下のいずれかに該当する場合に適用

 

  • 夫と死別・離婚した後に婚姻をしていない場合、または夫の生死が明らかではないで、扶養親族がいる人または生計を一にする子がいる場合

 

  • 夫と死別して婚姻していない人または生死が明らかでない人で合計所得金額が500万円以下の場合

※上記のすべてに該当する場合は特別の寡婦(控除額35万円)となります

 

 

②寡夫の場合…12月31日時点で、以下の全てに該当する場合に適用


合計所得金額が500万円以下である場合

・妻と死別・離婚した後に婚姻をしていない、若しくは生死が明らかでない場合

・生計を一にする子がいる場合

 

 勤労学生控除は、納税者本人が勤労学生(学生であって、合計所得金額が65万円以下の人の事を指します)である場合に27万円の控除が受けられます。ただし、親の扶養に入っていた人が勤労学生控除を受けた場合、扶養から外れてしまい親の支払う税金が増えてしまう可能性があるので注意が必要です。

 

「小規模企業共済掛金控除」

 小規模企業共済掛金控除とは、小規模企業共済の掛金や個人型確定拠出年金の掛金、心身障害者扶養共済の掛金などを支払った際に、その全額が控除を受ける事が出来ます。

 こちらも他所得控除と同様、会社員は年末調整・自営業の場合は確定申告時に必要書類を提出する必要があります。

 

「寄付金控除」

 寄付金控除とは、国や地方公共団体、一定の公益法人などへ寄付を行った場合に控除が受けられます。近年話題となり、年々利用者が増えている「ふるさと納税」も寄付金控除になります。多くの場合年間の寄付金額から2,000円を引いた額が控除額になります。

 

また、基本的に確定申告をする必要がありますが、ふるさと納税については「もともと確定申告をする必要がない給与所得者(1カ所からしか給与をもらっていない、医療控除等を受ける必要がない等)」でふるさと納税の申込先が1年間で5自治体以下であれば「ふるさと納税ワンストップ特例制度」という制度を利用する事で確定申告を省略する事が出来ます。

 

 

【まとめ】

いかがでしょうか?所得控除の種類はとても多く、会社員であればたいていの控除は会社が行ってくれます。ただし、「雑損控除」「医療費控除」「寄付金控除」については会社で対応が出来ない為、確定申告を行う必要があります。

 

確定申告を行う機会が少ない会社員にとって手間に思うかもしれませんが、税負担を軽減する為に必要な手続きとなりますので、今一度控除内容を確認して洩れなく控除を受けましょう。

 

監修者:大間武(ファイナンシャルプランナー、CFP)

 

 

 

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