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お金 2018.4.27

【FP監修】相続放棄パーフェクトマニュアル

 

親族が亡くなった際、借金などのマイナスの遺産がある場合は、相続放棄することができます。しかし、相続放棄はどのようなものなのか、手続きはどうすればいいのかわからない方は多いでしょう。そこで今回は相続放棄について、メリット、デメリットを交えて詳しく解説します。

 

そもそも相続放棄とは

 

そもそも相続放棄とはどういったものなのでしょうか。手続きのやり方などの基本的な部分から見ていきましょう。

 

相続放棄のイメージ

親族が亡くなった際に、亡くなった親族が所有していた財産を受け継ぐことを遺産相続といいますが、この遺産相続には注意しなければならない点があります。実は、遺産相続は現金などのプラスの遺産だけでなく、借金などのマイナスの遺産までも受け継ぐことになります。

 

亡くなった親族が多額の借金を背負っていたような場合に、マイナスの遺産を相続しないよう、全ての資産を放棄するために行う手続きが相続放棄なのです。

 

誰が申請す

相続放棄の申請は、原則として相続人が行いますが、相続人が未成年の場合は、代理人を立てなければいけません。基本的に代理人は相続人の親権者となりますが、1つ注意点があります。相続人と親権者のどちらか一方に利益があり、もう一方は不利益となる利益相反する場合は、特別代理人を選任しなければならないのです

 

親権者が代理人の立場を利用して、未成年の相続人に相続放棄を強要し、相続人が受け継ぐはずだった遺産を独り占めするといったことが起こり得るため、このような制度となっています。また、相続人が未成年なら必ず特別代理人が必要というわけではなく、相続人と親権者が同時に相続破棄するような場合には、利益が相反する余地がないため、特別代理人の選任は不要です。

 

申請する窓口は?

相続放棄は、家庭裁判所に申請することになっています。家庭裁判所であればどこでもいいわけではなく、亡くなった親族であり、相続する側となる被相続人の最後の住所地の家庭裁判所と定められているので注意しましょう。

 

出典:裁判所|裁判所の管轄区域http://www.courts.go.jp/saiban/kankatu/index.html

 

申請に必要な費用は?

申請する人1人につき、収入印紙代が800円、切手代が400円ほど必要です。切手の金額や枚数は家庭裁判所によって異なるため、事前に確認しておきましょう。また、収入印紙は家庭裁判所内の売店や近くのコンビニで購入できます。

 

その他、申請に必要な書類の発行費用も必要となってくるので3,000円程度が費用の目安となるでしょう。

申請に必要な書類は?

申請する際には以下の書類が必要となります。

相続放棄申述書を作成する

相続放棄申述書は家庭裁判所に行けばもらうことができますが、直接家庭裁判所に行かなくても裁判所のホームページでフォーマットをダウンロードすることができます。また、申請する人が成人か未成年かでフォーマットが違うため、自分でダウンロードする際には注意しましょう。

申請する人の戸籍謄本を用意しておく

戸籍謄本は市区町村役場で取得できますが、本籍地の役場でないと取得できません。本籍と現在の居住地が違う場合は注意しましょう。

被相続人の住民票除票or戸籍附票を用意しておく

被相続人の本籍地の市区町村役場で取得することができます。

また、申請する人と被相続人の関係によって、上記の書類以外にも用意しなければならない書類があります。

 

・申請する人が配偶者の場合

被相続人の死亡の記載がある戸籍謄本が必要です。

 

・申請する人が子または孫の場合

子が申請する場合は被相続人の死亡の記載がある戸籍謄本が必要です。

孫が申請する場合は被相続人の死亡の記載がある戸籍謄本と、配偶者または子の死亡の記載がある戸籍謄本が必要です。

 

・申請する人が被相続人の親または祖父母の場合

被相続人の親が申請する場合は被相続人の出生時から死亡時までの全ての戸籍謄本と、配偶者または子の出生時から死亡時までの全ての戸籍謄本が必要です。

被相続人の祖父母が申請する場合は、被相続人の親が申請する場合の書類に加えて被相続人の親の死亡記載のある戸籍謄本が必要です。

 

・申請する人が兄弟姉妹または甥、姪の場合

兄弟姉妹が申請する場合は被相続人の出生時から死亡時までの全ての戸籍謄本と、配偶者または子の出生時から死亡時までの全ての戸籍謄本、被相続人の親の死亡記載のある戸籍謄本が必要です。

甥、姪が申請する場合は、兄弟姉妹が申請する場合の書類に加えて兄弟姉妹の死亡の記載のある戸籍謄本が必要です。

 

出典:裁判所ウェブサイト
http://www.courts.go.jp/

 

 

相続放棄のメリット

相続放棄のメリットとして以下の3つが挙げられます。1つずつみていきましょう。

負債を相続しなくて良い

相続放棄の最大のメリットといえるでしょう。例えば、被相続人に少額の預金と多額の借金があった場合、このまま遺産相続してしまうと借金を背負うことになってしまいますが、相続放棄してしまえば借金から逃れることができるのです。

 

遺産分割手続きに関与しなくて良い

遺産相続する際にはトラブルや争い、もめごとになりがちなため、そのような場合に遺産分割の手続きが必要になってきますが、相続放棄ならそもそも遺産を相続しないため、面倒な手続きにも関与する必要性がなくなります。

 

家族間で遺産をめぐって争うことは大きなストレスにもなるため、ストレスのもとをかかえずにすむことは大きなメリットといえるでしょう。

 

特定の人に相続財産を集中することが可能

相続人が複数いる場合に、特定の人以外が相続放棄してしまえば、相続財産を集中させることが簡単にできてしまいます。ただし、全財産を特定の人が独占することになってしまうため、後々トラブルにならないよう、相続人同士でしっかり話し合い、全員が納得できている状態にしておくことが大事です。

 

出典:相続弁護士ナビ
https://souzoku-pro.info/

 

相続放棄のデメリット

 

相続放棄はメリットだけでなくデメリットも存在します。デメリットについて把握しておくことは大事なので、詳しくみていきましょう。

プラスの相続財産も相続できなくなる

相続放棄すると全ての相続財産が相続できなくなるため、マイナスの相続財産もプラスの相続財産も相続できなくなります。例えば、被相続人が生前とても大事にしていたものがあり、できれば相続したいが借金もあるような場合、借金のみ相続しない選択は不可能です。

 

つまり、借金を覚悟して相続するか、被相続人の形見を諦めるかといった難しい問題に直面することになってしまうのです。しかし、場合によっては限定承認という方法もあります。限定承認はプラスの相続財産とマイナスの相続財産がある場合に、プラスの相続財産の範囲内でマイナスの相続財産も相続する方法です。

 

この方法ならマイナスの相続財産がプラスの相続財産を上回ることはないため、借金を背負うことはありません。しかし、限定承認の手続きは流れが煩雑かつ手続きにかかる期間、費用ともに相応の負担がかかるため、手続きを行うにしても、家族や専門家とよく話し合ってから決断するべきです。

 

資産がなくなってしまう

相続放棄は全ての相続財産を手放すことになるため、金銭だけでなく、先祖代々の土地等の資産も放棄することになります。相続人が全員相続放棄した場合、相続債権者や受遺者がいればそちらに資産が行きますが、いない場合は特別縁故者へ、特別縁故者もいない場合は資産は全て国のモノとなります。

 

なお、これらの処理は相続財産管理人を選出して手続きしていくことになります。

 

出典:相続弁護士ナビ
https://souzoku-pro.info/

 

相続放棄できる期限は?

 

相続放棄は親戚が亡くなった後、いつまでもできるわけではなく、期限が決まっています。期限を過ぎてしまうと原則、相続放棄ができなくなるため、しっかり把握しておきましょう。

 

 

期限は原則3ヶ月

相続放棄の期限は原則として被相続人が亡くなってから3ヶ月以内となっています。この3ヶ月の間に、相続財産をどうするか、相続人同士でしっかり話し合う必要があります。もし3ヶ月の期限を過ぎても相続放棄の手続きを行わなかった場合は、全ての財産を引き継ぐ、単純承認となってしまうため、必ず期限内に相続放棄の手続きをしましょう。

 

熟慮期間とは

上記の3ヶ月の期間のことを熟慮期間といいます。ここで知っておかなければならないのは熟慮期間がいつから始まるのかについてです。基本的には被相続人が亡くなった日の翌日が熟慮期間の開始となりますが、場合によってはこの限りではありません。

 

死亡を知らない場合は熟慮期間として計算されない

例えば、被相続人が亡くなったことを相続人が知ったのが亡くなった日から1ヶ月後だった場合には、亡くなったことを知ったその日から3ヶ月後が期限となります。これは、被相続人が亡くなったことを知らなければ、自身に相続権があることを知るはずがないため、相続放棄はやりようがないためです。

 

正当な理由が認められる場合には熟慮期間が開始しない

熟慮期間は原則として、上記のように被相続人が亡くなったことを知った日の翌日が熟慮期間の開始となりますが、例外もあります。例えば、実際には相続財産があったにも関わらず、相続財産は全く存在しないと信じていた場合です。

 

このような場合は、相続財産が存在しないと信じていたことに対して正当な理由が認められれば、相続財産の存在を一部でも認識した時から熟慮期間が開始されるのです。

 

熟慮期間を延長してもらうことは可能?

相続財産の調査を行い、その結果によって相続か放棄かを決めようとした場合、3ヶ月の期間内に調査が終わらないことも考えられます。そのような場合には、熟慮期間の延長を申し立てることができます。

 

申し立ては、被相続人の最後の住所地の家庭裁判所で行うことができ、相続放棄の手続きと同様に、収入印紙代や切手代が必要になります。手続きに必要な書類もほぼ同様で、相続の承認又は放棄の期間の伸長の申立書、被相続人の住民票除票または戸籍附票、相続人の戸籍謄本、利害関係を証する資料などになります。

 

また、申し立ては熟慮期間内に手続きしなければならないので注意しましょう。

出典:裁判所ウェブサイト
http://www.courts.go.jp/ 

出典:相続弁護士ナビ
https://souzoku-pro.info/

 

 

相続放棄のスケジュール

 

実際に相続放棄を行う場合、どういった流れで進行していくのかあらかじめ把握していないと慌てることになると思います。相続放棄のスケジュールをしっかり把握しておきましょう。

財産調査を行う

遺産相続は、相続人が被相続人の財産を引き継ぐことなので、相続人と相続財産を確認しなければ始まりません。この確認のために行う調査が財産調査です。財産と一口にいっても預貯金のようにわかりやすい金融資産だけではなく、所有している土地などの不動産や生前の所有物などの動産も財産となります。

 

そのため、しっかり調査をしておかないと全体でみて相続財産がプラスになるのかマイナスになるのかが把握しきれなくなってしまうのです。

 

家庭裁判所に相続放棄を申し立てる

財産調査が完了し、相続放棄すると決めたら次は申し立てです。必要な書類と費用を持参して家庭裁判所に行きましょう。相続放棄は熟慮期間内に必ず申し立てを行うようにし、間に合わない場合は必ず熟慮期間の延長を申請してください。

 

また、家庭裁判所への書類の提出は、郵送でも可能なので、直接家庭裁判所に行けない事情があるときは郵送で対応しましょう。

 

相続放棄申立後に照会書が届く

相続放棄の申し立ての後、約1週間後に家庭裁判所から相続放棄照会書が届きます。被相続人の死亡を知ったのはいつなのか、申し立てをしたのは誰なのか、といった内容の確認となる大事な書類なので、質問事項に漏れなく記入し、内容に間違いがないよう慎重に記入しましょう。

 

また、相続があることを知った日から3ヶ月以内に申し立てを行った場合と、3ヶ月を過ぎてから申し立てを行った場合では照会書の内容も若干異なり、3ヶ月を過ぎてからの場合は確認内容が多くなります。数だけでなく、内容も難しくなるため、迷ったときは専門家に依頼するとよいでしょう。

 

相続放棄申述受理通知書が届く

ここまでの手続きに問題がなければ、照会書の提出から約1週間後に、家庭裁判所から相続放棄申述受理通知書が届き、相続放棄の手続きは完了となります。基本的には他にやらなければならない手続きはありませんが、必要に応じて相続放棄申述受理証明書を取得することもできます。

 

相続放棄申述受理通知書に相続放棄申述受理証明書の交付申請書が同封されているため、その交付申請書を使えば相続放棄申述受理通知書は取得できます。申請は相続放棄を申し立てた家庭裁判所で行い、仮に紛失した場合でも交付申請書さえあれば再発行可能なので、交付申請書はコピーして大事に保管しておきましょう。

 

出典:相続弁護士ナビ
https://souzoku-pro.info/

 

監修者:杉浦 詔子(ファイナンシャルプランナー)

 

 

 

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