マネカツ~女性のための資産運用入門セミナー~ マネカツ~女性のための資産運用入門セミナー~

MENU
  • マネカツのfacebookページ
  • マネカツのtwitter
 » 【税理士監修】相続税の申告に適用できる控除って何がある?のメインビジュアル  » 【税理士監修】相続税の申告に適用できる控除って何がある?のメインビジュアル

M life 記事

お金 2018.4.27

【税理士監修】相続税の申告に適用できる控除って何がある?

 

相続税をできるだけ少なくするためには、相続税の計算において適用できる控除額をもれなく差し引くことが大切です。しかし相続税に適用できる控除の種類は意外と様々なものがあり、中にはあまり一般的に知られていないものもあります。ここでは相続税における控除の活用方法を中心に相続税対策についてご説明していきます。

 

 

 相続税の計算の仕組みとは

 

はじめに相続税の一般的な計算方法を確認していきます。

 

(1)相続等により財産を取得した人ごとの課税価額を計算する

 

取得した財産の価額(現金・不動産など)+みなし相続財産(生命保険金など) -非課税財産の価額(墓地・非課税限度額が適用された部分の財産など)+相続時精算課税制度に係る贈与財産の価額-債務および葬式費用=純資産価額

純資産価額+相続開始前3年以内の贈与財産の価額=各人の課税価額

 

(2)相続税の総額の計算

  (1)で計算した各人の課税価額の合計額から基礎控除額を差し引き、課税遺産の総額を計算します。

 

課税価額の合計額-基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)=課税遺産総額(平成27年1月1日以降開始の相続に適用)

 

   次に課税遺産総額を、各法定相続人が法定相続分にしたがって取得したものとして、各法定相続人の取得金額を計算します。

 

(例)

課税遺産総額2億円を、法定相続人である配偶者と子A・子Bで取得した場合

法定相続分は配偶者1/2、子A1/4、子B1/4であるため、

配偶者 2億円×1/2=1億円

子A  2億円×1/4=5,000万円

子B  2億円×1/4=5,000万円

 

上記の取得金額に応じた税率を乗じて、各法定相続人の相続税額を計算します。

  次に各相続人の相続税額を合計することで、相続税の総額を算出します。

 

配偶者 1億円×税率30%-控除額700万円=2,300万円

子A  5,000万円×税率20%-控除額200万円=800万円

子B  5,000万円×税率20%-控除額200万円=800万円

相続税の総額                3,900万円

 

(3)財産を取得した人ごとの相続税額の計算

相続税の総額を各人が実際に取得した財産の課税価額に応じて割り振り、それぞれの相続税額を算出します。

  (例)

課税遺産総額2億円の内、配偶者が1億5,000万円、子Aが3,000万円、子Bが 2,000万円をそれぞれ取得した場合

     配偶者  3,900万円×1億5,000万円/2億円=2,925万円

     子A   3,900万円×3,000万円/2億円=585万円

     子B     3,900万円×2,000万円/2億円=390万円

 

(4)納付税額の計算

財産を取得した人それぞれの相続税額から、税額控除額(納めるべき税金の金額から直接差し引かれる控除額)を差し引いて、各人の納付税額を算出します。   相続税の税額控除については後で詳しく説明します。

 

出典:No.4152 相続税の計算|国税庁https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4152.htm

 

 

 相続税の基礎控除とは

 

相続等で取得した財産の価額から無条件で控除されるのが基礎控除額です。相続税の計算において基本となる控除であり、計算するときには法定相続人の数に注意する必要があります。

 

基礎控除と法定相続人の数

相続等で取得した財産の課税価額の合計から、基礎控除額を差し引いた金額(課税遺産総額)が0円であれば、相続税はかからず申告も必要ありません。

 

基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)は「法定相続人」の数によって異なります。基礎控除額のほか、生命保険金や死亡保険金の非課税限度額の計算にも法定相続人の数が適用されます。

 

法定相続人とは相続税法で定められた相続人のことで、民法上の相続人の範囲に一定の制限が加えられています。

 

 相続人と法定相続人の違いはどこにある

民法で相続人の範囲は次のように定められています。

 

常に相続人となる人  

被相続人の配偶者

 

第1順位       

被相続人の子供。子供が既に死亡しているときは子供の直系卑属

 

第2順位

被相続人の直系尊属(父母や祖父母など)。第1順位の人がいないとき

 

第3順位 

被相続人の兄弟姉妹。兄弟姉妹がすでに死亡しているときはその子供。第1・第2順位の人がいないとき

なお、相続を放棄した人は初めから相続人でなかったものとされます。

 

一方、法定相続人は民法上の相続人に次のような制限が加えられています。

・法定相続人の数に含める養子の数の制限(実子がいるときは1人まで、実子がいない時は2人まで)

・相続放棄した人も、放棄がなかったものとして法定相続人の数に含める

 

相続税法上の相続人を定めることで、養子の数を増やして基礎控除額を大きくするといった行動を制限することができます。したがって、法定相続人の数と実際の相続人の数は異なる場合があります。

 

出典:No.4132 相続人の範囲と法定相続分|国税庁https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4132.htm

 

 

基礎控除以外にもある「控除」の種類と活用方法

 

相続人それぞれの相続税額から各種の税額控除額を差し引いた金額が納付すべき相続税額となります。被相続人との関係や取得した財産の種類などにより、適用される控除には様々なものがあります。

 

配偶者控除

被相続人の配偶者の相続税負担を少なくする制度として、「配偶者の税額の軽減」というものがあります。

 

配偶者が相続等によって実際に取得した財産が、次の(1)(2)のいずれか多い方の金額以下であれば相続税はかかりません。

 

116,000万円

2)配偶者の法定相続分(1/2

 

(例)

課税遺産総額2億円の内、配偶者が1億5,000万円を取得した場合

1億6,000万円>配偶者の法定相続分(2億円×1/2=1億円)

配偶者が取得した1億5,000万円<1億6,000万円なので、相続税額は0円になります。

 

配偶者の税額の軽減を適用するためには、原則として相続税の申告期限(相続が開始したことを知った日の翌日から10ヶ月以内)までに遺産を分割し、必要書類を添えた相続税申告書を提出しなければなりません。

税額の軽減を適用することで相続税額が0円になる場合でも、申告書は必ず提出します。

 

出典:No.4158 配偶者の税額の軽減|国税庁https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4158.htm

 

 

 未成年控除

相続人が未成年者であり、次のすべてに当てはまる人は、相続税の額から一定の金額が差し引かれます(「未成年者の税額控除」 平成29年4月1日以降の場合)。

 

(1)相続等で財産を取得したときに日本国内に住所がある人、または被相続人の住所が日本国内にある人(居住年数などの要件有)

 

(2)相続等で財産を取得した時の年齢が20歳未満である人

 

(3)相続等で財産を取得した人が法定相続人であること

 

相続等で財産を取得した未成年者が、「満20歳になるまでの年数×10万円」で計算される金額を相続税額から差し引きます。1年未満の期間があるときは切り上げて1年として計算します。

(例)

相続人の年齢が14歳10ヶ月の場合

満20歳になるまでの期間は5年2ヶ月。2ヶ月は切り上げて1年とするため、年数は6年で計算する。

6年×10万円=控除額60万円

 

控除額が相続税額より大きく引き切れないときは、引き切れない控除額分をその未成年者の扶養義務者の相続税額から差し引きます。

 

以前の相続においても未成年者控除を受けているときは、控除額が制限される場合があります。

 

出典:No.4164 未成年者の税額控除|国税庁https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4164.htm

 

 

 相次相続控除

相次相続控除とは今回の相続開始前10年以内に、被相続人が相続等により財産を取得し相続税がかかっていた場合、その被相続人から相続等により財産を取得した人の相続税から一定の金額を控除するというものです。

 

次の全てに当てはまる人が相次相続控除を受けられます。

 

(1)被相続人の相続人であること(相続放棄等をした人は受けられない)

(2)今回の相続開始前10年以内に開始した相続等により、被相続人が財産を取得していること

 

(3)(2)によって取得した財産に相続税がかかっていたこと

 

各相続人の相次相続控除額は次のように計算されます。

A×C/BA×D/C×(10E/10=各相続人の相次相続控除額

    ↓

※この値が100/100を超えるときは100/100とする

A 被相続人の前の相続における相続税額

B 被相続人が前の相続で取得した純資産価額

C 今回の相続等で全ての人が取得した財産の純資産価額の合計額

D 今回の各相続人の純資産価額

E 前の相続から今回の相続までの期間(1年未満の期間は切り捨てる)

 

(例)

祖父が5年3ヶ月前に死亡し、今回父が死亡した。父は祖父から純資産価額1億円の財産を取得し、1,000万円の相続税が課税されていた。今回の相続で取得する全体の純資産価額は2億円で、子は父から純資産額5,000万円の財産を取得し、子の相続税額は975万円である。

 

Eの期間は5年3ヶ月なので、3ヶ月は切り捨てて5年で計算する。

 

1,000万円×2億円/(1億円-1,000万円)×5,000万円/2億円×(10-5年)/10

=子の相次相続控除額125万円

※2億円/(1億円-1,000万円)>100/100なので、100/100とする

したがって、子の相続税額975万円から相次相続控除額125万円が差し引かれる。

 

出典:No.4168 相次相続控除|国税庁https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4168.htm

 

 

 障害者控除

相続人が85歳未満の障害者であり、次のすべてに当てはまる人は、相続税の額から一定の金額が差し引かれます(「障害者の税額控除」 平成29年4月1日以降の場合)。

 

(1)相続等で財産を取得したときに日本国内に住所がある人(居住年数などの要件有)

 

(2)相続等で財産を取得したときに障害者である人

 

(3)相続等で財産を取得した人が法定相続人であること

 

相続等で財産を取得した障害者が、「満85歳になるまでの年数×10万円(特別障害者の場合は20万円)で計算される金額を相続税額から差し引きます。1年未満の期間があるときは切り上げて1年として計算します。

 

(例)

障害者である相続人の年齢が68歳5ヶ月の場合

満85歳になるまでの期間は17年7ヶ月。7ヶ月は切り上げて1年とするため、年数は18年で計算する。

18年×10万円=控除額180万円

 

控除額が相続税額より大きく引き切れないときは、引き切れない控除額分をその障害者の扶養義務者の相続税額から差し引きます。

以前の相続においても障害者控除を受けているときは、控除額が制限される場合があります。

 

出典:No.4167 障害者の税額控除|国税庁https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4167.htm

 

 

 外国税額控除

外国にある財産を相続したとき、その財産がある国に相続税に相当する税金を課せられた場合は、その税額を日本の相続税額から控除できるというのが外国税額控除です。

 

控除できる外国税額には限度額があり、次のいずれか少ない方の金額が適用されます。

(1)外国で課せられた税額を邦貨換算した金額

 

(2)外国税額控除以外の各種税額控除を差し引いた後の相続税額×外国にある財産の純資産価額を邦貨換算した金額/取得した財産の純資産価額

なお外国税額の邦貨換算は、原則として外国での相続税の納付期限におけるレートを使用します。

 

(例)

日本国内の財産(純資産価額)5,000万円と外国の財産(純資産価額)5,000万円を相続により取得。外国で相続税900万円を納付し、日本での相続税額は1,150万円である場合。

(1)900万円

(2)1,150万円×5,000万円/1億円=575万円  (1)>(2)

控除限度額は575万円であるため、日本での相続税1,150万円から575万円が控除される。

 

出典:第20条の2 《在外財産に対する相続税額の控除》関係|国税庁http://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sisan/sozoku2/02/09.htm#a-21_2

 

出典:相続税申告書第8表|国税庁https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/sozoku-zoyo/annai/h29pdf/08.pdf

 

 

 贈与税控除

相続等により財産を取得した人が、その相続の開始前3年以内に被相続人から贈与を受けた財産があるときは、相続税の課税価額に贈与を受けた財産の贈与時の価額を加算することとなっています。

 

一方で贈与時にかかった贈与税の額は、その人の相続税額から控除されます。これが暦年課税(毎年1年ごとに贈与を受けた財産の金額をもとに贈与税を計算すること)に関わる税額控除です。相続時精算課税制度(被相続人の生前に取得した財産の贈与税を、被相続人の死亡時に相続税として計算しなおす制度)とは計算方法が異なります。

 

相続開始前3年以内に贈与された財産であれば、贈与税がかからなかったものでも、例えば年間110万円の基礎控除額以下であった贈与財産も加算します。

 

ただし贈与税の配偶者控除の特例や、直系尊属から贈与を受けた住宅取得等資金・教育資金・結婚子育て資金等の非課税の適用を受けた金額については、相続開始前3年以内のものであっても加算する必要はありません。

 

(例)

相続等により課税価額が2,400万円の財産を取得した人が、相続開始の2年前に被相続人から600万円の贈与を受け、68万円の贈与税が課されていた場合(その贈与分を含む課税遺産総額2億円、相続税総額3,900万円とする)

 

この相続人の納税額は、

3,900万円×(2,400万円+600万円)/2億円―68万円=517万円

                       ↓

                     納付済みの贈与税を控除

 

出典:No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)|国税庁https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4161.htm

 

 

相続税の節税対策には何がある?

 

控除を活用した相続税の軽減のほかにも、相続税を節税する方法はあります。相続開始前に贈与によって財産を減らす方法や、財産の評価を大きく下げられる特例についてご紹介します。

 

 

相続財産を減らす「生前贈与」

被相続人が生存している間に財産を贈与する「生前贈与」による相続税対策には次のようなものがあります。

 

(1)暦年贈与

1年間の間に贈与を受けた財産の基礎控除額110万円を利用して、計画的に相続財産を減らす方法です。手軽で一般的によく利用される方法ですが、毎年定期的に贈与を受ける「権利の贈与」とみなされないよう注意が必要です。

 

(2)相続時精算課税制度

贈与する人ごとに累積で2,500万円までの財産が非課税で贈与できる制度です。ただし贈与時には課税されませんが、贈与した人が死亡して相続が発生したときに、贈与財産の価額(贈与時)を相続財産と合わせて相続税を計算することになります。将来他の相続財産と合わせても相続税がかからない(=基礎控除以下となる)財産を贈与する場合や、将来資産価値が上がりそうな財産をより低い価額で贈与する場合などの活用例があります。

 

この制度は一度選択すると取り消しができず、暦年贈与の非課税も使用できなくなるので注意すべき点です。

 

出典:No.4103 相続時精算課税の選択|国税庁https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4103.htm

 

(3)贈与税の配偶者控除

夫婦間で居住用の不動産やそれらを取得するための資金を贈与された場合、2,000万円までが非課税になるという制度です。この制度の適用には婚姻期間や居住開始時期などの要件があり、同じ夫婦間では一度しか受けられません。将来相続税の配偶者控除を適用しても相続税が発生するようなケースでは節税効果があります。贈与税の配偶者控除の利用には贈与税の申告が必要です。

 

出典:No.4452 夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除|国税庁https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4452.htm

 

(4)直系尊属からの教育資金や、結婚・子育て資金の一括贈与

直系尊属(父母や祖父母など)から30歳未満の人が教育に関する資金を贈与された場合、最大1,500万円(使用目的による)までが非課税になります。この特例を受けるには金融機関に専用の口座を開設し、支払いを行った場合は領収書等を金融機関に提出する必要があります。なお、贈与を受けた人が30歳に達した時点で使い切れなかった教育資金には贈与税が課せられます。

 

出典:No.4510 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税|国税庁https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4510.htm

 

また直系尊属から20歳以上50歳未満の人が結婚・子育てに使用する資金を贈与された場合、最大で1,000万円(結婚資金は300万円まで)が非課税になります。教育資金贈与の場合と同様に、金融機関に専用口座の開設や領収書の提出を行う必要があります。贈与を受けた人が50歳に達した時点で残っている資金は贈与税の対象に、また贈与した人が亡くなると相続税の対象になります。

 

出典:No.4511 直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課 税|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4511.htm

 

※教育資金贈与と結婚・子育て資金贈与の制度は、いずれも平成31年3月31日までの期間限定の特例です。

 

(5)直系尊属からの住宅取得等資金の贈与

直系尊属から自らが居住するための住宅を取得するための資金を贈与された場合、最大で1,200万円(省エネ住宅とその他の住宅とで異なる)までが非課税になるという制度です。平成33年12月31日までの特例で、非課税限度額は年度により段階的に下がりますが、消費税が10%になった場合は引き上げることとなっているので、利用する時点での確認が必要です。

 

この特例の利用には、贈与を受ける人や取得する住宅に関する様々な要件がありますが、相続財産を減らす有効な手段としてよく利用されます。

 

出典:No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4508.htm

 

 

 相続財産の評価を下げる「特例」

相続した土地の評価を下げて相続税を軽減する方法として、「小規模宅地等の特例」があります。被相続人が自らの居住や事業のために使用していた宅地等を相続した場合、相続税の対象となる価格のうち一定の割合が減額される制度です。

 

被相続人や生計を同一にする親族が、居住のために使用していた土地は330㎡まで80%が減額され、事業のために使用していた土地は400㎡または200㎡までが80%または50%(事業内容等による)減額されます(平成27年1月1日以降の場合)。

 

この特例を利用するには、被相続人との同居や自己所有家屋の有無などに関する一定の要件を満たす必要があります。

 

なお相続開始前3年以内に贈与を受けた宅地や、相続時精算課税制度を利用して取得した宅地等には適用できません。

 

出典:No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)|国税庁https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4124.htm

 

 

 

その税金は「所得税」「相続税」どちらの対象なのか

 

被相続人の死亡によって取得した財産であっても、全てが相続税の対象とは限りません。取得の条件によっては所得税等ほかの税金の対象になる場合があります。

 

保険金を受け取った場合

生命保険等の死亡保険金を受け取ったときは、その生命保険等の契約者と被保険者および保険金受取人との関係により、課税対象となる税金の種類が異なります。

 

被相続人が保険料の一部または全部を負担していた生命保険等の、死亡保険金を受け取った場合は相続税の対象となります。

 

死亡保険金には非課税限度額があり、全ての相続人が受け取った死亡保険金の合計額が非課税限度額以下であれば相続税はかかりません。

 

500万円×法定相続人の数=非課税限度額

 

ただし死亡保険金を受け取った人が相続人でない場合は非課税限度額は適用されません。

 

出典:No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金|国税庁https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4114.htm

 

契約者と受取人、被保険者の関係

保険の契約者と被保険者、保険金の受取人の関係を一覧にすると次のようになります。保険の契約者とは、生命保険等を契約し保険料を負担する人のことです。

 

保険の契約者   被保険者   保険金受取人    税金の種類

  A              A              B        相続税     ①

  B               A             B        所得税     ②

    C               A             B        贈与税     ③

 

①保険料を負担していた被保険者Aの死亡によりBが保険金を受け取ったので相続税の対象

②Aを被保険者としてBが保険料を支払い、Bが死亡保険金を受け取ったので所得税の対象

③契約者・被保険者・保険金受取人が全て異なる場合、契約者Cから保険金受取人Bへの贈与となり贈与税の対象

 

出典:No.1750 死亡保険金を受け取ったとき|国税庁https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1750.htm

 

 

準確定申告と確定申告の関係

個人事業で得た収入や、不動産や株式その他の資産を譲渡して得た利益など、一定以上の所得がある人は原則として確定申告をする必要があります。毎年1月1日から12月31日までの1年間の所得について、翌年2月16日から3月15日の間に所得税の申告・納税を行います。

 

納税者が死亡したときに年の途中で行う確定申告が「準確定申告」です。

 

 

亡くなった人の申告は準確定申告

準確定申告とは、所得税の納税者が年の途中で死亡した場合、死亡した年の1月1日から死亡した日までに確定した所得金額と所得税額を申告・納税することをいいます。

 

準確定申告は、被相続人が行うはずだった確定申告を相続人が代理で行うものなので、所得税になります。準確定申告は、所得税の確定申告期限にかかわらず、被相続人の死亡を知った日の翌日から4ヶ月以内に行わなければなりません。

 

出典:No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)|国税庁  https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2022.htm

 

 亡くなった人の財産を受け取り、準確定申告の対象でなければ相続税の対象

被相続人が次のような、確定申告を行う必要がある人だった場合は準確定申告をする必要があります。

 

(例)

・年間の給与収入が2,000万円を超える人

・源泉徴収を受けている給与所得以外の所得が20万円を超える人

・自営業等で納めるべき所得税額がある人

・公的年金等に関わる所得が一定以上ある人

・源泉徴収されていない退職所得がある人

 

出典:確定申告を行う必要がある方|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/hajimete.htm

 

準確定申告を行う必要がなければ、取得した被相続人の財産について相続税の申告のみを行うことになります。

 

上記2とも関係なければ所得税の対象かもしれない

準確定申告の対象でない場合で、相続税を納めた財産にさらに所得税が課されることはありません。しかし相続で取得した不動産や株式などを売却して得た収入や、賃貸物件から得た賃料などの収入は所得税の対象となります。

 

 

まとめ

 

・基礎控除は相続税の計算において基本となる控除で、どの相続にも適用される

・基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数(平成27年1月1日以降)

・民法上の相続人の数は相続税法により制限される(法定相続人)

・税額控除額は各相続人の相続税額から、それぞれの条件にあったものが差し引かれる

・控除以外の相続税対策として生前贈与で財産を減らすことや、特例を利用して相続財産の評価を下げる方法がある

・被相続人の死亡により取得した財産でも相続税ではなく所得税の対象となることがある

・被相続人に一定以上の所得があれば準確定申告が必要

 

監修者:添田裕美(税理士)

 

 

 

記事一覧に戻る
記事一覧に戻る

高年収女性のためのスマート投資術セミナー情報 資産運用や投資についてのセミナー初めての方向け 高年収女性のためのスマート投資術セミナー情報 資産運用や投資についてのセミナー初めての方向け

セミナー一覧を見る