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M life 記事

お金 2018.7.12

財形貯蓄とは?メリット・デメリット

 

財形貯蓄についてはご存知ですか?会社等に雇用されている方の財産形成を援助するために定められた、比較的古くからある制度です。財形貯蓄の特徴について知っていただくとともに、確定拠出年金など他の財産形成手段も多様化している現在で、財形貯蓄を利用することのメリットやデメリットについてもご説明していきます。

 

 

財形貯蓄の基礎

 

 

最近では「財形貯蓄」についてあまり聞きなれない方も多いと思います。はじめに財形貯蓄の概要や加入要件、どのような目的に利用できるのかといったことについてご説明します。

 

財形貯蓄とは?

財形貯蓄とは、勤労者の財産形成を事業主と国が援助する「勤労者財産形成促進制度」の一つです。雇用の形態を問わず、正社員や公務員・アルバイト・パートタイマー・派遣社員など、雇用されている全ての(勤労者)が利用できる制度です。ただし勤務先の会社等が財形貯蓄制度を導入していることが条件となります。

 

給与や賞与から天引きした一定の金額を、会社が代行して財形貯蓄取扱金融機関に払い込むことで、住宅の取得や老後の資産・その他のライフイベントなど様々な目的で貯蓄を行うことができます。財形貯蓄のために天引きされた積立金は、定期預金などの預貯金のほか有価証券・生命保険などを利用して貯蓄することができます。

 

出典:財形制度について|勤労者財産形成事業本部http://www.zaikei.taisyokukin.go.jp/about/index.php

 

財形貯蓄は3種類


使用目的によって3種類の財形貯蓄が利用できます。それぞれ加入できる年齢や加入期間などの要件が異なるので、よく確認して
ご自身に合ったものを選ぶことが大切です。

 

一般財形貯蓄


「一般財形貯蓄」
は、結婚・出産・教育などライフイベントに関わる資金や、病気など万一のための備え、旅行のための積立など、目的に制限なく利用できる財形貯蓄です。

 

原則として3年以上は毎月の給与や賞与から定期的に積み立てる期間とされていますが、開始して1年経過した後はいつでも払い出しが可能です。勤労者1人で複数の契約をすることができますが、貯蓄商品によって積立限度額が設定されていることがあります。

 

出典:一般財形貯蓄|勤労者財産形成事業本部http://www.zaikei.taisyokukin.go.jp/service/save/general.php

 

財形住宅貯蓄


「財形住宅貯蓄」
は、マイホームの建設や取得・リフォーム等の資金のための財形貯蓄です。使用目的は住宅取得等に限られ、それ以外の目的で払い出した場合は財形貯蓄の税制上のメリット(後述)を受けられなくなります。

 

財形住宅貯蓄は複数の契約をすることはできませんが、一般財形貯蓄や財形年金貯蓄との併用は可能です。財形住宅貯蓄を利用するために必要な要件には次のようなものがあります。

 

・満55歳未満であること

・他の財形住宅貯蓄を契約していないこと

・住宅の建設・購入・リフォーム(工事費75万円を超えるもの)を利用目的とすること

・取得等をする住宅が床面積や築年数(中古住宅の場合)等の要件を満たすこと

・積立期間は原則5年以上とする

 

出典:財形住宅貯蓄|勤労者財産形成事業本部http://www.zaikei.taisyokukin.go.jp/service/save/house.php

 

財形年金貯蓄


「財形年金貯蓄」
は老後の資産形成のための財形貯蓄で、60歳以降に年金として受け取ることができます。年金以外の目的での払い出しは税制メリットを受けられなくなります。また財形年金貯蓄も一人で複数の契約はできません(一般財形貯蓄や財形住宅貯蓄との併用は可能)。

 

利用できるのは55歳未満の、他に財形年金貯蓄を契約していない方です。年金として受け取れるのは、60歳以降の5年以上20年以内の期間です。ただし保険商品で終身受け取りを設定している場合はその方法も可能です。積立期間は5年以上で、積立終了から受取開始まで据え置き期間(5年以内)を設定することができます。

 

出典:財形年金貯蓄|勤労者財産形成事業本部http://www.zaikei.taisyokukin.go.jp/service/save/pension.php

 

財形の始め方

財形貯蓄は個人で行うことはできません。したがって財形貯蓄を始めるためには財形制度を導入している勤務先に申し込み、給与天引きについての同意を交わすことが必要です。なお天引きされた給与等は財形貯蓄取扱金融機関において、個人ごとの財形貯蓄口座で管理されます。

 

貯蓄商品として定期預金など預金保険の対象となるものや、生命保険のように責任準備金で保証されるものを利用している場合は、万一金融機関が破たんしても保証が適用されます。財形貯蓄制度を利用できるのは勤労者であり、法人の役員は一部の条件を満たす方以外は財形貯蓄を利用できません。

 

出典:財形貯蓄制度|勤労者財産形成事業本部http://www.zaikei.taisyokukin.go.jp/service/save/index.php

 

 

財形貯蓄のメリット

 

 

「貯蓄すること」が目的ゆえのメリットが財形貯蓄にはあります。これらを上手に利用することで、より効率的な貯蓄を目指すことができます。

 

給与天引き効果で強制的に貯蓄ができる

給与の中から計画的に貯蓄をしようとしても、なかなか思うようにいかないこともあります。その点、給与から自動的に天引きされる財形貯蓄なら意思の力は不要です。

 

また給与振込口座とは別の貯蓄用の口座に、お金をわざわざ移すという手間も要りません。毎月の給与などから計画的に貯蓄したい方にとって、財形貯蓄の仕組みは大きなメリットとなります。

 

住宅財形と年金財形は合計550万円までの利子が非課税になる

定期預金などの貯蓄商品の場合、「財形住宅貯蓄」「財形年金貯蓄」合計で550万円(元利合計)までの貯蓄残高に発生する利子等が非課税になります。合計残高が550万円を超えた場合は、一律分離課税20.315(復興特別所得税0.315%分は2037年12月31日まで)の対象となります。

 

その後の払い出しにより残高が550万円未満になっても非課税には戻らないので注意が必要です。なお「一般財形貯蓄」には非課税制度はなく、発生する利子は一律分離課税20.315%の対象となります。

 

出典:12.残高が非課税限度額を超えた場合の利子の取扱い|ろうきんhttp://www.rokinren.com/roukin-chochiku-qanda-hikazei.html

 

保険でも非課税になる

生命保険などを貯蓄商品とする場合、「財形住宅貯蓄」は払込限度額550万円まで、また「財形年金貯蓄」は払込限度額385万円までの利子等が非課税になります。両方を併用する場合は合計で550万円までの利子等が非課税です。

 

出典:財形貯蓄の利子等非課税制度|勤労者財産形成事業本部http://www.zaikei.taisyokukin.go.jp/service/save/index.php

 

勤務先によって財形給付金制度がある


事業主と国が勤労者の財形貯蓄を援助する制度
として「財形給付金制度」というものがあります。労使の合意に基づき、事業主が毎年勤労者1人につき最高10万円までの拠出を行い、7年経過ごとに拠出金と運用益が財形貯蓄を行っている勤労者に支給されます。

 

勤労者が受け取る給付金は一時所得扱いとなり50万円までが非課税です。給与として受け取るよりも大きな税制優遇があり、事業主には拠出金が損金又は必要経費となるメリットがあります。

 

出典:財形給付金制度|厚生労働省http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000106737.html

 

 

財形貯蓄のデメリット

 

 

財形貯蓄のデメリットの中には本来メリットであるはずのものもあります。歴史がある制度のため時代に合わない部分が出てきたことは否定できないようです。

 

一般財形は給付金制度がなければ天引き預金と変わらない

一般財形貯蓄は利子等が非課税になる税制優遇がありません。したがって預金等を給料天引きで行っているだけということにもなります。一方で会社に財形給付金制度がある場合や、「財形持家転貸融資」(後述)を利用する場合は一般財形貯蓄を行うメリットはあると言えます。

 

マイナス金利政策で非課税メリットはほぼなし

本来通常の預金金利より有利な金利が適用される財形貯蓄ですが、マイナス金利の影響でその差はほとんどなくなっています。一般的な定期預金金利と比較しても、多くの銀行でその差は0~+0.005%程度にとどまっています。財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄の最大のメリットである優遇税制がほとんど活かされなくなっているのが現状です。

 

出典:預金金利|ろうきん
http://chuo.rokin.com/tameru_fuyasu/kinri.html

 

財形住宅ローンよりも銀行ローンの方がお得な場合も

「財形持家転貸融資」とは財形貯蓄を行っている勤労者が長期・低金利で受けられる住宅ローンです。融資を受ける要件は次のようなものがあります。

 

・1年以上財形貯蓄をしている

・財形貯蓄残高が50万円以上ある

・申込日現在70歳未満、完済時年齢が80歳までの方

・融資額は財形貯蓄残高の10倍相当額以内(最高4,000万円)かつ住宅取得等に必要な金額の90%以内

 

融資利率は5年毎に見直しの固定金利で、返済期間は条件により最長35年までです。申し込み方法は事業主が満たしている要件により異なります。

 

出典:財形持家転貸融資|勤労者財産形成事業本部http://www.zaikei.taisyokukin.go.jp/service/loan/index.php

 

銀行等の住宅ローンと比較すると、財形住宅ローンより金利が低く長期固定で融資を受けられるものも多くあります。また多くの銀行等の変動金利プランであれば、より低い金利で融資を受けることが可能です。

 

例えば「じぶん銀行 住宅ローン」では、当初10年間固定金利プラン(11年目~変動金利)の場合、財形住宅ローンより金利が0.04%低く(平成30年6月時点)、一部の団体信用生命保険料が無料になるという保障がついています。

 

出典:住宅ローンの特徴|じぶん銀行https://www.jibunbank.co.jp/products/homeloan/feature/

 

一概にどちらが良いということはなく、それぞれにご自身に合った条件やメリット・デメリットがあるので、条件をよく確認しお得な方を利用することをおすすめします。

 

住宅財形と年金財形はその目的以外で引き出すと遡って課税される

財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄の説明でも少し触れましたが、これら2つの財形貯蓄は使用目的以外の払い出しを行うと、要件を満たさず課税の対象となります。預貯金の場合は払い出した月から遡って5年間に生じた利子の全てが、また保険商品の場合は全期間の利子等が課税対象になります。

 

貯蓄商品によって課税の仕組みが異なる場合もあります。なお災害や疾病などが払い出しの理由であるときは非課税となります。このように利用目的が制限されることが時としてデメリットとなることがあります。

 

 

財形貯蓄に関するQ&A

 

最近は資産の流動性も重視される傾向にあります。財形貯蓄によくある質問にも資産の持ち運びに関するものが少なくありません。

 

退職したらどうなる?

退職した場合は、2年以内に再就職先で財形貯蓄を再開できれば継続することが可能です。財形貯蓄取扱金融機関に対し、前の勤務先や新しい勤務先から所定の書類を提出する等の手続きが必要です。退職後2年以内に財形貯蓄を再開できない場合は課税扱いとなります。

 

出典:転職・退職した時の手続き|勤労者財産形成事業本部http://www.zaikei.taisyokukin.go.jp/service/save/index.php

 

転職したら新しい勤務先で続けられる?

転職した場合、新しい勤務先に財形貯蓄制度がないときは財形貯蓄の継続はできません。ただし勤務先の条件によっては、一般財形貯蓄に限り財形事務代行団体において1年間は積み立てが可能です。

 

出典:■転職先に財形貯蓄制度がなければ、貯蓄を継続できません|勤労者財産形成事業本部
http://www.zaikei.taisyokukin.go.jp/service/save/index.php

 

一般から住宅財形に変えられる?

一般財形貯蓄の場合は、3年以上保有していれば財形住宅貯蓄など別の財形貯蓄に預け替えることが可能です。ただし財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄は、別の財形貯蓄へ預け替えることはできません。

 

出典:3.別の財形商品に預け替えたいとき(転退職等の場合を除く)|厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000106564.html

 

 

今はじめるなら本当に財形?財形の現状と代替手段

 

これから財形を始めることは貯蓄にとって有利なのでしょうか?現状での財形の活用方法や、財形に代わる新しい貯蓄手段について確認しておきましょう。

 

今は財形と銀行優遇金利の差がほとんどない

デメリットのところでご説明した通り、本来優遇された財形貯蓄でも金利の情勢によって金利差はほぼなくなっています。利子等の非課税メリットがほぼ得られないのであれば、収益性の良い積立金融商品の方が良い場合もあります。例えば教育資金目的であれば学資保険を利用するという方法があります。

 

保険商品によっては最大で返戻率108%もの満期学資金を受け取れ、また契約者と学資金受取人が同一かつ学資金を一括で受け取った場合、受取学資金額と払込保険料の差額が50万円以下であれば税金はかかりません。

 

※返戻率や課税の取扱は条件により異なります。

 

様々な低金利住宅ローンや高金利のネットバンキングが増えた

財形貯蓄の魅力は優遇された金利の貯蓄商品に非課税で積み立てできることや、低金利の財形住宅ローンを利用できることなどです。しかし最近は、比較的金利の高いネット銀行の預金商品や、様々なタイプの低金利住宅ローンなど多くの選択肢があります。財形貯蓄のメリットを受けにくくなった現状では、他の手段を検討する余地が十分にあると言えます。

 

最初の100万円を貯めるなら財形がおすすめ

貯蓄の最初の目標としてまず100万円、という方は多いと思います。100万円という金額を努力して貯めるのはなかなか大変ですが、給与から天引きの財形貯蓄なら普段意識することなく着実に貯めることが可能です。

 

例えば月3万円ずつ一般財形貯蓄の積立期間である3年間積み立てれば、元本だけで108万円貯まります。貯蓄はコツコツ続ける派の方にとっても財形はおすすめの方法です。

 

老後資金ならNISA、iDeCo、401kがおすすめ

財形年金貯蓄の利子非課税メリットが期待できない現状では、老後の資産形成としてはNISA(少額投資非課税制度)や401k(確定拠出年金。個人型のiDeCo、企業型DCなど)の方が税制上のメリットが多くおすすめです。

 

 

年金財形なら401kの方が魅力が多い理由

 

なぜ今どきの老後の資金形成には、財形ではなく401kがおすすめなのでしょうか。財形年金貯蓄と比較した401kの魅力について見ていきましょう。

 

財形というほぼ運用性0のものが非課税でもメリットが薄い

貯蓄商品の利益がほぼ見込めなければ、財形年金貯蓄のメリットは非常に薄くなってしまいます。運用益非課税以上の優遇がある制度として注目されているのが401kです。

 

401kは利子だけでなく掛け金も全額所得控除

401kは運用で得た利益だけでなく、掛金にも税制優遇が受けられます。企業型の場合、掛金を拠出するのは会社ですが、個人で上乗せした拠出金や個人型の掛金は全額所得控除の対象になります。

 

また運用した資産の受け取り時にも税制優遇があり、年金で受け取る場合は公的年金等控除が、一時金で受け取る場合は退職所得控除が受けられます(他の公的年金や退職所得等と合算)。利子だけが非課税の財形年金貯蓄と比べて税制上のメリットが多いことは大きな魅力です。

 

出典:税制優遇措置の具体的な内容は?|りそな銀行
http://www.resona-tb.co.jp/401k/begin/merit-of-401k.html

 

550万円までという上限なく、運用益や利子が全額非課税

財形貯蓄年金の550万円という非課税上限額は、老後の資産をなるべく大きく増やしたい方にはデメリットになってしまいます。その点401kには保有資産額の上限がなく、利益が全て非課税になるため安心して運用することができます。

 

 

まとめ

 

・「財形貯蓄」は勤労者の財産形成を援助する制度。雇用形態を問わず利用できる

・勤務先の会社等が財形貯蓄制度を導入していることが条件

・「一般財形貯蓄」「財形住宅貯蓄」「財形年金貯蓄」の3種類があり併用も可能

・メリットは

「給与天引き効果」

「残高550万円までの利子等が非課税(住宅・年金財形)」

「保険商品も運用益が非課税対象」

「企業によっては財形給付金が受けられる」など

・デメリットは

「一般財形は非課税制度がない」

「超低金利では税制メリットがほぼない」

「財形住宅ローンより銀行ローンの方が得な場合がある」

「使用目的以外の引き出しは遡って課税される(住宅・年金財形)」など

・金融商品の多様化で財形貯蓄に代わる選択肢が増えている

・年金資産形成なら税制優遇が多く上限額がない401kがおすすめ

 

 

 

 

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