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お金 2018.8.2

【FP監修】国民年金の納付が経済的に厳しい…免除や猶予制度を利用するには?

 

国民年金の第一号被保険者は、基本的に毎月保険料を納める必要があります。ただし、失業や病気などにより経済的に苦しいなか、保険料を納付することが難しい場合もあります。

 

そのようなときに、保険料の支払いを未納のままにせず、国民年金保険料の免除や納付猶予制度を利用しましょう。 今回は国民保険料の免除や猶予制度に関して分かりやすく解説します。

 

目次

国民年金の納付が大変でも、未納のままではいけない!

 

 

まず始めに、国民年金の納付が厳しくても、何も手続きをせず未納のままでいると様々な問題が生じる可能性あります。

 

未納のままだと、不慮の事態の場合に困ることに

例えば、障害や死亡といった不慮の事態の場合に、貴重な生活資金となりうる障害基礎年金・遺族基礎年金が受けられない場合があります。

 

また老齢基礎年金を受けられない場合もあります。高齢になってから、想定していた年金を受け取れないのでは、経済的に苦しい生活を強いられる可能性も出てきてしまいます。

 

納付の催促・督促があり、最終的には財産の差し押さえも

そして保険料が未納のままだと、日本年金機構が委託する民間事業者より電話や文書などにより催促・督促があります。その後も何も対応をしない場合、最終的には財産を差し押さえられる可能性もありますので注意しましょう。

 

場合によっては、厚生年金の受給ができなくなる恐れも

国民年金を受給するためには、もともと受給資格期間が25年以上ないと、老齢基礎年金や老齢厚生年金を受け取ることができませんでした。しかし法改正により、2017年8月1日より、その期間が10年へと短縮されました。

 

注意が必要なのは、厚生年金への加入歴があっても、その後国民年金の未納が続き、受給資格期間を満たさない場合です。たとえ受給資格期間が1ヶ月だけ足りなくても、厚生年金も受け取れなくなる可能性出てきますので注意しましょう。

 

出典:必要な資格期間が25年から10年に短縮されました|日本年金機構
http://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2017/20170801.html

 

支払いが大変なら、納付が困難な人のための制度を利用する

 

そこで、経済的に苦しくて保険料の支払いが厳しい場合は、納付が困難な人のための制度を活用しましょう。

 

保険料免除制度

まずは保険料免除制度です。これは本人・世帯主・配偶者の前年所得(1月から6月までに申請される場合は前々年所得)が一定額以下のときや失業した場合など、保険料を納めることが経済的に難しいときに、保険料の納付が免除される制度です。ただし学生は免除制度を利用できず、後述の学生納付特例制度を利用します。

免除される額は、以下の四種類になります。

 

全額免除

まず全額免除です。前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内の方が該当します。

 

(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円

 

4分の3免除

次に4分の3免除です。前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内の方が該当します。

78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

 

半額免除

そして半額免除です。前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内の方が該当します。

118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

 

4分の1免除

次に4分の1免除です。前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内の方が該当します。

158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

 

出典:保険料を納めることが、経済的に難しいとき|日本年金機構
http://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150428.html

 

保険料納付猶予制度

納付猶予制度に関して、20歳から50歳未満の方が対象で、本人・配偶者の前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内の方が該当します。

(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円

 

出典:保険料を納めることが、経済的に難しいとき|日本年金機構

http://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150428.html

 

学生納付特例制度

日本国内に住む20歳になられた方は、基本的にすべての方に保険料の納付が義務づけられています。ただし学生に関しては、在学中の保険料の納付が猶予される学生納付特例制度が設けられています。

 

なお学生本人の本年度の所得が一定以下(118万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等)であることが条件で、家族の方の所得は考慮しません。

 

出典:学生納付特例制度|日本年金機構
http://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150514.html

 

保険料免除・納付猶予の申請方法

 

 

国民年金保険料の納付が経済的に難しかったり、納付の猶予を求めたりする場合、本人から申請書を提出し、承認されると、納付免除・納付猶予となります。

 

書類の提出先

まず申請書類の提出は、住民登録をしている市区役所または町村役場の国民年金担当窓口へ提出します。なお郵送することも可能です。

 

申請に必要な書類

以下は申請に必要な書類となります。

 

保険料免除・納付猶予の申請書

まず保険料免除・納付猶予の申請書は、年金事務所、市区役所または町村役場の国民年金担当窓口にて受け取ることができます。もしくは日本年金機構のホームページからプリントアウトすることも可能です。

 

申請に必ず必要なもの

申請に必ず必要なものとして、国民年金手帳 もしくは基礎年金番号通知書が挙げられます。

 

その他、必要に応じて添付するもの

その他に前年の所得が57万円(学生は118万円)以上の方など、場合によっては前(または前々年)所得を証明する書類や、雇用保険受給資格者証の写し、または雇用保険被保険者離職票等の写し(失業などによる申請の場合)、所得の申立書(所得についての税の申告を行っていない場合)、厚生労働省が実施する総合支援資金貸付の貸付決定通知書の写し及びその申請時の添付書類の写しが必要となります。

 

また事業の廃止や休止によって事業主が失業の状態にある場合は、別途、履歴事項全部証明書または閉鎖事項全部証明書、税務署等への異動届出書、個人事業の開廃業等届出書または事業廃止届出書の写し、保健所への廃止届出書の控、その他、公的機関が交付する証明書等であって失業の事実が確認できる書類が必要となります。

 

申請についての問い合わせ先

なお申請に関する問い合わせ先は、最寄りの年金事務所となっています。

 

保険料免除の場合のメリット・デメリット

 

次に保険料免除の手続きを行った場合のメリット・デメリットをお伝えします。

 

免除期間も、国民年金の加入期間に算入される

まず保険料免除となった期間に関しては、国民年金の受給資格期間に算入されます。ただし、未納については期間に算入されず、年金額へも反映されませんので注意してください。

 

ただし、老齢基礎年金の年金額は少なくなる

受給資格期間には算入されますが、保険料免除となった期間は、受け取れる老齢基礎年金の年金額が、保険料を全額納付したときと比べて減少します。

 

障害基礎年金や遺族基礎年金の年金額は変わらない

保険料免除となった期間に、障害・死亡といった不慮の事態が発生した場合は、障害基礎年金や遺族基礎年金を受け取ることができます。また保険料免除の場合でも、全納している場合と変わりない年金額を受け取ることができます。

 

保険料納付猶予の場合のメリット・デメリット

 

次に保険料納付猶予の手続きを行った場合のメリット・デメリットをお伝えします。

 

納付猶予期間も、国民年金の加入期間に算入される

まず納付猶予の期間も、老齢基礎年金の受給資格期間へ算入されます。

 

納付猶予期間は、老齢基礎年金の年金額の計算期間には含まれない

一方で納付猶予の期間がある場合、老齢基礎年金の年金額の計算期間に含まれないため、受け取れる年金額は少なくなります。

 

障害基礎年金や遺族基礎年金の年金額に影響はない

保険料免除の時と同じように、障害基礎年金や遺族基礎年金の年金額に影響ありません。

 

余裕が出てきたら「追納」できる

もし、経済的にゆとりができてきたら、追納制度を利用しましょう。保険料免除や納付猶予から10年以内に追納した場合、老齢基礎年金の年金額を満額に近づけることが可能となります。

 

追納した保険料は社会保険料控除の対象になる

また、この追納した保険料は紹介保険料控除の対象となるため、所得税・住民税が安くなるというメリットもあります。

 

払い忘れの保険料、今から納付してもいいの?

 

 

ここからは、国民年金保険料を払い忘れてしまった場合などの手続きに関してお伝えします。

 

使用期限内の払込用紙で支払う

まず、国民年金保険料の納付書が皆さんの手元に送られてきているかと思います。そして、使用期限の表示がある納付書の場合、その期限内であれば、納付書で保険料を支払うことができます。

 

2年以上過ぎた場合は、後納制度を利用

そして国民年金保険料は、2年過ぎると納付できなくなります。そこで、平成30年9月30日までの期間、5年前まで遡って納付することができる後納制度を利用しましょう。

 

後納制度を利用するためには、申込書の提出が必要となります。老齢年金の受給資格期間を満たすたなど、受け取る年金額を増やしたい方は、平成30年9月28日(平成30年9月30日が日曜日のため)までに最寄りの年金事務所で手続きをしてください。

 

出典:国民年金保険料の後納制度|日本年金機構
http://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/hokenryo/20150520.html

 

一括納付が大変なら、分割での納付を相談

国民年金保険料の納付ができていない分に関して、一括で納付することが困難な場合は、分割での納付ができないか年金事務所などの窓口に相談してください。

 

その際は、納付する意思があることや、一括で払えない理由などを伝え、対応策を教えてもらいましょう。相談窓口としては、年金事務所のほかに市区町村役場の国民年金課や税務署、ねんきんダイヤルなど相談することができます

 

日頃から納付書や「ねんきん定期便」等の郵便物を確認しておく

期限内に保険料を納付できるように、日ごろから納付書で支払い期限などを確認しましょう。また皆さんのもとには、1年に1回、誕生月に「ねんきん定期便」が届きます。この「ねんきん定期便」とは、みなさんがこれまでに行った保険料の納付額や、加入実績にもとづく年金額などが分かります。

 

そして受給資格期間も記載されていますので、資格を満たしているか確認することができます。足りないようであればどのような手続きができるか年金事務所などに相談しましょう。

 

未納のままにせず、免除や猶予制度について相談してみよう

 

最後となりますが、国民年金は皆さんの老後の生活をより安定させるだけでなく、障害を負ったり亡くなったりした場合に自分や遺族の生活を支えるためにも大切な制度です。

 

一時的に未納となってしまった期間について老齢年金額が減らされ、未納期間によっては障害年金や遺族年金が受け取れなくなってしまいます。

 

保険料免除・猶予制度を利用して、しっかりと年金を確保してください。制度利用に関しては、最寄りの年金事務所などに相談しましょう。

 

監修:古川 みほ(ファイナンシャルプランナー)

 

 

 

 

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