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お金 2018.8.9

【税理士監修】路線価とは?誰でもわかる路線価の種類と路線価方式による土地評価額の計算

 

路線価とはでしょうか。必要にならないと見聞きしない言葉ではないでしょうか。この路線価は、贈与や相続などで手に入れた土地や建物を評価するときに基準となるものす。

 

今回は、もしものときに知っておきたい知識として、「路線価」のキホンをおさえていきましょう。

 

そもそも路線価とは

 

 

そもそも「路線価」とは、土地や建物に面している路線(道路)ごとに決められている価格のことで路線価の決められている地域の土地等を評価する場合に利用するものです。

 

1㎡あたりの土地評価額を表している

路線価は、その路線に面している標準的な宅地1㎡あたりの価格が表示されています。路線価は1000円単位で表され、例えば、200と表示があれば、1㎡あたりの路線価は、200,000円となります。

 

路線価には相続税路線価と固定資産税路線価がある

路線価は、相続税や贈与税を算出する際の財産の評価に使われるものと固定資産税や都市計画税等を算出する際財産評価に使われるものがあります。。前者は、相続税路線価と呼ばれ、後者は固定資産税路線価と呼ばれています。

一般的に「路線価」と呼ばれるのは、相続税路線価のことが多いです

 

相続税路線価図は閲覧できる

相続税路線価がいくらなのかを確認するには、路線価図を見ます。路線価図は路線価を地図上に表したものです。路線価図を閲覧するのに特別な資格は必要なく、国税庁がホームページで発表している財産評価基準書路線価図を自由に見ることができます。

 

出典:財産評価基準書|国税庁
http://www.rosenka.nta.go.jp/

 

相続税路線価とは?

相続税路線価は、亡くなった方(被相続人と呼びます)が所有していた土地や贈与された土地を評価するときに使います。路線価が気になる方は土地の相続や贈与に関わりそうな方かもしれませんね。この相続税路線価は、相続税や贈与税を算出するために大事なものです。

 

相続税路線価は毎年1月1日の価格を同じ年の7月初旬に国税庁が発表します。路線価は、担税力に配慮して、土地取引の指標となる公示価格の80%程度の価格となっています。

 

また、相続税や贈与税と関連することなので、発表する機関は国税庁が担っています。したがって、相続や贈与が1月でも12月でも、その相続や贈与に関係する土地の評価額の計算には、その年に発表された同じ相続税路線価を使います。なお、この路線価による土地等の評価方法を「路線価方式」といいます。

 

出典:平成30年分財産評価基準を見る|国税庁
http://www.rosenka.nta.go.jp/index.htm

参考: 平成30年分都道府県庁所在都市の最高路線価|国税庁
https://www.nta.go.jp/information/release/pdf/rosenka.pdf

 

しかし、土地がある場所によっては、路線価が設定されていない土地もあります。都市部でも、市街化調整区域や主要道路から離れた土地や奥まった位置にある土地には路線価が設定されていないことがありますし、また地方などは路線価が設定されていないことが多いです。

 

では、路線価が設定されていな土地等については、相続や贈与の際に土地の評価はどうなるのでしょう?

 

このような路線価が使えない土地では、原則として「倍率方式」という評価方法を使います。倍率方式は、その土地等の固定資産税の評価額に一定の倍率をかけて評価額を算出します。

 

もし、路線価図で見て路線価が設定されていないとわかったら、倍率方式を使いましょう。倍率方式を使うときには、固定資産評価額が必要です。先に市区町村の役場で調べたり、納税通知書確認したりしましょう。

 

・路線価図・評価倍率表|国税庁
URL:http://www.rosenka.nta.go.jp/index.htm

 

固定資産税路線価とは?

固定資産税路線価とは、固定資産税や都市計画税等を計算するときに使われる路線価です。ここでまず、固定資産税についておさらいしておきましょう。

 

固定資産税は、土地、一戸建て、マンションなどの土地や建物といった不動産を所有している方にかかる税金です。この税金は、その不動産の所在する市町村が課す税金となります。

 

土地を所有しているのであれば、その土地は固定資産税の課税対象になります。この固定資産税の課税基準となる土地評価を行うために固定資産税路線が使われます。固定資産税路線価は、各市町村長が決めています。ただし、東京都の区の場合は、東京都知事が決定します。

 

3年に1度改され、その年の1月1日の時点の価格評価が決定後すぐに発表されます。こちらの固定資産税路線価による評価額は、公示価格の70%程度となっています。路線価は、以下のホームページで検索することができます。

 

・全国地マップ|資産評価システム研究センター
URL:https://www.chikamap.jp/chikamap/Portal?mid=216

 

相続税路線価と固定資産税路線価の違い

 

2つの路線価について、概要はお分かりいただけましたでしょうか。それでは2つの路線価のポイントを比較してまとめてみましょう。

 

使用目的の違い

名前の通り、相続税路線価は相続税や贈与税を計算するときに用います。それに対し、固定資産評価額は、固定資産税や都市計画税の基準になる価格となります。

 

公示価格との関係性

公示価格とは、土地取引の指標となる国が定める土地の適正な価格のことです。国土交通省の土地鑑定委員会によって決められています。相続税路線価と固定資産税路線価の価格は、この公示価格を基準に算出されています。

 

なお、相続税路線価は、公示価格の8割程度、固定資産税路線価は、公示価格の7割程度の金額になっています。

 

担当部署の違い

相続税路線価は、相続税や贈与税と関わりのある路線価であるため、国税局が担当します。固定資産税は、固定資産税等の地方税と関わりのある路線価ですので、担当は市町村になります。

 

公表時期の違い

価格が公表される時期も違いました。相続税路線価は、毎年1月1日の時点の価格が、7月上旬ごろに発表されます。固定資産税路線価は、3年に1度基準価格の評価替えが行われ評価替えが行われた年の1月1日を基準に価格評価が決定され、速やかに市区町村から発表されます。

 

ただし、評価替えの年度以降に地価下落があり、価格を据え置くことが適当でないと認められる場合には、評価の調整がされることがあります。

 

相続税路線価図で確認すべきポイント

 

それでは、実際に相続税路線価図を見るときに確認すべきポイントを紹介します。まずは、下の図をご覧ください。

出典:路線価図の説明|国税庁
http://www.rosenka.nta.go.jp/docs/ref_prcf.htm 

 

路線価図の年分とページを確認する

最初に路線価図の年分とページを確認します。図の左上の部分です。ここには、路線価図が何年分のものであるかとページが記載されています。XX12345であれば、XX年分の12345ページということになります。

 

地区および地区と借地権割合の適用範囲を示す記号を確認する

次に、先ほど確認した年分とページの右に移ります。これは、地区及び地区と借地権割合の適用範囲を示す記号になります。記号には、黒塗り斜線が入っています。

 

これにも意味があり、黒塗りの場合は、その地区の区分は黒塗り側の路線の道路沿いのみが該当するという意味があります。一方、斜線の場合は、その地区の区は斜線側の路線には該当しないという意味になります。黒塗りでもなく、斜線もない白抜きの場合は、その地区の区分はその路線全が該当します。

 

借地権割合とは?

借地権とは、名前の通り、土地を借りて自分の家、店舗など自己所有の建物を建てられる権利のことです。相続や贈与により取得した土地がご自身の土地ではなく、人から借りている土地であるなら、路線価の価格に借地権割合をかけた金額を評価額として扱います。

 

借地権割合を示すA-Gのアルファベットを確認する

相続時路線価図上部右上に移ります。今度はアルファベットと%が記載されています。これは、各路線価に対応する借地権割合を示す記号です。

 

借地権割合は地域によって多少異なりますが、上記の図にあるように、A:90%、B:80%、C:70%、D:60%、E:50%、 F:40%、G:30%と表記されています。このアルファベットを用いて、借地権割合を判定します。

 

例えば、「500C」と表記されていれば、路線価が500,000円、借地権割合が70%という意味になります。もし、価値を知りたい土地が借地でなければ、このアルファベットは気にする必要はありません。

 

出典:路線図の説明|国税庁
http://www.rosenka.nta.go.jp/docs/ref_prcf.htm

 

路線価方式による評価額の計算

 

それでは、路線価の意味と路線価図の読み方が分かったところで、実際の路線価方式による土地評価額の計算方法についてご説明します。

 

路線方式による土地評価額の計算でも、宅地に面する路線価が1路線(1つの道路に面している)か2路線(2つの道路に面している)か、また、自用地なのか借地なのかなどの状況によって、評価額の計算方法が変わってきます。

 

今回は代表的な次の4通りの土地評価額の計算について、1つずつ順番に見ていきましょう。

 

一路線に面する宅地における自用地評価額の算出

1つ目に見るのは、1つの道路にのみ面しており、土地がご自身のものであるときの算出方法です。

 

計算式は、

路線価×奥行価格補正率×地積(土地の面積)

になります。

 

出典:路線図の説明|国税庁
http://www.rosenka.nta.go.jp/docs/ref_prcf.htm

 

さて、ここで新しい言葉、「奥行価格補正率」が出てきたので、補足しておきます。例えば、同じ面積の土地でも、奥行きによって使いづらい土地と使いやすい土地があります。

 

うなぎの寝床のような入り口が小さく奥行が長い土地の場合、駐車場が作れなかったり、極端に細い家を建てざるをえなかったりします奥行価格補正率とは、このように奥行きよって使いやすい土地と使いづらい土地があることを考慮して評価額を調整する割合になります。

 

奥行価格補正率は、国税庁のホームページから確認することができます。

 

 

出典:奥行価格補正率表|国税庁https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sisan/hyoka/02/07.htm 

 

では、計算に戻りましょう。下の図の場合、以下のように計算します。

 

「普通住宅地区」で、奥行きは30mですから、価格補正率表より価格補正率は、0.98になります。したがって、この土地の路線価方式による評価額は、次のようになります。

 

1つの式でまとめて計算することもできるのですが、一度1㎡の価格を計算し、地積を後でかけるほうが分かりやすく計算できます。

 

200,000円(路線価)×0.98(奥行価格補正率)=196,000円(1㎡の価格)

196,000円×300㎡(地積)=58,800,000円

 

実際に土地を評価する場合には、この奥行きによる調整以外にも、土地の形がいびつだったり、間口が極端に狭かったり、がけ地の部分があったりなど、土地の形状などによる様々な調整を行います。

 

一路線に面する宅地における借地権価額の算出

2つめは、1つの道路のみに面しており、土地が借りているものであるときの算出方法です。

 

計算式は、自用地の価額× 借地権割合です。

 

出典:路線図の説明|国税庁
http://www.rosenka.nta.go.jp/docs/ref_prcf.htm

 

1つめの土地が、借地だった場合を考えてみましょう。自用地の評価額は、先ほどの「路線価×奥行価格補正率×地積」で計算します。この評価額に、借地権割合を掛けます。図では200Dとなっています。

 

Dは、60%を表していましたね。この借地権割合を使って土地の評価額を計算すると、

58,800,000円(自用地の価格)×60%(借地権割合)=35,280,000円

自用地の場合の計算に、借地権割合をかけると覚えておくといいですね。

 

二路線に面する宅地における自用地評価額の算出

3つめは、2つの道路に面しており、土地がご自身のものであるときの路線価方式による土地評価額の算出方法です。

 

計算式は、

(正面路線価×奥行価格補正率+側方路線価×奥行価格補正率×側方路線影響加算率)×地積

です。

 

出典:路線図の説明|国税庁
http://www.rosenka.nta.go.jp/docs/ref_prcf.htm

 

2つの道路に面するとは、以下のような図になります。

 

さて、ここでまた新しい言葉が出てきました。

「側方路線影響加算率」です。

側方路線影響加算率は、2つの道路に面している状況を加味するための割合です。2つの道路に面することは、通常の土地と比べて、使うのに便利な土地になります。土地の評価によい影響を与えているということですね。この影響を加味するために、側方路線影響加算率を使います。

 

 

 

 

出典:側方路線影響加算率表|国税庁https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sisan/hyoka/02/07.htm

 

2面が道路に面している場合、基準となる道路を「正面路線、もう1つの道路を路線と呼びます。ここで疑問になるのが、2つの道路、どちらが正面路線で、どちらが側方路線かという点でしょう。

 

原則として、それぞれの路線価に奥行価格補正率をかけて計算し比較した金額が高いほうが正面路線となります。実際に住んでいる方がどちらを普段正面として使っているかは関係ありません。

 

こういった二路線に面する土地の場合、2つの路線価を考慮するために、計算式が複雑になっています。難しいように見えますが、分解して計算すれば分かりやすく計算することができます。

 

さっそく計算していきましょう。まず、正面路線の判定からです。

 

200,000円(路線価)×0.98(奥行価格補正率)=196,000円(1㎡の価格)

150,000円(路線価)×1.00(奥行価格補正率)=150,000円(1㎡の価格)

※奥行き10mの普通住宅地区の奥行価格補正率は1.00

 

正面路線は「200D」と表示されている路線となります。したがって、路線価方式による土地評価額は次のようになります。

 

「正面路線価×奥行価格補正率」と「側方路線価×奥行価格補正率×側方路線影響加算率)」に分けて計算し、地積をかけると簡単に計算することができます。

 

200,000円(正面路線価)×0.98(奥行価格補正率)=196,000円(1㎡の価格)

150,000円(側方路線価)×1.00(奥行価格補正率)×0.03(側方路線影響加算率)=4,500円(1㎡の価格)

 

※普通住宅地区の角地の側方路線影響加算率は、0.03

(196,000円+4,500円(1㎡の価格)×300㎡(地積)=60,150,000円

 

二路線に面する宅地における借地権評価額の算出

4つめは、2つの道路に面しており、土地が借りているものであるときの路線価方式による土地評価額の算出方法です。

計算式は、自用地の価額×借地権割合です。

 

出典:路線図の説明|国税庁
http://www.rosenka.nta.go.jp/docs/ref_prcf.htm

 

先ほど、自用地の価格を計算しました。したがって、この土地の評価額は、

60,150,000円(自用地の価格)×60%(借地権割合)=36,090,000円となります。

 

実際の土地取引価格の目安となる評価額の算出

先に相続税路線価は、公示価格の80%程度になるように設定されていると説明しました。これを利用して、実際の土地取引価格の目安を次の計算式で算出することができます。

 

路線価方式による土地評価額÷80%

 

まとめ

 

 

「路線価とは?誰でもわかる路線価の種類と土地評価額の計算」は、いかがだったでしょうか。今回は、2つの路線価と、路線価方式による相続税土地評価額を計算する方法をご紹介しました。今後、土地を相続する場合や贈与を受ける場合での土地の価値を知りたい場合には、今回ご紹介した方法で、おおよその金額を計算することができます。そのような場合に備えて、一度路線価を基に土地の価値をご自身で計算してみてはいかがでしょうか。

 

監修:米津 晋次(税理士)

 

 

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