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M life 記事

お金 2018.9.12

【税理士監修】税金の計算に係る「扶養」とは?130万や150万の壁って何?

 

2018年から所得税の配偶者特別控除が適用になるのは、年収141万円未満から201万円以下へと大幅に増額されました。

 

この記事ではこの改正を前提に、扶養のしくみについて学びます。

 

時代が変わるごとに変化していくライフスタイルに沿った法改正で、私たちは生活をどのように見直すべきでしょうか。

 

一見複雑な「扶養」についてマスターすれば、得する毎日が待っているかもしれません。

 

所得税の算出に関係する「扶養」について

 

一般的に「扶養」とは、「自らの生活を自分で維持することができない者に対して、その生活を援助するため何らかの給付をおこなうこと」を意味します。

 

日本では、「所得税」と「社会保険」において扶養という考えがあり、税金または家族分の保険料が免除されるしくみとなっています。

 

ただ、この所得税および社会保険では、扶養とする範囲が大きく異なるため、注意が必要です。まずは、「所得税」においての扶養から、学んでいきましょう。

 

配偶者控除とは

配偶者控除とは、配偶者(妻または夫)の合計所得金額が38万円以下(年収103万円以下)の場合に使うことができる所得控除です。所得控除とは、所得から一定金額を差し引くしくみを指します。

 

配偶者のみが対象

配偶者控除の対象は、民法の規定による、いわゆる配偶者のみです。内縁関係は不可で、納税者と生計を一にしていることが条件となります。

 

「103万円の壁」とは

配偶者控除が適用される要件の1つは、配偶者の年間所得が38万円以下であること。そして給与収入のみであれば年間103万円以下となります。103万円から給与所得控除の65万円を差し引けば、所得が38万円になることが、一般的に「103万円の壁」と言われる所以です。

 

専業主婦が収入を得る手段はおもにパートが多いと想定されることから、分かりやすい表現で浸透しているわけですね。

 

103万円を超えたら配偶者特別控除の対象に

配偶者控除の103万円の壁を超えてしまっても、いきなり負担が増大するわけではありません。なぜなら、その上に配偶者特別控除が存在するからです。

 

配偶者特別控除は、配偶者控除が受けられなくてもその所得金額によっては、一定の所得控除が受けられる制度です。年収が増えるにしたがい、段階的に配偶者特別控除が減額されていくしくみとなっています。いきなり負担が大きくならないように配慮してくれているわけです。

 

厳密には、2018年の改正で150万円の壁へ増額された理由は、この配偶者特別控除が141万円から201万円の壁へ拡充されたことに起因します。

 

配偶者以外が対象の扶養控除とは

配偶者控除と扶養控除とは異なります。扶養控除とは、納税者に所得税法上の控除対象扶養親族がいる場合に、一定の金額の所得控除が受けられる制度です。

 

対象になる親族の条件

配偶者はその名の通りで分かりやすいのですが、扶養親族とはいったい誰を指すのでしょうか。扶養親族とは、おもに配偶者以外の親族(6親等内の血族および3親等内の姻族)を指します。

 

その他に、都道府県知事から養育を委託された児童や、市町村長から養護を委託された老人も含まれます。

 

収入基準と控除について

その年の12月31日時点で年間の合計所得金額が38万円以下、給与収入のみの場合は103万円以下であることが条件です。なお、配偶者控除と違い、扶養控除では103万円の壁に変更がない点には注意が必要です。

 

扶養の対象者の年齢制限

その年の12月31日時点で16歳以上である必要があります。なお、年齢制限に上限はありません。

 

同居しているのが原則

扶養控除の要件には、生計を一にしていることが盛り込まれています。これは主に同居を指すとみて差支えありませんが、中には学生が単身で一人暮らしをしているといったケースもありますね。生活費を仕送りしている場合は生計を一にしているとみなされますので、扶養控除の対象となります。

 

また、老人扶養親族のうち病気の治療のため入院していて、その期間が1年以上の長期にわたるといったケースでも、生計一の要件を満たせば同居に該当するものとして問題ありません。

 

参考:国税庁|扶養控除
https://www.nta.go.jp/m/taxanswer/1180.htm

 

 

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社会保険での「扶養」とは

 

 

これまでは所得税においての「扶養」の考え方を解説してきました。次に、社会保険においての「扶養」はどんなものか、見ていきます。

 

扶養の対象は、配偶者と3親等内の親族まで

配偶者控除は対象が配偶者に限定されるのに対し、社会保険でいう扶養は配偶者と3親等内の親族まで対象範囲が広がります。しかし、所得税と比較すると生計を一にしている実態のほうが優先されることから、内縁関係の配偶者や、亡くなった内縁関係の配偶者の父母や子どもも扶養の対象とすることができます。

 

ただし、内縁関係の配偶者を扶養にする場合は、配偶者それぞれの戸籍謄本、また世帯全員の確認ができる住民票の提出が必要となります。

 

年齢は75歳未満まで

社会保険の扶養には年齢制限が設けられていて、75歳未満の者が対象です。これは、75歳以上になると後期高齢者医療制度によって、75歳以上の対象者自身で健康保険に入らなければならないことによります。

 

同居の有無について

配偶者の他、子や弟妹、父母、祖父母までは同居・別居に関わらず扶養の対象とすることができます。ただし、それ以外の3親等内の親族に関しては同居が条件です。また、兄姉についても同居の要件がありますので、注意してください。

 

「130万円の壁」と「106万円の壁」について

所得税の扶養が150万円の壁とするならば、社会保険はいわゆる130万円の壁と106万円の壁が立ちはだかるといえます。

 

「130万円の壁」とは

社会保険(年金や健康保険)では、一定の年収以下であれば配偶者の被扶養者となることができます。その額こそが、年収130万円。それを超えると夫の扶養から外れ、自分で健康保険に入らなければなりません。国民年金も同じように、年収130万円超では国民年金保険料を支払う必要が出てきます。

 

社会保険料の負担額は収入の約15%近くにものぼりますから、パート主婦(主夫)たちがこぞって年収130万円以下に抑えようと調整するのはこのためなのです。

 

「106万円の壁」とは

2016年10月から「短時間労働者に対する被用者保険の運用拡大」として、年収130万円の壁以前に106万円の壁も出来上がりました。社会保険の加入要件はこれまで週の労働時間を基準とされていましたが、法改正によりこれに106万円という年収についても追加された形となります。

 

これによって「勤務時間が週20時間以上」「1カ月の賃金が8.8万円以上」「勤務期間が1年以上の見込み」「勤務先の従業員が501人以上」以上の要件を盛り込んだのが、106万円の壁の実態です。

 

以上の条件に合致すると問答無用で社会保険に加入する必要が出てくるため、扶養に入るか否かという問題ではなくなります。

 

参考:厚生労働省| 短時間労働者に対する被用者保険の運用拡大
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000099460.pdf

 

結婚後に扶養に入った方が本当に得なの?

 

 

結婚後、扶養に入るか否かについては自身のワークスタイルと、その価値観によって選択すべきです。どうしても負担が軽減される方法を模索しがちですが、何を重視するかによって、その選択は様変わりします。

 

所得税の控除と社会保険の二つの壁を両方から考える

ご紹介したように、扶養には所得税の壁と社会保険の壁の2つが存在します。配偶者控除と配偶者特別控除においては、控除額は段階的な引き下げになることから税負担が急激に増えるわけではないため、あまり神経質になる必要はないでしょう。一方の社会保険は、負担額が収入の約15%という割合から、世帯年収に大きな影響を与えます。

 

扶養を外れて社会保険に入ると手取りが少ない可能性も

もし扶養を外れて、自分で厚生年金や健康保険に加入したとした場合、保険料の負担はその分大きくなります。手取り収入においては、税金より社会保険の壁をより意識すべきです。そのことから、今後はおもに年収130万円(場合によっては年収106万円)の壁に注意しながら、働き方について考えると良いでしょう。

 

社会保険に入るメリットは将来余裕が出来ること

130万円の壁を超えて、自ら社会保険に入ったとするなら、保険料を支払うばかりで損をするのかというと決してそうではありません。確かに今現在では世帯年収を圧迫する要因にはなり得ますが、将来の自分への投資と思うと、それは決して苦にはならないはずです。

 

社会保険の扶養を外れて働くと、将来的に厚生年金を受給できることが最大のメリットです。ざっくりとした計算ですが、年収130万円で厚生年金に20年間加入したと仮定すると、将来的に年間約14万円の厚生年金を受け取ることができます。

 

国民年金に扶養の制度はない

国民年金には、そもそも扶養といった概念が存在しません。国民年金は加入義務を満たす人が個別に加入する保険ですので、扶養する、扶養されるといった関係が成り立たないからです。

 

収入面の損得だけでは決められない

このように、収入面の損得だけで考えると社会保険の壁を意識した年収130万円未満で扶養に入るのが最もお得ですが、将来的な厚生年金の受給などの付加価値もあれば、仕事に一生懸命取り組むことによって心身共に健やかな生活を送れる側面もあることから、一概に正解について言及できません。

 

扶養に入るかどうかは、最終的にはあなたと家族の気持ち次第です。今後のライフプランについて、ぜひじっくりと話し合って、決めてみてください。

 

 

所得税と社会保険での「扶養」の定義の違いを理解しよう

 

いかがでしたか。扶養には所得税と社会保険の2つの定義があること、またそれぞれに年収150万円、年収130万円の壁が存在することについて、理解いただけたのではないかと思います。

 

所得と給与収入の違いや、要件の違い、また法改正によってさらに複雑化を極めているように感じますが、よく理解すれば筋の通ったシンプルなしくみです。今後のライフプランの見直しに、ぜひお役立てください。

 

監修者:添田 裕美(税理士)

 

 

 

 

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