日頃から毎月コツコツと貯蓄をしてきても、それだけでは目標貯金額にも足りず、お金を別に用意しなければならないことが多々あります。そんな時に使い道を限定することなく多額の融資を受けられればこれに越したことはありません。

不動産担保ローンは、自宅や土地を担保に入れることによって金融機関から低金利でかつ多額の融資を受けることが可能な商品です。

この記事では、使い勝手の良い不動産担保ローンの概要について詳しく解説しますので、ぜひご参考にしてください。

不動産担保ローンの基礎知識と特徴

まず、不動産担保ローンの概略についてご説明をいたします。

そもそも不動産担保ローンとは?

住宅ローンや自動車ローンは目的が定まった資金使途にしか利用ができませんが、不動産担保ローンはもっと自由な使い方を可能にします。このローンの種類は、大まかに分けると「事業性資金」と「それ以外のローン」になります。

事業性資金に利用できるローンとは?

事業主専用の不動産担保ローンは、法人または個人の経営者(事業主)に対して、事業性資金として融資を行います。

運転資金・仕入れ資金・設備投資・開業資金・給与の支払い・融資の返済(他社の借入の返済実績をつくるためを含む)・納税資金・つなぎ資金などさまざまな使途に利用できます。

事業性資金以外に利用できるローンとは?

最も個人向けの不動産担保ローンは、事業性資金以外のあらゆる資金使途に利用できます。

つまり、海外旅行や生活費・リフォーム代金・マイカーの購入・葬儀代金・相続関連の支払い・教育資金・高額医療費・ローンの借り換えなどさまざまな使い方を可能とします。

不動産担保ローンの特徴とは

不動産担保ローンは、自宅や所有地などの不動産を抵当に入れる必要はありますが、担保として認められれば金融機関から比較的有利な融資を受けることができます。

つまり、不動産を担保に入れますので、無担保では難しい多額の融資を低金利で受けられる訳です。また、審査も比較的通りやすいのもすぐれた特徴です。次にその特徴について、ポイントを詳しくご説明いたします。

何と言っても金利が比較的に低い!

このローンは、貸し手にとっては不動産に抵当権を設定することで、貸し倒れのリスクを比較的小さく抑えられます。そのため、無担保ローンと比べると貸付金利は、1.0~10%程度などと低めに設定されています。

不動産担保ローンは、銀行の他ノンバンクでも利用できますが、一般的にノンバンクより資金力で勝る銀行のほうが、金利が低く設定されています。

また銀行では金利は通常、固定金利および変動金利を選択できますが、ノンバンクでは変動金利を選択できない場合もありますので事前に確認しましょう。

いわゆる不動産担保ローンは、低金利であると同時に長期間にわたって多額の金額の借入が可能ですので、新規の借り入れだけでなくローンの「借り換え」や「おまとめ」にも最適な商品です。

つまり、「借り換え」により借入金額を少なくし、「おまとめ」によりローンを一本化するなど借り入れ金の自己管理を容易にできます。

ただし、不動産担保ローンを新たに組み直さなければなりませんので、事務手数料や登記などの諸費用が掛かることを念頭にいれておく必要があるでしょう。

借入金額がそこそこ大きい!

不動産担保ローンで、借入金が返済不能になるなどで、金融機関が貸付金を回収できないと判断した場合には対象担保物件を売却して貸付金を回収することも容易です。

それゆえに、金融機関は通常よりも大きな金額を貸付してくれる訳です。カードローンでは通常500万円程度が借入の限度額(枠)となりますが、不動産担保ローンでは、当該担保物件の不動産評価額の7割前後までの借り入れも可能です。

そこそこ高額な買い物・既存借り入れ金のおまとめなど多額の資金需要にはとても便利な商品です。

例えば4,000万円の不動産評価額の住宅のケースでは、2,800万円程度お借り入れが可能です。

そもそも貸金業法では、個人の場合、借入総額は年収の3分の1までという総量規制がネックですが、不動産担保ローンはこの規制からは対象外とされています。

借入期間も長期での設定が可能!

通常、無担保カードローンの返済期間は短いものが多いので、生活を切り詰めながら無理して返済しなければならない方もいるのではないでしょうか。

しかしながら、不動産担保ローンですと、10年や20年、30年という長いスパンでの借り入れが可能となります。

つまり、長期間で融資を受けられる事で、月々の返済金額がほどほど低減しますので、比較的楽に毎月の返済をすることができる商品と言えるでしょう。

家族等が所有する不動産でも担保に提供が可能!

不動産担保ローンで担保に入れられるのは、本人名義の不動産だけでもなくご家族や親族名義の不動産を抵当に入れて融資を受けることも可能です。

ご自身が所有する土地や建物では必要な資金を借り入れることができないときには、不動産担保ローンをそこそこ便利に利用できます。

不動産の担保として対象となる範囲は、配偶者や両親・お子さんだけでなく、三親等の親族までが所有するものであれば借り入れが可能な金融機関もあります。

しかし、原則として担保提供者は連帯保証人(債権者から債務者より先に請求されても拒めない)になる必要があり、融資実行の際には同席を必要とされます。

返済不能となった場合には、連帯保証人にも相当な迷惑がかかりますので、ご自分が返済可能な金額を借り入れるようにすることが賢明です。

保証人が不要も

高額のローンを組む場合には、一般的に保証人を立てなければならないことが多いですが、ご自分の保有する不動産を担保とする不動産担保ローンはご自分の所有する不動産を抵当に入れるため、原則として保証人をお願いする必要ありません。

しかしながら、希望する融資額に届かないような場合には、保証人を立てなければならない場合も起こります。

なお、保証人不要の場合でも保証会社の保証を受ける必要があり、その保証料は借入利率に含まれていたり、金融機関が支払っていたりする場合もあります。

登録費用などの諸費用がかる

ここまでご説明してきた通り不動産担保ローンにはさまざまなメリットがありますが、その反面デメリットもあります。

通常カードローンを利用する場合、基本的に利子以外に費用は掛かかることはありませんが、不動産担保ローンでは契約時に「事務手数料や印紙代・不動産鑑定費用・司法書士への報酬(手数料)・抵当権・火災保険料・登記費用」などの諸費用の負担がある程度必要となります。

一般的には不動産担保ローンの諸費用は数10万ぐらいが必要になってきますので、少ない借り入れ額の場合にはむしろ無担保カードローンの方が返済総額を少なくできたということもあり得ます。

また「1つの既存ローンの借り換え」や「複数の既存借り入れ分のおまとめ」を利用する場合にも、新たに当該ローンを組まなければなりません。この場合でも上記のような諸費用が掛かりますので注意しましょう。

融資までには時間がかかる

手っ取り早くノンバンクで無担保カードローンを利用するときには、即日審査で即日融資ということもあります。

しかし、不動産担保ローンでは、担保不動産の価値を審査する必要がありますので、融資を実行するまでに1カ月程度の時間がかかります。

またカード型で一度限度額を設定すると繰り返しの利用が可能ですので手間はかかりますが便利に使用できます。

もちろん、無担保型と同じく収入が減少するケースでは繰り返しの利用が出来ないことも起こりますので注意しましょう。

不動産担保ローンの審査項目とは?

それでは、不動産担保ローンを利用する場合に、どのような項目について審査が行われるのかを見て行きましょう。

1:不動産担保における担保価値の審査基準とは

不動産担保ローンは不動産を抵当に入れて融資金の借り入れを受けますので、物件の価値が最も大きな審査上のポイントになります。

この場合、借り入れ希望額が不動産の価値より大き過ぎないのかどうか、他の融資の担保(優先弁済の順位は?)に入っていないか、返済が滞った場合に売却することで回収が可能なのかなどの点を審査する訳です。

一般的には不動産評価額の6~7割程度が融資の上限金額になります。また道路に接していない物件や災害の可能性が大きい土地などは万一の場合には売却が難しい、もしくは手間がかかるなどで、担保にならない場合があります。

2:融資を受ける方の信用力も大切

担保があってもやはり融資を受ける方の返済能力や信用力なども重要で、これについても厳しく審査されます。

会社情報や収入状況なども

お勤め先が上場企業であるか、社会的に認められる会社であるかなど会社情報なども審査のポイントになります。

また雇用形態が正社員の場合は評価が高い訳ですが、アルバイトは一般的に低くなる傾向にあると言えます。

勤続5年などある程度継続した勤続年数があり、かつ収入が一定していれば、収入が安定しているとみられ評価は高くなるでしょう。ただし、一時的な多額の収入があったとしても継続性のない収入のケースはNGです。

過去のクレジット利用履歴にも注意?

現在借り入れをしているローンの残高(限度額)が多すぎないか、奨学金・ローンの返済が滞ったことがないかなどクレジットの利用状況についても必ず審査を行います。

携帯料金に分割払い分がある場合の滞納は信用情報機関に登録されますので要注意です。

こうした返済に問題が無いケースでは、住宅ローンなどの借り入れ残高が残っていても、ローンの申込金額が相応の高額でもなければローンを組む信用力があると見られ問題とならないかも知れません。

公共料金の支払いは問題となりません。一見、税金の支払い状況についても同じように見えます。

ただし、納税証明書の提出を求められるのは、別途返済の手段があり今回のローンの目的が滞納による納税資金と説明できれば別ですが、万一の場合には租税債権の効力が優先するなど貸し手のリスクが大きくなりますので、諸税の滞納には注意が必要です。

もちろん、延滞により差異押さえなどがあれば信用情報機関に登録されますので尚更です。

さらに、税金などのクレジットカード払いでの滞納でも登録をされますのでこちらも禁物です。このように担保物件に問題はないかは厳しく審査をされていると言えます。

3:金融機関側のリスクとは

不動産担保ローンでは、不動産の担保価値はもちろん個人の信用力を重点的に審査しますが、金融機関ではさらに「掛目」ということを重視しています。

審査の結果を持ってそのままの評価価値で貸付をしたのでは、貸し手である金融機関にとっても大きなリスクが残るからです。

不動産というものは、災害や経済状況による不動産価値の下落リスクが常にあります。

そこで金融機関では「掛目」という一定の比率をかけて融資することになります。「掛目」は金融機関によって若干異なりますが、銀行で70%程度、ノンバンクで70~100%程度が相場です。

例えば契約者が居住する場合の住宅ローンでも3割程度の頭金が必要なケースが多いのもこの為です。

不動産担保ローンの申請方法!~融資までの流れ

次に、融資までの流れについて詳しく解説をします。不動産担保ローンでは、申請から融資実行までノンバンクでも1週間程度の待ち時間が必要ですが、銀行では1カ月程度ぐらいかかります。

不動産担保ローンに必要な書類とは

不動産担保ローンでは、「本人確認書類、収入関連書類、担保物件関連書類」などが必要書類になります。

・本人確認書類としては「運転免許証・パスポート・健康保険証・マイナンバーカード」などが有効。また、公共料金の領収書など補助書類が必要となるケースもあります。

・収入関連書類としては源泉徴収票など。また、課税証明書などが必要なケースも。

・担保物件関連書類としては「不動産登記簿謄本(不動産登記事項証明書)・公図・地積測量図・建物図面」など。

・税金の支払いを証明するものとして納税証明書(税務署)または固定資産税納付書(市町村役場)。

・既存の借入がある場合は「借入金返済予定表・借入金残高証明書・償還予定表」も必要です(おまとめ借入の利用の他、担保不動産に第一順位で公庫などの抵当権が設定されているケースなど)。

・固定資産評価証明書(市町村役場)・建築確認通知書(市町村役場)

手順1:最初にローンの相談をする

ご利用になる金融機関にもよりますが相談をする方法としては「来店・訪問・電話・ファックス・ホームページ」からの申し込みフォームなどがあります(ご相談のみも可能)。

手順2:次に仮申請をする

仮申し込みをする際でも、「担保として差し入れる不動産の情報や借り入れ希望金額・資金の使途」についての情報が必要です。

金融機関では、提供された情報をもとに仮審査を行います。

仮申請は、あくまで不動産担保ローンに申し込みが可能かどうかを判定するもので、申し込みをしてから早ければ即日、遅くとも数日中には回答されます(お急ぎのケースなど手順1と2は同時も可能)。

手順3:本申請をする

通常、金融機関の店頭を訪れて本申請をしますが、郵送が可能なところや金融機関の担当者が訪問してくれる場合もあります(ケースにより提出する不動産の資料や収入証明、本人確認書類が異なります)。

手順4:審査結果を待つ

金融機関では独自の審査基準に基づき、 担保不動産の評価並びにご本人の返済能力の有無について審査を行います。

また必ず信用情報機関に過去の借り入れ履歴などの信用照会をします。融資が可能と判断されれば、通常1週間以内に回答(可の場合は融資可能金額・融資利率などが通知)されます。

手順5:最後に契約を交わすと融資が実行される

金融機関の店舗を訪れ、金銭消費契約書を交わします(印鑑証明書・実印・印紙代金・登記費用・融資事務取扱手数料など必要)。

契約の際には、不動産担保ローン契約の説明などもありますのである程度時間を必要とします。

抵当権の設定(司法書士が代行)が終われば、指定した金融機関の口座に振り込みが行われます。

なお金融機関に立て替えた費用があれば、掛かった費用が差し引かれて振り込まれます。

融資までの期間としては1カ月ほどの見込み

ノンバンクの中には融資までの期間が銀行と比べて短いところもありますが、一般的には1カ月程の時間を必要とします。

個人向けおすすめの不動産担保ローン3選

借りやすいノンバンクは、その分銀行よりも金利が高めの場合が多いのですが、審査が緩やかで早いことがメリットです。

また、借り入れる金融機関を選択する理由としては「低金利であること・希望金額の借入が可能なこと・審査が通りやすいこと」の3点を押さえ融資期間など自分のニーズにあったローンを見つけられると良いでしょう。

次におすすめの不動産担保ローンを今回は3つ選んでご紹介いたします。

①SBIエステートファイナンスの不動産担保ローン

さまざまなオンライン金融サービスを手掛けるSBI グループの一員で、特に首都圏に特化した不動産担保ローン会社としてのノウハウを豊富に持っています。

・築古不動産や2番抵当の不動産でも担保に可能

・審査が早く最短3日で融資が可能

・相談から融資まで専属担当者(ワンストップサービス)が受け持ち
一例:長期ローン(詳細はSBIエステートファイナンスのHPでご確認下さい)

 融資 年率  変動金利2.90%~9.50%※(実質15%以下)
  融資可能額  300万円以上5億円(最大)以内
 返済回数(取扱年数)  12回~300回(1年~25年)
 融資事務取扱手数料  融資金額の2.16%~2.70%(税込)
 取扱地域  1都3県「東京都・神奈川県・埼玉県・千葉」

※(変動金利は年2回見直し)

出典:【公式】不動産担保ローンならSBIエステートファイナンス
https://www.sbi-efinance.co.jp/

②東京スター銀行のスター不動産担保ローン

・全国の店舗で相談ができる

・本人以外の名義不動産でも担保に可能

・繰り上げ返済手数料も無料

・団体生命保険などの加入も可能

・インターネットで申し込みが可能
(詳細は東京スター銀行のHPでご確認下さい)

金利選択可  変動:0.90%~8.40%、固定:1.30%~9.05%
 融資可能額 100万円以上1億円(最大)以内
 返済回数(取扱年数) 12回~240回(1年~20年)
 融資事務取扱手数料 融資金額の2.16%(税込)上限648,000円(税込)
 取扱地域 全国主要都市に支店店舗

出典:不動産担保ローン | 東京スター銀行
https://www.tokyostarbank.co.jp/products/loan/mortgage_collateral/index.html

③つばさコーポレーションの不動産活用ローン

・最長30年の長期融資期間での借り入れが可能

・借り換えや第2順位以下でも融資が可能

金利 固定金利:5.7%~15%(実質15%以下)
 融資可能額 上限は定めていない
 返済回数(取扱年数) 1回~360回(最長30年)
 融資事務取扱手数料 0%~5.0%(契約により変動)
 取扱地域 全国主要都市に支店店舗

出典:不動産担保ローン・担保融資のご相談ならつばさコーポレーション
http://www.tsubasa-c.jp/

まとめ

今回ご紹介しました不動産担保ローンは、不動産を抵当に入れますので、「多額の借り入れが可能・資金の使途も自由・しかも低金利」と3つの利点が目を引きます。

つまり、不動産をお持ちの方には使い勝手のよいローンです。また、団体生命保険への加入のしくみがあったり、建物の場合は火災保険が未加入のケースでは加入が必要な場合もあり、このあたりは契約をする前に確認しましょう。

しかしこうしたメリットが多い反面、不本意に不動産を失うなど思わぬリスクもあるのがこのローンです。限度額いっぱいの借り入れなどで借り過ぎることなく、毎月の返済にも余裕のあるローンの組み方をする必要があるのではないでしょうか。

監修者:木村 正人(ファイナンシャルプランナー)