ご自身の両親や兄弟等が亡くなった時に借金をしていて、それを引き継がなければならない状況になった時、借金を相続したくないこともあります。その際に使われるのが「相続放棄」です。親や兄弟の借金の相続は自分だけの問題ではなく、ご自身の子どもまでに影響する場合もあります。

そこで、この記事では相続放棄の手続きに必要な書類と書き方についてご紹介します。ご自身や子どもに将来負担になる借金等がある場合は、知識として必ず相続放棄の方法を把握しておきましょう。

相続放棄の手続きに必要な書類

この章では、相続放棄手続きに必要な書類をご紹介します。いざという時のために、必ず覚えておきましょう。

相続放棄申述書を入手する

相続放棄をするためには、まず相続放棄申述書を提出する必要があります。相続放棄申述書は、20歳未満と20歳以上で書類の書き方が若干異なりますので、以下のURLを参考に書いてみてください。

裁判所 記入例(相続放棄(20歳未満)): http://www.courts.go.jp/vcms_lf/7428souzokuhouki-miseinen.pdf

裁判所 記入例(相続放棄(20歳以上)):http://www.courts.go.jp/vcms_lf/7427souzokuhouki-seizin.pdf

相続放棄申述書はこちらからダウンロードできます。

裁判所 相続放棄申述書
http://www.courts.go.jp/vcms_lf/10m-souzokuhouki.pdf

なお、パソコンからダウンロードできない場合は、家庭裁判所に相続放棄申述書がありますので家庭裁判所へ行ってもらってきましょう。

参考:相続の放棄の申述
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_kazi/kazi_06_13/index.html

被相続人の住民票除票か、戸籍附票を取得する

次に、被相続人の住民票除票か戸籍附票を取得しましょう。住民票除票は、その方が住んでいたところで、戸籍附票は本籍地であったところで取得可能です。

参考:相続の放棄の申述
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_kazi/kazi_06_13/index.html

相続を放棄する申述人の戸籍謄本を取得する

次に、相続放棄を行う申述人の戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)を準備しましょう。戸籍謄本も本籍地で取得できます。

参考:相続の放棄の申述
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_kazi/kazi_06_13/index.html

その他の必要書類について

あとは、申述人と被相続人との関係によって、必要とされる書類が変わってきます。

基本的には、

自分が相続放棄をする資格があることを示す戸籍全部事項証明書、戸籍謄本、除斥謄本、改製原戸籍謄本等を要求されることになります。

これは、

・申述人と被相続人との関係、被相続人の死亡が分かるもの(被相続人の死亡の記載のある除斥謄本等)

・前の順位の者が死亡していることが分かるもの(その者の死亡の記載のある除斥謄本等)

の2種類に分けることができます。

そして、順位が後ろになるにつれ、前の順位の者が多くなっていくわけですから、用意する除斥謄本等が多くなっていきます。

出典元:相続の放棄の申述
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_kazi/kazi_06_13/index.html

相続放棄の手続きにかかる費用について

次に、相続放棄の手続きにかかる費用についてご紹介します。相続放棄は無料で行うことはできませんので、しっかりとお金を準備しておきましょう。

収入印紙

収入印紙は申述人1人につき、1枚=800円かかります。申述人の数だけ必要ですので、複数人申述する場合はお金を準備しておきましょう。収入印紙は、コンビニや郵便局、市役所等で購入することができますが、裁判所でも売っていることが多いので、申述する際に購入することも多いです。

参考元:相続の放棄の申述
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_kazi/kazi_06_13/index.html

郵便切手

連絡用の郵便切手が必要となります。状況に応じて要求される種類や金額が異なりますので、申述書類を提出する家庭裁判所に確認をしておきましょう。(なお,各裁判所のウェブサイトの「裁判手続を利用する方へ:http://www.courts.go.jp/map_list/index.html」中に掲載されている場合もあります。) 

参考元:相続の放棄の申述
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_kazi/kazi_06_13/index.html

相続放棄の書類の書き方について

ここでは、相続放棄の書類の書き方についてご説明します。相続放棄の必要な書類を揃えた後に書くようにしましょう。

相続放棄申述書を家庭裁判所で入手する

先ほどもご紹介しましたが、家庭裁判所で相続放棄申述書をもらいに行きましょう。裁判所のホームページからダウンロードも出来るので、家にパソコンとプリンターがある方はダウンロードをして印刷しましょう。

裁判所 相続放棄申述書
http://www.courts.go.jp/vcms_lf/10m-souzokuhouki.pdf

書類の提出先の宛名(裁判所の名前)を書く

書類の提出先の裁判所名を書いておきましょう。被相続人の最後の住所地を管轄する裁判所となります。管轄裁判所については、以下のURLから調べることができます。

管轄裁判所を調べたい方はこちら
http://www.courts.go.jp/saiban/kankatu/index.html

申述人(相続を放棄する人)の名前を書く

次に、申述人(相続を放棄する人)の名前を書きましょう。裁判所で用意された申述書は1名用ですので、複数いる場合は申述書を複数用意した方が無難です。また、申述人が20歳未満の場合は、法定代理人の名前を記入することとなります。

裁判所 記入例(相続放棄(20歳未満))
http://www.courts.go.jp/vcms_lf/7428souzokuhouki-miseinen.pdf

相続放棄の理由を書く

理由によって申述の受理結果が変わるわけではありませんが、裁判所の申述書には、以下のような選択肢があります。

管轄裁判所を調べたい方はこちら
http://www.courts.go.jp/saiban/kankatu/index.html

申述人(相続を放棄する人)の名前を書く

次に、申述人(相続を放棄する人)の名前を書きましょう。連名での提出はできませんので、複数人が申述書を提出する場合は、必ず1人1枚申述書を記入する必要があります。また、申述人が20歳未満の場合は、法定代理人の名前を記入することとなります。

裁判所 記入例(相続放棄(20歳未満))
http://www.courts.go.jp/vcms_lf/7428souzokuhouki-miseinen.pdf

相続放棄の理由を書く

理由によって申述の受理結果が変わるわけではありませんが、裁判所の申述書には、以下のような選択肢があります。

1.相続人から生前に贈与を受けている

2.生活が安定している

3.遺産が少ない

4.遺産を分散させたくない

5.債務超過のため

6.その他

があります。該当する部分を〇(丸)で囲みましょう。

参考元:記入例(相続放棄(20歳以上))
http://www.courts.go.jp/vcms_lf/7427souzokuhouki-seizin.pdf

相続財産(資産や負債)を記入

次に、相続財産(資産や負債)を記入しましょう。「相続財産の概略」という欄があります。相続財産の概略に書く内容は以下のとおりです。

・農地 約   平方メートル

・山林 約   平方メートル

・宅地 約   平方メートル

・建物 約   平方メートル

・現金、預貯金 約  万円

・有価証券 約  万円

該当しているものに、記入をしましょう。また、その下に、負債を記入する欄もありますので、忘れずに記入するようにしましょう。

参考元:記入例(相続放棄(20歳以上))
http://www.courts.go.jp/vcms_lf/7427souzokuhouki-seizin.pdf

印鑑を押す

最後に、書類を記入し終え、間違いがないことを確認したら印鑑を押しましょう。実印である必要は必ずしもありません。

相続放棄の書類の提出と、その後の流れについて

相続放棄の書類を提出する時と、その後の流れについてご紹介します。書類を提出するだけでは、相続放棄の手続きは完了しませんので注意しておきましょう。

相続放棄の申述期間は期限が決まっている

以下、裁判所の「相続の放棄の申述」より、

申述は、民法により自己のために相続の開始があったことを知ったときからカ以内にしなければならないと定められています。

原則として3カ月内に相続放棄申述書と必要書類を準備しましょう。ただし、以下の事情があった場合は期限を延長することができます。

相続人が、自己のために相続の開始があったことを知ったときから3カ月以内に相続財産の状況を調査してもなお、相続を承認するか放棄するかを判断する資料が得られない場合には、相続の承認又は放棄の期間の伸長の申立てにより、家庭裁判所はその期間を伸ばすことができます。

出典元:相続の放棄の申述
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_kazi/kazi_06_13/index.html

家庭裁判所へ書類を提出

相続放棄申述書と必要書類が準備できたら、管轄裁判所へ提出しに行きましょう。管轄裁判所は以下のURLから調べることができます。

管轄裁判所
http://www.courts.go.jp/saiban/kankatu/index.html

家庭裁判所から届く、相続放棄の照会書に記入して返送

相続放棄申述書と必要書類を提出した後、家庭裁判所から「相続放棄の照会書」というものが送られてきます。こちらは、大津家庭裁判所の照会書になります。参考までにご確認ください。

相続放棄・限定承認の有無の照会手続(大津家庭裁判所)
http://www.courts.go.jp/otsu/saiban/kateisaibannsyo/l4/index.html

照会書には必要な添付書類が記入されていますので、照会書が届いたら速やかに準備しましょう。

相続放棄申述受理通知書が届けば、相続放棄の手続きは完了

照会書と、必要な添付書類を提出し、家庭裁判所から相続放棄申述受理通知書が届けば相続放棄の手続きは完了となります。

相続放棄の証明が必要な時は

相続放棄には証明が必要な場合があります。その時は、以下のような手順を踏むようにしましょう。

不動産の相続登記などで証明が必要になる

不動産の相続登記等で証明が必要となる場合があります。その時は、家庭裁判所に行き、相続放棄申述受理証明書を発行しに行きましょう。

出典元:相続の放棄の申述
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_kazi/kazi_06_13/index.html

家庭裁判所に、相続放棄申述受理証明書を申請する

家庭裁判所に備付けの申請用紙がありますので,申請用紙に必要事項を記入して相続放棄申述受理証明書の発行申請を行いましょう。

出典元:相続の放棄の申述
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_kazi/kazi_06_13/index.html

申請の際に必要な書類と持ち物

申請用紙1件につき150円分の収入印紙、郵送の場合は返信用の切手を添えて、受理をした家庭裁判所に申請しましょう。直接、受理した家庭裁判所まで申請する場合は、印鑑及び受理通知書や運転免許証などの本人を確認することができるものを必ず持参しましょう。

引用元:相続の放棄の申述
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_kazi/kazi_06_13/index.html

自分の立場にあった書類を用意し、期限内に申述しよう

申述期間である3カ月というのは人が亡くなった後のバタバタの中で非常に短い期間といえますので、書類の取り寄せを含め余裕をもった対応が重要です。

監修者:神尾 尊礼(弁護士)