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M life 記事

お金 2018.10.2

【FP監修】教えて!個人年金保険を積立するメリットとデメリット

 

個人年金保険で年金を積立する方法は、老後の資金確保の手段として根強い人気があります。定期預金より利率が良い、他の金融商品より安全だ、と考えている方も少なくありません。

 

また、公的年金だけでは退職後の支出をカバーできないと不安を抱える方にとって、個人年金保険は魅力あるものに映ります。本当に安心・安全でメリットの多い保険なのでしょうか。デメリットは全くないのでしょうか。

 

個人年金保険とは?それぞれの特徴や種類

 

 

個人年金保険は、文字通り「個人年金」として老後の生活費を補うのが、機能の中心となります。また、「保険」として、残された家族の生活をある程度保障する面の両方を備えています。ただ、公的年金や終身保険とは異なる個人年金保険ならではの特徴もあります。

 

個人年金保険の仕組み

個人年金保険は、積立預金のように一定額を保険料として支払い、契約時に決めた払込み期間が終了したのち、積み立てた原資を「年金」として受け取ります。

 

支払いが始まるまでに、一定期間置く場合もあります。保険料は保険会社が運用しますが、運用方法は、比較的安全な資産に投資をするものから運用次第で受取り額が大きく変動するものまで、さまざまです。

 

個人年金保険の積立金額の平均は月1万6750円が平均

2018年の生命保険文化センターの調査結果によれば、個人年金保険の積立金額は、月平均1万6750円となっていて、前回調査より1800円ほど毎月の積立額が増えています。毎月貯蓄できる金額の一部を個人年金保険に充てているようですね。

 

【参考】生命保険文化センター 平成30年度 生命保険に関する全国実態調査<速報版>

 http://www.jili.or.jp/press/2018/pdf/h30_zenkoku.pdf

 

期間は10〜30年

保険料払込み期間は、おおむね10年~30年です。毎月一定額を長い期間に渡って積立てるので、加入する際に、生涯のライフプランを立ててみるのも良いですね。個人年金保険は40代に入ると世帯加入率が20%を超えることから、40代から老後の資金について真剣に考え始めることがうかがえます。

 

受取開始の年齢は60歳か65歳で設定している方が半数以上を占め、受取期間は10年が約4割と最も多いです。また人生90年時代を意識してか、70歳以降に受け取りを開始する人が過去最高の10%以上となっていることや、終身の受け取りを希望する人も過去最高の割合になっているのも興味深いですね。

 

(注)商品によっては、払込み期間が30年以上のものや一時払いのものもあります。

 

個人年金保険の5つの種類

個人年金保険は大きく分けると、加入時に受取額が決まっている定額型と、運用次第で受取額が比較的大きく変動する変額型があります。支払う保険料と受取る年金額がわかっている定額型は、わかりやすく安心感があるため一定の人気があります。さらに細かく分けると、個人年金保険は全部で5種類あります。

 

確定年金

5年、10年、15年というように、あらかじめ年金を受取る期間が決められているのが、確定年金です。個人年金保険の最もメジャーな商品です。たとえば、60歳から受取りを開始し、公的年金の受取りが始まる65歳までの生活資金を補う、といった使われ方をすることもあります。

 

多くの契約は、年金受取り期間に亡くなった場合、遺族の方が残りの期間の年金を一時金または年金の形で受取るように設定されています。また、年金受取り開始前に亡くなったときには、遺族は死亡給付金を受取ることができます。ただし、契約後数年で亡くなった場合、支払った保険料よりも受取る給付金が少なくなる年金商品もあるので気をつけておきたいですね。

 

終身年金

生涯年金の受取りが続くタイプが終身年金です。保証期間付の契約にして、その期間内に亡くなった場合、遺族が一時金または年金を受取れるようにすることが可能です。生涯受取りが続くので安心感はありますが、確定年金と同程度の保険料を支払った場合、毎年の受取額は、確定年金より少なくなります。長生き社会になった現在、確定年金を選ぶか、終身年金を選ぶかは、大事なポイントになりますので、よく検討した上で加入したいものです。

 

有期年金

契約のときに決めた期間は、年金を受取ることができます。他の種類の個人年金と比較すると、保険料は安いのですが、気を付けなければならないこともあります。年金を受取っている期間内に亡くなってしまった場合、確定年金のように残りの期間分の年金を遺族が受取ることはできません。

 

払込み保険料相当額から既に受け取った年金の合計額を差し引いて、残額がある場合のみ受取ることが可能になります。ただし、年金受取開始前に亡くなった場合の死亡給付金は確定年金と同じように受取ることができます。

 

変額個人年金

運用次第で受取る年金額が変動するのが、変額個人年金です。主に投資信託で運用されています。保険料は一時払いが中心です。他の個人年金よりも、複雑な契約内容になっていますので、加入するときは、内容をよく検討する必要があります。

 

解約返戻金や年金受取り開始前に亡くなった場合の死亡給付金に最低保証はあるのか、保険契約の維持や運用にかかる費用はいくらで、毎年どのくらい差し引かれるのかなど、事前に確認しておくことをおすすめします。過去の運用利率だけを見て、受取り額を想定していると、実際には思ったほどの利益になっていないこともあり得ます。

 

外貨建て年金

変額個人年金と同様に、運用次第で年金額が変動します。保険料の払込みや保険金の受取りが外貨であることが基本です。(円による払込みや受取り可能な商品も有ります。)外貨で運用することが前提なので、為替リスクがあります。

 

最近は通常の年金保険の運用利率が下がり気味なので、各社が外貨建て年金を積極的に販売しています。

 

番外 トンチン年金

トンチン年金という言葉を聞いたことがありますか?イタリア出身のトンチンさんという銀行家が考え出した年金の仕組みです。終身年金と似ているのですが、受取り方に大きな違いがあります。年金受取り前に亡くなった場合の死亡給付金も、途中で解約した場合の返戻金も一切ありません。

 

一見、大損のようですが、大きなメリットがあります。長生きするほど、受取額が多くなるのです。通常、確定年金でも終身年金でも、亡くなった場合は遺族に一定の金額が渡りますが、トンチンではそのようなことはありません。代わりに、亡くなった方の年金原資が他の生きている方に再配分される仕組みとなっているのです。長生きした者勝ちの、少し変わった仕組みですね。

 

(日本でもトンチン型個人年金保険はありますが、内容はここで言うトンチン年金とは異なり、日本独自の仕組みになっています。)

 

個人年金保険を積立する3つのメリット

 

 

個人年金保険を積立するメリットは3つあります。貯蓄があまり得意でない方に役立つことや、税金の優遇が受けられることです。ただし、これらのメリットは、個人年金保険のみのメリットではありません。

 

自動引き落としでお金を貯めやすい

保険会社と契約することにより、保険料は通常自動引き落としとなります。ご自身の意思のみで毎月積み立てると、途中で誘惑に負けて別の事に使ってしまうことがありますよね。その点、自動引き落としなら、保険料分は最初から使えるお金として考えないので、貯めやすくなります。定期積金と同じような感覚で貯めることができるのです。

 

引き出しにくい仕組み

一部の保険を除き、一定期間保険料を納め続けることが基本になっていることと、途中解約すると、解約返戻金が払込んだ保険料より少なくなってしまう場合があるため、契約をなるべく続けようとする傾向があります。

 

「個人年金保険料控除」が受けられる

個人年金保険の全てではありませんが、個人年金保険料税制適格特約を付ければ、保険料控除の対象となり、一定の優遇が受けられます。

 

対象となる契約には4つのポイントがあります。

・年金受取人が契約者本人または配偶者であること

・年金受取人が被保険者と同じであること

・保険料払込み期間が10年以上であること

・年金支払開始日に被保険者の年齢が60歳以上であり、年金支払期間が10年以上であるという両方を満たしていること(確定年金・有期年金の場合)

 

条件を満たしていれば、年間の支払い保険料の合計が8万円超で、保険料控除額は4万円です。所得税と住民税を合わせると、契約していない場合よりも数千円~1万円程度安くなる方が多いでしょう。

 

ただし、たとえば個人型確定拠出年金(iDeCo)では、掛金が全額控除となりますので、節税の効果を見るなら、確定拠出年金の方が良いと言えます。

 

要チェック!個人年金保険を積立するデメリット

 

 

貯めやすく、税金の優遇もある個人年金保険ですが、デメリットも少なくありません。デメリットによっては、メリットを簡単に打ち消してしまうほど影響が大きいものもあり、契約には慎重さも必要となります。

 

払込期間に解約すると損をする

払込期間中に解約すると、解約返戻金は払い込んだ保険料の合計額を下回る可能性があります。損をしないためには、払込期間中に解約をしないように心がけましょう。

 

解約するのは嫌だけれど、どうしても資金が必要になったときは、契約者貸付制度を利用して、低金利で保険会社からお金を借りる方法もあります。通常、解約返戻金の8割~9割程度までは借りることができます。

 

途中で解約すると損してしまう点はデメリットではありますが、たとえば個人型確定拠出年金(iDeCo)は、原則解約ができませんから、緊急時に資金が必要になったときは、解約できることが逆にメリットにもなります。

 

ローリターン

利率が良かったときには、実質5%くらいで運用されていた個人年金保険も、いまや利率0.5%にも満たないローリターンのものがほとんどです。それでも、一般的な定期預金よりは若干良いでしょう。

 

長引く低金利政策により、銀行や保険会社は運用難が続いていることが原因と考えられます。ただ、将来どうなるかは、誰にもわかりません。個人年金保険にしても、iDeCoにしても、長期に渡って積立てるので、金利の状況もときどき見ておくことが大切ですね。

 

固定金利が不利、インフレには弱い

個人年金の良さは、分かりやすさです。いくら積立てて、いくら年金として支払われるのかが契約時にある程度わかっていることは、将来への安心感につながります。しかし、それは現在の日本の低金利の状態がずっと続くと想定してのことです。

 

もし、金利が上がって、もっと利回りの良い保険が出たり、保険以外にも良い選択肢が出てきたとき、どう選択するか、悩みどころになります。長期で低金利の固定というのはインフレに弱いので、ある程度先を見ながら慎重に契約する必要があると言えます。

 

ただ「安全」であることには変わりありませんから、資金の一部を個人年金保険に充て、残りの資金は別のもので運用するという方法も「あり」ではないでしょうか。

 

年金の受け取りによっては早死すると損をする

個人年金保険は、長期間の契約になることが多いわけで、残念ながら受取開始前に亡くなることも起こり得ます。そうなると、本人は1円も受け取っていないわけですから、大損に思えてしまうかもしれません。

 

ただ、遺族には支払った保険料に近い金額が死亡保険金として支払われることが多く、本人にはデメリットでも、残された家族には多少なりともメリットがあります。

 

生命保険会社が倒産すると影響を受ける

生命保険会社も、倒産することはあります。実際に倒産するとどうなるのでしょうか。過去の例を見ればわかります。影響を受けるのは、次の2点です。

 

・ 予定利率の引き下げ

倒産したのですから、予定していた利率で支払えなくなるのは仕方ありません。しかし利率の引き下げよりも恐ろしいことがあります。

 

・ 責任準備金の90%までしか補償されない

予定していた保険金や年金が90%まで補償されると思っている方がいますが、そうならないこともあるかもしれません。予定利率の高い商品においては、実際には90%以下になると思っておいた方が良いでしょう。

 

たとえ引き継いでくれる会社が現れたとしても、契約時のままの年金受け取りができない可能性があるかもしれない、ということは肝に銘じておきましょう。

 

個人年金保険以外に積立する方法

 

 

個人年金保険は、変額や外貨建てでなければ、おおむね安全に積立てることができます。多くの利益は望めませんが、老後の資金確保のために利用するのも悪くはないですね。ところで、個人年金保険以外には、積立てながら資金を準備するにはどんなものがあるのでしょう。

 

安定の「定期積金」

積立といえば、個人年金保険よりも、さらに安心・安全なイメージのものがあります。「定期積金」です。定期積金ならば、仮に中途解約することになっても、利率は低くなりますが元本割れすることはほぼありません。ただ、期間は長くても5年のことが多いので、満期が来たら、まとまった金額をどのように運用するのかを考えなければなりません。

 

ハイリターンを狙うなら「投資信託」

個人年金保険の大きな弱点は「インフレに弱い」ことです。これを避けるには投資信託を利用する方法があります。投資信託には、リスクとリターンの両方低い安全なものもありますが、経済成長の恩恵を受けやすい対象に投資をしているものなど、ハイリターンを狙えるものを購入することもいいでしょう。

 

毎月少額から積み立てるタイプのものも多く出ていますので、選択肢はたくさんあります。個人年金保険よりも利回りが良ければ、将来のインフレにも対応できます。ただし、投資信託は資金が減るリスクがないとは言えません。

 

投資信託と個人年金保険、投資信託と定期積金など、いろいろ組み合わせて資金を守りながら運用するのも一案です。

 

税金で得する「確定拠出年金」

個人年金保険には、税制の優遇があります。しかし、保険料控除額は最高4万円までですから、優遇による節税効果は数千円~1万円程度の方がほとんどです。

 

確定拠出年金なら、企業型確定拠出年金(DC)でも個人型確定拠出年金(iDeCo)でも、掛金は全額所得控除の対象になり、節税効果は個人年金保険よりもかなり大きく、掛金によっては、その効果は10倍、20倍になる可能性もあります。

 

掛金に対してだけでなく、運用益についても運用期間中は非課税になりますし、将来の受取り時も税制の優遇が受けられます。確定拠出年金には手数料がかかりますが、それを支払っても節税のメリットは大きいでしょう。

 

最後に

 

 

老後資金準備の1つとして考えた場合、個人年金保険は安心・安全に積立てることができ、税金の優遇策もあるので、一定のメリットはあるでしょう。

 

ただし、低金利が続く中での確定的なローリターンや、インフレに対応しづらいといったデメリットもあります。余裕資金の一部を個人年金保険に割り当てることは検討の余地がありますが、投資信託やiDeCoなど、他の方法も併用したいですね。

 

監修者:石川 智(ファイナンシャルプランナー)

 

 

 

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