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M life 記事

お金 2018.10.2

遺留分とは?兄弟姉妹は減殺請求ができない?割合と計算方法も解説

 

遺留分とは?

 

 

遺留分とは、法定相続人が最低限の遺産を相続する権利を守るための制度です。せっかく遺言を遺しても遺留分により遺言通りの財産相続ができない場合もあります。遺産相続を考えるうえで、遺す側も、遺される側も遺留分を理解しておく必要があります。

 

遺留分には時効・請求の相手方・算定方法等、法律知識も求められるため、理解しておかないと遺留分を主張できない事態に陥る場合もあります。「こんなはずじゃなかったのに・・・」とならないように制度をしっかり理解しておきましょう。

 

相続人の最低限の遺産を保障するもの

遺留分とは相続人が受け取ることができる、最低限の遺産を保証するものです。民法で法定相続割合は定められていますが、必ずしも法定相続割合通りに遺産分割する必要はありません。特定の相続人に遺す財産をゼロにすることも可能ですが、遺留分は最低限財産を相続する権利を保証するものです。遺留分の割合は相続人により異なり、兄弟姉妹には遺留分がありません。

 

遺言書によってもなくならないもの

遺留分は遺言書によってもなくなることはありません。例えば、妻と子供二人いる方が亡くなった場合、妻に全財産を遺すという内容の遺言を書いていた場合でも、子供二人が遺留分の財産相続を母親に対し主張(遺留分減殺請求をするといいます)した場合、遺留分に相当する財産を子供二人に渡す必要があるため、妻に全財産を遺すことはできません。

 

例え遺言で、一人の相続人に全財産を遺す内容の遺言を書いたとしても、遺留分減殺請求により実現しない可能性がありますので、遺留分を侵害する内容の遺言書を遺す場合は、遺留分減殺請求をされる恐れが無いか等、よく確認して作成する必要があります。

 

期限があるもの

遺留分を主張するには期限があります。 ①相続開始を知った時から1年 ②相続開始した時から10年 のいずれかが経過したときに遺留分減殺請求権は時効により消滅します。遺留分減殺請求をするかどうか迷っている方は期限があることを頭にいれておかなければなりません。

 

遺留分減殺請求ができない人とは?

全ての法定相続人が遺留分減殺請求をできるわけではありません。ではどのような人が遺留分減殺請求をできないのでしょうか。

 

兄弟姉妹

被相続人の兄弟姉妹には遺留分がありません。そのため、遺言などにより財産を1円ももらえない遺言が遺されていた場合、遺留分を主張することはできません。例えば、子供がいない夫婦の場合、相続人は配偶者と兄弟姉妹になるケースがあります。この場合、遺言によって全て配偶者に遺すという遺言を遺した場合、兄弟姉妹には遺留分が無いため、財産を相続することはできません。

 

相続放棄した人

相続放棄をした場合、相続人の地位を放棄することになります。つまり、もともと相続人ではなかったことになりますので遺留分減殺請求をすることはできません。相続放棄を希望する場合は相続開始から3カ月以内に家庭裁判所に請求する必要があります。被相続人の生前に相続放棄をすることはできません。

 

相続欠格者

「相続欠格」とは被相続人や他の相続人の生命を脅かすようなことをした場合や、脅迫により遺言を書かせてしまった場合、遺言を偽造した場合等は相続させる資格のないものとして「相続欠格者」となります。

 

「相続欠格」にあたる行為をした相続人は特段の手続き無しに、当然に法定相続人としての権利を失いますので、遺留分の権利も同時に失うことになります。相続欠格は、被相続人が亡くなった後に他の相続人が家庭裁判所に申請することもできます。

 

相続人として排除された人

「相続排除」とは被相続人に対する虐待や侮辱、著しい非行等があった場合に被相続人が生前に相続人を廃除できる制度です。「相続欠格」との大きな違いは「相続人排除」は家庭裁判所に請求する必要がある点です。

 

この申し立ては被相続人が生前か遺言書でしかすることができません。そのため、被相続人が亡くなった後に他の相続人が「あの相続人は虐待をしたから排除するべき」との主張を家庭裁判所に請求することはできません。

 

遺留分の放棄をした人

遺留分の放棄とは文字通り遺留分を放棄することです。遺留分の放棄は被相続人の亡くなる前にすることも可能です。例えば妻と子供二人がいる場合、子供は父親が亡くなる前に遺留分を放棄することができます。

 

遺留分を放棄した場合でも、相続放棄をしたわけではありませんので、遺言等で遺留分を超える範囲の財産を相続させる内容の遺言が遺されている場合には、その財産を相続することができます。

 

遺留分の放棄は家庭裁判所の審判によってはじめて効力が生じます。遺留分の放棄については他の相続人等からの圧力で行われる場合も考えられますので、家庭裁判所は「本人の意思か」、「放棄する理由に合理性があるか」等を慎重に確認します。

 

遺留分の割合

 

 

遺留分の割合は相続人の続柄等によって異なります。どのようなパターンがあるのか詳しく見てみましょう。

 

参考<https://souzoku-pro.info/columns/13/

 

配偶者のみ

法定相続人が配偶者のみの場合、法定相続分(相続人が配偶者のみの場合、相続財産全額が法定相続分)の2分の1が遺留分となります。

 

配偶者と子

配偶者と子供が二人いる場合の遺留分はそれぞれ法定相続分の2分の1となります。

配偶者:2分の1×2分の1=4分の1

子供(二人の場合):2分の1×2分の1×2分の1=8分の1

 

子のみ

子のみの場合は法定相続分の2分の1となります。法定相続人が子供二人の場合は2分の1×2分の1=4分の1が遺留分となります。

 

配偶者と父母

相続人が配偶者と父母(子供がいない)の場合の遺留分は、配偶者は相続財産の3分の1。父母は法定相続割合の2分の1となります。

配偶者:3分の1

父母:3分の1×2分の1×2分の1=12分の1

 

配偶者と兄弟姉妹

相続人が配偶者と兄弟姉妹(父母は亡くなっている)場合、配偶者の遺留分は相続財産の2分の1、兄弟姉妹には遺留分はありません。

 

遺留分の計算方法

 

 

遺留分とは、具体的にどのように計算すればよいのでしょうか。遺留分の計算方法について言及されている、民法1029条にはこのように記載されています。「遺留分は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与した財産の価額を加えた額から債務の全額を控除して、これを算定する」とあります。

 

相続開始の時において有した財産とは何を指すのか、贈与した財産はどのように算定するのか、債務(相続発生時に被相続人が有するローン等の借金)はどのように考えればよいのか。詳しく見ていきましょう。

 

参考:民法1029条
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=129AC0000000089&openerCode=1

 

被相続人が相続の時に有していた財産を確認する

まず、被相続人が相続の時に有していた財産とは積極財産のことを指します。積極財産とは預金・株式・不動産等あらゆる資産を指します。生命保険は判例では遺留分の算定には加算しないとしています。相続税の計算では小規模宅地の特例など財産を減額する税制がありますが、遺留分算定の基礎財産は各種控除をする前の財産価格をもとに遺留分の算定をします。

 

生前贈与を加算する

加算される生前贈与は大きく分けて3種類あります。

・相続開始1年前までに贈与された財産

・相続開始1年以上前に贈与された財産で、贈与者・受贈者ともに遺留分侵害となることを知っていて贈与した財産(時価1億円の土地を1,000万円で売買契約をする等、不相当に不釣り合いな金額で取引した場合も贈与とみなされる場合があります)

・特別受益(遺贈・結婚や養子縁組のための贈与、起業や住宅購入のための資金援助等) <民法1030条に記載>
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=129AC0000000089&openerCode=1

 

被相続人の借金は控除する

被相続人の相続発生時に有していた消極財産(いわゆる借金)は積極財産から差し引きます。

 

住宅ローン等の借金はもちろんのこと、未払いの租税公課(税金等)も含まれます。相続人が既に支払いを済ませていた場合でも控除の対象となります。保証債務および連帯保証債務については現在の判例では特段の事情が無い限り控除されないとしています。

 

上記をまとめると、

遺留分計算の基礎となる財産は以下のように計算します。

①相続開始時の財産+②生前贈与した財産-③相続開始時に有している債務の額

 

遺留分減殺請求の手順

 

 

請求の相手は?

遺留分減殺請求をする相手方は、遺留分を侵害している相続人や受遺者になります。誰が遺留分を侵害しているかは高度な法律知識が求められるため、不明確な場合は全ての相続人・受遺者に遺留分減殺請求をしておくほうがよいでしょう。

 

また、包括遺贈の場合には注意が必要です。包括遺贈とは長男に2分の1、長女に2分の1相続させる場合のように、財産を一定の割合で、相続させることをいいます。包括遺贈の場合は遺言執行者(遺言の内容を実現するために手続き等を行う人)にも遺留分減殺請求を行うことが必要です。

 

請求の方法は?

遺留分減殺請求をするのに特に決まった方法はありませんので、遺留分減殺請求をする意思があることを口頭で伝えてもかまいません。ただし、相手側に聞いてないと言われた場合、伝えたことを証明することが困難になりますので、確定日付の内容証明郵便を相手側に送り、伝えた日付を証明できるようにしておいた方がいいでしょう。 遺留分減殺請求を弁護士に依頼することもできます。この場合は一般的に数万円の費用がかかります。

 

請求時の注意点

①時効

時効を過ぎてしまった場合、遺留分減殺請求をしても効果はありません。時効には十分注意して遺留分減殺請求を行う必要があります。特に口頭で遺留分減殺請求する意思がある旨を表示した場合は日付があいまいとなってしまうケースが多いため注意が必要です。時効を過ぎていないことを証明するためにも確定日付の内容証明郵便で遺留分減殺請求をしたほうがよいでしょう。

 

②必ず金銭請求できるわけではない

遺留分減殺請求をすることで必ず遺留分相当分のお金がもらえると思われがちですが、当然に金銭で遺留分相当分を受け取れるわけではありません。 被相続人の保有していた財産によっては、不動産の持ち分移転請求しかできない場合があります。

 

不動産は共有になった場合、保有者全員の意思が統一できないと売却や他人に貸すことが難しくなるため、ただ固定資産税がかかるだけの不要な資産となってしまう可能性があります。不要な財産だけを引き継ぐ恐れがないかもよく検討したうえで遺留分減殺請求をしたほうがよいでしょう。

 

③遺留分減殺請求後の法定相続人間の関係も考慮しましょう

遺留分減殺請求は、する側もされる側も気持ちがいいものではありません。これまで仲の良かった兄弟も相続をきっかけに不仲になるケースも多々あります。遺留分を侵害する内容の遺言が遺されているケースは、被相続人がなんらかの意図をもって遺す場合がほとんどです。

 

代々引き継いできた土地を守る場合や、自ら立ち上げた会社を守るため、孫が多い方の子どもに多く財産を遺してやりたい等、理由は様々です。遺留分減殺請求をすることが本当にあなた自身にとって必要なことなのか、再度冷静に考えてから遺留分減殺請求はするようにしましょう。

 

相手が請求を無視した場合の対処法は?

遺留分の減殺請求をしても相手方が無視し続けた場合どのように対処すればよいのでしょうか。

 

①相手方が遺留分減殺請求の書面を受け取らない場合

相手方が、時効が過ぎることを狙って書面を受け取らないケースがあります。ただし、この場合でも相手方に書面の内容が遺留分減殺請求の意思表示であることを通知することで時効の中断となり得ますので、時効は成立しません。

 

②相手方が遺留分減殺請求の書面を受け取ったが、請求に応じてくれない場合

遺留分減殺請求の書面を受け取ったが、請求に応じてくれない場合は裁判所に調停を申し立てる必要があります。調停の申し立て自体は複雑な手続きではありませんが、相手方との交渉等は法律知識も必要になってきますので、弁護士等の専門家に相談するほうがよいでしょう。

 

まとめ

 

 

遺留分の制度や手続き方法等をご理解いただけたでしょうか。自らが関係する相続に遺留分侵害の可能性があるなら、遺留分の制度や基本的な手続きの流れは理解しておく方がよいでしょう。ただし、遺留分の計算方法や、相手方との交渉は高度な法律知識が求められるため、弁護士等の専門家に相談することをおすすめします。

 

 

 

 

 

 

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